日本オラクル特集記事

ラリー・エリソン:オラクルのPaaSとIaaSはSaaSをしのぐ規模になると予測

オラクル・コーポレーション
クリス・マーフィー

オラクルの2017会計年度第4四半期の増収・増益を促した主要因はSaaS (Software as a Service)であったが、経営執行役会長 兼 CTOであるラリー・エリソンが決算説明会でアナリストに語ったところによると、オラクルがクラウドの柱とする他の2つの分野、すなわちPaaS (Platform as a Service)とIaaS (Infrastructure as a Service)が、今後はSaaSよりも強力な成長の原動力になると予想される。

エリソンは決算説明の際、AT&Tとオラクルが先日締結した契約に言及した。この契約は、現在「Oracle Database」に格納するペタバイト級のデータと、オンプレミスで稼働している付随アプリケーションを「Oracle Cloud」に移行するというものだ。オラクルのPaaSおよびIaaS関連の第4四半期の売上は、前年同期比40%増の3億9,700万ドルとなり、5月31日を期末とする2017年度では14億ドルに到達した。

SaaSの第4四半期の売上は67%増の9億6,400万ドル、通年では32億ドルに達した。エリソンによるとこれは主に、ERP、HCM、CRM関連のクラウドのアプリケーション・スイートが貢献した。

SaaSの成長は目覚ましいものがあるが、エリソンはIaaSとPaaSの未来はさらに明るいものになると考えている。「当社の顧客は大量の『Oracle Database』を第2世代のオラクルのクラウドサービスに移行しはじめており、AT&Tとの契約はそのはじまりにすぎない。オラクルのPaaSおよびIaaS事業は今後、急成長を遂げ、SaaS事業より拡大するものと予想している」

2017年度に関しては、オラクルのクラウド総収益は60%増の46億ドルとなり、第4四半期の高い成長率によって、オラクルは「最も速くかつ大きな規模で成長しているクラウド企業」になっているとCEOのマーク・ハードは語っている。通年のオラクルの総売上は2%増の377億ドル、営業利益は127億ドルであった。

クラウド分野の好調さが明らかになった今回の決算説明会では、経営陣から以下の4つの重要項目が挙げられた。

1. SaaS分野では、第4四半期に1,575社の新規顧客を獲得し、その大半はこれまでオラクルのアプリケーションを導入したことがない顧客であった。

大勢のITスタッフや大規模なデータセンターがない企業・団体であってもオラクルのSaaSアプリケーションを実行できるため、以前であればオラクルのオンプレミス・アプリケーションについて検討しなかったであろう中規模企業や公共団体が、オラクルのクラウド・アプリケーションの導入に踏み切っている。

SaaSで最も大きな割合を占めるERPでは、868社の新規顧客(NetSuiteの新規顧客を除く)を獲得し、その約3分の2がこれまでオラクルのアプリケーションを導入したことがない顧客であった。ガートナーは先日、オラクルをクラウドERP分野の「リーダー」と認定している。競合のSalesforce.comはERPやHCM分野の製品を提供していないため、オラクルがSalesforce.comのSaaSの収益を追い越し、「エンタープライズSaaS市場のナンバーワンになるまで、あと一歩」であるとエリソンは語っている。

2. PaaS・IaaS:企業はデータベースをクラウドに移行しようと試みている。

クラウドで「Oracle Database」を実行したいIT部門には、ライセンス供与されたデータベースをリフト&シフト方式でIaaS(オラクルまたは他のクラウドプロバイダーが実行)に移行するか、データベースとインフラストラクチャ、および当該スタックのオペレーションが含まれるオラクルのDatabase as a Service(DaaS)を利用するという選択肢がある。

顧客は双方のモデルを採用しており、オラクルのデータベース収益は拡大している。DaaSの収益は増加し、DaaSとオンプレミスのライセンス/サポートの双方を含めたデータベース事業全体も成長している。

3. オラクル独自の「Oracle Cloud at Customer」が勢いを増している。

ハードによると、オラクルの顧客が第4四半期に注文した「Oracle Cloud at Customer」製品群の「Oracle Cloud Machine」は100を超えている。このモデルでは、ハードウェアおよびソフトウェアの管理、パッチ適用、アップグレード、セキュリティ確保など、クラウドサービスの実行時に通常行う作業をオラクルがすべて担い、顧客は通常のクラウドサービスの場合と同様に、使用状況や登録に応じて料金を支払う。通常のサービスとの違いは、マシンが物理的に顧客のデータセンター内、つまりファイアウォールの内側に存在するという点であり、規制やその他の懸念事項によりデータをオンプレミスに維持する必要のある組織にとっては魅力的である。

4. AT&Tとの契約は、いかに規模が大きく重要な「Oracle Database」であっても、クラウドに移行して運用面での利点を享受できることを示している。

オラクルの経営陣は、数千に及ぶ既存の「Oracle Database」と付随するアプリケーションのワークロードを「Oracle Cloud」へと移行し、オラクルのPaaS、IaaS、SaaSを利用するというAT&Tとの長期契約について言及した。

CEOであるサフラ・キャッツによると、この契約が示すものは、「Oracle Database」をすでに大規模に導入している組織が、そのワークロードに最適なクラウドについて検討した場合、オラクルが選ばれるという点だ。「移行先に制約がなく、何でもできる組織がオラクルを選択している。これは非常に重要なメッセージだ」とキャッツは述べている。

「Oracle Database」の膨大なユーザーを踏まえて(データベース市場で最大のシェアを誇る)、オラクルはAT&Tとの契約を、ワークロード移行によってクラウドの利点を享受できるよう組織を支援するモデルと捉えている。「これは当社にとって、数百、数千、数万の顧客を同様に支援するチャンスである」とハードは述べている。

本記事はForbes.com OracleVoiceの以下の記事を抄訳しています