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By Margaret Harrist
マーケティング部門がここに来て注目を集めています。この注目は、Chief Marketing Officer(CMO)以下多くの社員が顧客の期待に応えることの必要性を重視しているからです。
十分な予算が割けなくても、企業はマーケティングへの投資を続けています。IDCによると、2014年のマーケティング・テクノロジーへの支出は202億ドルであり、2018年にはこれが324億ドルに増えると予想されます。20年前に導入したツールを使って仕事をしている多くの企業にとって、これは危険信号です。3月下旬にラスベガスで開催されたOracle Modern Customer Experience Conferencesで、オラクルのCEO、マーク・ハード(Mark Hurd)は、これらのツールについて、「モバイル以前、ソーシャル以前、インターネット以前の、完全に時代遅れの」アプリケーションであると語りました。
マーケティングのごく一部をサポートしているだけのマーケティング・アプリケーションを利用している企業もいます。これは、現在のマーケティング・テクノロジーが登場する以前からあった、サイロ型の組織がアプリケーションにも受け継がれていることを意味しています。このような状況では互いにコミュニケーションを取るのは難しく、企業の機能不全を顧客に露呈する可能性もあります。
小売業界ではこのような機能不全の例が多く見られると、Forrester Researchのバイスプレジデント兼主任アナリストであるピーター・シェルダン(Peter Sheldon)氏は述べています。例えば、小売業者はいまだに売り場面積当たりの売上高を使って実店舗のパフォーマンスを測っています。しかし、これではオンラインで購入した製品を実店舗で受け取ったり、返品したりした場合のデータが正しく反映されることはありません。
カンファレンスでシェルダン氏はこう語っています。「取引がどこで発生するかは次第に意味を失いつつあります。どの販売チャネルで購入しましたか、とお客様にたずねてみても、何のことかわからないでしょう。彼らはそんなこと気にしてはいないのです」
もちろん、「お客様中心」というのは昔からあるビジネスの真言です。しかし、利便性に対する顧客の期待はこれまでさほど高くはありませんでした。そしてその期待は今後高まっていくと見られます。
このことを如実に示す例として、テクノロジーに囲まれて育った “ミレニアル世代”の数は、このまま推移すれば2017年には団塊世代を上回るとされています。この世代はソーシャル・ネットワークをごく普通に使いこなしており、彼らが最も影響を受けるのは従来のマーケティングではなく、友人の口コミです。また、Twitterから企業に問い合わせたり、オンラインの仮想エージェントやセルフサービス・モバイル・アプリを利用したり、オンラインのカスタマー・フォーラムに参加する人の割合がミレニアル世代でははるかに高くなっています。この世代の顧客はすべてのチャネルにおける行動が相互につながり、かつ流動的であることを期待しています。
さらには、使用するデバイスに関係なくシームレスな体験が持続することを期待してもいます。実際、多くの人が相当数のデバイスを利用しているようです。
パネル・ディスカッションで自分達の見解を披露してくれた5人の大学生から、以下のような意外な事実が示されました。
・1人あたり4~7台のデバイスを使用。
・ほとんど全員がテレビを観ない。
・何人かはApple Watchをぜひ購入したいと考えており、近い将来、自分がウェアラブル端末を使用している姿をイメージできるとしている。
・企業が自分達についてのデータを大量に収集していることを認識しており、法律の専門用語が多用されたプライバシーに関する同意書に懸念を示している。
・信頼を損なうような行為があれば、その企業とは二度と取引をしない。
上記はすべてマーケティング部門への通告と捉えることができます。情報を渇望する顧客を各種の画面を通して満足させるのに必要となるコンテンツの量は、まさに膨大です。マーケティングや販売部門のエグゼクティブから、卸売店やデパートの社員まで、全員が顧客の期待どおりの情報とシームレスなサービスを提供すること、そのためには、自動化された統合システムなしで、このようなコンテンツを届けることは絶対に不可能です。
また2020年までに労働力の50%がミレニアル世代になることを考えれば、企業はテクノロジーに精通した労働力の活用を避けて通ることはできません。しかし、PwCの調査により、この世代のメンバーは硬直した会社組織や情報サイロを敬遠する傾向にあり、期待が満たされなければ転職もいとわないということがわかっています。
クラウド・テクノロジーを利用すれば、企業は既存の(多くの場合、時代遅れの)技術をすばやくアップグレードでき、マーケティング・オートメーションの止むことのないイノベーションの流れに乗り遅れずにすみます。しかし、マーク・ハードが基調講演のなかで述べたように、何もないところでテクノロジーが奇跡を起こすことはありません。
「なし遂げるためにリーダーシップを発揮しないことには、意味はありません」とハードは述べています。