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もしもみなみんがDBをクラウドで動かしてみたら

第10回 : Oracle Cloud Infrastructure Exadata を使ってみよう


著者紹介



南野 英梨子 (みなみの えりこ)

日本オラクルに新卒で入社。以来、Oracle Databaseの製品担当として、主にOracle Maximum Availability Architecture(MAA)に関わる機能や製品を担当。特に好きなのは、Oracle Active Data Guard や Oracle GoldenGate。Oracle Database の魅力やベストプラクティス、そしてそれを簡単に使えるOracle Cloudの魅力をお客様に伝えようと、日々邁進中。



第10回 : Oracle Cloud Infrastructure Exadata を使ってみよう

(本内容は、2019/1 時点のOracle Cloud Infrastructureの情報になります)

前回はOracle Cloud Infrastructure(以降OCI)で利用可能なOracle Databaseのサービスについて違いを解説しましたが、今回からはその中の一つ、OCI Exadataのサービスについて解説していきます。


■1. Oracle Cloud Infrastructure Exadataとは

Oracle Cloud Infrastructure Exadata(以降OCI Exadata)は、Oracle Databaseが高い可用性を備えつつ高いパフォーマンスを発揮できるOracle Exadata Database Machine(以降Exadata)が利用可能なサービスです。

同じようにOCI上でExadataを利用可能なサービスとしては、Autonomous Data WarehouseやAutonomous Transaction Processing などのAutonomous Databaseのサービスがありますが、OCI Exadataが他のサービスと大きく違うところは、全オプションが使える専有型のAutomatedサービスであるということです。

専有型

  • H/Wもユーザー専有となり、他のユーザーの環境と分離されるため、セキュリティ・性能を担保できる

Automatedサービス

  • OS以上は顧客管理。OS上の構築・運用・管理に有効な機能を、クラウドのツールでも提供。パッチ適用やメンテナンスの実施判断・作業タイミングは顧客判断
  • OSログインが可能でこれまで同様の管理方法を用いることができる(OS権限が必要な変更作業、サード・パーティのAgentの導入、ローカルにログやダンプファイルの配置など)ので、別途インスタンスやストレージサービスを立てる必要はない

■2. OCI Exadataを作ってみよう – 事前準備

OCI Exadataで利用可能なシェイプは、下記の通りです。

参照: Exadata DBシステム システム構成

環境をさわる前に、どこに情報があるのか=マニュアルの該当箇所を確認しておいてください。

次に、環境作成する前に必要な環境確認やインフラレイヤーでの準備をしましょう。インフラレイヤーでの各種設定は、マニュアルまたはOracle Cloud 公式ブログでのチュートリアルを参考にしてみてください。

事前準備

  • サービス・リミットとアベイラビリティ・ドメインで、OCI Exadataが利用可能であることを確認
  • コンパートメントの用意
  • VNC(仮想クラウド・ネットワーク)の用意
    • OCI Exadataでは、2つのサブネット(クライアント・サブネットとバックアップ・サブネット)が必要なので2つ作成
    • クライアント・サブネット内では全てのノード間で、TCPとICMPの疎通が必要なのでセキュリティ・リストのingress/egressの設定

特にVNCのネットワーク設定で赤字にした部分は、忘れがちなのでご注意ください。


■3. OCI Exadataを作ってみよう – 環境作成

では、早速OCI Exadataを作ってみましょう。

・Exadata DBシステムの作成ウィンドウを立ち上げる

左側のコンソールメニューから、Database > Bare Metal,VM,and Exadataを選択します

右上で表示されているアベイラビリティ・ドメインと左側に表示されているコンパートメントが正しいかを確認して、”Launch DB System”をクリックします

ウィンドウが立ち上がると、DB System Information/Network Information/Database Informationの3つのセクションが表示されるので、それぞれに情報を入力していきます。

・DB System Informationの情報を入力

ここでは、作成する環境(システム)に関する情報を選択・入力します。

  • DISPLAY NAME : 作成するシステムの任意の名前を入力。一覧で表示される名前など、作成するシステムを管理するのに使います
  • AVAILABILITY DOMAIN : 環境を配置するアベイラビリティ・ドメインを選択
  • SHAPE TYPE : EXADATAを選択
  • SHAPE : 利用するシェイプ(ExadataのRackモデル)を選択
  • Exadata.<Rackモデル>1.<コア数>はX6、Exadata.<Rackモデル>2.<コア数>はX7

