日本オラクル特集記事

4つの財務指標と新たな取り組みが証明するオラクルのクラウド事業の勢い

オラクル・コーポレーション
クリス・マーフィー

3月15日の2016年度(FY16)第3四半期決算発表の席で、オラクルのCEOであるサフラ・キャッツは開口一番、「クラウドへの移行はテクノロジーにおける世代交代であり、これはオラクル史上最大かつ最重要なチャンスと捉えている」と明言した。

今期の業績は、クラウド・アプリケーションやプラットフォーム、インフラストラクチャに対するオラクルの取り組みが実を結び始めていることを示している。本記事では、オラクルのクラウド事業が勢いを増していることを示す4つの財務指標、さらにスピードと効率化を求める顧客の期待に応えるために、オラクルが行おうとしている販売プロセスの変革を取り上げてみる。

1. SaaSとPaaSの合計売上高は前年同期比61パーセント増

オラクルのSoftware as a Service(SaaS)とPlatform as a Service(PaaS)は事業規模を拡大してもなお、売上の伸びを一層加速させている。第3四半期のSaaSとPaaSの合計売上高は前年同期比61パーセント増(数字はすべて管理会計上の為替レートに基づく)の5億8,300万ドルとなった。SaaSとPaaSを合わせた第4四半期の売上高については、管理会計上の非GAAPベースで、57~61パーセントの伸びを見込んでいる。オラクルのCEOであるマーク・ハードは、「SaaSおよびPaaS事業において、当社は膨大なパイプラインを擁している」と自信を見せた。

売上の大幅増に貢献する要素としては、クラウド関連のトレーニングを積んだ十分な人員を投入して販売部門を強化したこと、各業界で導入事例として示すことができるクラウドの実績を積み重ねてきたこと、広範な製品ポートフォリオ、さらに、クラウドERPを購入した顧客はその後、人材管理のクラウドサービスやアナリティクス・クラウド・サービスも導入するケースが多いことや、マーケティング・クラウドを購入した顧客はセールス・クラウド・サービスを後に導入する割合が高いこと等、さまざまな要因が挙げられる。

この点について、キャッツは、「現在、当社の事業は、成功がさらに大きな成功を生むというきわめて好循環にはまっている」と述べている。

2. 第3四半期中、SaaSは942社の新規顧客を獲得し、顧客総数11,000社に到達

第3四半期中、オラクルはクラウドERPの新規顧客334社を獲得。このうち175社はオンプレミスのオラクル・アプリケーションを導入していなかったまったくの新規で、クラウドERPの顧客総数は1,800社を突破した。「ERPの顧客を巡ってオラクルはWorkdayとの競争を勝ち抜いている」とハードは述べている。

当期中、オラクルは人事管理(HCM)、顧客管理(CX)クラウドについても数百社の新規顧客を獲得したほか、クラウドの顧客のうち783社が導入範囲を拡大している。オラクルの取締役会経営執行役会長 兼 CTOのラリー・エリソンは、「オラクルはこれまで長年を費やして業界で最も広範なERP製品群を開発してきており、対象とする業界も金融から調達、サプライチェーン、物流、製造など、さらに拡大し続けている。そうした長年の努力が今、実を結び始めている」と述べている。

3. PaaSは新規1,143社を加え、顧客総数5,000社に迫る

データベース・クラウド・サービスを含むPaaSには、数十年来、業界をリードするOracle Databaseをベースにアプリケーションの構築を図ってきた顧客企業にとって重要な要素となっている。

オンプレミスの「Oracle Database」は全世界で31万社に導入されている。エリソンはその多くがワークロードをクラウドに移行すると見込んでおり、次のように述べている。「オラクルのPaaSは、オンプレミスよりもさらに使いやすく性能も向上しており、オラクルとしては今後もオンプレミスのデータベース・ソフトウェアの販売に力を入れるものの、次世代のデータベース事業ではクラウドの占める割合が圧倒的に高くなると考えている。」

4. SaaSおよびPaaS事業の利益率は前年同期から45パーセント増の50パーセントを達成

オラクルのクラウド事業は、事業規模の拡大にともなって利益率を高めている。これまでデータセンターの構築から顧客向けのクラウド・ソフトウェアやプラットフォーム、インフラストラクチャの構築に至るまで、オラクルは膨大な先行設備投資を行ってきており、そうした負担が次第に軽減され始めている。キャッツは、オラクルがSaaSおよびPaaS事業で最終的に80パーセントの売上総利益率を目指していくと語った。

オラクルがここで重要な点として指摘しているのが、オラクルの長年の顧客がデータベース・ワークロードやアプリケーションをクラウド・モデルに移行するにあたって、一切の矛盾を生じることがない点である。「オラクルはそうした入れ替えを毎日のように行っている。ライセンスのクラウドへの切り替えこそ、現在、オラクルが取り組んでいること」とハードは述べている。

また、この入れ替えはオラクルだけでなく顧客にとってもメリットがあるとキャッツは指摘する。ソフトウェア・ライセンス料だけを取って見れば、クラウドの顧客がオラクルに支払う料金は高くなるものの、代わりにアプリケーションやデータベースを稼働させるために必要な人件費や運用管理費、インフラのコスト等、従来別途に支払う必要があったコストが不要になる。さらに、オラクルがより大規模でこれらを運用することによって効率がさらに高まり、総額では顧客のコストは低減される一方、オラクルは顧客のIT支出占有率を高めることができる。

その上、オラクルは今後もオンプレミス、クラウドの両方のモデルをサポートしていくため、「いつまでもオンプレミスに留まることもでき、選択は完全に(顧客の)自由」であると述べている。

「最も取引しやすい企業」を目指すオラクルの新たな取り組み

決算会見の場でキャッツは新たな取り組みについて詳しくは語らなかったものの、これはオラクルがいかに、クラウドに顧客が望むスピードややり方に合わせて業務を変革しようとしているのかを示す一例だと言える。

決算発表を受けて開かれた従業員向けタウンホールミーティングで、キャッツは承認プロセスの大半を自動化することによってほとんどのソフトウェア販売契約を従来よりも短時間で締結できる、簡素化された新たな販売プロセスの概要を示した。

決算会見でキャッツは、「オラクルは本格的に、業界で最も取引のしやすい会社となるために取り組んでおり、今後、きわめて前向きで効果的に変化することで、顧客にも大いに喜ばれると考えている」と述べている。

ハードは、製品からオペレーションに至るまで、オラクルはクラウド事業に必要なほぼあらゆるピースを揃え、急成長に導く態勢が整ったことで、「今後、オラクルのクラウド事業はさらに発展していくのみ」であると自信を見せている。

本記事はForbes.com OracleVoiceの以下の記事を抄訳しています:
http://www.forbes.com/sites/oracle/2016/03/21/oracle-cloud-momentum-proof-in-4-financial-metrics-and-1-new-initiative/