-
-
Oracle Customer: サントリーホールディングス株式会社
Location: Osaka, Japan
Industry: 消費財業界向けアプリケーション
Employees: 28,532(2011年12月末現在)
Annual Revenue: Over $5 Billion
Oracle Customers
Customer and Partner Search
Participate in Oracle Customer Programs
Oracle Customer: サントリーホールディングス株式会社
Location: Osaka, Japan
Industry: 消費財業界向けアプリケーション
Employees: 28,532(2011年12月末現在)
Annual Revenue: Over $5 Billion
1899年の創業以来1世紀にわたり、フロンティアスピリッツあふれる挑戦と市場創造の歴史を刻んできたサントリーグループ(以下、サントリー)。甘味葡萄酒「赤玉ポートワイン」を生み出して日本の洋酒文化を拓き、日本初のウイスキー事業に着手。ビールや食品・清涼飲料事業にも進出するなどし、現在では飲料の製造販売だけでなく、花、ヘルスケア、外食、スポーツなど幅広い領域で事業を展開。いずれの事業も海外市場を含めて順調な成長を遂げている。
一方で、事業成長に伴うデータ量の爆発的な増大という課題に直面していた同社は、グループ全体のIT基盤再構築プロジェクトの一環として、顧客対応システムのデータベース基盤を刷新。Oracle Exadataをはじめとするオラクルのソリューションを採用した新システムは、大幅な性能向上と業務効率化を実現している。
“Oracle Exadataの導入により、今後の事業拡大に伴うデータ増に少なくとも5年間は耐えられるシステムが実現しました。さまざまな処理が劇的にスピードアップしたことで、バックオフィス系の業務の効率性が向上しています” ― サントリービジネスエキスパート株式会社 ビジネスシステム本部 グループ情報システム部 部長 村林 泰之氏
2009年に純粋持株会社に移行したサントリーは、新体制のもとで、さらなる成長へ向けたさまざまな施策に取り組んでいる。その1つが、事業の成長を支えるグループIT基盤の再構築だ。事業の成長に伴ってサントリーでは、年率数十%のペースで顧客データが増加。基本的に同社では顧客データを保持し続けているため、システムのチューニングをおこなっても性能を維持することが困難な状況に陥っていた。そこで、グループIT基盤の再構築の一環として、24時間365日稼動する顧客対応システムの基盤刷新が検討に挙げられた。
グループ企業に間接業務サービスを提供するサントリーの機能会社の1つ、サントリービジネスエキスパート株式会社において、グループ全体のIT基盤を統括しているビジネスシステム本部グループ情報システム部 部長、村林 泰之氏はその背景について次のように打ち明けた。「お客様の数、購買に関するデータ量は年を追うごとに増え続けています。ビジネスの成長に伴って1人のお客様に紐付くデータの種類も増えるため、顧客データは指数関数的に増加していました。この顧客対応システムでは、1日に100万件を超えるトランザクション処理をおこなっていましたが、2010年ごろにはその性能が限界を迎えつつあったのです」
今後も加速度的にデータ量が増え続けることが予測されるなか、サントリーは顧客対応システムのデータベース基盤刷新を決断した。
サントリーのシステム構築・運用を担う株式会社サンモアテック(以下、サンモアテック)の山門 亮太氏は、新たなデータベース基盤の要件として、次のようなポイントを挙げる。「もっとも重視したのはパフォーマンスです。レスポンスタイムを改善し、お客様対応の質を高められるような、高速処理を実現したいと考えました」
将来にわたって増え続けるデータ量にも、安定的に対応できなければならない。「拡張性、可用性を含めた品質も不可欠な条件でした。顧客対応システムは24時間稼動しています。システムが止まるとお客様に迷惑がかかるだけでなく、売上げに対するマイナスの影響もあります」。短期間で導入できることも重視された。「その頃はレスポンスが大きく低下していて、業務ユーザーの作業にも影響が出始めていたので、とにかく早急に新システムを動かしたいという気持ちがありました」(山門氏)。
いくつかの製品が検討された結果、高い性能を備え、すべての構成があらかじめ最適化されていて短期間で導入できるOracle Exadataが採用された。「パフォーマンスはもちろんですが、柔軟な拡張性、可用性も高く評価しました。また、従来のデータベースはシングル・インスタンス構成で利用していましたが、Oracle Exadataは冗長構成なので安心感があります」と語るのは、サンモアテックの基盤サービス事業部で主任を務める小山 知岐氏だ。
