J2EEアプリケーションをキャッシュするための OracleAS Web Cacheの構成

このチュートリアルでは、Webアプリケーションをキャッシュする方法存 について説明します。

約30分

このチュートリアルの内容は次のとおりです。

概 要
前 提条件
キャッ シュ・ルールの追加および圧縮
ま とめ
関 連情報

このアイコ ンの上にカーソルを置くと、このチュートリアルのすべてのスクリーンショットが表示されます。 (注意: この操作によりすべてのスクリーンショットが同時に読み込まれるため、使用しているインターネット接続の種類によっては応答が遅い場合があります。)

注意: 各手順に関連するスクリーンショットのみを表示する場合は、それぞれの手順のアイコンの上にカーソルを置いてくださ い。

Oracle Application Server Web Cache(OracleAS Web Cache)は、コンテンツの処理速度を速め、組み立てを行うソリューションで、中間層インフラストラクチャの拡張およびエンド ユーザのエクスペリエンスの向上を目的としています。 要求される頻度の高いWebコンテンツをメモり内にキャッシュすることにより、OracleAS Web Cacheではこれらの要求の処理をアプリケーション・サーバーおよびデータベースから効率的にオフロードします。 次の図に、クラスタ・モードで動作するOracleAS Web Cacheの標準的なデプロイのシナリオを示します。

 

 

OracleAS Web Cacheでは、従来のキャッシング製品ではキャッシュできないパーソナライズされたWebページをキャッシュできます。 さらに、Edge Side Includes(ESI)*仕様により、ページの一部をフラグメントとしてキャッシュすることもできます。 OracleAS Web Cacheには、オリジナル・サーバーとキャッシュとの間にコンテンツの整合性を確保するための柔軟な無効化メカニズムがあります。 Webサイトの可用性を向上させたい場合、バックエンドのロード・バランシング、フェイルオーバーおよびシステム固有のクラスタ化を実行するように OracleAS Web Cacheを構成できます。 OracleAS Web Cacheでは、コンテンツ(キャッシュされているコンテンツおよびキャッシュされていないコンテンツの両方)の圧縮を行うGZIPおよび暗号化されたコ ンテンツを処理するSecure Sockets Layer(SSL)がサポートされます。 OracleAS Web Cacheを使用することで、Webサイトは、かつてないほどの少ないコンピューティング・リソースにより、より多くのユーザーに対しコンテンツをより高 速に提供できるようになりました。

OracleAS Web Cacheでは、以下の分野が強化されました。

パフォーマンス: スループットとスケー ラビリティの向上
ユーザー・エ クスペリエンス: パーソナライズを犠牲にしない、より高速な応答
可用性: サー ジ保護、クラスタ化、ロード・バランシング、およびフェイルオーバーによる高可用性
開発者の生産 性: 独自のキャッシュのロールが不要なため、製品化に要する時間が短縮
最終結果: アプリケーショ ンとデータベース・サーバーの負荷の軽減によるインフラ費用の節約

*ESIは、単純なマークアップ言語で、インターネットの接 続先でWebアプリケーションの動的アセンブリおよび配信を行うために、Webページのコンポーネントの定義に使用されます。 ESIの詳細は、http://otn.oracle.co.jp/products/ias/index.html#cachingを参照してくださ い。

 

前提条件

このチュートリアルを始める前に、次のことを実行しておく必要がありま す。

1. Application Server 10g 中間層の2つのインスタンスであるJ2EEおよびWeb Cacheのインストール。 OBEでは、この2つのインスタンスが同一マシン上にインストールされていることを前提とします。
2. Oracle Database 10g のインストール。 hrス キーマが設定されていることを確認します。
3.

hrapp.zipファイルのダウンロードおよび解凍。 hrapp.earファ イルをOracle Application Serverにデプロイします。


 

OracleAS Web Cacheを使用してドキュメントをキャッシュするには、キャッシング・ポリシーを設定する必要があります。 キャッシング・ポリシーは、アプリケーション開発者が指定したアプリケーション内部に埋め込むか(たとえば、Edge Side Includesタグ[www.esi.org]またはサロゲート・コントロール・ヘッダーを使用)、Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control Consoleでキャッシング・ルールとして明示的に設定できます。

 

1.

