>> 連載トップページに戻る

 

もしもみなみんがDBをクラウドで動かしてみたら

第14回 : Oracle Cloud Infrastructure Database を使ってみよう


著者紹介



南野 英梨子 (みなみの えりこ)

日本オラクルに新卒で入社。以来、Oracle Databaseの製品担当として、主にOracle Maximum Availability Architecture(MAA)に関わる機能や製品を担当。特に好きなのは、Oracle Active Data Guard や Oracle GoldenGate。Oracle Database の魅力やベストプラクティス、そしてそれを簡単に使えるOracle Cloudの魅力をお客様に伝えようと、日々邁進中。



第14回 : Oracle Cloud Infrastructure Database を使ってみよう

(本内容は、2019/8時点のOracle Cloud Infrastructureの情報になります)


みなさん、こんにちは。
先日、Oracle Cloud Infrastructure (以降、OCI) Database – Virtual Machine(以降、VM) でも、Oracle Database 19cが利用可能になりました!

これで、OCI Database-VMでもOracle Database 19cの環境を簡単に構築できるようになったので、今回はOCI Database –VM について解説していきます。

なお、先日開催したModern Cloud Day Tokyo (2019/8/6-2019/8/7)の資料も公開されています。
本連載に関連するものをいくつかピックアップしましたので、ぜひこちらも見てみてください。

[講演資料]

  • Oracle Database 19c テクノロジーの全貌PDF
  • オラクルクラウド移行を完了したゲストに聞Oracle Cloudを選択する理由&次世代インフラ/データベースクラウド最新情報PDF
  • OracleCloud上での高可用性データベースのベストプラクティスと使ってわかった本当の実力PDF
  • 次世代型データベース・クラウドの魅力に迫る ~ Autonomous Database Deep Dive ~PDF

[ハンズオン資料]

  • Oracle Autonomous Data WarehouseでデータドリブンをはじめようPDF
  • Autonomous なデータベースを体験しよう Autonomous Database Hands-OnPDF

■1. OCI Database – VMはどんなサービス?

OCI上でOracle Databaseを使えるサービスはいくつかありますが、違いについては第9回で解説しましたね。
今回は、その中の一つのOCI Database – VMについて紹介します。

OCI Database には、共有型として仮想マシン環境で利用するVirtual Machineと専有型で利用できるBare Metalのタイプがあります。(共有型と専有型の違いは、『Oracle Cloud Infrastructure Database –Oracle Databaseのサービス比較編』で詳しく説明しています)

今回のテーマのOCI Database-VMは、次の特徴があります。

  • 4つのエディション : エディションによって利用可能なデータベースの機能が変わる
  • 6つのシェイプ : OCPUはコンピュートあたり 1-24、メモリは15-320GB (2ノードRACの場合は倍)
  • データベースのクラスタリング機能、Oracle Real Application Clusters(以降、RAC)が利用可能
  • データベースの複製機能、Oracle Active Data Guard/Data Guard構成を自動で構築可能
  • データベースに最適化されたバックアップ・リカバリ機能、Oracle Recovery Managerでの自動バックアップを設定可能
  • OSより上はユーザー管理 (OSログイン可能、root(sudo)権限あり)

■2. OCI Database –VM を作ってみよう! - 事前準備

まずは、OCI Database-VMのマニュアルがどこにあるか、確認しましょう。

・ 日本語 Oracle Cloud Infrastructure マニュアル> サービス> Database > ベア・メタルおよび仮想マシンのDBシステム

・ 英語 Oracle Cloud Infrastructure Manual > Service > Database >Bare Metal and Virtual Machine DB Systems

次に、OCI Database-VMで利用するシェイプについて。シェイプ毎に、コンピュートあたりのコア数/メモリ/ネットワーク帯域が決まっています。

・ マニュアル Oracle Cloud Infrastructure Documentation > データベース > ベア・メタルおよび仮想マシンDBシステム > 仮想マシンDBシステム

そして、OCI Database-VMの前提条件を確認しましょう!

  • 利用したいリージョンとサービスの利用(サービス・リミット)が可能かを確認
  • OSログインに利用するSSH鍵認証の公開鍵を用意
  • コンパートメント、仮想クラウド・ネットワーク(VCN)、クライアントネットワークに利用するサブネットを用意
  • 自動バックアップを有効化する場合やパッチ適用機能を利用する場合、オブジェクト・ストレージへアクセスできる状態
  • RAC構成を利用する場合、利用するサブネット上のイングレス/エグレスでポート22はオープンでセキュリティ・ルールがステートフル(デフォルト)な状態

・ マニュアル Oracle Cloud Infrastructure Documentation > データベース > ベア・メタルおよび仮想マシンDBシステム > DBシステムの管理 > 前提条件


■3. OCI Database –VM を作ってみよう!

