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Oracle Customer: FANCL CORPORATION (株式会社ファンケル)
Location: Kanagawa, Japan
Industry: Consumer Goods
Employees: 721
Annual Revenue: $500 Million to $1 Billion
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Oracle Customer: FANCL CORPORATION (株式会社ファンケル)
Location: Kanagawa, Japan
Industry: Consumer Goods
Employees: 721
Annual Revenue: $500 Million to $1 Billion
無添加化粧品やサプリメントなどを中心に、マルチチャネルで商品を提供している株式会社ファンケル。顧客の購買履歴など膨大なデータを蓄積している同社にとって、その有効活用は重要なテーマである。
そこで、同社は大量データを高速で分析できる環境、ITの専門家ではない業務部門の担当者でも分析ができるような環境づくりを目指した。この新情報システムで中核的な役割を担ったのが、Oracle® Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)、Oracle® Business Intelligence Suite, Enterprise Edition Plus(以下、Oracle BIEE)、そしてオラクルのSiebel CRM Marketingである
“データ量が多いので、パフォーマンスの高いアプライアンスから選定し、価格性能比なども検討したうえで決定しました。Oracle Exadataを利用してみて感じたのが、とにかく速いということ。体感値ですが、同じデータ量の分析に要する時間が半分以下になりました” - 株式会社ファンケル 管理本部 情報システム部 コーポレートシステムグループ 池森 正記氏
株式会社ファンケルは、1980年に化粧品の通信販売から事業をスタートし、着実に提供商品を増やしてきた。無添加化粧品の先駆けとして知られているが、現在ではサプリメントや雑貨など幅広い商品を扱っている。商品ラインアップの拡充とともに販売チャネルも広がり、オンラインショップを含む通信販売に加えて、店舗販売と、スーパーマーケットやドラッグストアなどへの卸売りが同社の3本柱となっている。一方で無添加化粧品やサプリメント市場は参入企業も増え、業界の競争は激しくなっている。こうしたビジネス環境の変化を受けて、同社は収益力の強化に取り組んできた。
そこで必要とされたのが、きめ細かな見える化を実現する基盤である。同社 管理本部 情報システム部 コーポレートシステムグループの池森 正記氏は、「お客様を“マス”でとらえていたため、一人ひとりに適切な対応ができていなかったのではという反省がありました。たとえば、当社は数十万人のお客様に情報誌をお送りしていますが、そこで把握していたKPI(重要業績評価指標)は、獲得顧客数や一定期間内に購入していただいたライブ顧客数くらいでした。そこでお客様一人ひとりを“個客”としてとらえそれぞれに最適な働きかけをする“個客アプローチ”と、そのための仕組みが必要だと考えました」と課題について語る。
そこで同社は、情報系システムの刷新によって、大量のデータを短時間で分析できる環境、IT専門家でなくても高度な分析ができるIT環境の整備に取り組んだ。その実現のためには、顧客やその購買データを蓄積するデータウェアハウスの整備と、そこに格納された膨大なデータを高速に処理できるマシン、そしてマーケティング施策でのPDCAサイクル構築が必要になる。
従来システムのパフォーマンス上の課題について、池森氏はこう打ち明ける。「以前のシステムでは、1回の分析で30~60分はかかるのが当たり前でした。対象者の抽出など扱うデータ量が多い分析では、手作業の準備も含めて1週間かかることもありました」
また、同社 管理本部 情報システム部 コーポレートシステムグループの渡辺 拓人氏は、分析システムの操作性にも課題があったと語る。「分析をおこなうには、データ構造に関する知識に加え、複数ある分析ツールのうちどれが今回の分析に最適なのかといったノウハウも必要でした。操作画面もユーザーフレンドリーではなかったため、利用できるユーザーが限られていました」
システムが販売チャネルごとに分かれていたため、顧客情報をチャネル横断で見ることができないことも課題だった。「通販チャネル向けのマーケティング施策が店舗販売につながるケースもありますが、その効果は測れません。通販向けの施策の効果は、通販売上の変化だけで計測していたのです。ある施策がどのような効果を生んだのか、統合的に評価できる仕組みが必要でした」と、同社の管理本部 情報システム部 コーポレートシステムグループの遠藤 理央氏は話す。
こうした課題を解決するための新情報系システムにおいて、オラクルのITソリューションは中核的な役割を果たしている。それがデータベース基盤となるOracle Exadataと、分析を担うOracle BIEE、そしてマーケティング施策をサポートするSiebel CRM Marketingである。このITプロジェクトは2010年6月にスタートし、2011年5月に予定どおり稼動を始めた。
マーケティング活動やキャンペーンの結果分析をおこなうような場合、分析対象を抽出するには過去数年分の受注データや顧客データを突き合わせる必要がある。しかも、同社が蓄積している顧客マスターデータと取引データは総計1テラバイトにも達するため、これまでのシステムでは十分なパフォーマンスが得られなかった。
