日本オラクル特集記事

経済をテーマに力説するオラクルCEO

マイケル・ヒキンズ

オラクルのCEOマーク・ハード氏は1月20日、ニューヨークで開催されたイベント「Oracle CloudWorld New York」の基調講演で、企業の経営者がイノベーションによって売上を伸ばすことが益々難しくなっていると繰り返し説明した。その原因は、不安定なグローバル経済と利益へのプレッシャーによるものだ。但し、クラウド・コンピューティングを駆使し、IT予算に自由度をきかせれば答えは違ってくるかもしれない。

ハード氏の説明によると、2008年以来、S&P 500を構成する企業の利益が5%伸びている一方、売上の伸びは1%程度に留まる。企業はコストを削って利益を上げていると読み取れる。

クラウド・コンピューティングが企業の売上を伸ばす起爆剤になる。その理由は、新規アプリケーションの開発とテストのために使われるハードウェアとソフトウェアのメンテナンスに多額のIT予算を費やすことを回避し、顧客志向のモバイル・アプリ開発といった創造的なプロジェクトに予算を振り分けることができるからだ。IT予算の約80%がメンテナンスに充てられ、「イノベーションに使われる予算の割合はほんの僅かである」とハード氏は述べる。クラウドへの移行を選択しなければ、コスト構造をイノベーション重視に転換した企業との競争において劣勢に立たされるであろう。

企業のIT予算の30%はテストと開発に費やされ、その分の予算だけでもクラウドに移行すれば、全体として3,000億ドルが節約され、より多くの金額がイノベーションへと割り当てられるはずだ。「クラウドにしない理由はない。いずれはすべてがクラウドに移行していくだろう」とハード氏は述べる。

クラウド・コンピューティングは本質的に、自社の開発者が内製で作る以上に、迅速かつ豊富に斬新なサービスを提供できる。例えば、オラクルではOracle HCM Cloud向けの機能の開発に2,000名のプログラマーを雇用している。「あなたと競合する会社にそれだけの人数(のプログラマー)が控えているとしたら、対等に渡り合えることはできない」とハード氏は述べる。

クラウドのサブスクリプション・モデルが有益と感じる企業は、データセンター、ハードウェア、データベースの所有やアプリケーションの開発に係るコストを、オラクルのようなクラウド事業者に振り分けている。「仮想的に、すべて私たちが行うことになる。資産も私たちの手元にある。そのイノベーションのエンジンは、オラクルと共に進化していく」とハード氏は述べる。

マクロ経済の話題に戻ると、ハード氏曰く、コスト削減へのCEOに対するプレッシャーは「極端である」。また、CEOは並行して成長を推進することが求められている。米国企業のCEOの平均在任期間は約4年半で、決断力を発揮するには十分な時間とは言えない。「コストを削減してイノベーションをけん引するのを同時に行うことは難しいことだ。クラウド・コンピューティングはコストを抑えて多くのイノベーションを引き起こし、それをよりシンプルに実現できる」とハード氏は述べる。

組織が縦割りの状態では何も上手くいかない。ハード氏が主張したのは、オラクルのクラウド製品群を活用すればその解決策になるということだ。企業が使用する何百ものアプリケーションは連係しながら稼働し、経営者も従業員も事業の状況をタイムリーかつ正確に把握することが可能だ。「アプリケーション単体でも優れた製品だが、スイートとして使うことを勧めたい」とハード氏は述べる。

ハード氏の予測では、2025年までにクラウド・アプリケーション市場のシェアの80%は2社のクラウド事業者に集約される ― その1社はオラクルになるだろう。

現職のCEOに問われているのは、在職期間中に著しい成長を達成できるかである。「生き残りをかけ、目標に向かって前進しなくてはいけない。変革をおこすのに十分な時間は残されていない」とハード氏は述べる。

本記事はForbes.com OracleVoiceの以下の記事を抄訳しています:
http://www.forbes.com/sites/oracle/2016/01/20/oracle-ceo-hurd-hammers-on-economic-themes/