Oracle WebLogic Server 12c: ノード・マネージャの構成と使用

<このテキストを削除しないでください。これは、ブラウザ実行時に生成される"主要"なトピック一覧のプレースホルダです。>

目的

このチュートリアルでは、Oracle WebLogic Server 12cのJavaベースのノード・マネージャを構成し、使用する方法を説明します。

所要時間

約1時間

概要

本番環境のWebLogic Serverインスタンスは、多くの場合、複数のドメイン、マシン、場所に分散されています。 ノード・マネージャは、管理サーバーと管理対象サーバーをリモートで起動、停止、および再起動できるWebLogic Serverユーティリティです。 必須ではありませんが、WebLogic Server環境で高可用性要件をもつアプリケーションをホストする場合はノード・マネージャの使用をお勧めします。

ノード・マネージャ・プロセスは特定のWebLogicドメインではなく、1台のマシンと関連付けられています。 ノード・マネージャ・プロセスと同じマシン上にあるものであれば、どのWebLogic Serverドメインにあるサーバー・インスタンスでも、同じノード・マネージャ・プロセスを使用して制御できます。

このチュートリアルではJavaベースのノード・マネージャを構成および起動し、これを使用してOracle WebLogic Server 12c(12.1.1)の管理対象サーバーを制御します。

ソフトウェア要件

ソフトウェア要件は、以下のとおりです。

前提条件

このチュートリアルを始める前に、Oracle by Example チュートリアルのOracle WebLogic Server 12c: Installing WebLogic Server and Creating a DomainOracle WebLogic Server 12c: Configuring Managed ServersOracle WebLogic Server 12c: Creating and Configuring Machinesを完了している必要があります。

現在のマシン構成の調査

前提条件のチュートリアルで作成されたマシンの構成を確認するには、以下の手順を実行します。

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ドメインの管理サーバーがまだ実行されていない場合は、これを起動します。 ターミナル・ウィンドウでドメイン・ディレクトリに移動し、次のコマンドを実行します。

$ ./startWebLogic.sh

 

ユーザー名とパスワードを入力するよう指示されたら、ドメイン管理者の資格証明を入力します。

 

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管理サーバーが実行中になったら、WebLogic Serverの管理コンソールにアクセスします。 Webブラウザを開いて、次のURLを入力します。
http://ホスト名:ポート/console

このチュートリアルでは、http://host01.example.com:8001/consoleが使用されました。

注:該当ホストのホスト名を使用してください。 また、管理サーバー向けに異なるポート番号を使用している場合はそのポートを使用します。

Welcome画面で、管理サーバーの起動時に入力したユーザー名とパスワードを使用してログインします。

 

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実行中の管理対象サーバー(dizzy1、dizzy2、dizzy3)がある場合は、これを停止します。

 

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チュートリアルOracle WebLogic Server 12c: Creating and Configuring Machinesで作成されたマシンの構成を確認します。

Domain Structureで「Environment」を開き(横にある「+」をクリック)、 「Machines」をクリックします。

 

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Machines表で、「dizzyMachine1」をクリックします。

 

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Settings for dizzyMachine1で「Configuration」タブをクリックし、続いて「Node Manager」サブタブをクリックします。

 

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このマシン向けのノード・マネージャ設定が表示されます。 TypePlainに設定されており(つまり、Javaベースのノード・マネージャがSSLを使用しない)、Listen Addresshost01.example.comに、Listen Port5556に設定されています。

 

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dizzyMachine2に対するノード・マネージャの設定も確認します。 Domain Structureに戻り、「Environment」→「Machines」の順にクリックします。

Machines表で、「dizzyMachine2」をクリックします。

Settings for dizzyMachine2で「Configuration」タブをクリックし、続いて「Node Manager」サブタブをクリックします。

dizzyMachine2のノード・マネージャ設定が表示されます。 Listen Addresshost02.example.comに設定されており、Listen Port5557であること以外は、dizzyMachine1のノード・マネージャと同じ内容が設定されています。

 

ノード・マネージャの構成

マシン上にノード・マネージャのホーム・ディレクトリを新しく作成し、その構成を設定するには、以下の手順を実行します。

 

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host01で新しいターミナル・ウィンドウを開き、インストール・ディレクトリ<MIDDLEWARE_HOME>に移動します。 このチュートリアルで使用したディレクトリは、/u01/app/oracle/Middlewareです。

 

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新しいディレクトリ<MIDDLEWARE_HOME>/user_projects/nodemanager/dizzyMachine1を作成します。

 

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dizzyMachine1ディレクトリに<MIDDLEWARE_HOME>/wlserver_12.1/server/bin/startNodeManager.shファイルをコピーします。

 

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<MIDDLEWARE_HOME>/user_projects/nodemanager/dizzyMachine1/startNodeManager.shファイルを編集します。

 

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NODEMGR_HOME変数に現在のパスを設定します。 このチュートリアルでは<MIDDLEWARE_HOME>/user_projects/nodemanager/dizzyMachine1が設定されました。 変更を保存します。

 

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新しいファイル<MIDDLEWARE_HOME>/user_projects/nodemanager/dizzyMachine1/nodemanager.propertiesを作成し、編集します。

 

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この新しいファイルに、次の3行を追加します。

  • ListenAddress=host01.example.com
  • ListenPort=5556
  • SecureListener=false

変更を保存します。

 

