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Oracle Customer: 東芝テック株式会社
Location: Tokyo, Japan
Industry: High Technology
Employees: 3,426
Annual Revenue: $1 to $5 Billion
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Oracle Customer: 東芝テック株式会社
Location: Tokyo, Japan
Industry: High Technology
Employees: 3,426
Annual Revenue: $1 to $5 Billion
POSシステムをはじめとするリテール・ソリューション事業で高い国内シェアを誇る東芝テック株式会社は、デジタル複合機(MFP)を中心としたドキュメントシステム事業においても、中国を筆頭とするアジア地域でトップシェアを獲得している。同社の事業部門は、この2つに加え、バーコードやRFIDによる自動認識システム各種プリンタ、窓口専用端末機を扱うオートID・プリンタ事業部門、産業用インクジェットヘッドを提供するIJ事業部門の4つに分かれ、国内やアジア、欧米でグローバルビジネスを展開している。
“当社の国内および海外拠点のERPシステムを「マルチカンパニー&シングルインスタンス」で統合したことで、コスト削減、セキュリティ向上、リアルタイムな情報伝達、データの信頼性向上などのメリットが得られました。我々のビジネス上の要件と Oracle EBSの機能強化がうまく合致したことで、低コストでスムーズな開発と、ローコスト・オペレーションが実現しました” - 東芝テック株式会社 IT戦略システム部 情報システム室 室長 戸城 篤人氏
るアジア地域でトップシェアを獲得している。同社の事業部門は、この2つに加え、バーコードやRFIDによる自動認識システムや各種プリンタ、窓口専用端末機を扱うオートID・プリンタ事業部門、産業用インクジェットヘッドを提供するIJ事業部門の4つに分かれ、国内やアジア、欧米でグローバルビジネスを展開している。
パニー&シングルインスタンス」で統合。Oracle E-Business Suite のサプライチェーン計画「Oracle Advanced Supply Chain Planning」(以下、Oracle ASCP)を採用して拠点間の情報連携を効率化し、労働流動性の高いアジアにおける迅速なユーザー管理のためにID管理ソリューション「Oracle Identity Management」によるユーザーIDの一元管理を同時に実現している
POSシステムをはじめとするリテール・ソリューション事業で高い国内シェアを誇る東芝テック株式会社は、デジタル複合機(MFP)を中心としたドキュメントシステム事業においても、中国を筆頭とす多くの海外拠点で「Oracle® E-Business Suite」(以下、Oracle EBS)を用いて構築したE東芝テックのIT戦略システム部が、ドキュメントシステム事業において「日本/中国統合情報システム」プロジェクトをスタートさせたのは2005年のことだ。第1フェーズ(2000年~2003年)ではERPの標準化を推進し、第2フェーズ(2004年~2008年)で欧州・米国・日本/中国の三極統合システムを構築。2009 年からの第3フェーズでは、統一ID管理ソリューションの導入をおこなっている。
デジタル複合機の生産拠点が中国の深圳(シンセン)に集中し、販売は欧米が中心で、商流が日本にあるというビジネスモデルをもつ同社では、各地域のERPシステムをつなぐのではなく、欧州、北米、アジアの三極でそれぞれシステムを統合することで、運用コストの低減を目指したと、東芝テック株式会社 IT戦略システム部 情報システム室 室長の戸城 篤人氏は話す。
「時差のある欧州や北米も含めた統合をおこなうのは難しいと判断し、時差が1~2時間程度の欧州の各販売拠点、北米の販売拠点、そして中国の生産拠点と日本の支社を含めたアジアの三極でERPを統合していく決定を下しました」
中国の各拠点で稼動するOracle EBSを統合することによって「セキュリティレベルを上げながらローコスト・オペレーションを実現できる」(戸城氏)と考えた東芝テックでは、まず基幹情報が含まれるシステムを安全な東京のデータセンターにまとめて運用することで、運用コストと工数の削減、セキュリティの向上を図った。とくに、中国では電源についての不安が大きかったと、同社のITシステム戦略室 情報システム室 グループ応用システム担当 専門主査の臼田 茂功氏は指摘する。
「中国では停電が多く、生産が止まってしまうことも何度かありました。サーバールームには自家発電装置が設置されているので、システムに影響はありませんが、統合によってこのようなセキュリティリスクを気にする必要がなくなりました」
