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企業のESGの課題に対する進捗は、ビッグデータの課題でもあることがグローバルの調査から判明

オラクル・コーポレーション プレジデント ジャパン&アジアパシフィック ギャレット・イルグ2022年4月25日
Planet B Garrett

環境、社会、ガバナンス(ESG)に関する企業の取り組みについては、世の中が求めるものと企業が実際に提供しているものとの間に大きなギャップがあることが分かっています。

世界中の企業が、気候変動の緩和や、ダイバーシティ&インクルージョン、給与の公平性、労働者の安全性、その他の重要なESG指標に関する取り組みについて、より多くを語るようになっています。一方で、「No Planet B」というオラクルとSavanta社およびHarvard Professional DevelopmentのCIOアドバイザー兼インストラクターであるパメラ・ラッカー氏 と共同で実施した調査によれば、顧客や投資家、従業員は、定量的な進展が見られない場合、ビジネスや人材を別の場所への移すことを検討するほど、世の中の人々は企業がこの課題に十分に取り組んでいるとは考えていないようです。

また、アジア太平洋地域ほど、ESGに関心を持つ人々が多い地域はありません。私たちが調査した世界中の11,000人の消費者とビジネスリーダーの93%が、サステナビリティと社会問題は「これまで以上に重要である」と考えていますが、このうち中国、インド、日本、オーストラリア、シンガポールの4,000人の回答者の割合はさらに高く、95%となっています。

それもそのはずです。McKinsey Researchのレポートによると、APAC諸国は世界の他の地域よりも、洪水、熱波、山火事、その他気候に起因する破壊的な現象にさらされており、食糧供給や健康状態、さらには世界の年間GDPの3分の2が危険にさらされていることが分かっています。そのため、企業や政府による緩和努力が非常に重要であり、石炭エネルギーから再生可能エネルギーへの転換、二酸化炭素貯留やグリーン・テクノロジーの採用、輸送手段の電化など、さまざまな取り組みが行われています。

デロイトのアジア太平洋地域のサステナビリティおよび気候変動担当のWill Symonsは、アジア太平洋地域が世界人口の60%を占め、二酸化炭素排出量の半分以上を占めていることから、世界の気候変動に対する戦いは「アジア太平洋地域で勝敗が決まる」とまで言っています。「気候変動に対する行動は不可欠ですが、企業の対応は不十分です」と彼は言います。

ポジティブな点としては、マッキンゼーの報告書では、APACの多くの地域でインフラストラクチャや都市部の整備が進んでおり、「この地域には、建設されるものがよりレジリエントで、高まるリスクに耐えられるように対処するチャンスがある」と言われていることです。

阻害要因は何なのか

ESGの取り組みへの推進理由は、地球や社会のために正しいからというだけにとどまりません。オラクルのレポートによると、ESGの取り組みは、企業のブランド強化、生産性の向上、新規顧客の獲得、サプライチェーン管理の改善、人材の確保、そして最終的には収益性の向上につながるため、ビジネスの観点からも有益なものです。

このように、やらない理由がないと言える中でも、オラクルの調査に回答したアジア太平洋地域の回答者の94%は、企業がESGに関する取り組みを十分に進めていないと考えています。その理由は、次のように挙げられています。他の優先事項に忙殺されている、短期的な利益を重視しすぎている、ESG課題への対応に概して怠惰・利己的である、信頼できるデータがない、などです。これは、惰性的な考えが支配しているようにも見えます。

私たちが調査したビジネス・リーダーたちが依然として難しい課題だと述べるのは、目標設定や、進捗確認に必要なデータを得ることです。まず第一に、世界中の企業が、ビジネスのあらゆる分野からのESGデータの収集を自動化し、その正確性を検証し、目標を設定、修正するために、先進的なテクノロジーをもっと活用する必要があります。昔から言われているように、測定できないものを改善することはできません。

実際に、この地域の回答者の94%は、サステナビリティや社会的な意思決定において、人間よりもAIベースのソフトウェアを信頼すると答えています。その主な理由は、そのソフトウェアが、さまざまな種類のデータを誤りなく収集し、公平な判断を行い、指標や過去の実績に基づいて結果を予測し、問題を解決する新しい方法を見出すことに長けているからです。

Coca-Cola Europacific PartnersとLion BrewingのジョイントベンチャーであるContainer Exchange Servicesは、Oracle Cloudの自律型データベース、分析、および財務ソフトウェアを使用して、Containers for Changeプログラムの拡張に対応しています。このプログラムによって、クイーンズランド州と西オーストラリア州ですでに40億本以上の飲料容器のリサイクルを実現しています。

答えは1つではありません

しかし、オラクルのチーフ・サステナビリティ・オフィサーであるジョン・S・チョーリーは、最近のブログ記事で次のように述べています。「長い間、多くの人々にとってうまく機能してきたシステムを変えることは簡単ではありませんし、答えも1つではありません。ですから、行動を変え、政策や規制を変え、ビジネスモデルを変え、技術を変える必要があるのです。」

本ブログ記事は、Corporate progress on ESG issues is partly a big data challenge, global research findsの抄訳です。