オラクルのPeopleSoftをご利用のお客様が、将来を見据えてクラウド・ソリューションの利点を検討する際に、クラウドへの移行や利用可能なオプションについて質問を寄せられることが良くあります。
以下の回答では、クラウドのテクノロジーやアプリケーションから、お客様のビジネスで利用可能な具体的なオプションまで、よくある質問にお答えします。お客様のエンタープライズ・テクノロジー・パートナーとして、オラクルの目的は、お客様の組織のニーズに最適なクラウド導入方法とスケジュールを決定できるよう支援することです。以下の情報が、選択肢をよりよく理解し、評価するための助けとなれば幸いです。
エンタープライズ・ソリューションがクラウド上にあることを定義できる、2つのポイントがあります。
1. ソリューションが、お客様が所有し管理するオンプレミスのハードウェア上にホストされていないこと。
2. 永久ライセンスを前払いする代わりに、ユーザーがソリューションをサブスクライブしていること。サブスクリプション料金には技術サポートが含まれ、ソリューション・プロバイダーがユーザーに代わってパッチやアップデートを適用します。
PeopleSoftアプリケーションはクラウド上にはありません。これらは、年次のメンテナンス料金を伴う永久ライセンスで販売される従来型のソフトウェア・アプリケーションで、これまでオンプレミスに導入されてきました。
クラウド導入の選択肢は大きく分けて2つあります。SaaS(Software as a Service)とIaaS(Infrastructure as a Service)です。
PeopleSoftからOracle Cloud Applicationsへ移行する主なメリットには、総所有コスト (TCO)の削減や、ソフトウェア、セキュリティ、およびテクノロジーを最新の状態に維持しやすいことなどがあります。
オンプレミスのPeopleSoftシステムとは異なり、ハードウェアの購入や保守は不要です。セキュリティパッチや技術パッチの適用、およびオペレーティング・システムの保守や更新の適用などの保守タスクは、すべてオラクルが行います。これにより、ハードウェアやシステム管理者が提供するサービスなど、ITリソース全体の間接費が削減されます。
また、IT 運用が自社のコアコンピテンシーではないため、クラウドの導入に魅力を感じる組織も少なくありません。システムのハードウェア、インフラストラクチャ、およびメンテナンスをオラクルに委託することで、組織は、時間、エネルギー、およびリソースを節約し、戦略的イニシアティブや差別化要因、およびその他の重要な取り組みに集中させることができます。
クラウドに関連するその他のメリットは次のとおりです。
いいえ。
PeopleSoftのお客様は、PeopleSoftが組織のニーズを満たしている限り、引き続きご利用いただけます。オラクルは、法規制の更新、機能強化、システム管理の簡素化と自動化、デジタル・プロセスの変革を推進する戦略的な新機能など、PeopleSoftへの投資を継続しています。PeopleSoftの新機能は四半期ごとに提供され、毎年数百の新機能が追加されます。
また、Oracle Lifetime Support Policy for Oracle Applications(PDF)に記載されているように、Premier Support for PeopleSoftを少なくとも2032年まで延長し、お客様と製品イノベーションに対する当社のコミットメントを強化しています。このコミットメントにより、10年以上の製品サポートが提供されるため、PeopleSoftのお客様は10年以上にわたって、自社のビジネスに適したクラウドの選択肢を決定することができます。
このように、PeopleSoftのお客様は現在のシステムを使い続けることができますが、Oracle Cloud Applicationsへの移行を選択する企業も増えています。そうすることで、サブスクリプション・ベースのアプリケーション、業界をリードする分析機能、およびグローバルなビジネス・ニーズをサポートする無限に拡張可能なインフラストラクチャなど、クラウドのメリットを享受できます。
Oracle Cloud Applicationsは、財務、人事、業務、サプライチェーンなど、ビジネスのあらゆる側面を実行するための、包括的なSaaSアプリケーション・スイートです。すべてのOracle Cloud Applicationsは連携可能に設計されており、ビジネス機能を統合する共通のデータ・モデルを共有して、ビジネス、プロセス、および従業員をシームレスにつなぎます。
