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日本オラクル特集記事

ゴールデンステート・ウォリアーズCFOが狙う、NBAチャンピオン以上のものとは

2019年秋に本拠地を新しいアリーナに移すとき、ゴールデンステート・ウォリアーズはNBAバスケットボールのフランチャイズからエンターテインメント企業へと転換し、通年のイベント、不動産事業、小売事業を展開するようになる。

新たな段階、そして巨大アリーナ複合施設の資金を自己資本でまかなうという課題に対応するために、2013年8月、ジェニファー・カバルキント(Jennifer Cabalquinto)氏はウォリアーズの最高財務責任者(CFO)に就任した。


サンフランシスコ湾沿いに完成予定のチェースセンター COURTESY OF GOLDEN STATE WARRIORS

ウォリアーズでの彼女の最初のシーズンは、チームがNBAファイナルに進出できない最後の年となった(それ以後はNBAファイナルを3回制覇している)。この時点でアリーナ・プロジェクトは計画段階にあり、ウォリアーズはサンフランシスコ市と連携してサンフランシスコ湾のウォーターフロント・ピア30~32に用地を借りることになっていたが、そのための資金は一切調達できていなかった。

用地には制約があり、コミュニティからの反対もあったため、ウォリアーズは計画を白紙に戻し、2014年4月、当初の予定地にほど近いミッション・ベイに12エーカー(ほぼ東京ドーム1個分)の土地を購入した。

カバルキント氏は次のように振り返る。「プロジェクトをゼロから再スタートさせる必要があった。しかし、プロジェクトの規模は、最終的には最初の用地に建設するはずであったものを遥かに上回ることになった。アリーナを建設するだけでなく、オフィス開発プロジェクト、小売業、コミュニティスペースも手がけることになる。本格的な多目的開発プロジェクトだ。結局は、場所の変更が大きな変化をもたらすことになった」

カバルキント氏のCFOとしての課題は、新しいチェースセンター(20年間の命名権をJPモーガン・チェースが取得)のための10億ドルの資金調達だけでなく、NBAチャンピオンがフランチャイズにもたらす価値と、それを拡大し続ける方法を理解することにあった。

最も重要な課題について、彼女は次のように述べている。「これまでよりずっと大きな事業を経営することができ、チームの成績が良くない時でも安心していられるようなビジネス・インフラの構築が必要になった」

テクノロジーが重要なアシストに

ウォリアーズのホームゲームが毎シーズン41試合行われる現在もキャッシュ・フローの管理は重要であるが、チェースセンターがオープンする来年秋以降、カバルキント氏とその財務チームは多目的複合施設のキャッシュ・フローを管理することになる。それには、このスポーツ・アリーナに付属するすべての売店からの売上以外にも、コンサート、文化イベント、ファミリーショー、54,000平方メートル(58万 平方フィート)のオフィススペース、9,300平方メートル(10万 平方フィート)のレストランおよび小売店スペースからの売上も含まれる。

カバルキント氏には、ウォリアーズがCFOとして迎えるに相応しいTV業界とテーマパークでのキャリアがある。彼女は、フロリダのTelemundo Station Groupとハリウッドのユニバーサル・スタジオでそれぞれバイスプレジデントとCFOを務めてきた。

「テーマパークでは、チケット、食品、土産物などを販売し、大規模な建設プロジェクトやアトラクション開発プロジェクトもあった。それ自体は、建設中のアリーナとさほど変わらない。ただしアリーナの場合、桁がいくつか増えるだろう」とカバルキント氏は語る。

過去4シーズンにNBAファイナルを3回制覇したことでウォリアーズの名は世界中に知れ渡るようになったが、スポーツエンターテインメント企業としては、しっかりとした財務管理が重要である。売上集計を毎晩行う業態に移行するのであれば、なおさらのことだ。