ブラウザ・ウィンドウを開いて、次のURLを入力し、アプリケーションにアクセスします。
http://localhost:7777/hrapp

次のユーザー名およびパスワードを入力してログインします。

Username: Guest(大 文字/小文字を区別)
Password: welcome(大 文字/小文字を区別)

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リンクをクリックし、「Popular Requests」ページのデータの一部 を生成するためのアプリケーションを参照します。

ページがキャッシュされているかどうかは、「Popular Requests」 ページにアクセスして確認できます。

 

2.

ブラウザで、URLをhttp://localhost:1810/に 変更します。

注意:1810は、Oracle Application Serverのインストール時に自動的に割り当てられるデフォルトのポートです。 ただし、別のインスタンスがすでに1810上で稼動している場合は、インストール時に次のポートを割り当てます。

ias_admin/<インストール時に指定したadminパスワード>と してログインし、
OK」をクリックします。

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3.

Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control Consoleの「Application Server Home」ページが表示されます。このページには、ステータス、システム・リソース使用率、有効なコンポーネント、構成済コンポーネントなど、 Application Serverの概要が示されます。

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4.

System Components表に進み、「Web Cache」 リンクをクリックし、「OracleAS Web Cache Home」ページに移動します。

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5.

Performance」タブをクリックし、「Popular Requests」をクリックします。

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6.

「Cached」列に表示されている「Not Cached」を確認してくださ い。

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7.

ブレッドクラム(階層)内の「Web Cache」をクリックして、 OracleAS Web Cache Homeページに戻ります。 「Administration」タブをクリックします。

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「Properties」の下の「Rules」リンクをクリックします。

 

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8.

「Rules」ページで「Create」をクリックしてルールを作成します。

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次の値を入力するか、ドロップダウン・リストから選択します。

Name: 任意の名前
Description: 任意の摘要
Site: localhost:7777
Match URL By: File Extension jsp


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9.

Show HTTP Methods and Parameters」を開きま す。
HTTP Methods」の下にある「GET」チェック・ボックスおよび「GET with query string」チェック・ボックスを選択します。

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「Caching」の下にある「Cache」を選択し、Expiration of Cached Responseドロップダウン・リストから「Expires: Max Time in Cache, 5 Minutes, Refresh: Immediately」を選択します。

 

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Compression」の下にある「Compress for all browsers」を選択します。 残りのパラメータは、デフォルト値のままにしておきます。 「OK」をクリックしま す。

 

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OracleAS Web Cacheでは、正規表現を使用してURLを表します。 この例では、OracleAS Web Cacheに対して、すべてのJavaServer Pages (JSP)をキャッシュするように指示しています。 特定のページをキャッシュするには、そのページのURLを入力し、「Expression Type」で「URL Expression」を選択します。

圧縮を有効にすることにより、OracleAS Web Cacheに対して、GZIPを使用してページを圧縮するように指示します。 OracleAS Web Cacheでは、クライアント要求内のAccept-Encodingフィールドに基づいて、圧縮済コンテンツを送信します。 クライアント・ブラウザがGZIPに対応しない場合、OracleAS Web Cacheは非圧縮状態でコンテンツを送信します。

ここでは、キャッシュ済ドキュメントの有効期間を300秒(5分)に設定します。 有効期限ポリシーが設定されているかどうかとは無関係に、特定のドキュメントを手動で無効にする方法については、このチュートリアルで後述します。

 

10.

