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2012年に創業50周年を迎えた朋和産業株式会社。軟包装業界のパイオニア的存在として、「パッケージを通じて、社会の発展に貢献することを使命とし、無限の可能性を拓くことを理想とし、豊かな未来の創造に挑戦する」という企業理念に基づき事業を展開。パッケージ製品の製造・販売をおこなうレンゴーグループにおける軟包装事業の中核企業として、あらゆる産業向けの包装ニーズに対応できる「パッケージング・ソリューション・カンパニー」を目指している。
現在、国内9カ所の支店・営業所と5カ所の生産拠点、海外3カ所の営業拠点により、食品パッケージなどの包装資材の企画からデザイン、製造、販売までの一貫した生産体制を推進。顧客のニーズにあったパッケージデザインの表現や鮮度保持などの機能に関する提案から、フィルム素材の選択、印刷、加工、柔軟なデリバリー対応まで、より効果的、機能的に「包む」ための商品提供に取り組んでいる。
常に新しい独自の技術により、顧客のよきパートナーとして、環境に優しい、コミュニケーション・ツールとしての包装材を追求し、 若い力と新しい発想で、未来につながるパッケージを創造する朋和産業では、ITシステムにも積極的に投資。処理性能が劣化した大量データを扱う基幹システムのデータベース基盤再構築に「Oracle Database Appliance(以下、ODA)」を採用し、パフォーマンスの改善とデータ保護環境の強化を実現した。
–“アプリケーションをほとんど変えることなく、短期間で性能を上げることが急務でした。Oracle Database Applianceはメモリもディスクも十分に搭載されており、必要なCPU分だけのライセンス費用を支払えばよい、極めてコストパフォーマンスが高い製品であると判断しました。Oracle Database Applianceは最大の目的である性能改善を短期間、かつ必要最小限の投資で実現するための最善の方法でした”—朋和産業株式会社 管理本部 情報システム部 課長 野上 博司氏
朋和産業では2008年ごろに、2台のWindowsサーバーをクラスタリング・ソフトウェアで冗長化し、データベースに「Oracle Database 10g Standard Edition」を採用したデータベース基盤を構築。そのうえで基幹システムを運用していた。しかしシステムの構築から約4年を経て、基幹システムの処理性能が劣化し、業務への影響も大きくなってきたことから、日々の業務を遂行するために、さまざまな対応をすることが必要だった。管理本部 情報システム部 課長の野上博司氏は、次のように語る。
「データ件数も、処理件数も、利用頻度も増えてきたことからシステムのパフォーマンスに課題を抱えていました。特に、月末・月初や締め日等の処理が集中する時期には、リクエストが受けつけられない状況でした。たとえば処理が途中で止まってしまい、最初からやり直すということもたびたびありました。そのため、システムを利用する社員は早朝出勤をしたり、残業をしたりしなければなりませんでした。また、システムの運用担当者の負荷がきわめて大きくなっていました」
基幹システムは、財務会計や人事給与などを除く、受注から製造、出荷のシステムまで、オールインワンで構築されている。この基幹システムの処理が遅延してしまうと業務に大きな影響を与えるため、情報システム部門では、常に対応に追われていた。野上氏は、「基幹システムが遅延すると業務が滞るため、経営層からはもちろん、現場の担当者からも改善してほしいという要望が多くありました」と話す。
過去には、負荷分散のために、基幹システムで使用しているデータの一部を別のWindowsサーバーに構築したデータベースに移し、基幹システム側とデータベースリンクで連携させるなどの性能改善のための工夫をおこなったこともあった。これにより若干の性能改善を実現したが、依然として月末・月初の処理が遅延したり、データ連携に時間がかかったりするなどの問題もあった。また、別立てしたWindowsサーバーが冗長構成になっていないために、システム全体の信頼性が低下するという新たな課題も発生していた。
データベースの性能問題を改善するため、朋和産業では、2012年2月よりデータベース基盤の再構築に関する検討を開始。データベース基盤としてODAを採用することを決定した。5月末よりODAを導入したデータベース基盤の再構築プロジェクトを本格的にスタートし、その後、6月よりODAの環境構築、7月から各種稼動テストを実施。8月15日に東京に設置されたODAを稼動させた。さらに9月には、北海道に災害対策サイトとしてもう一台のODAを稼動させている。
