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Oracle Customer: All Nippon Airways Co., Ltd.
Location: Tokyo, Japan
Industry: Travel and Transportation
Employees: 12,848
Annual Revenue: Over $5 Billion
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Oracle Customer: All Nippon Airways Co., Ltd.
Location: Tokyo, Japan
Industry: Travel and Transportation
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Annual Revenue: Over $5 Billion
全日本空輸株式会社では、インターネット座席予約サイト「ANA SKY WEB」のシステム基盤を刷新し、2011年5月に稼動した。新システムでは、「旅割」や「スーパー旅割」といった運賃の発売時や年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期の発売時に急激に跳ね上がるアクセスへの対策として、オラクルのインメモリ・データグリッド基盤Oracle® Coherenceを導入。通常の10倍以上のアクセスに対しても利用者を待たせることなく高速レスポンスを返せるようになっただけでなく、バックエンド・システムの負荷軽減、それに伴う顧客サービスの向上も実現している。
“当社の最大の販売チャネルで、重要な顧客接点でもある「ANA SKY WEB」を支えるシステム基盤には、市場の変化やビジネスの成長に柔軟に対応できる拡張性と処理性能が求められます。これらの要件をすべて満たすOracle Coherenceを採用した結果、普段の10倍以上のアクセスが集中する発売ピーク時などにも十分耐えられるだけの性能を備えていることが実証されました”全日本空輸株式会社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チーム 主席部員 筆島 一氏
旅客数日本一を誇る全日本空輸株式会社(以下、ANA)は、世界トップ10に入る航空会社である。2011年11月からは、世界に先駆けて導入した次世代型旅客機ボーイング787を羽田-岡山および羽田-広島間で就航させる予定だ。
その同社の最大の販売チャネルが、1日平均約40万人がアクセスし、約4,090億円(2010年度)を売り上げているインターネット座席予約サイト「ANA SKY WEB」(以下、ASW)である。全日本空輸株式会社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チーム 主席部員の筆島 一氏は、「今後も成長が見込まれるだけでなく、顧客接点としてもきわめて重要なチャネルと位置づけています」と語る。
それだけに、年末年始などの繁忙期や、四半期ごとに一斉発売される「旅割」「スーパー旅割」の発売開始時には、通常の10倍以上のリクエストが集中しているという。従来は、このような大量のリクエストが発生した場合、流入制限をおこなわざるをえない状況となっていた。
以前のASWシステムでは、空席照会のたびにバックエンドであるホストに問合せをおこなっていた。このホストには空港のカウンターや旅行代理店などが使うシステムもつながっていて、ダウンは許されない。そのため、ASWからの大量リクエストに対して流入制限をせざるをえず、お客様にお待たせ画面を出すなど、「とくに発売ピーク時には、かなりの時間お待ちいただくこともありました」と、全日本空輸株式会社 IT推進室 開発推進部 国内旅客チームの近藤 貴仁氏は振り返る。
ANAがシステムインフラの刷新プロジェクトをスタートするにあたっては、このアクセス集中時の問題解消に加え、経営課題の解決も視野に入れていた。「LCC(格安航空会社)参入などにより、競争が激化しています。こうした変化に耐えられるだけでなく、今後のビジネスの成長にも対応できるシステム基盤が必要だと考えました」と筆島氏は語る。
新システムの要件としては、大きく4つのポイントが掲げられた。まず、大量のアクセスを取りこぼすことなく、高速にレスポンスを返せること。2つ目は、重要な収入基盤であるASWの処理情報を確実に更新できる信頼性の高さ。3つ目は、ビジネスの変化に合わせて迅速に対応できる拡張性や柔軟性を備えること。最後に、運用やメンテナンスのしやすさである。
