日本オラクル特集記事

コストを抑えながら収益を拡大し続ける
オラクルのクラウド事業

オラクル・コーポレーション
ロブ・プレストン

今やオラクルのクラウド事業は大きく成長し、その勢いはさらに加速している。収益、利益率、顧客の質や量と、さまざまな点からすでに初期投資の段階を過ぎ、急速な成長期に突入したと言える。

2016年度(FY16)第2四半期の、Software as a Service (SaaS)およびPlatform as a Service (PaaS)を合わせた売上高は対前年同期比39パーセント増の4億8,400万ドルとなった。さらに今後、成長のペースは加速し、第3四半期は売上高が約50パーセント増加、第4四半期は約60パーセント増加(数字はすべて強含みの米国ドルを考慮した管理会計上の為替レート)すると見込んでいる。

SaaSおよびPaaS事業では、受注額および請求額も急速に拡大している。FY16第2四半期は受注額で75パーセント、請求額で68パーセントの伸びを示し、オラクルのCEOであるマーク・ハードは12月16日の市場取引終了後に開催したアナリスト向けカンファレンスで、直近四半期におけるSalesforce.comの販売量の伸び率が21パーセント、Workdayの伸び率が41パーセントと、現在のSaaS業界における有力2社と比較しても、オラクルの勢いが明らかであるとしている。

ハードは、「このまま見込み通りの受注が続けば、我々のSaaS-PaaS事業は来年にも四半期売上で初の10億ドルを突破するはずだ」と述べた。

オラクルの取締役会経営執行役会長 兼 CTOのラリー・エリソンは、依然として当会計年度中に、SaaSおよびPaaSの新規売上15億ドル突破を目標に据えているとして、ニュースリリース(PDF/英語)の中で次のように述べた。「この数字は、SaaSおよびPaaSの分野における新規売上として、Salesforce.comを含めたどのクラウド・プロバイダーをも大幅にしのぐ数字だ。」
(オラクルのクラウド・プラットフォーム製品の詳細については、こちらを参照)

急速な売上の伸びに牽引され、SaaSとPaaS事業における売上総利益率も上昇を続けており、当会計年度に入っても、第1四半期の40パーセントから第2四半期は43パーセントと過去最高の数字を達成した。第4四半期には売上総利益率が55~60パーセントまで上昇する見通しで、オラクルのCEOであるサフラ・キャッツは、これによってFY17第1四半期以降、EPS(1株あたり利益)の大幅な上昇が期待できると述べた。

今後、利益の倍増を確実視する理由として、クラウドのサブスクリプションの場合、一般的にオンプレミスのソフトウェア・ライセンスのように売上のほとんどが販売時に一括計上されるのではなく、契約期間に比例して収益が計上されることと、オラクルがこれまでクラウド・データセンターやインフラストラクチャに対して行ってきた膨大な先行設備投資の負担が、今後は徐々に軽減される点を挙げている。キャッツは、「事業規模の拡大に伴って、利益率は間違いなく上昇するだろう」と述べた。

ハードの説明によれば、オラクルは第2四半期中、857社のSaaSの新規顧客を獲得したほか、720社が契約を延長し、インストールベースの顧客数は10,000社を突破した。これらのSaaSの顧客のうち3,000社以上が「Oracle Fusion Applications」を購入しており、新規売上の5割近くが「Oracle Fusion Applications」の売上になった。

PaaSについては、業界をリードするOracle Databaseのクラウド版やクラウドの開発、統合、データ分析、視覚化ツールを含め、第2四半期中だけで1,343社の契約を結び、過去1年間の契約数は4,100社に達している。ハードはこの中に、Anthem、IKEA、Kia Motors、Qantas、Symantecといった有力企業が含まれていることを明らかにした。

オラクルのFY16第2四半期の決算ハイライト:

•  顧客の数のみならず、クォリティも向上

顧客数を増やしているだけでなく、続々と有力企業がオラクルの顧客に加わっている。HCM(人事管理)SaaSは第2四半期に211社の新規顧客を取得し、この中にはAAA(アメリカ自動車協会)、アスペン市、Crocs、Genesis(Workdayからの乗り換え)、McGraw-Hill、Brocade、国際連合、米スタンフォード大学が含まれている。またCX(販売、マーケティング、顧客サービスSaaS)は第2四半期にExpedia、ハリバートン、ルフトハンザ航空、シアーズ、ユナイテッド航空を含め、409件の新規顧客を取得した。