また、システムを統合することによって、柔軟なメンテナンスがおこなえる自由度の高いシステムも目指したと戸城氏は言う。
「システムがバラバラであれば、業務をシフトさせる場合にもコストや手間がかかり、ビジネスモデルの変化に対応するのが難しくなります。たとえば、これまで日本でおこなってきたオペレーションを中国に移管する場合は、システムを変更する必要がありました。しし、今後はビジネスの環境が変わったとしても、柔軟に事業体制を変更していくことができます。システムがボトルネックとなって、ビジネスの変化に対応できないといったことがなくなるのです。さらに、移管のためのシステム開発コストや手間も減らせます」
多国間のシステムを統合するには、マルチオーガニゼーション、マルチランゲージ、マルチカレンシーに対応したシステムを構築する必要がある。東芝テックの場合、3つの言語(日本語、英語、中国語)と10通貨(円、米ドル、香港ドル、中国元、ユーロ、ウォン、ポンド、豪ドル、シンガポールドル、カナダドル)を扱わなければならない。戸城氏は、Oracle EBSの機能強化によって、この問題もクリアできたと話す。
「マルチオーガニゼーションを意識して機能強化されたOracle EBSでは、複数の法人間でデータをやり取りできるため、これなら支障なく統合可能と考えました。我々のビジネス上の要件とOracle EBSの機能的な進化がうまく合致したといってもよいでしょう」
日本/中国統合情報システム構築プロジェクトを立ち上げるにあたって、東芝テックではOracle EBSの新機能についてじっくり検証したうえで、必要に応じて開発をおこなう形をとったという。同社のITシステム戦略室 情報システム室 グループ応用システム担当 グループ長の牛山 茂氏は、できるだけ標準の機能を使うことで開発コストを低く抑えたと話す。
「Oracle EBSの利用経験が長いので、戸惑うことなく統合作業を進められました。新しい機能については、プロジェクトを始める前に1年近くかけて検証してきたため、とくに苦労したところもありませんでした。通貨や単位の違いでいくつかアドオンを作成しましたが、Oracle EBSの新機能をなるべく標準のまま利用し、極力アドオンを作らない方向で統合を進めていけたのはよかったと思います」
臼田氏も、「標準機能を使ってアドオン開発すれば、オラクルから提供されるパッチをそのまま当てることができます」と、メリットを挙げる。
さらに、長年にわたるOracle EBSの利用経験によって蓄積されたノウハウや人材を活用したことも、開発コストの低減に役立ったという。
「我々にとって、ユーザーから要求された機能を手っ取り早く提供するには、カスタマイズするほうが簡単です。しかし、カスタマイズすると初期コストだけでなく、メンテナンスコストもかかります。ローコスト・オペレーションを実現するためには、標準機能を使って要求されたサービスを提供することが重要です。今回は、あらかじめ十分な検証をしたうえで統合をおこなったため、我々のやりたいことをOracle EBSでほぼ実現できました。アドオンは作成したものの、多くの部分でOracle EBSの標準機能を使い、カスタマイズ(モディファイ)はおこなっていないので、開発コストを抑えることができました」(戸城氏)
東芝テックでは、マルチオーガニゼーションのほかにも、数多くのOracle EBSのグローバル統合機能を活用している。その一例として臼田氏は、「複数拠点でデータ連携をおこなうため、会社間請求の自動処理の機能を全面的に使っています。また、ダイレクトシップを新たに実装し、それまで使用していたドロップシップの機能と使い分けられるようになった点も評価しています」と語る。
1TBを超えるデータベースと、サプライチェーン関連のトランザクションが月200万件にのぼるシステムを統合し、日本のデータセンターで運用することによって、「システム運用のためのキャッシュアウトと、新たな開発のための工数が、いずれも半分以下になりました」と戸城氏は話す。当然のことながら、複数のシステムよりも1つのシステムで運用するほうがコストメリットが得られるし、よりスムーズな運用が可能となる。
「ローコストで良質な製品をユーザーに提供することが我々の使命です。その意味では、今回のプロジェクトは成功したといえますと話す戸城氏。システム統合によって得られたメリットは、もちろんコスト削減だけではない。「事業体制の変更に柔軟に対応できること」や「セキュリティの向上」をはじめ、「データの信頼性向上」「情報伝達リードタイムの短縮」「業務工数の削減」など、多岐にわたる。
まず、データベースが一元化されたことでバッチ処理などが不要になり、リアルタイムに情報を参照できるようになったため、バッチ処理によるエラーデータの発生がなくなり、データの信頼性が向上している。
もう1つの大きな成果が、Oracle EBSのサプライチェーン計画Oracle ASCPの採用による拠点間の計画連携の強化である。
