日本オラクル特集記事

Communications Solutions

顧客をつかむ、デジタル時代の
コミュニケーション・デザイン

 

マーケティング戦略に新機軸
かつてないスピードで移り変わる顧客ニーズを把握する

消費者の“デジタル化”の進展、さらにモバイルやソーシャルメディアといった顧客チャネルの多様化を背景に、インターネットやデータ分析を駆使する「デジタル・マーケティング」が、企業の競争力を左右しうる重要なトレンドとなりつつある。その仕事を担うマーケティング部門の重要性も高まるばかりだ。そうした環境変化のなかで、企業はいま、デジタル・マーケティングとどう向き合うべきなのだろうか──。その問いに対する答えを、オラクル・コーポレーションのOracle Marketing Cloud担当 ゼネラルマネジャー 兼 シニア・バイスプレジデント、ケビン・エイクロイドに求めた。

マーケティング部門はIT部門との連携が不可欠

オラクル・コーポレーション
Oracle Marketing Cloud担当
ゼネラルマネジャー 兼
シニア・バイスプレジデント
ケビン・エイクロイド

――企業のマーケティングはいま、大きく変わりつつあるようにみえます。このような状況を、どのように理解すべきでしょうか。

 マーケティングの戦略や施策は変革期を迎えています。三つのポイントを指摘したいと思います。
第一に、マーケティング部門は多様な役割を求められるようになりました。顧客のデータを管理し分析するだけではありません。顧客を購買へと誘導する活動もあれば、購買した顧客との関係を維持・強化する活動もあります。顧客との関係における全プロセスを、マーケティング部門は担っています。しかもこうした活動を、WebサイトやEメール、モバイル、ソーシャルメディアといったあらゆる顧客チャネルで、継続的に実行しなければならないのです。
第二に、マーケティングの重要性が高まったことで、企業はこの分野へのIT投資を増やしています。それに伴い、CMO(*1)やマーケティング部門の責任はいっそう重くなりました。経営層や事業部門からのプレッシャーも強まっています。
第三に、現在のマーケティング部門には、ほかのどの部門よりもテクノロジーを使いこなすことが求められています。顧客データやカスタマー・エクスペリエンス(以下、CX(*2))を管理する立場ですからね。そこで、IT部門との密接な連携は欠かせません。以前はCMOとCIO(*3)が話をする機会は少なかったかもしれませんが、これからはそういうわけにはいきません。
以上のような変革を進めるうえで、最大の課題の一つはマーケティング部門または担当者の分断が進んでいることでしょう。Webサイトやモバイル、ソーシャルなどの領域ごとに責任者がいて、それぞれが自分たちの目標を追求している。そんな企業をよく見かけますが、それがCXにまで反映され、一貫性を欠くという結果を招いています。分断された組織やビジネスプロセス、コンテンツなどすべてを統合し、顧客を中心とする一貫したマーケティング活動を実現する必要があります。そのために、テクノロジーにできることは大きいと考えています(後述)。

――B2BとB2Cにおけるマーケティングの違いについて、どのようにお考えですか。

 違いよりも、似ている部分のほうが多いと思います。いずれの顧客も、急速にデジタル化しているからです。しかも、その情報収集行動や購買に至るまでの意思決定プロセスも大幅に変化しています。顧客のロイヤルティを維持することは、今後ますます難しくなるでしょう。
以前であれば、顧客は自分で電話をかけたり実際に店舗に足を運んだりして、商品やサービスの情報を集めていました。いまでは時間やコストをかけずに、簡単に大量の情報を収集することができます。このような変化に対応するためには、B2BかB2Cに関係なく、企業のマーケティングも変わらざるを得ません。
とはいえ、両者には異なる部分もあります。B2Bであれば、顧客を育てながら管理し、営業担当者に引き継ぐまでに数カ月かかることもあります。一方、B2Cのモバイルショップ、オンラインショップでは、顧客に十秒でクリックしてもらう必要があるかもしれません。さらに、業種や企業の戦略によってもマーケティング手法は変わってきます。
そこでオラクルは、多様な業種ごとに深いレベルまで踏み込んだソリューションやユースケースを提供しています。たとえば、同じB2Cでも小売業と金融サービスでは求められるものがかなり異なります。それぞれのお客様が置かれた状況、戦略に応じてさまざまな要素を組み合わせ、ご提供しています。

