ビジネス課題
2007年に設立されたDropboxは、スマートなコンテンツとコラボレーション製品を開発しており、世界180カ国、6億人の人々に利用されています。分散型ワーク・ソリューションへの需要が急速に高まる中、Dropboxは、毎月の大量の取引から取得する財務データの自動化とクレンジングが可能な統合ソリューションを求めていました。さらに、財務チームが現在および将来のリソース配分を分析して決定できるように、その情報を迅速に提供することも求められていました。
コストとリスクを最小限に抑えつつも、ビジネスの迅速な拡大を実現するために、Dropboxは自動化を採用し、可能な限りすべての財務業務にTouchless Transactionの機能を利用し、2020年末までに2万時間のマニュアル作業をなくすことを目標としていました。
Dropboxがオラクルを採用した理由
2017年にOracle Cloud ERPとOracle Cloud EPMを、2019年にはOracle Cloud Risk Management を早期に導入したDropboxは、最近、その導入範囲をOracle Analytics Cloud、Oracle Integration Cloud、Oracle Database Cloud、Oracle Autonomous Data Warehouseにまで拡大し、請求書の統合やOracle Cloud ERPへのデータ配信の自動化など、財務プロセスを強化しています。
財務チームが強化されることで、企業の分散型ワークへの転換をより支援できる体制が実現します。
結果
Oracle Cloud ERPを使用することで、Dropbox社の財務期間の締めは半分に、売掛金期間の締めは4日から1日に短縮しました。Oracle Cloud Risk Managementは、ユーザー・アクセス制御の自動化を支援し、世界中のすべての事業部門における職務分離(SOD)のコンプライアンスを遵守しています。
財務部門はOracle Cloud Infrastructure (OCI)に移行し、毎月の大量の取引を管理するためのシンプルかつセキュアな請求の書統合プロセスを構築しました。OCIは、DropboxにERPシステムとのダイレクトな統合パスを提供し、ユーザーはOracle Integrationとセットでアプリケーション開発ツールにアクセスできるため、財務部門はシステムに流れる情報に対して、直接アクションを起こすことができます。Oracle IntegrationとOCIが提供する、構築済みのアダプタとローコードによる自動化を利用し、Dropboxは財務のレコード処理のコスト削減とトランザクション量の削減を実現し、市場投入までの時間を1/4にスピードアップすることができました。
その他に現在行っている財務自動化の取組みとしては、請求書のスキャンの自動化に向けた、オラクルの新しいツールである、Intelligent Document Recognitionの試験的な導入が挙げられます。また、ビッグデータ・パイロット・プログラムでは、Dropbox社がOracle Autonomous Data WarehouseのOracle Analytics Cloudを使用して、財務チームにダッシュボード、データ可視化ツール、セルフサービス・アナリティクスへのアクセスを提供し、ビジネス・パフォーマンスの監視と改善を行っています。Oracle Cloud EPMと併用することで、財務部門はこれらの強化された分析を活用して、キャッシュフローの管理、新製品提供の影響のモデル化、より価値の高い取組みへのリソースの再配分などを行うことができます。