性能向上を目的としたデータベース基盤の再構築にあたり、朋和産業では、同時に多くのチャレンジをおこなっている。ひとつは、データベースを「Oracle Database 10g Standard Edition」から「Oracle Database 11g Enterprise Edition」へバージョンアップすること、もうひとつは、負荷分散の目的で別立てしていたデータベースをインスタンス統合し、運用レベルや可用性レベルをそろえることである。これによりデータが集約され、データ量が3倍に増加することになったが、性能は向上させる必要があった。これらを実現するために、朋和産業が選択したのがODAだった。
データベース基盤の中核にODAを採用した理由を野上氏は、次のように語る。「これまでStandard Editionでは解決できなかった課題を、Enterprise Edition(以下、EE)ならば解決できると確信していました。そのために、どうしてもEEを使いたかった。ODAならば、EEを必要最小限のコストで導入することができる。これがODA採用の理由です」
朋和産業がODAによる新たなデータベース基盤を構築する中では、課題もあった。それは、統合によるデータ量増加と、バージョンアップの影響によるSQLの実行計画の変化、それに伴う性能劣化である。朋和作業は、これらの課題をOracle Enterprise Manager(以下、EM)を使うことによって解決した。
EMを使ったSQLチューニングについて、野上氏は次のように語る。「EEの機能の中で、最も役に立ったと思うのがEMです。これまでは、性能が劣化した場合にも、技術者がプログラムを追いかけて、その技術者の知識の範囲でSQLのパフォーマンスを改善していました。現在は、EMから提案されたアドバイスをもとにプログラムを修正しています。このアドバイスはきわめて的確で、これにしたがってプログラムを修正することで、性能が劇的に向上します。また、これまでは定常的な性能監視、チューニングができていませんでしたが、EMを使うことによって、ある程度自社内で性能劣化への対応ができるようになりました」
可用性という面では、従来のWindowsサーバーのクラスタリング・ソフトウェアに代わり、Oracle Database 11gのオプション機能であるOracle Real Application Clusters One Node(以下、RAC One Node)を使ってデータベースを冗長化した。さらに、朋和産業では、東日本大震災の際にシステムの一部が停止し、食品パッケージの生産が追いつかなくなった経験から、Oracle Data Guard(以下、DG)を使って災害サイトとしてもう1台のODAを北海道に設置した。これによって、高いレベルでのデータ保護を実現している。
ODAの導入に関して、野上氏は「ODAはアプライアンス製品なので、サーバーの組み上げやOSのセットアップ、Oracle Databaseの設定などが不要で、Linuxの利用経験がない我々にとっても、一般的なWindowsサーバーを導入するくらいの手軽さで導入できました。ODAは、最大の目的である性能改善を短期間、かつ少ない投資で実現するための最善の方法でした」と話す。
ODAを導入することにより、朋和産業は、データベース基盤のパフォーマンス改善、データ量増加への対応、業務改善という3つの課題を解決した。また災害時や障害時におけるデータ保護環境の大幅な強化も実現している。
まずパフォーマンス改善では、ODAを利用することでターンアラウンドタイムが10分の1程度に短縮された処理があり、改善効果が最も大きなものでは300秒以上かかっていたものが1秒程度で表示されるまでに改善された処理(月次帳票出力)もある。
次に、システム面からは以下のような性能改善が実現できた。旧システムではCPU使用率が高い時でも10%程度であったが、ODAでディスクI/Oボトルネックが解決されたことにより、90%程度まで有効活用ができるようになった。また、メモリについても、旧サーバー(搭載メモリ:6GB)でのデータベース・バッファ・キャッシュのヒット率は86%であったが、ODA(搭載メモリ:96GB)では97%にまで向上し、利用頻度が高いデータのほとんどをキャッシュできている。
