アジャイルな財務とは

アジャイルな財務への変革ジャーニーのスタート (0:38)

アジャイルな財務は、テクノロジーとスキルを活用した方法論であり、デジタル・ファイナンスの導入を実現します。アジャイルな財務部門とは、柔軟でレジリエントであり、効率的なものです。アジャイルなチームは、リアルタイムのデータを意思決定者に伝えることで、迅速かつ決断力をもって業務を遂行することができます。

アジャイルな組織は、速度と適応性、安定性、効率性を理想的な形で組み合わせることができます。

McKinsey & Company

アジリティのある財務の特徴

アジリティの実現において、財務部門に求められるのは次のような重要なプラクティスに従うことです。

  • アジャイルな財務組織は、戦略的考察の場面において必要な情報があり、目に見えない価値の源泉を測定・理解することでビジネスをリードし、他社に先手を打つことができます。
  • アジャイルなチームは、戦略的目標の進捗状況を継続的に測定し、プランニングのフレームワークを活用します。これにより、迅速に新製品やサービスを市場に投入することができます。
  • アジャイルな組織は、先を見据えた分析でイノベーションと収益拡大の機会を見つけるとともに、何が価値を生み出していて、何が価値を生み出していないかを見つけることによって、リソース配分を改善することができます。

アジリティのメリット

Business Agility Instituteの最新のレポート (PDF)によると、アジリティが高いレベルで運営されている組織には、3つの重要なメリットがあるとのことです。


ビジネス上のメリット

市場投入の期間短縮や適応性、収益、顧客満足度、および製品の品質が向上します。


従業員関連のメリット

従業員のエンゲージメントや透明性、コミュニケーションが向上し、縦割りによる課題が解消されます。


組織的なメリット

チームの自律性や生産性、明確な目標、実験的かつイノベーティブな文化が強化されます。

アジャイルな財務組織の特徴

アジャイルな財務組織には、3つの共通した特徴があります。

1

オペレーショナル・エクセレンス

アジャイルな組織は、統合的なクラウド・アプリケーションとプロセスの効率化により、スピードや正確性、統制に対する高い要求に対応し、財務におけるオペレーショナル・エクセレンスを実現します。AICPA・CIMA・オラクルの共同調査によると、アジャイルな財務リーダーの86%が、デジタルファーストかつクラウドファーストの思考を採用していることがわかっています。アジャイルなリーダーは、テクノロジーによって、効率性とプロセスのインテリジェントな自動化を実現しています。

2

デジタル・インテリジェンス

アジャイルな財務チームは、クラウドと先進的なテクノロジーを活用して、ビジネス価値を創造する意思決定に向けたインサイトを生成することができます。アジャイルなチームは、人工知能や機械学習などの高度なテクノロジーを活用して、隠れたパターンを発見し、正確なプランニングと予測を推奨します。常に流れ続けるビジネス・データから継続的に学習することで、新たなインサイトを見つけ出します。AICPA/CIMAとオラクルの調査によると、財務チームの37%がデータの分析よりも収集にかなり多くの時間を費やしていることがわかっています。

3

ビジネス上の影響

先進的な財務チームは、レポートの作成にとどまらず、データ・ドリブンなインサイトを用いて、ビジネスの方針に影響を与えられるスキルと組織的な手法を取り入れています。報告プロセスに費やす手作業の時間を減らし、正確でタイムリーなデータによって、財務リーダーはビジネスと連携し、新しい行動方針を推奨し、ビジネス戦略に対して影響を与えることができます。AICPAの最近の調査では、組織のデジタル化を支援するために必要なスキルを備えていると回答した財務リーダーは、わずか10%に過ぎないことが明らかになりました。

アジリティのある財務のトレンド

アジリティのある財務のトレンド

最近の調査では、デジタル・トランスフォーメーションなどのトレンドの加速により、財務・会計がアジャイルな思考を取り入れ、アジャイルにおける新たなコンピテンシー構築の必要性が注目されています。AICPAのFuture of Finance Leadership Advisory Groupの調査によると、財務・会計プロフェッショナルが今後必要とするコンピテンシーの上位5つの中に「アジャイル」が含まれていることが明らかになりました。

アジャイルなテクニックや実践について毎年継続的に調査を行っているDigital.aiの第15回年次報告書である「アジャイルの現状」によると、IT部門やマーケティング、オペレーション、人事などの他のコーポレート部門と比較して、財務・会計におけるアジリティの導入率が最も低いということがわかっています。

オラクルおよびAICPAおよびCIMAトレーニング証明書

財務の未来がデジタルにあること、これは疑いようもない事実です。しかし一方で、アジャイルな財務の改革の推進方法については、情報が乏しいのが現状です。こうしたギャップを埋めるべく、オラクルとAICPAは共同で、デジタル・モデルで成功する、財務プロフェッショナルのスキルアップを目的とした初の認定資格を設けました。3つから構成されているAgile Finance Transformation Certificate Seriesは、作業の自動化や精度の向上、戦略的なビジネス価値の提供に向けた専門知識とテクノロジーの導入方法について詳しく説明しています。このトレーニングでは、理論や戦略、実践的なアドバイスを組み合わせて、デジタル・トランスフォーメーションの実現を支援します。各セッションでは、オラクルの財務担当者が、実績に裏打ちされたベストプラクティスや教訓を紹介します。