セッション・バインディングおよびロード・バランシングを行うためのOracleAS Web Cacheの構成

目的

このチュートリアルでは、セッション・バインディングおよびロード・バランシングを行うためにOracleAS Web Cacheを構成する方法について説明します。

所要時間

約20分

トピック

このチュートリアルの内容は次のとおりです。

	概要
	前提条件
	2つ目のオリジナル・サーバーの定義
	アプリケーション検出のためのPing URLおよびオリジナル・サーバーの容量の定義
	Cookieベースのセッションを使用するためのOracleAS Web Cacheの構成
	セッション・バインディングのための構成の確認
	JSESSIONIDを使用するためのOracleAS Web Cacheの構成
	まとめ
	関連情報

スクリーンショットの表示

このアイコンの上にカーソルを置くと、このチュートリアルのすべてのスクリーンショットが表示されます。（注意：この操作によりすべてのスクリーンショットが同時に読み込まれるため、使用しているインターネット接続の種類によっては応答が遅い場合があります。）

注意: 各手順に関連するスクリーンショットのみを表示する場合は、それぞれの手順のアイコンの上にカーソルを置いてください。

概要

トピック・リストに戻る

OracleAS Web Cacheでは、HTTPまたはHTTPSを使用して負荷を複数のオリジナル・サーバーに分散できます。セッションを使用するアプリケーションの場合、OracleAS Web Cacheは、オリジナル・サーバーに対してもセッション・バインディングを実行します。

前提条件

トピック・リストに戻る

このチュートリアルを始める前に、次のことを実行しておく必要があります。

1.	「J2EE アプリケーションをキャッシュするためのOracleAS Web Cacheの構成」のチュートリアルの完了

2つ目のオリジナル・サーバーの定義

トピック・リストに戻る

Web Cache OBEの前提条件の1つは、Application Server中間層の2つのインスタンスであるJ2EEおよびWeb Cacheが実装されていることです。このOBEシリーズでは、この2つのインスタンスを同一マシン上にインストールしました。 J2EEは、「J2EEアプリケーションをキャッシュするためのOracleAS Web Cacheの構成」というタイトルのOBEで扱いました。インスタンス1のデフォルトのオリジナル・サーバーは、localhost 7778です。 2つのインスタンスは同一マシン上に存在するため、インスタンス2のデフォルトのオリジナル・サーバーは、localhost 7779になります。この項では、2つ目のオリジナル・サーバーlocalhost 7779を定義し、ロード・バランシングに対応するためにオリジナル・サーバーを使用してOracleAS Web Cacheをマップします。

1.	Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control Consoleから「OracleAS Web Cache Home」ページに進みます。「Administration」タブをクリックします。「Properties」の下の「Origin Servers」をクリックします。
2.	「Create」をクリックして、2つ目のオリジナル・サーバーを作成します。
3.	関連するフィールドに、次のパラメータ値を入力します。 Host: localhost Port: 7779 Capacity: 100 Routing:有効 Failover Threshold: 5 Ping URL: / Ping Frequency: 10 残りのパラメータは、デフォルト値のままにしておき、「OK」をクリックします。
4.	「Restart Web Cache」をクリックしてWeb Cacheを再起動します。確認を要求されたら「Yes」をクリックします。
5.	「Sites」をクリックします。「Named Sites Definitions」の下にあるlocalhost:7777を選択し「Edit」をクリックします。
6.	「Available Origin Servers」列の下に新しいオリジナル・サーバーが表示されます。このオリジナル・サーバーを選択し、「Selected Origin Servers」列に移します。「OK」をクリックします。
7.	「Restart Web Cache」をクリックしてWeb Cacheを再起動します。確認を要求されたら「Yes」をクリックします。

アプリケーション検出のためのPing URLおよびオリジナル・サーバーの容量の定義

トピック・リストに戻る

OracleAS Web Cacheでは、定期的にオリジナル・サーバーに対してユーザー定義のURLを送信し、アプリケーションの可用性を検出します。応答がない場合、OracleAS Web Cacheはオリジナル・サーバーが使用不可とみなします。オリジナル・サーバーからの応答がないということは、アプリケーションに問題があることにもなります。そのため、Ping URLはアプリケーションの検出にも役立ちます。

1.	ブレッドクラム（階層）内の「Web Cache」をクリックして、OracleAS Web Cache Homeページに戻ります。「Administration」タブをクリックし、「Properties」の下にある「Origin Servers」をクリックします。
2.	オリジナル・サーバーのいずれかを選択し、「Edit」をクリックします。
3.	「Ping URL」フィールドに/hrappと入力します。 /hrappは、オリジナル・サーバーからのリダイレクト・ヘッダーで、サイズはゼロ・バイトです。 /hrappは、オリジナル・サーバーのリソースをほとんど必要としないため、Ping URLの候補として最適です。
4.	このOBEでは、オリジナル・サーバーにかかる負荷は小さいと想定しています。特定のオリジナル・サーバーを使用してOracleAS Web Cacheで設定できる最大同時接続数を少なくするには、「Capacity」の値を50に変更します。「OK」をクリックします。
5.	もう一方のオリジナル・サーバー（localhost:7779）について、手順2～4を繰り返します。「Restart Web Cache」をクリックしてWeb Cacheを再起動します。確認を要求されたら「Yes」をクリックします。

