富士通システムズ・イースト、テストツールの全社標準化により負荷テストのコストを10分の1以下に削減し、品質と生産性の向上も実現
 
 

富士通システムズ・イースト、テストツールの全社標準化により負荷テストのコストを10分の1以下に削減し、品質と生産性の向上も実現

富士通グループのSE会社のうち、東日本にある4社が合併して2012年4月に誕生した株式会社富士通システムズ・イースト。各社のもつ経営資源とノウハウを集約し、リソースの有効活用や開発投資の効率化を図るべく設立された同社は、システム・インテグレーション(SI)、運用・アウトソーシング、ERPソリューションを事業の柱に据えた幅広いITサービスを提供している。

システム開発における各種テストの重要性に早くから着目していた同社は、ICT先進技術開発本部が中心となり全社標準のテストフレームワークの構築を進めている。このフレームワークはテストプロセス、テストツール、テスト教育・支援の3カテゴリーのそれぞれで標準を定め、全社に展開していくものだ。そのなかで、標準負荷テストツールとして採用されたのが、Oracle Application Testing SuiteOracle Load Testingである。

ほとんどの設定をGUIでおこなえ、設定後は自動化できたり、テスト結果をわかりやすく表示できたりする利便性が評価され、社内での負荷テストツール適用プロジェクトは着実に増加。テスト担当者から管理者までを対象とした各種の教育・支援も提供することで、テストに対する社員の意識が変わり、テストツールを自主的に活用する文化が根付き、技術者のスキルアップと構築するシステムの品質向上につながっている。

 
Go全社標準のテストフレームワーク構築への取組み

A word from 株式会社富士通システムズ・イースト

  • “30多重以上の負荷テストでは、Oracle Load Testingを利用することで確実にコスト効率がよくなります。テストツールの利用ノウハウの蓄積とともに、システム品質も向上しています。何よりも大きな成果は、技術者が自主的にテストツールを活用する文化が定着し、次世代を担う優秀な人材が育っていることです” ― 株式会社富士通システムズ・イースト ICT先進技術開発本部 本部長代理 川端 功微氏

富士通システムズ・イーストの技術者は4,200名を超え、その業務は企画からコンサルティング、システム構築、運用保守、「WebSERVE smart」「GLOVIA smart」といったERPパッケージ・アプリケーションの提供、プライベート・クラウド構築からパブリック・クラウドサービスまで多岐にわたる。

同社のICT先進技術開発本部は、これらの技術者を支援するための各種基盤の整備と提供、それらを活用する人材育成の役割を担う。たとえば、現場が構築するシステムの品質管理をおこなうマネジメント基盤や富士通グループ共通の開発技術基盤、既存ソフトウェアのテンプレート化や部品化による技術の再利用基盤、スマートデバイス対応やビッグデータ、センサーなどの新技術基盤を提供している。ICT先進技術開発本部 本部長代理の川端 功微氏は、「技術者の成長が顧客満足度向上につながります」と語る。

これらのなかでも、システムの質に大きく影響するのがマネジメント基盤であり、同本部の品質マネジメント推進室は設計書やテスト計画書のチェックなどを通じ、案件を構成するプロダクトと開発プロセスの管理を支援する。そして、品質に直接影響を及ぼすテスト工程管理を支援するテスト支援グループでは、テストプロセスの効率化と品質向上のためのさまざまな施策を打ち出している。

富士通システムズ・イーストの全社標準テストフレームワークは、学問的な見地からJSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)をもとに、ICT先進技術開発本部の品質マネジメント推進室や現場技術者が1年以上かけて構築したものだ。

全社レベルでのテストの標準化と効率化に取り組むにあたって、川端氏がまず重視したのがテスト工程の優先度を上げることである。「テストを重視しなければシステム品質は向上しませんから」(川端氏)。そして、従来のように技術者の経験と勘に頼るのではなく、体系化された手法の確立も重要だという。とくに、手作業によるテストは個人のスキルに依存するところが大きく、スキルの差がシステム品質の差につながってしまうからだ。

 
テストツールの適用拡大のカギはシンプルな操作と使いやすさ

 
負荷テストツールの活用がもたらすさまざまなメリット

 
 

 
 

Challenges

  • 全社標準のテストフレームワークを構築・展開し、システム開発におけるテスト品質を向上させる
  • テストツールを活用して生産性を高め、開発するシステムの品質も向上させる
  • テストに関するノウハウを蓄積して社内で共有したり、教育・支援体制を充実させることで技術者のスキルアップを図る

Solutions

  • 外部の負荷テストサービス利用時に比べ、Oracle Load Testingを利用することによりテスト1回あたりのコストが10分の1以下に低減
  • プロジェクトあたりの負荷テストツール利用回数が増え、事前の性能問題発見と対処によりシステム品質が向上
  • 負荷テストの準備期間が2週間以内に短縮され、30多重以上のテストでは費用対効果が大きく向上
  • テストツールの利用が定着し、社内でのノウハウの蓄積と共有も進んだ

Why Oracle

「機能の豊富さだけで選んだのではありません」と川端氏が言うように、Oracle Load Testing採用の第一ポイントとして挙げられたのは、利用者への展開のしやすさである。ツールを活用するための教育や支援が充実していたことに加え、ツールをプロジェクトごとに購入しなくて良いライセンス体系が提供されていることが大きい。「テストツールの場合、各プロジェクトが追加費用なしで利用できるのは大きなメリットです」(川端氏)。このほかに、シンプルな構成で使いやすいこと、自動化に対応していること、テスト結果を見やすい形で表示できることなどが高く評価された。

Implementation Process

富士通システムズ・イーストの前身にあたる株式会社富士通システムソリューションズにおいて、2004年からOracle Load Testing(当時はEmpirixのe-Load)の利用を開始。2008年に標準テストフレームワークを構築して全社への展開を始め、Oracle Load Testingが標準負荷テストツールに位置づけられる。2010年には、Oracle Functional TestingのOpenScriptの試験利用を開始。現場から「スクリプト作成が楽になり、操作が覚えやすい」と評価されたことを受け、2011年下期から全社でOpenScriptへの移行を開始し、Oracle Load Testingのさらなる適用拡大が進んでいる。
(本事例の内容は2012年5月のものです)