EJBでは、@NamedQueriesアノテーション構文を使用して、名前付き問合せを追加します。

1. すべてのタブを閉じ、「Model」プロジェクトを開きます。

   

2. 「Employees.java」クラスをダブルクリックして、ソース・エディタで開きます。

   
これらのオブジェクトがほかのJavaファイルと異なる点は、EJBエンティティとしてオブジェクトを識別するアノテーションがあることです。詳細表示
EJB 3.0およびJPAのおもな特長は、古いバージョンのデプロイメント・ディスクリプタの代わりにメタデータ・アノテーションを使用して、オブジェクト・リレーショナル・マッピングを含むエンティティを作成できることです。

3. ソース・エディタで「Entity」ノードを開き、@NamedQueriesアノテーション内の@NamedQuery文を表示します。

   
名前付き問合せを使用すると、設計時に問合せを定義し、実行時に使用できます。 詳細表示

ファサードBeanを作成すると、NamedQueryメタデータ文がEmployeeエンティティ内に1つ作成されます。この問合せは、Employees表からすべての行を取得します。
@NamedQueries({ @NamedQuery(name = "Employees.findAll", query = "select o from Employees o") })

4. NamedQuery文の閉じ括弧の後にカンマを追加し、[Enter]を押して新しい行を追加します。

5. パラメータ値よりも高い給与の従業員のデータを取得する問合せをクラスに追加します。以下のコードを追加します。

   @NamedQuery(name = "Employees.findBySal", query = "select o from Employees o where o.salary > :p_sal")

   コードは次のようになります。
   
   @NamedQueries( {
   @NamedQuery(name = "Employees.findAll", query = "select o from Employees o") ,
   @NamedQuery(name = "Employees.findBySal", query = "select o from Employees o where o.salary > :p_sal")
   })
   
   
   
   必要に応じて、[Alt]キーと[Enter]キーを押して、javax.persistence.NamedQueriesライブラリをインポートします。

@で始まるJavaコードの記号は、アノテーションと呼ばれます。詳細表示

アノテーションを使用すると、オブジェクトにメタデータを追加できます。アノテーションの例は、以下のとおりです。

アノテーション	説明
@Entity	ファイルをEJB 3.0エンティティとして識別します
@NamedQuery	実行時にデータを取り出すために使用できる問合せです
@Table	エンティティ用のプライマリ表を指定します
@Id	どのプロパティがエンティティ用の識別子であるかを定義できます
@Column	永続プロパティまたはフィールド用のマップされた列を指定します
@ManyToOne	表間の外部キー・リレーションシップの種類を指定します
@JoinColumn	外部キー・リレーションシップ用の結合列と参照先列を指定します

6. 「Build」アイコンをクリックしてプロジェクトをコンパイルし、エラーが返されていないことを確認します。

   

7. アプリケーション・ナビゲータで「HRFacadeBean.java」を右クリックし、コンテキスト・メニューから「Edit Session Facade」を選択します。

   

8. Specify Session Facade Optionsで、先ほど作成した新規問合せ「getEmployeesFindBySal()」を選択します。

   

   「OK」をクリックします。Save All「」アイコンをクリックして作業内容を保存します。

9. アプリケーション・ナビゲータで「HRFacadeBean.java」を右クリックし、コンテキスト・メニューから「Create Data Control」を選択します。

   

10. Choose EJB Interfaceダイアログでデフォルト選択（local）のままにし、「OK」をクリックします。

    

11. Data Control Registryで、「HRFacadeLocal」ノードを展開します。先ほど作成した新規メソッドを開き、「Employees」ノードをクリックします。EJB JPA定義に該当する属性が作成されていることを確認します。

    

12. これで、新規メソッドをページ内のデータ・コントロールとして使用する準備が整いました。

13. Save All「」アイコンをクリックして作業内容を保存します。

ADFタスク・フローは、Fusion Web Applicationにコントロール・フローを定義するためのモジュール・アプローチを提供します。

1. 「Model」プロジェクトを閉じます。「ViewController」プロジェクトを右クリックして、コンテキスト・メニューから「New」を選択します。

   

