SQL Developer 3.1を使用したプロシージャのテストおよびデバッグ

概要

目的

このチュートリアルではDDLスクリプトを実行してデータベース・オブジェクトへの変更を確認する方法と、プロシージャを作成、実行、テスト、デバッグする方法について説明します。

所要時間

約60分

はじめに

Oracle SQL Developerは完全にサポートされた無償のグラフィカル・ツールであり、生産性の向上およびデータベース開発作業の簡素化を目的としています。 SQL Developerを使用すると、データベース・オブジェクトを参照、編集、作成できます。また、SQL文の実行、PL/SQL文の編集とデバッグ、PL/SQLユニット・テストの作成、レポートの実行、およびバージョン管理のもとでファイルを配置できるようになります。

このチュートリアルでは、SQL Developer Release 3.1を使用してさまざまなタスクを調査します。

前提条件

このチュートリアルを始める前に以下のことを確認してください。

Oracle SQL Developer Release 3.1をインストールしていること
サンプル・スキーマがインストールされているOracle Database 11gデータベースにアクセスできること
HRユーザーにDEBUG CONNECT SESSION権限とDEBUG ANY PROCEDURE権限を付与していること
『Oracle SQL Developer Data Modeler 3.1を使用したデータベースのリエンジニアリング』チュートリアルを完了していること
files.zipファイルをダウンロードし、作業ディレクトリに解凍していること

データベース接続の作成

このトピックでは、SQL DeveloperでHRスキーマへの接続を作成します。

デスクトップにあるSQL Developer 3.1アイコンをダブルクリックします。

初めてSQL Developerを開くと、Tip of the Dayダイアログが表示される場合があります。「**Show tips at startup**」チェック・ボックスの選択を解除すると、今後は表示されなくなります。ダイアログ右上の「**Close**」アイコンをクリックします。

Connectionsタブで「**Connections**」を右クリックし、「**New Connection**」を選択します。

New / Select Database Connectionダイアログが表示されます。次のとおりに接続情報を入力し、「**Test**」をクリックします。

Connection Name： **hr_orcl**
User Name： hr
Password： **oracle**（「**Save Password**」チェック・ボックスを選択）
SID： **orcl**（または独自のSID）

テスト・ステータスとして'Success'が表示されたら、 New/Select Database Connectionダイアログの「**Connect**」をクリックして接続を作成します。

「**hr_orcl**」接続を展開し、すべてのオブジェクト・タイプを確認します。「**Tables**」を展開します。次の項では、hrスキーマに現在含まれているオブジェクトを確認します。

HRスキーマ内の既存のオブジェクトの確認

このトピックでは、hrスキーマ内の既存のオブジェクトを確認します。

「**EMPLOYEES**」表を展開します。列の定義が一覧表示されています。

Oracle SQL Developer Data Modelerで前のチュートリアルを実行済みの場合、リレーショナル・モデルのDEPARTMENTS表に追加したCOST_CENTER列が現時点では存在していないことに注意してください。今のところ、PROJECTS表とTASKS表もスキーマに含まれていません。 hrスキーマを変更するためのスクリプトは次のトピックで実行します。

EMPLOYEESタブの情報がDEPARTMENTS表の情報に置き換わりました。タブ内の表情報をそのまま維持するには、「**Pin**」アイコンを選択してペインを固定します。

DEPARTMENTS表のペインが固定されているため、今回はそれぞれの表に対して1つずつ、合計2つのタブがあります。

EMPLOYEES表のデータを確認します。「**Data**」サブタブをクリックします。

EMPLOYEES表に含まれるデータが表示されます。 SQL WorksheetにSQL文を入力することもできます。「**hr_orcl**」タブをクリックします。

次のSQL文を入力し、「**Execute SQL Statement**」アイコンを選択します。

select * from employees
where job_id like '%SA%'

問合せの結果が表示されます。次のトピックでは、前のチュートリアルでData Modeler上で生成したスクリプトを実行します。

DDLスクリプトの実行

このトピックでは、Data Modelerのチュートリアルで生成したDDLスクリプトを実行します。前のチュートリアルを完了していない場合、VMの/home/oracle/Desktop/solutions/dm_labディレクトリにあるソリューションを使用できます。

「**Desktop**」アイコンを選択して前のチュートリアルで作成したファイルを選択するか、または**/home/oracle/Desktop/solutions/dm_lab**ディレクトリへ移動して「**dm_mods.sql**」ファイルを選択し、「**Open**」をクリックします。

このSQLファイルにはHRスキーマを変更するすべてのDDLが含まれているため、前のチュートリアルで実施したモデル変更をスキーマに対して同期できます。このスクリプトを実行すると、PROJECTS表とTASKS表が作成され、DEPARTMENTS表に新しいCOST_CENTER列が追加されます。下方向にスクロールして、DDLを確認します。