オラクルの包括的なクラウド・アプリケーション・スイートには、財務、リスク管理、調達、サプライチェーンなどを整理して最新化するためのOracle Fusion Cloud ERPとOracle Supply Chain & Manufacturing(SCM)が含まれています。オラクルの人材管理(HCM)および広告およびカスタマー・エクスペリエンス(CX)クラウド・アプリケーションは、人事、人材計画、給与計算機能に加え、マーケティング、営業、サービスのためのソリューションを提供します。
すべてのOracle Cloud Applicationsは、サブスクリプション・ベースのSaaS製品です。四半期ごとの更新により、組織のセキュリティ、機能、およびテクノロジーを常に最新の状態に保つことができます。Oracle Cloud Applicationsには、堅牢な分析とレポート機能、次世代テクノロジー、最新のユーザー・エクスペリエンスが組み込まれています。
対応
PeopleSoftをご利用のお客様であれば、Oracle Cloud Applicationsが、課題の解決やビジネスの拡大に役立つことを確信していただけます。すでに数千社のお客様が、Oracle Cloud Applicationsを活用して組織の運営に成功しています。
Oracle Cloud Applicationsには、PeopleSoft、Agile Product Lifecycle Management、Demantra、Hyperion、JD Edwards、Oracle E-Business Suite、Siebel Customer Relationship Managementなど、多くのソリューションに関するオラクルの広範な専門知識が活かされています。
世界中のあらゆる業界、規模のPeopleSoftのお客様が、Oracle Cloud Applicationsに移行されたり、Oracle Cloud Applicationsでアプリケーションを拡張されたりしています。このようなお客様の事例から、オラクルの経営管理ソリューション(EPM)、ERP、SCM、HCM、およびCXのクラウド機能が、お客様の現在のニーズをサポートできること、また、その次世代テクノロジーが将来の強固な基盤固めに役立つことが分かります。これらのアプリケーションは、これまでPeopleSoftで管理されていた予算編成、人事、給与計算、CRMの機能もサポートします。
最近の発表では、アナリスト企業であるGartnerが、Oracle Cloud ApplicationsをERP、HCM、およびEPMのカテゴリにおけるリーダーとして選出しています。オラクルのクラウド・アプリケーションを使用している何千ものお客様に加え、オラクル自身も弊社のクラウド・テクノロジーを活用してグローバル・ビジネスを展開しています。
ソリューションとテクノロジーは急速に進化しており、PeopleSoftを導入してから変化している可能性があります。このため、現在のシステムを比較のためのチェックリストとして使用するのではなく、現在および将来のビジネス要件と目標に照らしてOracle Cloud Applicationsを評価することをお勧めします。
対応
PeopleSoftソリューションは、Oracle Cloud Applicationsと統合できます。お客様のソリューションをオラクルのクラウド・アプリケーションと統合することで、ビジネス・プロセスを段階的にクラウドに移行できます。多くのPeopleSoftのお客様は、現在PeopleSoftでは管理していないビジネス・プロセス向けのOracle Cloud Applicationsのコンポーネントを実装するという方法で、クラウドへの移行を開始されています。
たとえば、PeopleSoftを予算管理、人材管理、サプライヤー管理などのサードパーティ・ソリューションと組み合わせて使用している場合、それらの特定の機能をOracle Cloud Applicationsに移行することができます。また、特定のビジネス・ユニット、部門、または買収した組織のためにクラウドを導入することから始めることもできます。
カスタマイズは、構築と維持にコストがかかるため、最終的には完全に排除することを目標に、最小限に抑えることが常に最善の策となります。お客様は、Oracle Cloudで利用可能な同様のアプリケーションで置き換えることができる、カスタマイズの存在に気付くことがよくあります。