「あらかじめコードの統一や単位合せをしておけば、Oracle ASCPを使って組織間の情報連携がおこなえます」(臼田氏)
東芝テックでは、それまでの拠点ごとのMRP(資材所要量計画)から、組織間をまたがったOracle ASCPに移行した結果、計画の連携を効率化し、リードタイムを短縮することができたのだ。
「情報のリードタイムが短くなれば、在庫を削減することもできます。たとえば、現地法人から注文を受けて部品を手配するまでの時間が短縮されれば、そのぶんの期間の在庫を持たなくてもよくなります」(戸城氏)
また、各拠点でシステムを利用していたときには、二重に計画オペレーションをおこなう必要があったが、システムの統合によって工数を削減することができた。たとえば、日本から中国の工場へ製造依頼を出した場合、従来はそれぞれのシステムで計画オペレーションをおこなわなければならなかった。これが、システム統合後は1回の計画オペレーションで済むようになったのだ。
さらに、臼田氏はマネジメント面でも統合システムのメリットが生まれていると指摘する。
「各拠点から同じ情報を同時に見ることができ、共通の認識で作業できることもメリットの1つです」
ERPの標準化を推進した第1フェーズ、システム統合を進めた第2フェーズに続き、情報活用期と位置づけられた第3フェーズにおいて、東芝テックはオラクルのID管理ソリューションOracle Identity Managementを利用したユーザーID管理システムを構築している。これはグループ12社 約10,000人のユーザー情報を 一元管理し、ユーザー登録・更新情報をリアルタイムに ERPシステムを含む周辺システムと連携させている。
東芝テックでは、それまで個々のシステムでユーザーIDとパスワードが個別に管理されており、各システムの管理者と、複数のシステムを利用するユーザーの双方にとって負担となっていた。セキュリティの向上のためにも、ユーザーIDとパスワードの一元管理が求められていたと戸城氏は話す。
「日本版SOX法がきっかけとなり、各システムで退職者のユーザーIDの削除やパスワードの変更をより厳密に管理する必要が出てきました。しかし、これらのID管理をシステムごとにおこなっていたのでは、管理を徹底することができません。東芝テックグループとしてのユーザー管理用データベースを作り、各システムがそれを活用する形にすれば管理しやすくなり、同じIDとパスワードで各システムを利用できればユーザーの利便性も上がります。もちろん、それによってセキュリティレベルも向上します」
ユーザーIDとパスワードをOracle Identity Managementで管理し、各システムに配信・認証する仕組みを作った東芝テックでは、人事情報とOracle Identity Managementを紐付けることによって、退職や異動を漏れなくカバーできるようになり、ID管理の工数を削減している。これは正社員だけでなく、契約社員やパートタイマーにも適用され、事前に退職や異動がわかっている場合はもちろん、最新の人事情報の取込みが実行されているので、ほぼリアルタイムのID管理が可能である。また、パスワードリシーの統一によってセキュリティを向上させ、定期的な更新や安易なパスワード設定などのリスクも低減させている。
グローバルにビジネスを展開する企業にとって、システムを統合して一元的に運用することは難しいと考えられている。しかし、東芝テックではOracle EBSの機能を使うことによって、日本と中国のシステム統合を成功させている。欧州や北米でもERPシステムを統合し、それぞれ大きな成果を上げている。
「もちろん、グローバルなシステムを統合するためには、言葉や通貨、文化の違いを考慮したうえで十分な準備が必要になりますから、それなりの苦労はつきものです。しかし、技術的に難しいことを成し遂げたとは考えていません」と、戸城氏は語る。
第3フェーズを情報活用期と位置づける東芝テックでは、今後もさまざまなシステム効率化を計画している。
「基幹システムをグローバルに整備してきたなかで、見えるようになったデータをいかに経営に反映させるかが課題となります。問題を1つずつ解決しながらこの課題に取り組んできましたし、これからも一歩一歩取り組んでいかなければなりません」(戸城氏)
さらに、「販売や生産、経理など、他のシステムもOracle EBSに統合していくことでさらにローコスト・オペレーションを追求し、セキュリティレベルも上げていきたいと考えています。これらの統合を欧州、北米、アジアの三極で推進していくことが当面の課題です」と言う戸城氏は、「東芝グループがグローバル標準として採用しているOracle EBSを、我々東芝テックグループもグローバルに活用し続けていきます」と力強く宣言する。そのためにも、「Oracle EBSとオラクル社が買収した他の業務アプリケーションとの統合を進めて、より充実した業務機能を提供してほしい」と、オラクルへの期待を語った。
(本事例の内容は2009年8月のものです)