ベテラン社員と新人社員のOracleデータベース構築検証記録(後半)

記事:山本省吾、山口正寛
ベテラン社員担当:大亀 義尚、新人社員担当:大沼勝昌

ベテラン社員をメンターに、新人社員がOracle RAC構築に挑む本コラム。記事「前半」では、ハードウェア及びOSの設定とOracle Clusterwareのインストールをレポートしました。記事「後半」では、Oracleデータベースのインストールから、いよいよ構築を完成させます。

登場人物の紹介及び、構築環境や作業スケジュールなどの事前レクチャーの確認はこちら。

18:10 Oracleデータベースのインストール(目標:1時間)

大亀:「Oracleデータベースのインストール作業です。Clusterwareが入ってしまえば、基本的にここから先の作業でつまずく事はありません」

Xアプリケーションを表示する為に、rootユーザで下記のコマンドを実行

xhost +
⇒access control disabled, clients can connect from any host

oracleユーザへスイッチし、インストーラを実行します。

su – oracle
cd /stage/database/
./runInstaller –ignoreSysPrereqs
⇒インストーラが起動

/stageはデータベースソフトウェアのイメージをコピーしてある場所。CD-ROMメディアからインストールする場合は、メディアをカレントディレクトリにしたままインストーラを起動すると、アンマウントできなくなるので注意すること。

初期画面の「次へ」を押します。

図1

大亀:「今回はStandard Editionを選択します」

所有しているライセンスに合致したEditionを選択。

図2

Oracleデータベースのインストール先を入力します。

図3

クラスタ・インストール・モードの指定
node01、node02の両方を選択します。

図4

Oracle Database 10gをOEL5、RHEL5にインストールする場合、幾つかのチェックがスキップされます。

図5

大亀:「今回はデータベース・ソフトウェアのみインストールを選択しましょう」

図6

想定どおりに全てのnodeがクラスタ構成(クラスタ・ノード)に含まれているかなど、情報をしっかり確認することが重要。

図7

root.shをrootユーザにて、全てのノードで実行します。

複数のノードで同時実行は不可。必ず1つずつ、1ノードずつ実施が必要。

図8

インストール完了です。

図9

srvctlスクリプトを修正します。これは、インストール時のままですとエラーとなるためです。【ORACLEホーム】/bin/srvctl、【CRSホーム】 /bin/srvctlの両方について、下記の3行をコメントアウトします。

cd /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/bin/
vi srvctl
⇒下記の3行をコメントアウトします。
#Remove this workaround when the bug 3937317 is fixed
#LD_ASSUME_KERNEL=2.4.19
#export LD_ASSUME_KERNEL

OEL5、RHEL5にインストールする場合のみ必要です。

cd /u01/app/oracrs/crs102/bin/
vi srvctl 
⇒下記の3行をコメントアウトします。
#Remove this workaround when the bug 3937317 is fixed
#LD_ASSUME_KERNEL=2.4.19
#export LD_ASSUME_KERNEL

次に環境変数の設定を実施します。
全てのノードで下記のファイルをoracleユーザにて追記します。

vi /home/oracle/.bash_profile 
⇒下記の内容を追記します。
export ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
export ORACLE_HOME=${ORACLE_BASE}/product/11.1.0/db
export ORA_CRS_HOME=/u01/app/oracrs/crs111
export ORACLE_SID=rac1
export PATH=${ORACLE_HOME}/bin:${ORA_CRS_HOME}/bin:${PATH}
export NLS_LANG=Japanese_Japan.AL32UTF8
export LD_LIBRARY_PATH=${ORACLE_HOME}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
umask 022

設定を反映させ、envコマンドで反映を確認します。

. /home/oracle/.bash_profile
env

ここでOracle データベースのインストール作業は完了です。

18:45 完了時刻

作業時間 35分(目標は1時間)

18:45 リスナーの構成(目標:15分)