新しいキャッシング・ルールがRules表に表示されます。 これで、OracleAS Web Cacheの基本的な構成が完了しました。 「Restart Web Cache」をクリックして Web Cacheを再起動します。

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確認を要求されたら「Yes」をクリックします。

 

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OracleAS Web Cache内部の複雑な処理は、エンド ユーザには見えません。 クライアントは、アプリケーション・サーバーのリッスン・ポートへはアクセスせず、OracleAS Web Cacheのリッスン・ポートに要求を送信します。

 

1.

新しいブラウザ・ウィンドウを開き、次のURL を入力します。
http://localhost:7777/hrapp

次のユーザー名およびパスワードを入力してログインします。

Username: Guest(大 文字/小文字を区別)
Password: welcome(大 文字/小文字を区別)

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このチュートリアルでは、OracleAS Web Cacheはポート7777をリッスンしてHTTPリクエストを処理するように構成し、OracleAS HTTP Server(OHS)は、ポート7778をリッスンするように構成します。OracleAS Web Cacheを介してアプリケーションにアクセスすると、OHSから直接アクセスした場合と同じページが表示されます。 OracleAS Web Cache内部の複雑な処理をエンド ユーザが意識することなく、画面表示はまったく同様に見えます。

 

2.

Webサイトのリンクをクリックします。 最初にページを要求すると、OracleAS Web Cacheはその要求をオリジナル・サーバーへ転送した後、そのサーバーからの応答をキャッシュします。 次回、同じページを要求すると、OracleAS Web Cacheはキャッシュからそのページを処理します。

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1.

「Popular Requests」ページをもう一度確認します。 「Rules」ページを表示しているブラウザ・ウィンドウに戻ります。 階 層リンク内の「Web Cache」をクリックします。

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Performance」タブをクリックし、「Popular Requests」をクリックします。

 

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2.

ページのキャッシュとは関係なく、OracleAS Web Cacheに送信された頻度の高い要求が「Popular Requests」ページに表示されます。 JSPページが、キャッシュされ圧縮されていることに注意してください。 ページをリフレッシュするには、「Refresh」をクリックする必要があります。

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/localhost:7777/hrappおよび/localhost: 7777/hrapp/は、キャッシュされていないことに注意してください。 これらの要求をキャッシュする方法の詳細は、「OracleAS Web Cacheの最適化」というタイトルのOBEを参照してください。

 

 

 

1.

「Web Cache Home」ページに戻り、「Administration」タブをクリックします。

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Operations」の下の「Invalidation」リン クをクリックします。

 

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2.

All Objects」オプションが選択されていることを確認し、「Next」 をクリックします。

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OracleAS Web Cacheには、柔軟な無効化メカニズムがあります。 1つの方法では、的確なオブジェクトを指定して確実に無効化を行います。 Oracle Enterprise Managerインタフェースに加え、OracleAS Web Cacheは、無効化ポートでXMLベースの無効化メッセージを受け取ります。 無効化メッセージの生成には、Telnetまたはデータベース・トリガーが使用できます。

 

3.

Remove objects immediately」オプションが選択され ていることを確認し、「Next」をクリックします。 2番目のオプションを選択すると、無効化後に失効したコンテンツを処理するための猶予期間がOracleAS Web Cacheに与えられます。 これにより、コンテンツの大規模なリフレッシュが原因でオリジナル・サーバーにかかるオーバーロードが最小になります。 この機能は、重要度の低いコンテンツで役立ちます。

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4.

Finish」をクリックします。

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無効化の結果が表示されます。 「OK」をクリックします。

 

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5.

Popular Requests」ページをもう一度確認します。 「Performance」 タブをクリックし、「Popular Requests」をクリックします。 キャッシュ済エントリが、Popular Requests表から削除されます。

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このレッスンでは、次の ことを学びました。

キャッシング・ルールの追加

OracleAS Web CacheからのWebページへのアクセス
キャッシュ済コンテンツの確認およびコンテンツの無効化

関連情報

OracleAS Web Cacheの詳細は、こ こをクリックしてください。

このアイコンの上にカーソルを置くと、すべてのスクリーンショットが非表示になります。

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