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2番目のマシンhost02にアクセスします。

次は、dizzyMachine2に対してノード・マネージャを設定します。

新しいディレクトリ<MIDDLEWARE_HOME>/user_projects/nodemanager/dizzyMachine2を作成し、ここにstartNodeManager.shスクリプトをコピーします。

スクリプトを編集し、NODEMGR_HOME変数に現在のパスを設定します。 このチュートリアルでは<MIDDLEWARE_HOME>/user_projects/nodemanager/dizzyMachine2が設定されました。 ファイルを保存します。

再度nodemanager.propertiesファイルを作成し、dizzyMachine2に対するリスニング・アドレスとポート番号を入力します。

  • ListenAddress=host02.example.com
  • ListenPort=5557
  • SecureListener=false

ファイルを保存します。

 

コンピュータへのドメイン登録

コンピュータにドメインを登録し、コンピュータ上のノード・マネージャがドメインからリクエストを受け入れるようにするには、以下の手順を実行します。

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host01にアクセスします。 ターミナル・ウィンドウで<MIDDLEWARE_HOME>/wlserver_12.1/server/binに移動します。

setWLSEnv.shスクリプトを実行して、Oracle WebLogic Scripting Tool(Oracle WLST)に必要な環境を次のとおりに設定します。

$ source setWLSEnv.sh

 

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ターミナル・ウィンドウに次のコマンドを入力し、インタラクティブ・モードでOracle WLSTを開きます。

java weblogic.WLST

 

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WLSTプロンプトに次のコマンドを入力して、実行中の管理サーバーに接続します。

wls:/offline> connect('<ユーザー名>', '<パスワード>', 't3://<管理ホスト>:<管理ポート>')

使用するドメイン環境に応じて、サンプルの引数値を置き換えてください。 このチュートリアルで使用したコマンドは、以下のとおりです。

wls:/offline> connect('weblogic', 'Welcome1', 't3://host01.example.com:8001')

 

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nmEnroll()コマンドを実行します。 このコマンドによって、Oracle WLSTが実行されているコンピュータに、Oracle WLSTの接続先である管理サーバーのドメインが登録されます。 "登録"処理では、管理サーバーからこのコンピュータにnm_password.propertiesファイルとSerializedSystemIni.datファイルがダウンロードされます。

ノード・マネージャの"秘密ファイル"であるnm_password.propertiesには暗号化されたユーザー名とパスワードが含まれており、管理サーバーはこれらを使用してノード・マネージャ・プロセスに対する認証を実行します。 このファイルは/config/nodemanager/内のドメイン・ディレクトリに配置されます。

暗号化と復号化に使用されるSerializedSystemIni.datファイルは、/security/内のドメイン・ディレクトリに配置されます。

さらに、nmEnroll()コマンドによって、ノード・マネージャのホーム・ディレクトリ内でnodemanager.domainsファイルが作成されるか、または更新されます。 これにより、ノード・マネージャの管理対象ドメイン・リストに現在のドメインが追加されます。

nmEnroll()コマンドには次の2つの引数を指定します。

  • このコンピュータ上のドメインのホーム・ディレクトリ
  • このコンピュータ上のノード・マネージャのホーム・ディレクトリ

このチュートリアルで使用したコマンドは、以下のとおりです。

nmEnroll('/u01/app/oracle/Middleware/user_projects/domains/dizzyworld',
'/u01/app/oracle/Middleware/user_projects/nodemanager/dizzyMachine1')

注:コマンドの使用時には、ドメインとノード・マネージャに対する正しいパスを指定してください。

 

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プロンプトに次のコマンドを入力して、Oracle WLSTを終了します。
exit()

 

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host02にアクセスして上記ステップを繰り返し、dizzyMachine2のノード・マネージャのホーム・ディレクトリに対してnmEnroll()を実行します。

nmEnroll('/u01/app/oracle/Middleware/user_projects/domains/dizzyworld',
'/u01/app/oracle/Middleware/user_projects/nodemanager/dizzyMachine2')

 

ノード・マネージャの起動

ノード・マネージャを起動するには、以下の手順を実行します。

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host01で<MIDDLEWARE_HOME>/user_projects/nodemanager/dizzyMachine1へ移動し、次のコマンドを入力します。

./startNodeManager.sh

ノード・マネージャがdizzyMachine1に対して起動されたことを確認します。

 

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host02で<MIDDLEWARE_HOME>/user_projects/nodemanager/dizzyMachine2へ移動し、次のコマンドを入力します。

./startNodeManager.sh

 

ノード・マネージャと管理コンソールを使用したサーバー起動

管理対象サーバーをコンソールから起動するには、以下の手順を実行します。

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再度、WebLogic Serverの管理コンソールにアクセスします。 Domain Structureセクションで「Environment」を開き、「Servers」をクリックします。

 

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Controls」タブをクリックします。

 

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すべての管理対象サーバー(dizzy1dizzy2dizzy3)のチェック・ボックスを選択します。

Start」ボタンをクリックします。

 

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3つのサーバーの起動を確認するよう指示されたら「Yes」をクリックします。

 

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更新アイコンをクリックし、Servers表を定期的に更新します。

 

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数分経ったら、各サーバーのStateが"Running"になっていることを確認します。

 

まとめ

このチュートリアルで学習した内容は、次のとおりです。

関連情報

著者

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