大亀:「では、リスナーを構成する作業をこれから始めましょう」

oracleユーザにてNetCAを起動し、リスナー構成作業を実施します。

netca
⇒NetCAが起動します。

初期画面が表示されます。「クラスタ構成」を選択し「次へ」を押します。

図10

全てのノードを選択し、「次へ」を押します。

図11

リスナー構成を選択し、「次へ」を押します。

図12

追加を選択し、「次へ」を押します。

図13

大亀:「検証用ですし、リスナー名は『LISTENER』としましょう」

図14

TCPを選択し、「次へ」を押します。

図15

大亀:「ここも検証用ですし、1521のままで行きましょう」

図16

大亀:「終了ですので、いいえを選択します」

図17

NetCAでの作業は完了です。

図18

各ノードにおいて、作成されたリスナーのlistener.oraの記述を修正します。

cd $ORACLE_HOME/network/admin
vi listener.ora
⇒下記の記述のように修正します。
LISTENER =
(DESCRIPTION_LIST =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = 192.168.128.1)(PORT = 1521)(IP = FIRST))
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = node01_vip)(PORT =1521)(IP = FIRST))

ADDRESS句の順番をローカルIP→VIPの順へ変更するだけ。
NetCAで構成されたリスナーの設定ではフェールオーバー時に時間が掛かる為、Oracle Database 10gでは必須。

大亀:「ここでもう一度、CRSリソース状況の確認を実施しましょう」

crs_stat –t
⇒リスナーが追加されていることを確認
名前         型            タ?...?? 状態    ホスト   
------------------------------------------------------------
ora....01.lsnr application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora.node01.gsd application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora.node01.ons application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora.node01.vip application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora....02.lsnr application    ONLINE    ONLINE    node02      
ora.node02.gsd application    ONLINE    ONLINE    node02      
ora.node02.ons application    ONLINE    ONLINE    node02      
ora.node02.vip application    ONLINE    ONLINE    node02      

ここでリスナーの構成作業は完了です。

19:01 完了時刻

作業時間 16分(目標は15分)

19:02 ASMの構成(目標:30分)

大亀:「では、ASMを構成する作業を行います」

oracleユーザにてDBCAを起動しASMを構成します。

dbca
⇒DBCAが起動します。

初期画面が現れたら、Oracle Real Application Clustersデータベースを選択し、「次へ」を押します。

図19

大亀:「ASMの構成の作業なので、自動ストレージ管理の構成を選択しましょう」

図20

全てのノードが選択されている事を確認し、「次へ」を押します。

図21

大亀:「SYSのパスワードですが、今回は検証用ですので、ORACLEにしましょう。また、初期化パラメータファイルを選択します」

図22

ASMインスタンスを作成します。

図23

ASMディスク・グループ画面が表示されます。
「新規作成」を押します。

既存の物があれば、ここに表示される。今回は新規作成の為、まだ何も表示されていない。

図24

大亀:「ディスク・グループ名をDG1とし、raw1(20GB)のrawデバイスを選択してください」

図25

ディスク・グループ作成中です。

図26

作成された「DG1」を選択し、「完了」を押します。

図27

大亀:「ここで、もう一度CRSリソース状況を確認し、作成されたASMインスタンスを確認しましょう。oracleユーザで確認してください」

crs_stat –t
⇒各ノードにASMインスタンスがある事を確認してください。
名前         型            タ?...?? 状態    ホスト   
------------------------------------------------------------
ora....SM1.asm application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora....01.lsnr application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora.node01.gsd application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora.node01.ons application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora.node01.vip application    ONLINE    ONLINE    node01      
ora....SM2.asm application    ONLINE    ONLINE    node02      
ora....02.lsnr application    ONLINE    ONLINE    node02      
ora.node02.gsd application    ONLINE    ONLINE    node02      
ora.node02.ons application    ONLINE    ONLINE    node02      
ora.node02.vip application    ONLINE    ONLINE    node02 

ここでASMの構成作業は完了です。

19:25 完了時刻

作業時間 23分(目標は30分)

19:26 データベース・インスタンスの作成(目標:30分)

