ビジネス課題
イギリスでは誰もが必要なときに電力を使用できます。同社は、2025年までに少なくとも一定の時間、炭素系のエネルギーを使用せずに運営できるようになることを目標として、国の二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいます。そのためには風力や太陽光などによって生み出される再生可能エネルギーの使用量を増加させる必要がありますが、これらの供給源は気象条件に左右されるため予測が困難です。
特定の時点で利用できる再生可能エネルギーの正確な予測には、複雑さが伴います。National Grid ESOは、この複雑さに対処するために、機械学習モデルを必要としていました。たとえば、供給される電力の予測には、数か所の大規模な発電所だけでなく、数百万もの電力の発生源が使用されるようになっています。これらの発生源はそれぞれソーラーパネルや風力タービンを備えており、個別に動作します。National Grid ESOは、このような複雑な機械学習モデルを短時間で実行するために、超高速の計算能力を必要としていました。
Oracleは確実に動作します。Oracleは信頼できます。停止することなく、与えられた仕事を実にうまくやってのけます。
National GridがOracleを採用した理由
National Grid ESOにはOracle Databaseとツールセットを使用して開発を行ってきた長い歴史があるため、同社のチームはOracleを信頼して重要なワークロードとデータに使用していました。同社のチームは、Oracle Cloud Infrastructureを使用して仮想スーパーコンピュータを構築しています。これはMildredと呼ばれており、イギリスにおけるエネルギーの需要と供給の予測に必要な機械学習モデルを実行できます。
結果
National Grid ESOは、Oracle Cloud Infrastructure上で実行されているモデルのパフォーマンスを最大40%向上させています。同社のチームがOracle Cloud Infrastructure上で最初の機械学習モデルを実行すると、その時点で本番モデルとして稼働していた古いモデルより約40%高い精度を示しました。このチームはワークロードの実行に数時間かかると予想していましたが、実際には数分で実行されました。
同社のチームは、Oracle Cloud Infrastructure上で機械学習モデルを実行することにより、以前はわからなかったデータのパターンを見出すことができるようになりました。これは、人間にはわからないデータのパターンです。これによりNational Grid ESOは、インフラストラクチャの管理ではなく、戦略的なプロジェクトに集中できるようになっています。
Oracle Cloud Infrastructureは、機械学習用のオープン・プラットフォームを提供しているため、National Grid ESOは太陽エネルギー供給の予測と管理だけで21,000を超える機械学習モデルを使用できます。
イギリスでは、Oracle Cloud Infrastructureを使用してエネルギー供給を予測することにより、2019年12月までの12か月間に、再生可能エネルギー源から供給される電力が48.5%に到達するという歴史的なマイルストーンを打ち立てています。