オラクルは、高価なカスタマイズを行うことなく、お客様固有のニーズに合わせてクラウド上で継続的にソリューションを調整する方法を提供するために、多大な投資を行ってきました。パーソナライズやフォーム拡張などの機能により、古いカスタマイズを廃止して置き換えることができます。お客様は通常、オンプレミス‐クラウド移行プロジェクトを使用してビジネス・プロセスを簡素化、標準化、自動化し、独自のニーズに合わせて構成ツールを使用します。さらに、カスタマイズがレポーティングに関連していることに気づかれるお客様も多くいらっしゃいます。すべてのOracle Cloud Applicationsで提供される堅牢なレポート機能を使用すれば、カスタマイズはもはや必要ありません。
また、カスタマイズされたソリューションから構成可能なSaaSソリューションに移行するために必要なスキルと知識を、ITまたはビジネス関係者がすでに有していることがあります。これにより、移行が予想以上に容易になることもあります。
すべてのSaaSソリューションと同様に、Oracle Cloud Applicationsはカスタマイズ可能ではなく構成可能です。このアプローチによって、オラクルによる定期的なシステム更新が可能となり、ユーザーは新しい機能やテクノロジーにアクセスできるようになります。SaaSソリューションの本質はまさにここにあり、それはエンタープライズ・ソフトウェアに対する常識を変えました。このデジタル時代において、更新の頻度の低さは、ソフトウェアが組織に価値を提供する上で障害となります。クラウド・アプリケーションの性質上、ソフトウェアが古くなることはありません。企業は、オーダーメイドのカスタマイズを維持するための不必要なコストを永久的に排除できます。
多くのお客様が、他のビジネス・システムとPeopleSoftを統合されています。このような統合は、Oracle Integration Cloudを活用することでOracle Cloud Applicationsでも継続できます。Oracle Integration Cloudを使用すると、アプリケーション環境全体にわたる複雑な統合を簡単かつ効率的に設定、自動化、および管理できます。これは、クラウド間およびクラウドとオンプレミス間のアプリケーションの両方が対象となります。
Oracle Integration Cloudは、Oracle Cloud Applicationsと、ほぼすべてのアプリケーション、サービス、データストアとの統合を可能にします。Oracle Integrationは、事前構築済みアダプタ、プロセス自動化テンプレート、Webおよびモバイル・アプリケーション開発用のビジュアル・ビルダーを組み合わせることで、ビジネス・アプリケーション間の障壁を取り除きます。事前構築済みのアプリケーション・アダプタと統合フローにより、低レベルのAPIを処理する際の技術的な側面が簡素化されます。これにより、アップグレード関連のリスクを低減しながら、SaaS統合を6~10倍高速化できます。プロセス自動化は、簡単で視覚的なローコード・プラットフォームにより、組織にアジリティをもたらします。
Oracle Cloud Applicationsは、四半期ごとの自動システム更新によって保守されます。これらの更新は、お客様のスケジュールに合わせて導入(有効化、構成、および使用)できます。
四半期更新でリリースされ、計画されている新機能をチェックすることが重要となります。更新を導入する際には、ビジネス・プロセスが適切に実行されているかテストすることと、更新に関してユーザーに積極的に周知することをお勧めします。PeopleSoftの、継続的な導入プロセスをご利用中のお客様は、この更新が提供されるモデルにスムーズに移行できます。
さまざまな業界や地域の、PeopleSoftの多くのお客様が、それぞれのビジネス・ニーズに最も適した独自の方法で、Oracle Cloud Applicationsへの移行に成功されています。次に、Oracle Cloud Applicationsを使用してシステムを移行または拡張されたPeopleSoftのお客様の事例を紹介します。
