日本オラクル特集記事

Cloud Transformation

オラクル クラウドのゲームは
まだ序盤

オラクル・コーポレーション
ロブ・プレストン

 

オラクルのクラウドへの行進はさらに前進し、2016年度(FY16)第1四半期のSoftware as a Service (SaaS)およびPlatform as a Service (PaaS)を合わせた売上高は対前年同期比34パーセント増の4億5,100万ドル、Infrastructure as a Service (IaaS)は16パーセント増の1億6,000万ドルだった。

オラクルはFY16通期で、SaaSおよびPaaSの売上高が約50パーセント増加(管理会計上の為替レート)すると見込んでいる。IaaSの売上高に関して通期の見通しを公表しなかったが、第2四半期は5パーセントから9パーセントの増加を見込んでいるとした。

オラクルの取締役会経営執行役会長 兼 CTOであるラリー・エリソンは、FY16通期のSaaSおよびPaaSの新規契約額は1.5億ドルから2億ドルの間に着地する勢いだと述べた。この金額はSalesforce.comが同社の現会計年度に契約する額よりも50~100パーセント多い。エリソンは、「オラクルは世界第2位のSaaSおよびPaaSカンパニー」と述べ、過去2~3年の同社のクラウド・ビジネスを“初期段階”と表現し、「我々は急速にNo.1に迫っている」と説明した。

オラクルのCEOであるサフラ・キャッツは、同社がFY16第1四半期に契約した継続サブスクリプションの数が、1年前と比べて約3倍に増加したと述べた。クラウド・ビジネスが現会計年度の後半から収益性がさらに高まると予測している。

キャッツは、「オラクルのクラウド・ビジネスが規模を拡大するに連れ、我々のSaaSとPaaSの利益は今後2年で倍になる計画だ。終わったばかりの第1四半期は40パーセント、第4四半期には60パーセント、2年後には80パーセントまでになる」と説明した。「急成長するクラウドの売上と倍になるその利益を合わせると、今後のEPS(1株あたり利益)の増加に大きなインパクトがある」と述べた。

今後利益が伸長する理由は2つの要素から成っている。クラウドのサブスクリプションによる売上高は、オンプレミスのライセンス購入費用のように前払いとは違い、契約期間に比例して計上される仕組みだ。売上が計上される時間差から短期の営業利益およびEPSの低下が懸念されるが、徐々に両方ともに増加に転じると予測している。また、オラクルはクラウドのデータセンターへの主な設備投資は徐々に減らしている。「投資の大部分はほぼ終えている。第1四半期に(設備投資の)1億5,000万ドルの減額からその傾向を見て取れる。」

キャッツは第2四半期からSaaSとPaaSの利益率が上昇することについて、「実現しないはずはない」と述べた。

オラクルの決算発表に関する継続テーマとして、米国ドルに対するいくつかの国の通貨安が“向かい風”となり、発表当日の金融市場が閉まったあとネガティブな影響を及ぼした。

管理会計上の通貨レートで、オラクルのSaaSとPaaSの第1四半期の売上高は1年前と比較して38パーセント増加し、IaaSの売上高は23パーセント増加した。実勢為替レートでは、オンプレミスのソフトウェアの売上高は1年前から4パーセント減少した。ハードウェア全体の売上高は同四半期で3パーセント下落の11億ドルだったが、管理会計上の為替レートでは6パーセント増加した。

第1四半期の営業利益は27億ドル、営業利益率は31パーセントだった。Non-GAAPベースの営業利益は35億ドル、営業利益率は41パーセントだった。純利益は17億ドルで、Non-GAAPベースの純利益は23億ドルだった。

オラクルのFY16第1四半期の決算ハイライトは以下のとおり:

新たな競合会社に直面するオラクル

オラクルは、SaaS、PaaS、IaaSといったフルコース揃えたクラウド・プロバイダーだ。今となっては主に競合する会社はすべてをクラウドで提供する会社だ。Salesforce.com、Workday、Amazon Web Services、Microsoftがその類だ。