――では、オラクルのソリューションとは具体的にどのようなものでしょうか。その特長、顧客への提供価値などについて伺います。

 この分野でのソリューションの中核に位置するのが、クラウド型マーケティング・プラットフォームOracle Marketing Cloudです。とくに重要な特長、四点について説明しましょう。
第一に、ソフトウェアとデータ、コンテンツをカバーするソリューションを提供できること。ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアを通じて収集するあらゆる顧客データ、クラウド環境を含む社内外の多種多様なデータを統合的に管理することができます。これにより、リアルタイムのデータを活用したメッセージを顧客に届けることが可能になります。
第二に、コンテンツの観点。簡単にいうと、メッセージを届けたい顧客に対し、適切なコンテンツ(メッセージ)を適切なタイミングで、適切なチャネルをとおして届けることができます。モバイル、Webサイト、あるいはソーシャルメディアといったコンテンツを受け取る手段、コンテンツの内容やタイミングに対するニーズは、顧客によってさまざまです。
オラクルのソリューションは、コンテンツの“工場”のようなものです。あらゆるコンテンツをリアルタイムでキュレーション(*4)し、顧客のスコア(*5)やペルソナ(*6)などを用いてリアルタイムのコミュニケーションを実現する。従来型のコンテンツ・マネジメントではできなかったことが可能になります。
第三に、顧客を中心とするシームレスなCXの提供です。その意味するところはSFA(*7)やCRM(*8)といったシステムごと、モバイルやソーシャルなどのチャネルごとに分断された状況の変革です。
これに対してOracle Marketing Cloudでは、顧客の属性データが中心にあり、そのデータを各種システムが活用するかたち。データの不整合や矛盾といった課題は解決され、一貫したCXを提供することができます。
第四に、エンタープライズレベルの信頼性や拡張性、統合運用性、セキュリティなどがあります。一見地味なようですが、これらを第一級のパフォーマンスと両立させたことはとても革新的なことだと思っています。

「顧客は急速にデジタル化し、情報収集行動や購買に至るまでの意思決定プロセスも大幅に変化しています。この変化に対応するためには、マーケティングも変わらざるを得ません。」

変革によって日本企業はいっそう強くなる

――新しい時代に即したマーケティングに取り組む日本企業は増えていますが、欧米企業に比べると出遅れ感は否めないと思います。日本企業の課題はどのようなところにあると思いますか。

 欧米との大きな違いは、経営層が「現状に問題がある」と認識しているかどうかだと思います。欧米企業の多くは、その課題を認識してマーケティングの再構築に取り組んでいます。一方、日本でも動き始めている企業はありますが、ごく少数にとどまっているのが現状ではないでしょうか。
まずCEOとCMO、CIOをはじめとする経営層が新しいマーケティングの重要性を認識したうえで、さまざまな取組みをリードする必要があります。日本ではCMOの機能をもたない企業も多いので、CEOとCIOの役割はより重くなるでしょう。
しかし見方を変えれば、デジタル・マーケティングの分野において十年以上にわたる具体的なノウハウやユースケースがすでに存在していることは、朗報といえます。オラクルでも多種多様な業界での知見が蓄積、整理されています。これらを活用すれば、日本企業は短期間で学習カーブを上昇させることができるはずです。

――最後に、日本企業の経営者に向けたメッセージをお願いします。

 多くのお客様からマーケティングの課題、変革への熱い思いを伺うなかで、オラクルへの期待の大きさを実感しています。私たちの果たすべき責任は重く、これまで以上の努力が求められていると受け止めています。
お客様のイノベーションを支えていくために弊社では、マーケティング分野への投資強化をはじめ、さまざまな施策を講じてきました。オラクルのソリューションはその結果、他社の追随を許さないほどの幅広さと深みを獲得しています。この強みを活かしながら、マーケティング分野のみならず、さまざまなソリューションと組み合わせ、お客様にとって最良の選択肢を提供できればと思っています。
日本には、各市場で世界をリードするグローバル企業、あるいは独自の強みを発揮して存在感を放っている企業が多数あります。マーケティングの課題を克服することで、そうした企業はさらに強くなります。そんなダイナミックな変革のプロセスに伴走しながら、私たちも自分自身を磨き続けていきたいと考えています。

脚注
*1 Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者
*2 Customer Experience:商品・サービスの選定、購入、利用、サポートまでの経験を通じて顧客が感じる価値
*3 Chief Information Officer:最高情報責任者
*4 第三者のコンテンツを収集し、独自の視点を加えて編集すること
*5 属性・行動など複数の項目から、見込み顧客の購買意欲の度合いを数値的に評価・採点したもの
*6 対象とする顧客像を架空の人物として定義し、提供する製品・サービスがその人物に適切かどうかを判断する手法
*7 Sales Force Automation:営業支援システム
*8 Customer Relationship Management:顧客関係管理。ITを応用して企業が顧客と長期的な関係を築く手法