Oracle Exadataの導入と併せ、オラクルのほかのソリューションも導入された。データ保護、および障害時リカバリ・ソリューションのOracle Data Guard、データのリアルタイム・レプリケーションを可能にするOracle GoldenGate、Oracleデータベース運用管理ソリューションのOracle Enterprise Managerだ。
Oracle Data Guard導入の背景について、小山氏は次のように語る。「サントリーグループの国内のシステムは、東西2拠点のデータセンターで運用しています。お客様関連のデータについては、これまで毎日2回バックアップしていました。しかし事業継続性の観点でデータの重要性を考えると、よりリアルタイムに近い形でバックアップが必要と考えました」
Oracle Exadataは東西の各データセンターに設置されており、Oracle Data Guardが拠点間のデータバックアップを担う。災害時にバックアップサイトで業務を引き継げるようにしたことで、事業継続性の強化に向けて大きく前進することができた。
Oracle GoldenGateは、グループIT基盤の再構築のために導入された。「全社のIT基盤を刷新する際には、さまざまなシステム移行が発生します。それをスムーズにおこなうためのツールとして、Oracle GoldenGateを選択しました」(村林氏)。システムによっては、移行時の停止時間をぎりぎりまで最小化させなければならない。その代表的なものが、今回の顧客対応システムだった。「移行の際、極力システムを止めないように心がけました。Oracle GoldenGateによって、1時間程度の停止時間で移行できました」と小山氏は振り返り、Oracle Enterprise Managerの導入効果についても、「GUI画面で現在の状況がリアルタイムで可視化されるため、トラブル対応のスピードアップにつながっています。アプリケーションのチューニングなど、運用も効率化できます」と語る。
新データベース基盤によって、顧客対応システムの性能は大幅に向上した。オンライン処理では、3秒以上かかっていた平均レスポンスタイムが1秒以下になった。プロジェクトの直前、レスポンスに5秒以上かかるケースは10%を越えていたが、この値も0.1%へと劇的に改善。これによって顧客対応システムでの顧客対応率は、5%以上向上したうえ、システム利用時のストレスが大幅に軽減されたことでお客様対応の質も向上した。
一方バッチ処理では、処理速度が最大50倍向上。処理の高速化による効果について村林氏は「バックオフィス系の業務の効率性が向上し、スタッフの残業時間が大幅に削減されたと感謝されました」と語る。朝4時までに倉庫に配送データを送るというクリティカルな処理も、万が一のトラブル発生時に対処のための時間をとれるようになったという。
顧客対応システムのデータベース基盤は、今後事業拡大に伴ってデータ量が増えたとしても「少なくとも5年間は耐えられる」と村林氏は見ている。さらなるシステム増強が必要になったとしても、ラックを追加するだけで容易に対応できる柔軟性・拡張性は、国内での収益性向上、海外市場でのビジネス強化の、大きな推進力となることが期待されている。
サントリーでは現在、グローバルのITを4極体制(北米、欧州、アジア太平洋、日本国内)で運用しており、Oracle Exadataに限らず、すべてのITインフラやソフトウェアについて、グループとしての標準化を進めているという。「標準化した仕組みや手法などは、グローバルに適材適所で導入していきます。今回のプロジェクトで得た経験やノウハウは、海外でもかならず役に立ちます」(村林氏)。
国内外のマーケットにおける「新たな価値の創造」にチャレンジし続けるサントリー。「システムのせいでビジネスが停滞することがあってはなりません」。ビジネスの成長を支え続けるITへと生まれ変わったデータベース基盤は、村林氏の言葉に象徴されるように、さらに加速しつつあるサントリーの成長をこれからも力強く支えていく。
新たなデータベース基盤の要件として、同社が重視したのはパフォーマンス、拡張性、可用性、短期導入可能な点など。いくつかの製品が検討された結果、高い性能を備え、すべての構成があらかじめ最適化されているOracle Exadataが採用された。「パフォーマンスはもちろんですが、柔軟な拡張性、可用性も高く評価しました。また、従来のデータベースはシングル・インスタンス構成で利用していましたが、Oracle Exadataは冗長構成なので安心感があります」(小山氏)
顧客対応システムのデータベース基盤刷新を決断したサントリーは、2010年後半から2011年初頭にかけてソリューション選定などの検討をおこなう。導入プロジェクトのキックオフは2011年9月。SIパートナーとして、Oracleデータベースの構築・運用において豊富なノウハウと経験、実績をもつ新日鉄ソリューションズ株式会社が参画した。そして2012年2月、予定どおりカットオーバーを迎えた。
(本事例の内容は2012年7月のものです)