これらの成果について、野上氏は、「性能面では予想以上の結果が出ました。また、EMの機能を活用しながら当初の目的通り、アプリケーションをほとんど変更することなくパフォーマンス改善を実現できました。今後性能が出ないSQLが出てきた場合にも、簡単にチューニングができるようになったと考えています」と話す。
次にデータ量増加への対応では、パーティショニング機能と圧縮機能に着目しこれらのオプション機能を活用している。当データベースは、最大1億4千万レコードのテーブルが存在しているが、なかでも1千万レコード以上が格納された6テーブルは、テーブルのデータ量増加に伴う性能劣化が発生していた。性能劣化への緊急対応として、旧システムでは、頻繁に使用する直近のレコードのみをメインのテーブルに格納しておき、過去のデータは別サーバー(別インスタンス)で運用していた。今回、これらのテーブルをODAに統合し、データ容量、レコード件数共に大幅に増加したが、パーティショニング機能を有効に活用しているため、性能の劣化は見られていない。
野上氏は、「基幹システムは、処理するデータ量がとても多く、データ量増加によるディスクI/Oがボトルネックとなっていました。EEのオプションであるパーティショニング機能と圧縮機能を利用することで、検索対象とデータ量を減らし、性能を大幅に改善することができました」と話す。
業務改善では、システム停止時間の短縮とレスポンス向上による、システム利用者および情報システム部員の業務効率の改善があげられる。旧システム運用時には、少しでも性能を向上させようとデータの再編成をするための計画停止や、処理の集中によりシステムがスローダウンしてしまった際に再起動する緊急停止が毎月2、3回は発生していたが、ODAでは8月15日の本番稼動開始以来1度の停止もおこなっていない。また、3時間以上かかっていた仕掛状況確認処理が20分に短縮するなど、10倍近くのレスポンス改善が実現できている。
野上氏は、「以前は業務時間内の処理速度が遅く、業務処理がピークとなる11時頃には新規のリクエストが受け付けられなくなる状況になっていました。これらを回避するために、早朝出社して対応たり、深夜まで作業していた社員もいましたが、ODAを導入したことで、こうした課題は解決されました。また、対応にあたっていた情報システム部員の負担も大幅に軽減されました」と話す。
一方、データ保護の観点での効果を野上氏は、次のように語る。「新しいシステムで目指したのは安定稼動です。この意味は、1台のサーバーが止まってしまっても処理が止まらない可用性と、災害時などにもデータが失われない信頼性です。以前のシステムはフェールオーバーの途中でクラスタソフトウェアが止まってしまうという課題もありました。今回は、ODAでRAC One Node とDGを組み合わせることにより、災害時や障害時のデータ保護を大幅に強化できました。災害や障害が発生した場合にも、どこかに必ずデータがあって、利用できるということは、本当に安心です」
最後に、ODAの利用について、野上氏はこうまとめる。「ODAの効果は絶大です。少し前まで起きていた性能トラブルも全くなくなり安定して稼動しています。ODAはメモリもディスクも十分に搭載されており、必要なCPU分だけのライセンス費用を支払えばよいため、極めてコストパフォーマンスが高い製品です。オラクルを使っているユーザーなら、ODAの利用を検討してみるのが良いでしょう」
今後の展望について野上氏は、次のように語っている。「今回、ODAとDGを活用して、東京の本番系システムと北海道の待機系システムをつなぎ、障害時・災害時のデータ保護の強化を実現できました。今後は、待機系システムをシステム開発のための環境として利用するとともに、参照系のデータベースとしても有効活用したいと考えています」
2012年2月 データベース基盤の再構築に関する検討を開始
2012年5月末 ODAを導入したデータベース基盤の再構築プロジェクトを本格的にスタート
2012年6月 ODAの環境設定
2012年7月 各種稼動テストを実施。
2012年8月15日 東京に設置されたODAを稼動(本番稼働開始)
2012年9月 DRサイトである北海道のODAを稼動(本番稼働開始)
Advice from 朋和産業
Oracle Database Applianceには、とても満足しています。データベースの性能に不満があるなら導入の検討をされることを推奨します。ただし、データベースのバージョンアップによる影響範囲を把握しておくなど、注意すべき点もいくつかあります。オラクルのサポートも利用して、間違った方向に行かないようにすれば、それほど難しい作業ではなく、コストパフォーマンスも高く、効果は絶大です。