オラクルが特に強みを発揮しているのがクラウドERPで、SaaS事業の中でも最も急速な拡大を遂げている。オラクルは金融、サプライチェーン、製造アプリケーションの分野でクラウドベースのフルサービスを提供する業界初のプロバイダーであり、Blue Shield of California、DHL、FDIC、McKesson、Wiproを始め、第2四半期中311社の新規顧客を獲得し、顧客総数は1,500社を超えた。

ハードは、「(クラウド)ERPに関して当社は独自の地位を確立しており、言ってみれば競争相手がいない状態」であると述べた。これまでSAPとの競合になったことは一度もなく、クラウドERPについて最も近い競合企業と言えるWorkdayに対し、顧客数で少なくとも10倍上回っていることから、「オラクルの成功はミッドマーケットかアップマーケットかという限定的なものではなく、まさに両方の市場に渡るもの」である点を明確にした。

また、ハードは、オラクルのクラウドERPとHCMの両方の製品を並行して利用する顧客が増えており、異なるアプリケーションを合わせて導入する、いわゆる「アタッチ率」が上昇している点も指摘した。

•  中核となるデータベース事業は堅調に推移

クラウド向けに最適化された「Oracle Database 12c」は、2013年の発表以降、堅調なペースで顧客に導入されているとエリソンは述べた。エリソンは、好調の原因として「Oracle Database 12c」が、超高速のインメモリ・プロセスとマルチテナント機能という2つの特長を備えている点を強調している。超高速のインメモリ・プロセスによって、顧客企業はコードを変更することなく既存アプリケーションをこれまでに比べて大幅に高速に移行することができ、マルチテナント機能によって、小規模な多数のデータベースを1つのマシンに統合できるため、これまでより少ないハードウェア・リソースでデータベース管理やバックアップ、セキュリティを大幅に容易に行うことができる。

•  IaaSの進化

オラクルのクラウド事業において、インフラ層のIaaSも確実な成長を遂げている。Amazon Web Services、Google、Microsoftを主要な競合相手とするIaaSは、オラクルにとってSaaSやPaaSに比べるとスタートしたばかりの事業分野で、第2四半期は前年同期比11パーセント増の1億6,500万ドルの収益を上げた。

エリソンは、オラクルが現在構築に取り組む次世代データセンター・アーキテクチャでは、クラス最高の可用性やパフォーマンス、セキュリティを単に提供するだけでなく、「最大のポイントは、従来に比べて驚くほど低コストでそれを提供できるようになると考えている点」であるとして、次のように述べた。

「オラクルはすでに時間をかけて取り組んできており、新しいアーキテクチャとデータセンターの組み合わせによって、クラウドにおけるIaaSを他のどの企業よりもはるかに少ないコストで提供できると考えている。オラクルの顧客には、この(低コスト化の)メリットが提供されることになる。」

険しい道のりは続く

オラクルのFY16第2四半期の総売上は90億ドル(管理会計上の為替レート)で、前年同期から横ばいとなった。

第2四半期のオンプレミス・ソフトウェアの売上高は、実勢為替レートで前年同期から横ばいの64億ドル、ハードウェア全体の売上高は前年同期比10パーセント減の11億ドル、サービスの売上高は8億6,100万ドルで前年同期と同水準となった。(数字はすべて管理会計上の為替レート)

第2四半期の営業利益は30億ドル、営業利益率は33パーセントだった。Non-GAAPベースの営業利益は37億ドル、営業利益率は41パーセントだった。純利益は22億ドルで、Non-GAAPベースの純利益は27億だった。1株あたり利益は51セント、Non-GAAPベースの1株あたり利益は63セントとなり、為替による逆風を受けながらもガイダンスの中間値を4セント上回ったとキャッツは述べた。

第3四半期の見通しに関しては、SaaSおよびPaaSを合わせて49~53パーセントの売上増、IaaSは3~7パーセントの売上増を見込んでいる。クラウドとオンプレミスを合わせたソフトウェアの売上高は、3~4パーセントの増加を見込んでいる。

第4四半期にはSaaSおよびPaaSがさらに堅調に推移すると予測しており、売上高は合計で55~59パーセントの増加を見込む。IaaSについては、第4四半期には1~5パーセントの売上増となる見通しで、クラウドとオンプレミスを合わせたソフトウェアの合計売上高は、2~4パーセントの増加を見込んでいる。

本記事はForbes.com OracleVoiceの以下の記事を抄訳しています:
http://www.forbes.com/sites/oracle/2015/12/17/oracles-cloud-revenues-keep-rising-as-costs-taper-off/