新しいPROJECTS表とTASKS表がリストに含まれていることを確認します。 **DEPARTMENTS**表、**PROJECTS**表、および**TASKS**表の各ノードを展開して結果を確認します。次のトピックでは、プロシージャを作成して実行します。

表APIの作成

このトピックでは、DEPARTMENTS表に対するAPIパッケージを作成します。表APIを使用すると、INSERT、UPDATE、DELETE文を直接記述したり管理したりすることなく、レコードを挿入、更新、削除するためのPL/SQLコールをアプリケーション内で実行できます。

ナビゲータで「**DEPARTMENTS**」表を右クリックし、「**Table**」→「**Generate Table API...**」の順に選択します。

DEPARTMENTS表に対するAPIパッケージを作成するためのPL/SQLコードが表示されます。コードを確認します。挿入（ins）プロシージャ、削除プロシージャ、更新プロシージャが含まれています。「**Run Script**」アイコンをクリックしてパッケージを作成します。

プロシージャの作成、実行、デバッグ

このトピックでは、従業員が受け取る歩合を、売上高と各自の歩合比率に基づいて決定するプロシージャを作成し、実行し、デバッグします。

このプロシージャ用のスクリプトはあらかじめ作成されているため、ここではそのファイルを開きます。「**File**」→「**Open**」を選択します。

**/home/oracle/Desktop/solutions/sqldev_lab**ディレクトリへ移動し、「**proc.sql**」ファイルを選択して「**Open**」をクリックします。

「**Run Script**」アイコンをクリックしてAWARD_BONUSプロシージャを作成します。

プロシージャが作成され、コンパイル時に警告が発生しています。警告を表示するには、ナビゲータで「**Procedures**」を展開します。

プロシージャのリストから「**AWARD_BONUS**」を選択します。警告アイコンは、プロシージャのコンパイルが正常に完了していないことを示しています。

エラーから、15行目に問題があることが分かります。行番号を表示するには、コードの前の空白部分を右クリックして「**Toggle Line Numbers**」を選択します。

エラーが発生した理由は、14行目のRAISE comm_missingコードの後に';'が欠如しているためです。**';'**を入力し、「**Compile**」アイコンを再度選択します。

今回はプロシージャが正常にコンパイルされました。「**Run**」アイコンをクリックして、プロシージャを実行します。

Debug PL/SQLダイアログ・ウィンドウが表示されます。 EMP_IDとSALES_AMTの値は、現在NULLに設定されています。

EMP_IDの値をNULLから**149**に変更し、SALES_AMTの値を**2000**に変更し、「OK」をクリックします。

プロシージャが正常に実行され、給与の値が変更されました。デバッグの動作を確認するため、ここでブレーク・ポイントを作成します。行番号「8」をクリックします。

赤色のアイコンはブレーク・ポイントが作成されたことを示しており、プロシージャをデバッグ・モードで実行すると、8行目で実行が中断されます。「**Debug**」アイコンをクリックします。

デバッガが実行され、8行目で停止します。「**Data**」タブをクリックします。

各変数の現在の値が表示されます。「**Debugging**」タブをクリックします。

「**Step Over**」アイコンをクリックしてプロシージャ内の次の文に移動します。

SELECT文が実行されました。ここで、l_salaryとl_commissionの値をチェックします。再度、「**Data**」タブをクリックします。

l_salaryとl_commissionの値がデータベース内の既存の値に変更されています。「**Debugging**」タブをクリックします。

デバッガがプロシージャ内の次の文に移動したことを確認します。残りのプロシージャを実行するには、「**Resume**」アイコンをクリックします。

プロシージャの実行が完了しました。給与の値を確認します。次のトピックでは、ユニット・テストを作成して実行するためのテスト・リポジトリを作成します。

ユニット・テスト・リポジトリの作成

このトピックでは、UNIT_TEST_REPOSという名前のデータベース・ユーザーを作成します。このユーザーは、ユニット・テスト・リポジトリのデータを保持するために作成します。次に、作成したユーザーのスキーマ内にリポジトリを作成します。

SYSユーザーに対して接続を作成します。「**Connections**」を右クリックし、「**New Connection**」を選択します。

次の情報を入力し、「**Connect**」をクリックします。

Connection Name：**sys_orcl**
Username：**sys**
Password：**oracle**
「**Save Password**」チェック・ボックスを選択
Role：**SYSDBA**
SID：**orcl**

接続が正常に作成されました。「**hr_orcl**」接続を縮小します。「**sys_orcl**」接続を展開し、「**Other Users**」を右クリックして「**Create User**」を選択します。