2. New Galleryで、「Web Tier」→「JSF/Facelets」カテゴリを選択し、「ADF Task Flow」項目を選択します。「OK」をクリックします。

   

3. Create Task FlowダイアログにfindBySalFlow.xmlと入力します。ページ断片を使用してバウンド・タスク・フローを作成します。「OK」をクリックします。

   
ADFタスク・フローには次の2種類があります。詳細表示

アンバウンド・タスク・フロー：ユーザーがタスクを完了するために相互作用する、アクティビティ、コントロール・フロー・ルール、マネージドBeanの集合。アンバウンド・タスク・フローは、バウンド・タスク・フロー内には含まれない、アプリケーション内のすべてのアクティビティおよびコントロール・フローから構成されます。

バウンド・タスク・フロー：特殊な形式のタスク・フローであり、アンバウンド・タスク・フローとは対照的に1つのエントリ・ポイント（エントリ・ポイントは、ブラウザから直接リクエストできるビュー・アクティビティです）とゼロまたは1つ以上のエグジット・ポイント（出口点）を含みます。バウンド・タスク・フローには、それぞれ固有のプライベート・コントロール・フロー・ルール、アクティビティ、マネージドBeanが含まれます。バウンド・タスク・フローは再利用、パラメータ、トランザクション管理、再入力に対応しており、JSFページ内のADFリージョンにレンダリングすることができます。

Create with Page Fragments：タスク・フローに追加するビュー・アクティビティからJSFページを参照しており、このJSFページがメインのブラウザ・ウィンドウ内にルート・ページとしてレンダリングされる場合、このチェック・ボックスの選択を解除します。タスク・フローに追加するビュー・アクティビティからページ断片ファイル（.jsff）を参照しており、タスク・フローによって実行時にこのファイルがADFリージョン内に表示される場合は、Create with Page Fragmentsチェック・ボックスを選択したままにします。

4. 「View」コンポーネントをタスク・フローへドラッグ・アンド・ドロップします。

   

5. 2つ目の「View」コンポーネントをタスク・フローへドラッグ・アンド・ドロップします。

   
view1の周りに表示される円に注目します。この円は、タスク・フロー内のエントリ・ポイントを表しています。詳細表示

バウンド・タスク・フローには単一エントリ・ポイントであるデフォルト・アクティビティが含まれます。このアクティビティは、タスク・フロー内のその他すべてのアクティビティより先に実行されます。

6. 「Control Flow Case」コンポーネントを選択し、「view1」をクリックして「view2」にドロップします。このフローの名前をfindに変更します。

   

7. この操作を繰り返し、view2からview1へ、2番目のControl Flow Caseを作成し、backという名前に変更します。

   

8. 「view1」をダブルクリックして、ページを作成します。Create ADF Page Fragmentで、このページのファイル・タイプがjsffになっていることを確認します。

   

   「OK」をクリックします。

   ページ断片は、別のJSFページ内にコンテンツとしてレンダリングされるJSFドキュメントです。詳細表示
   
   通常、ページ断片は、JSFページにリージョンとして追加されるバウンド・タスク・フローで使用されます。

9. 「Data Controls」ペインを開き、「getEmployeesfindBySal()」メソッドをページにドロップし、「Parameter」→「ADF Parameter Form」を選択します。

   

10. Edit Form FieldsでDisplay LabelフィールドにSalary >と入力し、「OK」をクリックしてその他のデフォルト値を受け入れます。パラメータp_salに注目します。

    

11. 「getEmployeesFindBySal 」ボタンを選択し、Property InspectorでActionプロパティのリストから「find」を選択し、TextにFindと入力します。

    

12. コンポーネント・パレットのOperationsライブラリで、「Set Action Listener」を選択し、「Find」ボタンにドロップします。

    
    
    

    ここでは、Set Action Listenerを使用して、pageFlowScopeレベルでView1に入力されたパラメータ値を保持します。

13. Insert Set Action Listenerダイアログで、Fromフィールドの隣の下矢印をクリックし、「Expression Builder」を選択します。

    