PeopleSoft製品チームは、PeopleSoftのお客様向けに、クラウドに関する一般的な質問に回答するための特別なウェビナー・シリーズを開催しました。このセッションでは、PeopleSoftのお客様にとって特に興味のある話題を取り上げ、クラウド・ソリューションのエキスパートや、ソリューションを実際にご利用のお客様が質問に回答します。このウェビナー・シリーズはでHCMに焦点を当てていますが、トピックの多くが製品分野に関係なく役に立つものとなっています。
PeopleSoft情報ポータルの「Journey to the Cloud」ページには、他の多くのウェビナーおよびリソースが掲載されています。
Oracle Cloud Infrastructureは、PeopleSoftなどのアプリケーションを構築および実行するためのIaaSプラットフォームです。OCIを使用すると、Oracle Cloudのコンピューティング、ネットワーク、およびストレージ機能をサブスクリプション・ベースで使用できるため、ハードウェアと定期保守のコストを最小限に抑えながら、自動化を促進し、スピードとアジリティを改善できます。
OCIは、自動的にスケール・アップとスケール・ダウンを行う無限のキャパシティを提供します。これにより、パフォーマンスが向上し、セキュリティが強化され、TCOが削減されます。OCIにより、オラクルはハードウェア、データベース、アプリケーションを含むすべてのオラクル・スタックを管理し、全体的なライフサイクル管理を向上させます。
現在、多くのお客様がOCI for PeopleSoftをサブスクライブし、PeopleSoft Update Imagesを使用して新しい環境を作成したり、PeopleSoft Cloud Managerを使用して既存のオンプレミスPeopleSoft環境をOCIに移行したりしています。PeopleSoft Cloud Managerは、OCIでPeopleToolsの最新リリースやパッチレベルにワンクリックでアップグレードできる機能や、ニーズに基づいて環境アクティビティを自動化するPolicy Manager、「click-to-provision」環境に使用できるテンプレートなどの機能を提供することで、PeopleSoft環境の管理方法を劇的に改善します。
場合によっては、Oracle Cloud Infrastructure上でPeopleSoftを実行するための継続的な支援が必要になることもあります。このようなお客様のために、オラクルと多数のパートナーは、マネージド・サービスの提供と、環境の日常的な保守および運用を行っています。
さまざまな業界や地域の、PeopleSoftの多くのお客様が、それぞれのビジネス・ニーズに最も適した独自の方法で、Oracle Cloud Infrastructureへの移行に成功されています。ここでは、オンプレミス環境をOCIに移行したPeopleSoftのお客様の例を紹介します。
Alliance Data Systems、OCIへの移行により100万米ドルを節約
オラクルは、Oracle PeopleSoftのお客様向けに、Oracle Cloud Applicationsの詳細とクラウド移行のベストプラクティスについて学ぶことができるフォーラムを提供しています。このフォーラムは、お客様が専門家やオラクルの製品開発チームと関わることができる、最適なリソースです。質問をしたり、専門家と交流したり、考えやアイデアを共有したりできます。オラクルは、お客様のクラウドへの移行を支援します。
すべてのビジネスに最適な、単一のソリューションというものは存在しません。クラウドへ移行するための最良の方法とは、組織独自のニーズ、目標、テクノロジー戦略に適合するものです。
クラウド移行の方法について決定するには、まず自社の優先事項や課題についてステークホルダーやテクノロジー・パートナーと話し合うことから始めましょう。この話し合いでは、システム専門家、機能ユーザー、組織リーダー、ITスタッフなど、幅広い視点から意見を募る必要があります。
現在PeopleSoftをどのように使用しているか、また将来どのように使用する予定かについて質問しましょう。ここで、留意すべきポイントをいくつか挙げます。
オラクルは、お客様に信頼されるテクノロジー・プロバイダー、アドバイザー、パートナーであれるよう努めています。また、オラクルは、お客様のPeopleSoftへの取り組みに感謝し、その成功を誇りに思います。お客様がどのような方法を選択されたとしても、その過程でオラクルは継続的にお客様の成功をサポートし、選択肢を提供し、アドバイスを提供します。