次の情報を入力し、「**Roles**」タブをクリックします。

Username：**unit_test_repos**
Password：**oracle**
Default Tablespace：**USERS**
Temporary Tablespace：**TEMP**

「**Connect**」ロールと「**Resource**」ロールを選択し、「**Apply**」をクリックします。

unit_test_reposユーザーが作成されました。「**Close**」をクリックします。

次に、unit_test_reposユーザーに対する接続を作成する必要があります。このユーザーは、ユニット・テスト・リポジトリのデータを保持します。「**Connections**」を右クリックし、「**New Connection**」を選択します。

次の情報を入力し、「**Connect**」をクリックします。

Connection Name：**unit_test_repos_orcl**
Username：**unit_test_repos**
Password：**oracle**
「**Save Password**」チェック・ボックスを選択
SID：**orcl**

unit_test_reposユーザーとunit_test_repos_orcl接続が作成されました。

「**Tools**」→「**Unit Test**」→「**Repository**」を選択し、「**Select Current Repository**」を選択します。

「**unit_test_repos_orcl**」接続を選択し、「OK」をクリックします。

この接続には、リポジトリの作成に必要な権限が付与されていません。「OK」をクリックし、適用される権限を表示します。

sysのパスワードとして**oracle**と入力し、「OK」をクリックします。

UNIT_TEST_REPOSユーザーには、所定のいくつかの表に対するselectアクセスが必要です。「OK」をクリックします。

UNIT_TEST_REPOSユーザーには、現在、リポジトリ所有者の管理権限が付与されていません。「OK」をクリックし、実行されるgrant文を表示します。

ユニット・テストの作成と実行

ここまででユニット・テスト・リポジトリの作成は完了したため、このチュートリアルの前半で作成したPL/SQLプロシージャに対するユニット・テストを作成します。次に、このユニット・テストを実行してさまざまな値が有効であることを確認します。

Unit Testナビゲータで、「**Tests**」を右クリックして「**Create Test**」を選択します。

Select Operationウィンドウで、AWARD_BONUSプロシージャの作成に使用した「**hr_orcl**」接続を選択します。

「**Procedures**」を展開して「**AWARD_BONUS**」を選択し、「**Next**」をクリックします。

Specify Test Nameウィンドウで、Test Nameに**AWARD_BONUS**が指定されており、**Create with single Dummy implementation**が選択されていることを確認したら、「**Next**」をクリックします。

Specify Startupウィンドウで「+」アイコンをクリックし、ドロップダウン・リスト・ボックスから「**Table or Row Copy**」を選択します。

Source Tableに**EMPLOYEES**と入力し、「OK」をクリックします。テストの影響を受ける表が一時表に保存され、表に対する問合せが自動的に生成されます。

Specify ParametersウィンドウでEMP_IDのInput文字列を**149**に変更し、SALES_AMTを**2000**に変更し、「**Next**」をクリックします。

検証を追加するには、「+」アイコンを選択してドロップダウン・リストから「**Query returning row(s)**」を選択します。

次の問合せを指定し、「OK」をクリックします。この問合せは、ユニット・テストによって実施された変更の結果をテストします。

SELECT * FROM employees WHERE employee_id = 149
AND salary = 11700;

Specify Teardownウィンドウで「+」アイコンをクリックし、ドロップダウン・リスト・ボックスから「**Table or Row Restore**」を選択します。

Row IdentifierはPrimary Keyのままにして、「OK」をクリックします。

左側のナビゲータで「**AWARD_BONUS**」テストを選択します。右側のパネルにテストの詳細情報が表示されます。

「**Debug Implementation**」アイコンをクリックしてテストを実行します。

テストが完了すると、結果が表示されます。「**Close**」をクリックします。

まとめ

このチュートリアルで学習した内容は、以下のとおりです。

データベース接続の作成
HRスキーマ内の既存のオブジェクトの確認
DDLスクリプトの実行
表APIの作成
プロシージャの作成と実行
ユニット・テスト・リポジトリの作成
ユニット・テストの作成と実行

参考資料

このOracle by Exampleをナビゲートする際、次の機能を使用できます。

ヘッダー・ボタンの非表示：: ヘッダー内のボタンを非表示にするには、タイトルをクリックします。ボタンを再表示するには、もう一度タイトルをクリックします。
トピック一覧ボタン：: すべてのトピックの一覧です。いずれかのトピックをクリックすると、その項に移動します。
すべてのトピックを開く/閉じる：: すべての項に対する詳細を表示または非表示にします。デフォルトでは、すべてのトピックが閉じられています。
すべてのイメージを表示/非表示：: すべてのスクリーンショットを表示または非表示にします。デフォルトでは、すべてのイメージが表示されています。
印刷：: コンテンツを印刷します。現在表示または非表示にされているコンテンツが印刷されます。

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