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Oracle Customer: NECソフトウェア九州
Location: Fukuoka, Japan
Industry: Professional Services
Employees: 876
Annual Revenue: $100 to $500 Million
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Oracle Customer: NECソフトウェア九州
Location: Fukuoka, Japan
Industry: Professional Services
Employees: 876
Annual Revenue: $100 to $500 Million
NECソフトウェア九州(以下、QNES)は、九州地区を基盤に幅広いITサービスを展開するNECグループのビジネスユニットである。その活動範囲は九州のみに留まらず、「東京はもちろん、中国や東南アジアにもビジネスを展開しています」と、代表取締役社長の幸田 好和氏は語る。
とくに、「BPM/SOAを中核に、ソフトウェア領域でNECグループを支える存在になろうとしています」と幸田氏が続けるように、BPM/SOA領域においてはNECグループ内での先駆者として、豊富なノウハウと経験によりグループを牽引している。
そして、競合他社をリードするにはさらなる技術の蓄積が不可欠と考える同社は、現場プロセスを改善してビジネスの価値を生み出す、より実践的なBPMを追求し続けている
“Oracle BPM Suite とNECのFlowLitesを組み合わせることで、複雑をきわめる日本の生産現場プロセスを効率化したうえで、それを経営成果にまでつなげるためのプロセスの自動化が実現しました。重要なのは、ツールの使い方だけでなく、それを実際に現場に適用し、改善を継続していくためのノウハウです” NECソフトウェア九州 代表取締役社長 幸田 好和氏
「従来のSIは、いずれなくなるでしょう」と話す幸田氏は、そのような状況下で自社の特長をどうアピールすべきかを考えた結果、導き出されたのがBPM/SOAのビジネスだったと振り返る。企業内でほぼ共通化できる会計や人事といったプロセスは、ERPパッケージなどでどんどん効率化される。この部分にSIが介入する余地は、ますます小さくなっていくのは明らかだ。
一方、各企業の根幹となり、ビジネスの優位性を生み出すプロセスについては、独自のITシステムの構築が必要である。しかし、ビジネス環境の変化が激しい昨今、従来のように時間と手間をかけてシステムを作り上げる余裕はない。「変化に対し、柔軟かつスピーディに対応できなければなりません」と指摘する幸田氏が、そのための最適な手段として着目したのがBPM/SOAだった。
決断からの動きは速かった。「BPM/SOA SI・技術センター」を設立し、100名規模の開発・拡販体制を整えて技術やノウハウを集約、蓄積したのだ。BPM/SOAプロジェクトを推進するための技術面での標準化を実施し、技術ガイドの制作などにも着手。実証センターを設け、各種BPM/SOAツールの検証環境も整備した。
そして、オラクルのBPM/SOAソリューションがツールとして採用された。決め手の1つは、国内での実績が豊富で、他のミドルウェア製品に比べWebサービス化機能が優れている点だ。今後増加が予想される、グローバルでのシステム間連携に対応できるワールドワイドでの実績が十分な点も評価された。オラクルによる買収・統合以前からBEA製品を扱っていたQNESでは、オラクルのBPM/SOAツール群に詳しかったことも理由の1つである。さらに大きかったのは、BPMの導入検討にあたって、日本オラクルが情報提供など全面的な支援を表明したことだという。
ITシステムを活用したBPMの導入以前に、QNESでは2005年から始まったNECグループ全体における生産革新プロジェクトのなかで、業務プロセスを効率化してビジネスの現場から改善を図る取組みを進めていた。これは、強い現場を作るためにグループ各社が独自に生産革新をおこない、現場改善活動を推進するというものだ。具体的には、課題の発見→改善というサイクルを生産の現場に定着させ、それを経営上の成果に結びつけていく。
各取組みは、B(改善に着手)、A(改善サイクルが定着して継続できる)、S(それが経営成果につながる)の3つにランク付けされる。「プロジェクト開始から約4年で、Aランク以上の現場プロセスが80%になりました」と語る取締役の高須 利昭氏は、このプロジェクトにおけるQNESの実績は、NECグループ内でも抜きん出ていると胸を張る。さらに、「2012年までに、40%以上のプロセスをSランクにしたいと考えています」という目標も同様だ。