OCI Database –VMを作成する際に、選択・入力する項目は多く分けて2つです。
まずは、①DBシステム全体に関する情報(オレンジ枠)、次に②DBに関する情報(赤枠)の順で情報を入れていきます。

作成の流れは下記の資料に書いているので、本記事では作成・使うにあたっての解説をしていきます。

OCI Database –VM の作り方

3.1 DBシステム情報

DBシステムの情報として入力していく項目は、下記のようなものがあります。

  • コンパートメントの選択 : 事前に作成済のコンパートメントを指定
  • DBシステムの名前の指定 : 任意のシステム名
  • 可用性ドメインの選択 : 可用性ドメイン(AD)の指定。(Tokyo Regionは1つなのでAD-1)
  • シェイプ・タイプの選択 : 『仮想マシン』を選択
  • シェイプの選択 : シェイプの選択
  • DBシステムの構成 : 合計ノード数とOracle Database ソフトウェア・エディションの選択
  • ストレージの構成 : 「使用可能なストレージ(GB)」にDBのデータ領域として利用するサイズを指定
  • 公開SSHキーの追加 : OSログイン時に利用する公開鍵をアップロードもしくは入力
  • ライセンス・タイプの選択 : ライセンス込みもしくはライセンス持ち込み(BYOL)を選択
  • ネットワーク情報の指定 : 仮想クラウド・ネットワーク(VCN)とサブネットを指定し、ホスト名などを指定
  • Advanced Option : フォルト・ドメインとタグを指定可能

DBシステムの情報についての補足説明

ここで、シェイプ/ノード数/エディション/ストレージ構成について、少し掘り下げてみましょう!

・シェイプの選択とDBシステムの構成

『シェイプの変更』をクリックすると、シェイプごとのコア数(最大/最小)とノード数(最大/最小)が表示されています。シェイプ名の末尾の数字は、コア数(OCPU)を指しているのでわかりやすいですね。

ここで、上記の図のノード数に注目してみましょう。
OCI-Databaseの作成画面では、RAC構成にしたいときにはノード数を2つにするとRAC構成になります。VM.Standard2.1だけ最大ノード数が1なのは、RAC構成の場合はシェイプがVM.Standard2.2以上である必要があるためです。そのため、例えばVM.Standard2.1を選択していると、下記の図のようにノード数の選択ボタンはグレーアウトしてしまいます。

なので、RAC環境にしたい場合は”シェイプでVM.Standard2.2以上を選択してノード数を2”にしましょう。

次はエディションについて。下記のようにエディションごとに利用可能な機能が異なるので要件に応じて選択してください。

従来の必要なオプションだけ追加していくエディションの考え方と違い、それぞれでオプションがバンドルされています。例えば、クラウドなのでセキュリティ観点からStandard Editionでも表領域暗号化がデフォルトで有効になっていたり、Enterprise EditionでもManagement Packs(Data Masking and Subsetting Pack, Diagnosticks and Tuning Packs)やReal Application Testingが利用可能です。
利用可能な機能とそのエディションをより細かく調べるには、データベース・ライセンス情報ユーザー・マニュアルを見てみてください。なお、作成後にエディションの変更はできません。

・ マニュアル Oracle Cloud Infrastructure Documentation > データベース > 仮想マシンDBシステム > サポートされているデータベースのエディションとバージョン

・ストレージの構成

OCI Database –VMは、リモートNVMe(ブロック・ストレージ)を利用します。用途は大きく分けて3つです。

  • 1) 各コンピュートのローカル用の領域(S/W領域用ストレージ)でサイズは固定
  • 2) データベースのデータ用の領域 : ASMで管理されるデータ用領域(DATAディスクグループ)
  • 3) データベースのリカバリ用の領域 : ASMで管理されるリカバリ用の領域(RECOディスクグループ)。2の値をもとに自動算出

ストレージの構成のセクションで指定する『使用可能なストレージ(GB)』というのは、上記の2のデータベースのデータ用の領域を指します。
グレーアウトされている『合計ストレージ(GB)』は1/2/3全ての合計値を意味していて、これがこのDBシステムが利用するブロック・ストレージのサイズ(ブロック・ストレージの課金対象)になります。また、このサイズはRawサイズではなく、冗長化はとられた状態の実際に利用可能なサイズです。

・ マニュアル Oracle Cloud Infrastructure Documentation > データベース > 仮想マシンDBシステム > 仮想マシンDBシステムのストレージ・オプション

3.2 データベース情報

システム上に自動構築されるデータベースの情報として入力していく項目は、下記のようなものがあります

  • データベース名 : 任意のDB名の指定
  • データベースのバージョン : DBのバージョンを選択
  • PDB名(オプション) : バージョン12.1以上を指定した場合、任意のPDB名を指定。1PDB/1CDBで構築される
  • 管理者資格証明の作成 : DBの管理者パスワードを入力
  • ワークロード・タイプの選択 : OLTPもしくはDSS
  • データベース・バックアップの構成 : 自動バックアップの有効化が可能。保存期間は7/15/30/45/60日から選択
  • Advanced Options : 文字セット、各国語文字セット、タグを指定可能

データベース情報についての補足説明

・データベースのバージョン

データベースのバージョンは、各バージョンで利用可能な最新のパッチレベル(PSU/BP/RU)で作成されます。ただし、OCI Database-VMでは、上にある『使用可能なすべてのバージョンの表示』にチェックを付けると、最新から2つ前まで古いものが選択可能になります。例えば、テストのために少し古いパッチレベルの環境が必要な場合などに便利ですね。

・ マニュアル Oracle Cloud Infrastructure Documentation > データベース > サポートされているデータベースのエディションとバージョン


■4. まとめ

いかがでしたでしょうか。

Oracle Database 19cは、12.2ファミリーのLTS(Long Time Support)バージョンになります。そのため、19cを使ってみたい方や、既存環境のアップグレードや移行を検討されている方もいらっしゃると思います。

エディションの解説でも触れたように、Enterprise EditionではReal Application TestingやManagement Packsに含まれるTuning Packなどが利用可能です。短期間の検証環境として利用しやすくなっているので、ぜひ使ってみてください。

次回以降は、サービスの課金に関連するポイントについて解説していきたいと思います。