14. Expression Builderで、「ADF Bindings」→「bindings」→「getEmployessFindBySal_p_sal」を選択します。

    

    「OK」をクリックします。

15. Insert Set Action Listenerダイアログに戻り、Toフィールドに#{pageFlowScope.sal}と入力します。

    

    「OK」をクリックします。

16. StructureペインとProperty Inspectorは次のように表示されます。

    

17. 「findBySalFlow.xml」タブをクリックして、タスク・フロー・ダイアグラムを再表示します。タスク・フロー・ダイアグラムで、「view2」をダブルクリックしてページを作成します。

    

18. Create ADF Page fragmentで、デフォルト値を受け入れます。

    

    「OK」をクリックします。

19. Data Controlsペインで「getEmployeesFindBySal() 」メソッドを開き、「Employees」をページ上にドラッグ・アンド・ドロップします。コンテキスト・メニューから「Tables」→「ADF Read-only Table」を選択します。

    

20. Edit Table Columnsダイアログで、「Single Row」、「Enable Sorting」、「Enable Filtering」を選択します。salaryの後にある列をすべて削除し、hiredateも削除します。

    

    「OK」をクリックします。

21. Edit Action Bindingダイアログで、Valueフィールドに#{pageFlowScope.sal}と入力します。

    

    「OK」をクリックします。

pageFlowScope.salの値によって、どのsalaryパラメータ値を使用するかが決定されます。詳細表示

この値は、問合せが実行される前にp_salパラメータに渡されます。

22. Component Paletteの「ADF Faces」→「General Controls」ライブラリから「Button」コンポーネントを選択し、Structureペインのaf:tableノード上にドロップします。

    

23. Property Inspectorで、TextにBackと入力し、Actionとして「back」を選択します。

    

24. Save All「」アイコンをクリックして作業内容を保存します。

ADFリージョンを使用すると、JSFページまたはページ断片（.jsff）にバウンド・タスク・フローをレンダリングすることができます。

1. アプリケーション・ナビゲータで「mainHR.jsf」ノードをクリックし、mainHR.jsfページを再表示します。

2. 「Graph」タブを右クリックし、「Insert After Show Detail Item」→「Show Detail Item」を選択します。

   

3. Property Inspectorで、TextフィールドをSearchに変更します。

   

4. アプリケーション・ナビゲータで、「Web Content」→「WEB-INF」ノードを開き、「findBySalFlow.xml」ノードをSearchペインにドラッグ・アンド・ドロップします。

   

5. コンテキスト・メニューから「Create」→「Region」を選択します。

   

6. ページ・リージョンは次のように表示されます。

   
バウンド・タスク・フローをADFリージョンとして実行する最大の理由は、再利用性です。詳細表示

特定のアプリケーション機能要素をバウンド・タスク・フローとADFリージョンに分離しておくと、アプリケーション全体でこれを再利用することができます。

バウンド・タスク・フロー内にアプリケーション機能を抽出、構成、パッケージ化することで、ADFリージョンを使用して別のページに追加することができます。ADFリージョンは必要に応じていつでも再利用できるため、親ページに依存することはありません。

7. Save All「」アイコンをクリックして作業内容を保存します。

1. ページ内で右クリックし、コンテキスト・メニューから「Run」を選択します。

   

2. ブラウザ・ウィンドウで、「Search」タブをクリックします。

   

3. getEmployeesFindBySal_p_salフィールドに値（例：8000）を入力し、「Find」ボタンをクリックします。

   

4. 該当する従業員のリストが表示されます。右方向にスクロールして、給与が8,000以下のレコードが返されていないことを確認します。

   

5. 「Back」ボタンをクリックします。

   

6. getEmployeesFindBySal_p_salフィールドに新しい値（例：10000）を入力し、「Find」ボタンをクリックします。

   

7. 今回は、さらに限定されたリストが表示されます。

   

8. ブラウザ・ウィンドウを閉じます。