なかでも、拡張性や大量のリクエストに対する高速なレスポンスが可能な仕組みとして、「最初に候補に挙がったのがインメモリ・データベース技術を使った製品です」と近藤氏は話す。「今後の処理の増加に耐えうる拡張性と性能を考えた場合、従来の技術では不足があります。その点、欧米でシェアが伸びていて、日本での採用実績も増えているOracle Coherenceであれば信頼性も申し分ないと感じました。オラクル製品はこれまでも使っていて、安心感もありました」(近藤氏)という。
2009年1月頃から約1年の構想期間を経て、12月にパートナーとして伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)が選定される。筆島氏は選定の決め手として、従来から利用していたOracle WebLogic ServerやOracle JRockitの実績があることに加え、「ASWの重要性を深く理解し、安心できるソリューションを提案してくれた」点を挙げる。
CTCのエンタープライズプロジェクト本部 エンタープライズプロジェクト第1部 部長の児玉 孝雄氏は、「こうした技術は信頼性が重要なので、新しすぎてもよくありません。一方、古すぎても将来性がないのでよくありません。当社は仮想化についての多くの経験に加え、Oracle Coherenceの実績も豊富ですから、自信をもって提案しました」と強調する。
開発にあたっては、Oracle Consultingのサービスもあわせて活用している。CTCのエンタープライズプロジェクト本部 エンタープライズプロジェクト第1部 部長代行の辻井 弘武氏は、「オラクルの専門家と目標を共有しながら、グローバルな経験に基づくノウハウを提供してもらえ、スピード感をもって開発を進めることができました」と評価する。また、当初はOracle Coherenceについての情報が少なく、「正直にいえば、不安がまったくないわけではありませんでした」と言う筆島氏は、「オラクルから、技術情報だけでなく他社事例の情報なども数多く提供されるなど、丁寧に支援してもらったことで安心感が得られました」と語る。
近藤氏は今回のプロジェクトについて、「簡単な開発ではなかった」と評する。「品質や性能、信頼性の要求レベルが高く、通常の開発とは進め方が違った」からだ。
なかでも特徴的なのが、性能検証に時間をかけたことである。「今回のシステムでは、性能が生命線と認識していました。このため、通常は工程の最後のほうで性能検証をおこないますが、今回はできるだけ早い段階から性能検証を実施し、ボトルネックがないか確認しました」(近藤氏)
とくに重視したのが、データの整合性だ。「ASWを訪れたユーザーが空席照会結果として最初に見ることになるのがOracle Coherenceのデータです。空席情報や運賃情報が合っていないと致命的です。ホストのデータと、Oracle Coherenceのデータが完全に一致しているかどうか、徹底して対比テストをおこないました」(近藤氏)
2011年5月に稼動した新たなASWでの最大の変化は、レスポンスの劇的な向上である。たとえば、空席照会のレスポンス時間は以前の10分の1に短縮されている。「体感的にわかるくらい、レスポンスが速くなりました」と筆島氏。サイト利用者の間でも、システム刷新の公表以前にネット上の掲示板などで「ANAのサイトが急に速くなった」と話題になったという。じつは、今回のシステム刷新の主目的は大量トランザクションの処理であり、レスポンスの向上には「当初の目的ではなかった」と筆島氏は打ち明けるが、「顧客サービスの点でも大きな効果です。ASWの大きな武器になります」と笑顔を見せる。
もちろん、多くのリクエストをOracle Coherenceで返せるため、ボトルネックも解消された。バックエンド・システムの負荷は20%削減された。
そして、筆島氏が「Oracle Coherenceの高性能が実証されました」と話すのが、2011年7月末の「旅割」「スーパー旅割」発売時である。ここで、「1件もお待たせ画面を出さず、すべてのリクエストにレスポンスを返せた」(近藤氏)という大きな成果を出すことができたのだ。
新システムでは、これまでホストへの負荷がネックになって実現できなかったサービスも、新たに追加されている。たとえば、空席照会画面で1週間分の空席情報と運賃情報を同時に表示できるようになった。また、旅割、スーパー旅割の運賃額や空席状況を表示する「旅割カレンダー」の情報も、1日4回の更新からリアルタイム表示になっている。
筆島氏は、「今回のプロジェクトで得られた成功体験によって、次のステップに向けた土台作りができました」と語る。「ASWは当社にとって最大の販売チャネル。この仕組みのなかに、新しい技術を取り入れたのは画期的なことです。今回はインフラの更新でしたが、これをお客様へのサービスにどのように付加価値を付けていくか、スピード感をもって検討し、実行したい」と、さらなるサービス向上への意欲を見せている。
(本事例の内容は2011年9月のものです)