この分析システムのパフォーマンスを大幅に向上させたのが、データウェアハウスとしてきわめて高いパフォーマンスを発揮するデータベースマシンOracle Exadataだ。導入に際しては、複数の製品を比較したうえでデータベース基盤にOracle Exadataを採用したという。「データ量が多いので、パフォーマンスの高いアプライアンスから選定し、価格性能比なども検討したうえで決定しました。実際にOracle Exadataを利用してみて感じたのが、とにかく速いということですね。あくまで体感値ですが、同じデータ量の分析に要する時間が半分以下になりました」と池森氏。
新しいシステムでは操作性の向上も重要なポイントだった。マーケターをはじめとする現場のユーザーがさまざまな分析を試せるようになれば、自分なりの仮説を立てて迅速に検証する作業を通じて新たな知見も得やすくなる。それらを組織で共有することが、作業の効率性の向上にもつながる。
それを実現したのが、分析やレポート作成機能を提供する統合的なビジネスインテリジェンス(BI)ツールのOracle BIEEだ。「Oracle BIEEは操作性に優れ、レポート作成も容易です」と渡辺氏は話す。これまで情報システム部には、多くのユーザーから多様なレポート作成依頼が届いていたが、ユーザー自身がレポートを作成できるようになったため、情報システム部門の負荷も軽減された。「ユーザー間の情報共有も十分ではなかったため同じようなレポートが大量にありましたが、4分の1程度にまで減っています」(池森氏)
こうして、各業務部門で気になることがあったら、すぐにレポートを編集・作成して分析できる環境が実現した。
「分析をおこなう登録ユーザー数も増えました。以前は分析業務をおこなうのはマーケターなど20~30人でしたが、『こんな切り口で分析したい』とシステムを有効活用するユーザーが増え、現在は社員のおよそ半数に当たる約300人がシステムを利用しています」(渡辺氏)
同社の代表的なマーケティング施策は、ポイントプレゼント、値引き、増量などだが、これらが本当に有効かどうかを正確に把握することが以前は難しかった。「理由の1つは、チャネルや担当者によって評価基準が異なっていたためです。実施したさまざまな施策の効果を同じ基準で分析・比較してROIを評価しようとしても、それができませんでした」と遠藤氏は明かす。
こうした課題を解決するために選択されたのが、マーケティング活動の最適化を支援するSiebel CRM Marketingだ。Siebel CRM Marketingにはさまざまな施策に関するデータが蓄積されるが、こうした情報を情報系基盤に格納されている受注実績などのデータと組み合わせることで、効果分析が可能になる。
「Siebel CRM Marketingを評価した際に印象的だったのが、思考を途切れさせることなく操作を続けられるということでした。個客に紐付くさまざまな情報を取り出して多様な切り口で検証でき、個客を中心とする360度のビューを提供してくれるという点も気に入りました」と池森氏は語る。また、遠藤氏も「過去に、どのような商品においてどのような施策がおこなわれ、それに対して個客がどのようなレスポンスを返してくれたのか。それが個客ごとに見える化されることで、より効果的なアプローチへと改善できるようになります。Siebel CRM Marketingならば、そんな世界が実現すると考えました」と付け加える。
Siebel CRM Marketingによる個客アプローチ支援システムが稼動したことで、標準的な基準を用いたチャネル横断的な効果測定・評価ができるようになり、それをもとにマーケティングのPDCAサイクルを回す基盤ができた。「たとえば、チャネル横断的に個客をとらえることで、どのような施策が効果的なのかがわかるようになります。それらを積み重ねることで、より効果的な方法を選択できるようにもなる。そんなPDCAサイクルが動き始めました」(遠藤氏)。
今回の導入プロジェクトでオラクルは、製品の提供だけでなくコンサルティングなども含めた導入支援をおこなった。池森氏は、「ほかのシステムとの調整が欠かせないプロジェクトでしたが、課題の解決に積極的に協力してくれました」と語る。新システムに習熟するための導入支援も充実していたと渡辺氏は振り返る。「トレーニング用のマニュアルは、オラクルが用意した資料をベースに当社独自の用語などを盛り込む形で作成したのですが、クオリティの高いものになり、効率よくトレーニングが進められました」
稼動前の準備期間中には、ファンケル社内各部署のキーパーソン70人ほどにユーザー教育をおこない、各部署へ展開する際の中心的役割を担ってもらった。1人当たり10時間程度のトレーニングに加えて操作性が高いこともあり、新システムの導入はきわめてスムーズだった。「ユーザーからの基本的な操作に関する問合せは、ほとんどありませんでした」(渡辺氏)
新情報系システムはすでに、さまざまな部門の業務に欠かせない存在となっている。このシステムと連携したCRMの仕組みも動き始めており、マーケティング活動の質の向上も進められているという。「個々のマーケティング施策がどのような効果を生んだのか。これまでは、その評価基準が明確でない部分もありました。新しいシステムによって、それぞれの施策を正確に評価するための基盤が整備されたと考えています」と、遠藤氏は話す。
見える化の基盤を構築したファンケルでは今後、営業支援システムなどのプロジェクトも予定されている。IT環境をさらに進化させることで、同社はさらなる競争力強化を図る考えだ。
(本事例の内容は2011年8月のものです)