US開発部門でRACの性能向上を支える日本のエンジニア(後編) 
終わりなき改善に向け、RAC一筋

Oracle Databaseの高可用運用を実現する「Oracle Real Application Clusters(RAC)」のパフォーマンスは、オラクル米国本社のRAC開発チームに所属する2人の日本人エンジニア、小野孝太郎氏(Oracle Corporation, Consulting Member of Technical Staff)と守村篤氏(Oracle Corporation, Principal Member of Technical Staff)らによって日々、改善が図られている。RAC一筋の両氏に、オラクル本社の開発部門の様子や、仕事への想いを聞いた(編集部)。


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Oracle Corporation
Consulting Member of Technical Staff
Technical Lead
小野孝太郎氏









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Oracle Corporation
Principal Member of Technical Staff
守村篤氏






■常に最高のエンジニアがチームを組んで製品開発にあたる

――お二人は、いつからRACのパフォーマンス改善に取り組まれているのでしょうか?

小野:
 私は1994年に日本オラクルに入社し、1996年に希望してこちらに配属されました。RACの前進となった「Oracle Parallel Server」のころからかかわっています。

守村:
 私は2001年に日本オラクルに入社し、小野さんに憧れて2006年にこちらに配属していただきましたが、当初からずっとRACにかかわり続けています。

――オラクル本社の開発部門でのお仕事について聞かせてください。お二人の1日の典型的なタイム・スケジュールはどんな感じになりますか?

小野:
 私の場合、朝は7時20分ごろに家を出て、娘を学校で下ろした後、8時ごろに会社に来ます。そこから仕事をスタートし、11時くらいになった ら社内のスポーツ・ジムに行って1時間ほど走り込み、その後、シャワーを浴びて軽くランチを食べます。そして、午後の仕事をして、夜の7時ごろに帰宅する という感じです。私はトライアスロンをやっているので、トレーニングのために毎日ジムに通うのですが、いくら米国でも、そんな人は少ないですね(笑)

守村:
 私は、朝10時に出社して仕事を始めます。小野さんのようにスポーツ・ジムに通ったりはせず、日によっては夜の7、8時まで頑張りますが、早い日には5時ごろに上がります。メールなどは家に帰ってからチェックすることが多いですね。

小野:
 こちらでは、コア・タイムのようなものはなく、皆、自分にとってベストなタイム・スケジュールで仕事をしています。それに合わせられるよう、ジムは朝6時から夜10時まで空いていますし、食堂も朝の7時くらいから開いてるんですよ。

――皆さんに仕事で最高のパフォーマンスを発揮していただくためなんですね。オフィスの様子も、日本とは随分違うんですか?

守村:
 違いますね。日本では、同じ部署の人は同じ場所に集まっているのが普通ですよね。しかし、こちらのオフィスでは、私の周囲には、同じチームの 人は1人もいないんです。小野さんも、別のフロアにいるんですよ。だから、何か相談したいときは、チャットや電話を使うことが多いですね。RACのパ フォーマンス改善に取り組むチーム・メンバーのうち、1/3は本社とは別のオフィス/国にいるんです。

 このような配置にしている理由の1つは、遠隔地間のコミュニケーションに慣れさせるためかもしれません。そうすれば、常に世界中の最高レベルのエンジニアが、地理的な壁を超えて柔軟にチームを組み、協力して業務にあたるのが容易になりますから。

小野:
 また、シリコンバレーのIT企業というと、人の入れ替わりが激しいというイメージをお持ちかもしれませんが、データベース開発に関しては「この道一筋」というエンジニアが多いですね。

■我がエンジニア人生「RAC一筋」

――最近お二人が取り組まれたテーマで一番ホットだったことは何でしょうか?

守村:
 一番ホットだったのは、「Oracle Exadata」に関することですね。リリースから2年が経つ中で、当初は小規模システムで試験的に使われていたExadataも、いよいよ大規模/ミッ ション・クリティカルなシステムに導入されるようになり、それに伴ってお客様の要件がますます厳しくなってきました。例えば、搭載しているディスクが壊れ た際、業務の再開が可能になるまでの時間を、当初は1分程度で設計していたのが、ある日本の金融業のお客様からのご要望を受け、数十名のエンジニアが知恵 を絞って30秒以下に縮めるといったことも行ってきました。

――仕事に関するお二人の今後の目標をお聞かせいただけますか?

小野:
 私のこれまでのキャリアはRAC一筋でした。RACは、何年やっても、次から次へと新しいテーマが出てきたり、限界を乗り越えられたりするの で、まったく興味が尽きないんですよ。例えば以前、ある米国のお客様から、「数秒以内に必ずレスポンスを返すこと」というご要望をいただいたことがありま した。当時は数分かかることもあったのですが、RAC開発チームの責任者が先頭に立ち、エンジニアを総動員してこの問題に取り組んだ結果、解決してしまい ました。このときは「凄いチームだな!」と思いましたね。

 また今後は、お客様がRACを特別に意識せずに使えるようにしていきたいです。私の役割は、その流れをパフォーマンス面で後押しすることです。とにかく今後も、ここでRACの道を究めていきたいですね。

守村:
 実は私の場合、「本社の開発チームに入ること」が大きな目標だったので、それを果たして強い達成感を感じています。加えて最近は、「パフォー マンスに関しては、絶対に他社の製品に負けたくない」という想いが一層強くなってきたので、小野さんと同様、今後もRACのパフォーマンス改善に邁進して いきたいと思います。

――最後に、日本のエンジニアの皆さんに、エンジニアとしての成功に向けたアドバイスをいただけますか?

小野:
 私は、エンジニアとして成功する鍵は、「だれにも負けないことを作る」ことだと思っています。もちろん、これは簡単なことではありませんが、常に「自分がだれにも負けないことは何だろう?」と自問し続けることは非常に大切です。
  私の場合、「世界中のRACユーザーが抱えるパフォーマンスの課題を解決するチームの一員である」という強い自負があります。ユーザーの課題を製品改善に 結び付けてユーザーに還元するスキルに関しては、誰にも負けません。RACというオラクル製品の性能を私たちが担保し、ユーザーのお役に立てているという 喜びがあります。

守村:
 若いエンジニアの方にアドバイスさせていただくとしたら、何か機会を作るとか、海外に出るとかして、とにかく実際に自分の目で見て視野を広げることが大切だと思いますね。

――どうもありがとうございます。これからも、日本をはじめ世界中のユーザーに、最高のパフォーマンスをお届けし続けてください!

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