オラクル シニア・コンテンツ・マーケティング・マネージャー Rick Bell | 2023年11月9日
オラクルと英国およびドバイを拠点とする建設テクノロジー企業である36Zeroは、英国レディングのOracle Industry Lab戦略的提携を結びました。
オラクルのPrimavera P6プロジェクト管理ソフトウェアと統合したAIによる労務データ・プラットフォームを提供する36Zeroは、建設業界のデジタル化が進むにつれて注目度が高まっている「建設現場の最適化」について、かつてない可視性を実現します。また36Zeroは独自に、作業員の福利厚生と現場の安全モジュールも提供しています。
「オラクルとの関係が世界中の共通の顧客に提供する豊富なデータを考えれば、これは私たちにとって最も重要な提携に数えられます」と、36Zeroの創設者兼CEOであるDavid Redmond氏は語ります。「私たちのコラボレーションは、AIが重工業プロジェクトにおける労働力の保護と最適化の未来を形作ることができるというビジョンを共有することで、共同R&Dのための信頼できる基盤も提供します。しかしそれ以上に、適切だと思うからこそ、実現しようとする分野でチームを組むこともあるのです。オラクルとのコラボレーションは実に適切です。Oracle Primavera P6の機能との強力な連携により、当社のプラットフォームは向上しますし、その逆もまた然りです。オラクルのグローバル展開により、グローバルにスケールする機能も強化され、中東や米国での計画も進んでいます。」
真の状況
建設業界は1%から2%の利益率で運営されていることが広く報告されています。労務費はプロジェクト構築コストの約半分を占めますが、労務効率の基礎となるデータは未計上および推測であることがよくあります。
36ZeroがOracle Primavera P6のソフトウェアと統合されると、利用者は36ZeroのData360(またはP6のAPI)で、給与に対する現場への入退出データ、実際と計画の従業員および契約社員/取引時間、ワークストリームに対する進捗状況を確認できるようになり、プロジェクトのスケジュールが困難な場合に先行的に対応できるようになります。
データは請負業者、ジョブ・タイプ、ゾーンでフィルタリングでき、リアルタイムまたはスケジュールとしてフロア・プラン・セクションに表示できます。ただし、このデータは個々の作業員を特定しない方法で表示されます。
「従業員をミクロに追跡するのではなく、取引、フロア、ゾーン、または現場レベルのマクロな視点で、安全、従業員の健康、または場所ベースのデータによると思われる、非効率性が発生する傾向やインシデントをリアルタイムに特定します」と、36Zeroのリード・プロダクト・オーナーのKelley Malcher氏は述べます。
従業員第一
36ZeroのAIによるプラットフォームは、耐久性に優れ、建設現場で実証済みのウェラブル・デバイスであるBudy360を組み込むことで、Oracle P6に安全性と労働者の福利厚生に新たなディメンションもたらします。このプラットフォームは、プロジェクトの優先度設定、計画、管理、実行を行うオラクルのソフトウェアであるPrimavera P6 Enterprise Project Portfolio Managementと統合されています。
このシステムは、状況、環境、コンプライアンス・リスク、個々の従業員の健康状態など、さまざまなリアルタイム・データおよび静的データを収集するため、保険引受会社と顧客にとって重要な関心事であるリスクを予測するように構築されています。このシステムは、熱ストレス、脱水症状、その他の起こりうる安全上の問題など、データから事故の可能性が高いと判断された場合に、建設監督者や従業員に警告を発します。
36ZeroのCEOであるRedmond氏は最近サウジアラビアのクライアント元から戻り、現地では極暑の中長時間屋外で働く従業員が、健康状態が変化するとリアルタイムでアラートを発信する「新しい体感装置」であるBudy360を手にしたことを喜んでいたと述べます。これは、雇用主が従業員のウェルビーイングをサポートしているという大きな証しだと同氏は語ります。
36Zeroによる従業員のウェルビーイングへの注力には、雇用前の健康診断、適性診断、継続的な健康モニタリングも含まれます。従業員の健康データは匿名化され、現場マネージャーのレポート用に集計され、一方、パーソナライズされた健康データは、従業員のみが携帯電話のアプリケーションを通じて個人的に入手することができます。
データの連携
Oracle Primavera P6はプロジェクトの中心的な役割を担っています。P6と36Zeroを使用することで、従業員の有意義な健康増進プログラムがプロジェクトの成果や スケジュールに与える影響、安全事故の発生によりプロジェクト計画の遅延や変更が必要となる状況、従業員の配置に基づいて計画されたワークストリーム・アクティビティの実行状況など、ROIの相関関係を把握できるようになりました。
「建設業界では、ウェアラブルなものが一般的になりつつあります」と、Redmond氏は語ります。「しかし、初日に腕時計を見せながら、『さあ、これを着けてください』と言っても、うまくはいかないでしょう。その語り口は、包括的で、教育的で、楽しいものでなければなりません。」
「理想的な組み合わせ」
Oracle Construction and Engineeringのインダストリー・アンド・イノベーション担当ディレクターであるGeoff Robertsは、この業界では、引き続き従業員の安全と労働者の福利厚生に重点を置くと同時に、プロジェクトを時間通りに予算内で進める必要があると強調します。
「それこそが、このコラボレーションがラボにもたらすさまざまな独自の方法なのです」と、Robertsは語ります。「ほんの一例として、身体的な健康モニタリングとメンタル・ヘルスの問題に対する認識をサポートする機能があります。」
Oracle Industry Labは、36Zeroと他のオラクルの部門やサードパーティ・テクノロジー・プロバイダーとの提携を促進しています。例えば、ホスピタリティ業界のソリューションが建設業界全体にわたり機能する可能性があるとMalcher氏は述べます。
「オラクルのチームは非常に優れています」と同氏は語ります。「多くのテクノロジーをテストし、他のテクノロジー・コラボレーション・プロバイダーとの連携方法を検討するよう奨励してくれます。私たちとオラクルの提携は、まさに理想的なものとなっています。」