オラクルのCEOであるマーク・ハードは、クラウドの契約交渉でSAPを目にする機会はないと述べた。

長期にわたるSaaSのゲームは未だ「1回表」

ハードはSaaS分野におけるオラクルの潜在力を野球に例え、オラクルのSaaSビジネスのパイプラインはここ12カ月で倍になったと述べた。それが実現できた根拠として、洗練されたトレーニングを受けた営業担当者の数が増え、業界最高水準のアプリケーションが、多言語対応になったことを理由に挙げる。

オラクルは第1四半期に612社のSaaSの新規顧客を獲得し、616社が契約を延長した。人材管理(HCM)のSaaSだけでも同四半期に166社の新規顧客を獲得した。

ハードが強調するのは、第1四半期に約20社の“クオリティ・ブランド”のクラウド顧客を獲得したことだ。(HCM領域:Cypress Semiconductor、Nationwide Insurance、Rutgers University、Limited Brands。ERP領域:Athenahealth、Chicago Sun-Times、US Department of Energy、Lending Club。セールス領域:SiriusXM, Sallie Mae, Toshiba Medical Systems、Fox Home Entertainment。マーケティング領域:Aer Lingus、Telstra、Verizon.)

基本的にオラクルの主要なオンプレミス・アプリケーションはクラウドでも提供可能で、広範なSaaSアプリケーションのポートフォリオを扱える唯一のベンダーだと、ハードは述べる。

SaaSの“柱”が集結

オラクルのSaaS製品の“柱”すべて(HCM、セールス、マーケティング、ERP、EPM)が急成長していることを強調しながら、ERPを取り上げ、第1四半期だけで200社の新規顧客を獲得し、同分野のリーダーであると説明し、同四半期単体でWorkdayが10年かけて販売したクラウドERP製品よりも多く販売したと述べた。

オラクルは契約中の1,350社にのぼるクラウドERPの顧客を有し(オンプレミスのERP顧客の約10パーセント)、ハードは「5四半期前に1,350社が我々とクラウドのERP製品の契約を結ぶと思うと発言した。そんなに早く達成できないから、助けを求めることになるだろうと、多くの人は言っていた ― 結果は、達成できた」と述べた。

グローバル規模でフルサービスのクラウド・ビジネスを構築するのは至難の業

オラクルは現在、14カ国19カ所のデータセンターからクラウド・サービスを顧客に提供し、その電力量合計は45メガワットに達する。2~3年前はわずか、0.5メガワットであった。エリソンは、「90パーセントではなく、90倍の増加だ」と強調した。データセンターには4万台の物理デバイス、10万の仮想マシン、8ペタバイト以上のストレージを備えていると説明した。

コアとなるデータベースのビジネスが堅調

2013年に発表した、クラウドに最適なOracle Database 12cの顧客採用のペースが、前バージョンと比較して早いと、オラクルは繰り返し述べる。顧客が評価するのは12cの2つのオプション、マルチテナントとインメモリだ。エリソンは、この2つのオプションはOracle Database史上、最も早く顧客が使用している機能だと述べる。Oracle Databaseは特に、SAPが有するConcur、Ariba、SuccessFactorsのクラウド・アプリケーションで、SAPのHANAインメモリ・データベースよりも利用されていると、エリソンは述べた。

終わらせないオンプレミスのビジネス

オラクルはクラウドとオンプレミスを1つのソフトウェア・ビジネスと見ている。「クラウドとオンプレミスの共存は永久ではないが、数十年のプロセスが必要になるだろう。共存の長い期間に、オンプレミスとクラウドの究極の互換性が我々の大きな差別化ポイントになる」とエリソンは述べた。

本記事はForbes.com OracleVoiceの以下の記事を抄訳しています:
http://www.forbes.com/sites/oracle/2015/09/17/oracle-still-in-early-innings-of-cloud-game/