参照: Exadata DB システム > システム構成

  • CLUSTER NAME : 環境の全ノード(コンピュート)にまたがるクラスタ名を入力。文字で始まる11文字以内ので文字/数字/ハイフンのみで入力してください。
  • TOTAL CPU COUNT : 利用する全ノードの合計OCPU数を選択
    * SHAPEで選択したRackに応じてノード数が決まり、そのノード数の倍数が選択可能です。今回はQuarter Rackを選択したので、2の倍数が選択可能になります
  • LICENCE TYPE : LICENSE INCLUDEDもしくはBYOL(BRING YOUR OWN LICENSE)で選択可能。ライセンス持ち込みをしない場合は、前者を選択
  • SSH PUBLIC KEY : 公開鍵を登録
  • DATA ALLOCATION : DATABSE BACKUPS ON EXADATA STORAGE(ローカルへのバックアップを取得するかどうか)、CREATE SPARSE DISK GROUP(SPARSE DISKを作るかどうか=Exadata Snapshot機能を使うかどうか)を要件に合わせてチェックボックスにチェックをいれる
    * この選択によって、Storageの各記憶域(ASMのDisk Group)に割り当てられるサイズが決まります

参照 : Exadata DB システム >記憶域構成

Network Informationの情報を入力

次にシステムのネットワーク構成に関連する情報を入力していきます

  • VIRTUAL CLOUD NETWORK : 事前準備で用意したVNCを指定
  • CLIENT SUBNET : 事前準備で用意したクライアント・サブネットを選択
  • BAKCUP SUBNET : 事前準備で用意したバックアップ・サブネットを選択
  • HOSTNAME PREFIX : 任意のホストネームを入力

・Database Informationの情報を入力

最初に作成されるデータベースの情報を選択・入力します。2個目以降は、環境(システム)が出来上がってから後から追加していくことが可能です。

  • DATABSE NAME : 命名規則にそった任意のデータベース名を入力。アルファベットの文字で始まり、最大8文字の英数字(特殊文字は不可)を含めることができます。
  • DATABSE VERSION : データベースのバージョンを選択

  • PDB NAME : (オプション) 命名規則にそった任意のPDB名を入力
  • DATABASE ADMIN PASSWORD : データベースの管理者パスワードを入力します。入力した際に、入力ボックスの下のメッセージが黄緑であればOKです。(赤の場合は命名規則に引っかかっている状態)
  • DATABASE WORKLOAD : ワークロードタイプを選択。これによって作成されるデータベースの状態が変わります。作成後に自分で各種の設定変更は可能です
  • Advanced Options > CHARACTER SET / NATIONAL CHARACTER SET : デフォルトはAL32UTF8/AL16UTF16。他のキャラクタ・セットを使用する場合は選択して下さい。

最後に、選択・入力した情報を確認して”Launch DB System”をクリックして、環境が出来上がるのを待ちます

・作成したExadata DBシステムの状態を確認

作成したDBシステムがAVAILABLEステータスになったら作成完了です。専有型の環境のデプロイなので、Rackサイズによって前後しますが作成完了までに数時間かかります

・作成したExadata DBシステムに接続(OSログイン)

Exadata DBシステムの情報は、”DB Systems”のページの一覧からシステム名をクリック、もしくは右側の『・・・』をクリックして”View DB System Details”をクリック

DB System Detailページで、環境(システム)の情報を確認することが可能です。左下の方に”Resources”のタブがあるので、ここで”Nodes”を選択すると各ノードの情報を表示できます。

各ノードに設定されているIPアドレスを確認しましょう

あとは、
  • IPアドレス(パブリックIP or プライベートIP(VNC内、VPN利用有無などネットワーク構成による))
  • システム作成時に使用した公開鍵のペアの秘密鍵
  • ユーザーはopcもしくはoracle
  • を用いてOSへ接続可能です

参照: Exadata DBシステム > SSHを使用したComputeノードへの接続


■4. まとめ

今回は、OCI Exadataの作成について簡単に触れてみました。これまで何度も、オンプレミスのExadataのセットアップを何時間もかけてやったことを思い出しながらやっていると、細かい知識がなくてもこれだけでExadataを使える状態になるのは本当に楽ですね。

次回以降では、もう少し具体的な詳細について解説していきたいと思います。