カバルキント氏は次のように述べている。「このような大規模プロジェクトを自己資金でまかなう場合、財務、予測、キャッシュ・フローに対する可視性を確保することが極めて重要となる。クラウドベースの財務システムに移行した大きな理由の1つはこれである。売掛金の観点と営業キャッシュ・フローの観点から現状を継続的に把握できるように、リアルタイムの透明性と可視性が求められる」

この可視性のためにウォリアーズが注目したのがオラクルのクラウドERP「Oracle NetSuite」であった。カバルキント氏は、「買掛金勘定を中断して何週間もかけて帳簿をまとめる必要がなくなり、レポートを実行するだけで、支出面からだけでなく、営業キャッシュ・フローの管理の面からもパイプラインの現状を把握できる」と述べている。

10億ドルのバンクショット

チェースセンターの財務運営は複雑だ。NBAフランチャイズであるウォリアーズには、カバルキント氏が保守的と呼ぶリーグの負債ルールと制約が課される。通常、企業の資金調達能力は、その企業の市場価値によって決まる。ウォリアーズの場合、2月にForbesが評価した市場価値は31億ドル(ニューヨーク・ニックス、ロサンゼルス・レイカーズに次ぐ第3位)であったが、3億2,500万ドル(昨夏の2億5,000万ドルから増額)という上限がNBAの全30チームに一律に課せられる。NBAリーグの承認を得たウォリアーズは、この制約を上回る借り入れに成功し、革新的なアリーナローンを締結した。

アリーナ建設資金の借り入れ以外にも、ウォリアーズには開発プロジェクトの一部となるオフィスビルに関連してUber TechnologiesとAlexandria Real Estate Equitiesという2つのジョイントベンチャー・パートナーがある。チェースおよびその他企業とのスポンサー契約も重要である。たとえば、日本のeコマース企業である楽天は、ウォリアーズのジャージに社名を入れるために3年間で6,000万ドルを支払う。一方で、新アリーナの最初のシーズンチケットは完売し、すでに44,000人以上がキャンセル待ちをしている。

ウォリアーズの新しい本拠地のための資金を自己資本でまかなうもう1つの理由は、資金を分散せずにチームとその運営、そして建設プロジェクトに投資するCEOのジョー・ラコブ氏(Joe Lacob)率いるこの組織の経営チームにあるとカバルキントは語る。

「ジョー・ラコブ氏は、この組織をビジネスとしてだけでなく、コミュニティ資産として考えている。したがって、運営方針はこの視点に合わせる必要がある。彼は、従来のスポーツチームがしてきたこと以上のものを常に望んでいる」とカバルキント氏は語る。

チェースセンターはこの哲学をわかりやすく示しているが、カバルキント氏によれば、ウォリアーズという組織はブランドのリーチを拡大する機会を常に狙っている。

たとえば、米国最高裁は最近、スポーツギャンブルの合法化を州に禁止した1992年の法律を覆した。カリフォルニアではまだ非合法であるが、いくつかの州では合法化される。そして、組織を拡大してきたビデオゲーム競技会であるeスポーツの存在がある。ウォリアーズは、NBA 2K eスポーツ・リーグとLegends Championship SeasonのNorth Americanリーグの両方にチームを持ち、フランチャイズをこれまでとは異なる大規模なファン層へと広げている。

今シーズン、ウォリアーズがバスケット・コートでNBAファイナル3連覇に集中する一方で、「Oracle NetSuite」は、カバルキント氏と組織のリーダーシップ・チームの目標が、嗜好と期待の変化が激しい顧客に適合可能なビジネスの構築という経営者たちの目標と合致するように支援する。

カバルキント氏は次のように語る。「ウォリアーズのオーナーシップ・グループが勝利に重きを置いていることに間違いはないが、勝利がすべてというわけでもない。組織を自己資金でまかなうことも、成功を測る指標の1つだ。イベントの回数、イベントの質、イベントがコミュニティに果たす役割の面で、自社アリーナの所有・運営する利点をどのように最大化していくかに注目していきたい」

本記事はForbes.com OracleVoiceの以下の記事を抄訳しています:
Golden State Warriors CFO: Thinking Even Bigger Than NBA Championships