Cookieベースのセッションを使用するためのOracleAS Web Cacheの構成

トピック・リストに戻る

Oracle Application Server 10g Release 2では、OracleAS Web Cacheにセッション・バインディング・メカニズムのオプションとして、Cookieベース、OC4J ベース、内部トラッキングの3つのオプションが用意されています。
Cookieベースのセッション・バインディング・メカニズムは、すべてのタイプのWebアプリケーションに適用されます。 OracleAS Web Cacheは、オリジナル・サーバーに対してスティッキー・セッションを実行するための独自のCookieを生成します。そのため、アプリケーションのセッションIDが変更しても、スティッキー・セッションは保持されます。
OC4Jベースのメカニズムは、キャッシュ対象のアプリケーションがOC4Jに基づいている場合に使用します。 OracleAS Web Cacheでは、OC4Jへの各要求でOracle HTTP Serverを経由してルーティング情報を転送します。
アプリケーションがCookiesをサポートしないか、またはOC4Jベースではない場合、内部トラッキング・メカニズムを使用します。この場合、メモリー内ルーティング表はOracleAS Web Cacheによって保持されます。
この項では、Cookieベースのセッションを使用するようにWeb Cacheを構成します。

1.	「OracleAS Web Cache Home」ページにナビゲートします。「Administration」タブをクリックし、「Properties」の下にある「Sites」をクリックします。
2.	「Named Site Definitions」の下にあるlocalhost:7777を選択し「Edit」をクリックします。
3.	「Advanced」タブをクリックして、詳細セクションに進みます。
4.	「Session Binding」の下で、「Enable session binding for this site」が選択されていることを確認します。「Session」ドロップダウン・リストから「Any Set Cookies」を選択し、「Session Binding Mechanism」ドロップダウン・リストから「Cookie-Based」を選択します。「OK」をクリックします。
5.	「Restart Web Cache」をクリックしてWeb Cacheを再起動します。確認を要求されたら「Yes」をクリックします。

セッション・バインディングのための構成の確認

トピック・リストに戻る

1.	ブラウザ・ウィンドウを開き、http://localhost:7777/hrappでアプリケーションを参照します。 OracleAS Web Cacheは、キャッシュ済ページを処理し、要求をオリジナル・サーバーへ送信します。
2.	Application Server Control Consoleのブラウザ・ウィンドウに切り替えます。「OracleAS Web Cache Home」ページにナビゲートします。「Performance」タブに進み「Origin Servers」をクリックします。
3.	最初のオリジナル・サーバーのリンクをクリックします。「Request Throughput」の下の「Total Requests」を確認します。
4.	ブラウザの「戻る」ボタンをクリックし、2つ目のオリジナル・サーバーのリンクをクリックします。「Request Throughput」の下の「Total Requests」を確認します。要求のほとんどは、1つのオリジナル・サーバーのみに集中していることに注意してください。セッション・バインディングは、適正に機能しています。

JSESSIONIDを使用するためのOracleAS Web Cacheの構成

トピック・リストに戻る

J2EEアプリケーションの場合、OracleAS Web CacheはJSESSIONIDを使用してセッション・バインディングを行います。ただし、セッション・バインディングの設定を変更する必要があります。

1.	「OracleAS Web Cache Home」ページに戻り、「Administration」タブをクリックします。「Properties」の下の「Sites」をクリックします。 localhost:7777を選択し「Edit」をクリックします。
2.	「Advanced」タブをクリックして、詳細セクションに進みます。「Session Binding」の下で、「Enable session binding for this site」が選択されていることを確認します。「Session」ドロップダウン・メニューから「JSESSIONID」を選択し、「Session Binding Mechanism」ドロップダウン・メニューから「OC4J-Based」を選択します。「OK」をクリックします。
3.	「Restart Web Cache」をクリックしてWeb Cacheを再起動します。確認を要求されたら「Yes」をクリックします。
4.	アプリケーションの参照に使用したブラウザ・ウィンドウに切り替えます。 http://localhost:7777/hrappで、再度ページを参照します。
5.	Application Server Control Consoleのブラウザ・ウィンドウに戻り、ほとんどの要求がオリジナル・サーバーの1つに集中していることを確認します。「セッション・バインディングのための構成の確認」の項の手順2～4に従って、確認してください。

まとめ

トピック・リストに戻る

このレッスンでは、次のことを学びました。

	アプリケーションの可用性を検出するための Ping URLの定義
	CookieベースのセッションおよびJSESSIONIDを使用するためのOracleAS Web Cacheの構成

セッション・バインディングおよびロード・バランシングを行う ためのOracleAS Web Cacheの構成

目的

トピック

スクリーンショットの表示

概要

2つ目のオリジナル・ サーバーの定義

アプリケーション検出のため のPing URLおよびオリジナル・サーバーの容量の定義

Cookieベースの セッションを使用するためのOracleAS Web Cacheの構成

セッション・バイン ディングのための構成の確認

JSESSIONIDを使用するためのOracleAS Web Cacheの構成

Copyright © 2004 Oracle Corporation. All Rights Reserved.

セッション・バインディングおよびロード・バランシングを行うためのOracleAS Web Cacheの構成

2つ目のオリジナル・サーバーの定義

アプリケーション検出のためのPing URLおよびオリジナル・サーバーの容量の定義

Cookieベースのセッションを使用するためのOracleAS Web Cacheの構成

セッション・バインディングのための構成の確認