大亀:「構築作業も最後の作業となりました。最後の作業、データベース・インスタンスの作成を行いましょう」

oracleユーザにてDBCAを起動しデータベース・インスタンスを構成します。

dbca
⇒DBCAが起動します。

初期画面が現れたら、Oracle Real Application Clustersデータベースを選択し、「次へ」を押します。

図28

データベースの作成を選択します。

図29

全てのノードを選択し、「次へ」を押します。

図30

大亀:「今回は『カスタムデータベース』でインスタンスを構築しましょう」

図31

大亀:「グローバル・データベース名はORCLとしましょう」

図32

大亀:「Oracle Enterprise Managerも一緒に入れてしまいましょう。選択してください」

図33

大亀:「検証用なので、全てのアカウントに対して同じパスワードを使用しましょう。選択してください。パスワードはORACLEです」

図34

データベースの記憶域を選択します。先に作成したASMを利用する為、「自動ストレージ管理」を選択します。

図35

作成済みのディスク・グループが表示されます。DG1を選択し、「次へ」を押します。

図36

データベース・ファイルの位置を指定します。
今回はOracle Managed Fileを使用する為、「Oracle Managed Fileの使用」にチェックを入れて「次へ」を押します。

ファイルの位置を個別のディスク・グループに分散させる場合は、「全てのデータベースファイルに対して共通の位置を使用」にチェックを入れる。

図37

今回はDG1をアーカイブ・ログ先に指定します。

図38

標準データベース・コンポーネントを選択する画面では、「Enterprise Managerリポジトリ」以外のチェックを外します。

図40

メモリ関連の設定、DBブロックサイズの設定、キャラクタセットの設定、接続モードの設定などを行います。

図42

データベース記憶域の変更を実施します。
今回は何も触っていません。

図43

データベース作成のオプションを選ぶことができます。

図44

データベースの作成が完了しました。

図45

データベースが起動されます。

図46

大亀:「これで全てのOracle RAC構築作業は完了です!本来であれば、この後に様々な試験が待っていますが、構築作業としてはこれで完了です」

大沼:「どうも、ありがとうございました!」

ここでデータベース・インスタンスの作成作業は完了です。

19:48 完了時刻

作業時間 22分(目標は30分)

本日の作業時間一覧

最後に

今回構築に参加した新人社員にとってOracle RACの構築は全くの初めてでしたが、ベテラン社員の的確なアドバイスによって約9時間でOracle RACの構築を完了させる事ができました。(設計作業を全く行わず、正にOracle RACを構築するだけでしたが)
今回の構築作業に関する記事を通して、構築経験豊富な方、初めてOracle RAC構築を行う方、構築を人にレクチャーする方など、さまざまな方へ少しでもお役に立てればと思っております。
今後もご縁がありましたら、新人社員とベテラン社員の構築作業を皆様にご報告したいと思います。

▲ スケジュールに戻る

"ベテラン社員と新人社員のOracleデータベース構築検証記録" インデックスに戻る

Copyright © 2009, Oracle Corporation Japan. All rights reserved.
無断転載を禁ず

この文書はあくまでも参考資料であり、掲載されている情報は予告なしに変更されることがあります。日本オラクル社は本書の内容に関していかなる保証もいたしません。また、本書の内容に関連したいかなる損害についても責任を負いかねます。

Oracleは米国Oracle Corporationの登録商標です。文中に参照されている各製品名及びサービス名は米国Oracle Corporationの商標または登録商標です。その他の製品名及びサービス名はそれぞれの所有者の商標または登録商標の可能性があります。

山本省吾 山本 省吾(やまもと しょうご)
Oracle Master Platinum 10g Database国内第一号の内の一人。
最近ではOracle OpenWorld Tokyo 2009にて「Platinum of the Year 2009」を受賞。

山口正寛 山口 正寛(やまぐち まさひろ)
2007年新卒入社の3年目。
Oracleデータベースの案件で、運用、構築、チューニング、障害対応など様々な事を経験し、「Oracleは奥深いなー。」と常に感じている。
「Oracleは手で操作するんじゃない、ハートでやるんだ!」という言葉を合言葉に、Oracleと日々奮闘中。
案件以外では全国でOracle関連のセミナー活動も実施。