日本オラクル特集記事

Oracle Modern Business Experiences 2016
Digital Transformation ~新しい変革のちから

「クラウドの力」が日本の将来を救う 成功事例に学ぶ「これから進むべき道」

~デジタルの積極的な活用によるビジネス変革の効果を探る~

日本はいま、人口減少による国力の低下という、かつて経験したことのない危機的状況に直面しようとしている。縮小する市場を巡り生き残りを賭けた厳しい競争が繰り広げられるなか、着実に業績を伸ばしている企業もある。これらの“勝ち組”に共通するのは、デジタルを積極的に活用したビジネス変革に取り組んでいることだ。成功事例をもとに、企業がこれから進むべき道を探ってみたい。

生産性向上を支援するクラウド

少子高齢化社会が進み、人口減少時代に突入した日本。すでに国民の4人に1人が65歳以上の高齢者となり、労働人口も6,000万人割れが目前に迫っている。深刻な人手不足により存亡の危機に立たされた日本の将来を救うものは何か。それはデジタル革命によって急速な進化を遂げたITに他ならない。

企業の重要なビジネスエリアにおける最新ソリューションを紹介した「Oracle Modern Business Experience 2016」。約1,300人が来場した

「いまの日本が抱える課題を解決するにはITによる生産性向上が急務」―― 日本オラクル 取締役 代表執行役社長 兼 CEOの杉原博茂氏も、2016年7月に開催された「Oracle Modern Business Experience 2016」の基調講演の冒頭でこう語る。「生産性の向上とは古今東西、情報を制すこと。しかしいまは、ITの急速な進化によって昔ながらのやり方が通じません」

杉原氏は、いまの時代を「VUCA(ブーカ)」と呼ぶ。これは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をつなげた言葉であり、従来とはまったく異なる世界を示している。このVUCAの世界を支えるのが「Digital AID」だという。

 「ITによる旧から新への変革の流れを『Digital Disruption(デジタルによる破壊)』と言います。しかしDisruptionには否定的な意味もあるため、日本オラクルは『Digital AID(デジタルによる支援)』という言葉を使っています」

VUCA世界を支えるDigital AIDには、さまざまな新しいITが含まれる。なかでも中心的な役割を果たすのが「クラウド」だ。日本オラクルは「POCO(The Power of Cloud by Oracle)」という標語を掲げ、「Agility(俊敏性)」「TCO(総所有コスト)」「Ease of Use(使いやすさ)」に優れた安心・安全なクラウドを通じて、Digital AIDを推進しようとしている。

では、POCOによるDigital AIDは、企業にどのような貢献をするのだろうか。基調講演では日本オラクル 専務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括の下垣典弘氏をモデレーターに、クラウドを活用するユーザー企業・団体を招いた対談が行われた。

グローバル人事情報システムで「人材の見える化」をサポート

最初に富士通 執行役員 人事本部長の林博司氏が登場し、同社が取り組む「グローバル人事情報システム」について紹介した。

富士通はクラウドをベースに最先端ITを統合したデジタルビジネスプラットフォーム「MetaArc」を提供するなど、クラウドに注力する姿勢を鮮明に打ち出している。2016年7月にはオラクルと提携し、MetaArcの中核である「FUJITSU Cloud Service K5」から「Oracle Cloud」を提供することを発表した。「Oracle Cloud Applications」の第一弾として「Oracle HCM Cloud」を提供する予定であり、富士通は同社の社内においても、「Oracle HCM Cloud」を活用することも併せて発表した。

「富士通はお客様へグローバルに高品質なサービスを提供するべく、人材の最適配置や育成を行うための人事基盤を構築する必要に迫られています。そこで、グローバルな人材ポートフォリオマネジメントを実現するために『人材の見える化』を進め、その一環としてOracle Cloudを活用した人事情報システムを整備することにしました。これをベースに事業戦略に沿った人材の「適所適材」を推進し、組織のパフォーマンス向上に取り組んでいます。」(林氏)

グローバル共通の採用業務プラットフォームを導入

続いて登場したのは、楽天 常務執行役員 CPO グループエグゼクティブヴァイスプレジデントの杉原章郎氏。2017年で創業20周年を迎える楽天は、グローバルな事業展開を急速に進めており、2010年に社内の公用語を英語に切り替えたことでも話題となった。現在は日本の本社で働く従業員のおよそ4分の1は外国人だという。

「当社が海外採用を始めてから約10年が経過しましたが、現在は人材採用チームが年に15カ国、約20カ所を回ってグローバル事業戦略を担う人材を採用しています。これまでは外部のエージェントを使うこともありましたが、徐々に直接採用に切り替えてきました。そうしたなか、課題として浮き彫りになったのが採用業務のあり方です。例えばある事業部門で採用を見送った応募者が、他の事業部門にとっては欲しい人材だったということもありました。」(杉原氏)

そこで楽天は、グローバル共通の採用プラットフォームとして「Oracle HCM Cloud」を2015年に導入。採用応募者の受付、応募者のスクリーニング、インタビュー予定、承認、オファーレター発行などの採用業務を網羅的に支援する仕組みを構築し、採用業務の効率化と迅速化を実現したという。

観光ガイドマップの効果をSNSで測定

次に、北海道大学 観光学高等研究センター 准教授の石黒侑介氏が登場し、北海道大学と札幌市、さらに地場企業との産官学連携プロジェクト「さっぽろ観光創造研究会」の取り組みについて紹介した。

「さっぽろ観光創造研究会は、札幌市の観光振興に貢献する実践的な産官学連携の枠組みとして設立されました。2015年9月には世界的なブランド力を持つシティガイド『タイムアウト東京』との提携により、ガイドマップ『札幌でしかできない50のこと』を発行しました。タイムアウトのガイドマップは、旅行ガイドには紹介されていない、地元で生活している人がおすすめするお店や観光スポットが独自の切り口で紹介されている地域密着型シティガイドであり、住民目線のニッチな魅力を発掘して『住むように訪れる』新たな札幌の楽しみ方を提案するものです」(石黒氏)

札幌市内の観光案内所やホテル、羽田空港の国際線ターミナルなどで、日本語版5万部と英語版2万部を配布。予想を超える成果をもたらし、現在は第2版の発行を企画中だという。

「初版の効果測定にOracle Social Cloudを採用し、ソーシャルメディア上に投稿された内容を分析することで、ある一定の効果が得られたことから、第2版では、海外からの来道者の声を分析しようと考えたわけです」(石黒氏)

SNSから情報収集し、リスク管理・マーケティング施策に活用

最後に登場したのは、ドン・キホーテ 営業支援室 プロモーションサポート兼インバウンド戦略室SNSチームの大島隆晴氏。各種ソーシャルメディアを運用しているプロモーションサポートでは、「Oracle Social Cloud」を導入し、ソーシャルリスニングの高精度検索機能をプロモーションやリスク管理に役立てているという。

 「当社の話題はネット上でよく取り上げられており、例えばTwitterでは1日5000~8000件もドン・キホーテに関する発言があります。私たちのチームではそれを自社開発のツールを使って集約・仕分けをし、各部署へ情報発信してきました。しかし限られた人員で情報を分析することは難しいという課題がありました。また最近は、海外からの来店客も多く、日本語だけでなく多言語で対応できる精度の高い仕組みが必要でした。そこでOracle Social Cloudの導入を決定しました」(大島氏)

現在はOracle Social Cloudを使って、中国最大のSNSである微博(ウェイボー)の情報収集も開始。プロモーションやリスク管理などのマーケティング施策に役立てているという。