同社がまず取り組んだのは、現場プロセスの見える化だったと高須氏は振り返る。そのために採用された一つの手法が、大きな紙とメモ用紙を活用する「すごろく」方式である。仕事の流れを記した大きな紙をすごろく、そしてメモ用紙を駒に見立て、業務の進捗状況に合わせてメモ用紙をプロセスの位置に貼りつけていくのだ。
この方法なら、誰が見てもプロセスの状況が一目瞭然である。メモ用紙がたくさん貼られているところが、業務が滞留していることになる。これで、問合せに対して誰でも現状がどうなっているか答えられるようになった。さらに、問題点の早期発見にもつながり、改善すべき項目が明らかになる。このすごろく方式による見える化で、「何日で処理できるかをデータで語れるようになりました」と高須氏。納期が平均14日から6.4日に短縮できたプロセスもあるという。
こうした一連の取組みの大きなメリットとして、現場部門に業務改善意識が定着したことが挙げられる。しかし、経営成果につながるSランクを目指すには、これだけでは限界があった。第一企業ソリューション事業部 BPMソリューショングループ エキスパートの中村 哲也氏は「より高い目標をクリアするには、業務全体のさらなるスピードアップが必要でした」と話す。そこで活用されたのが、「Oracle BPM Suite」とNECのワークフロー・ソリューションであるFlowLitesの組合せだった。
具体的には、業務プロセス全体にOracle BPM Suiteを、日本型の組織特有の承認などをおこなうデシジョンフロー部分にはFlowLitesを適用し、業務プロセスの自動化を目指したのだ。この連携ソリューションにより、BPM側のアドオンを抑え、導入コストの削減と承認プロセスを含めた業務全体のスピードアップを実現した。
手始めに、物品購入申請をおこなう「設備要求調達業務」のプロセスにBPMツールを導入するプロジェクトが2011年1月にスタート。設計に約3カ月、実装に約1カ月半と、プロジェクト開始から半年に満たない5月18日には稼動を開始している。
技術統括部 ITアーキテクトグループ マネージャーの大坪 恒樹氏は「BPMのプロジェクトは、スピードに意味があります。今回は最初のケースだったので設計に時間をかけましたが、ここはさらに短縮できます」と話す。たんにBPMツールを導入するのではなく、どうすれば新たな仕組みを現場に適用できるかを考え抜いたうえで導入したことで、設備要求調達作業の品質は向上し、作業ミスは1件も発生していないという。業務スピードも向上し、たとえばサーバー調達時に必要なDHCPサーバーへの登録時間が従来の1日から30分に短縮された。中村氏は「BPMで作業の平準化と属人的なノウハウの自動化が実現できました」と評価する。同社では、このプロセス改善により年間200万円のコスト削減が見込めるという。今後は20の業務プロセスへの展開を予定しており、トータルで4,000万円規模のコスト削減も期待できる。
改善を継続させるには、ツールの使い方や設定方法を憶えるだけでは不十分である。今回はすでに、すごろく方式による見える化で改善の意識が現場に浸透していた。それをさらに進めるために、Oracle BPM SuiteやFlowLitesをどう活用するかがポイントだったという。「小さなプロセスでも自動化して効率化できれば、年間で見れば大きな効果につながります。そういったことを、現場にきちんと見せていくことも大事」と幸田氏は指摘する。
「今回のプロジェクトは、BPMを推進するうえで大きな自信となりました」と大坪氏。机の上の勉強だけでBPMやBPELなどを理解したつもりでいても、実際はそう簡単ではない。たとえば、ERPパッケージの提供するプロセスは、頭で考える以上に現場プロセスとは異なる。そういうことも承知したうえで、BPMをどう適用すれば真の現場改善につながり、それを継続できるか。今回のプロジェクトを通して、BPM導入の本質的なノウハウを身につけることができたのだ。今後は、社内での展開はもちろん、ビジネスとして積極的に顧客に提供していくという。
また、BPM/SOAは国内だけでなく、中国やアジア地域に進出している企業にこそ、現地システムと本社を連携するといったニーズがあるはずだ。九州というポジションを活かし、「我々自身がBPMの市場をオラクルとともに作っていきたい」と、幸田氏は抱負を語った。
(本事例の内容は2011年5月のものです)