Oracle Business Intelligence DiscovererメタデータのOracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionへの移行

このチュートリアルでは、Oracle Business Intelligence Discoverer(Oracle Discoverer)のメタデータを、Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantを使用してOracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition(Oracle BI EE)に移行する方法について学習します

このチュートリアルでは、以下のトピックについて説明します。

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注:各手順に関連したスクリーンショットのみを表示する場合は、それぞれの手順にあるアイコンの上にカーソルを置いてください。 スクリーンショットをクリックすると、非表示になります。

Oracle BI EEは、真のエンタープライズ・デプロイメントのために設計された次世代アーキテクチャを基盤として幅広いビジネス・インテリジェンス(BI)機能を提供する、革新的かつ包括的なビジネス・インテリジェンス・プラットフォームです。 これにより各組織は、データが単一のデータウェアハウス内にあるのか、複数の運用ソースや分析ソースにまたがっているのかに関係なく、あらゆるエンタープライズ・データに関する一元化された論理ビューを定義できます。 また、ビジネス・ユーザーにとっても、この情報にアクセスし、データを相互にやり取りして活用することで効率向上を図るという、新たなレベルのセルフ・サービス型機能を手にすることで、大きなメリットを得ることになります。 Oracle BI EEのおもな長所としては、以下の3つを挙げることができます。

組織全体への幅広いサポート:BIに関する特別な専門知識やパワー・ユーザー・レベルのスキルがなくても、100% Webベースのきわめて直感的でインタラクティブなユーザー・インタフェース(UI)環境によって、各部門やデータソース全体にまたがる企業情報が網羅された総合的で一貫性のあるビューを構築できます。また、タイムリーで実用的な情報により組織全体のあらゆるレベルの強化が可能となるほか、新しいリスクや機会を迅速に特定して対応したり、ビジネス・プロセスを最適化してリアルタイムで結果を反映させたりすることもできます。

妥協を排した包括的な機能:インタラクティブなインテリジェンス・ダッシュボード、非定型分析、事前検出およびアラート機能、インテリジェント・ワークフロー、エンタープライズ・レポート、独立した分析機能、Microsoft Officeの統合、リアルタイムの予測分析機能などのあらゆる種類のBI機能を利用できます。また、モデル駆動型のエンタープライズ・セマンティック・レイヤー、異種データへのアクセスと統合、最新のサービス指向アーキテクチャ(SOA)、ミッション・クリティカルなスケーラビリティとパフォーマンスをはじめとする、次世代の革新的な機能も提供されています。

ホット・プラガブル:Oracleと非Oracleのデータベース、アプリケーション、カスタム・ソリューションを含む既存のIT投資を有効活用できます。

Oracle Business Intelligence Answers(Oracle BI Answers)は、Oracle BI EEのOracle Business Intelligenceインタフェースで、各組織のデータへの問合せに使用します。 これにより、リクエスト結果の保存、編成、共有、およびほかのコンテンツとの統合を実行できます。 また、情報の確認と操作、グラフ、ピボット・テーブル、レポートによるデータの可視化、および結果の保存、編成、共有も可能となります。

Oracle BI Answersで作成するリクエストは、Oracle Business Intelligence Presentation Catalog(Presentation Catalog)に保存して、Oracle Business IntelligenceのホームページまたはOracle BI Interactive Dashboardsに統合できます。 また、グラフ、結果のレイアウト、計算、およびドリルダウン機能によって結果を拡張することもできます。

Oracle Business Intelligence Presentation Services(Presentation Services)では、Oracle Business Intelligence Server(Oracle BI Server)からのデータを可視化するために使用される、Oracle BI AnswersおよびOracle BI Interactive Dashboardsコンポーネントのユーザー・インタフェースが生成されます。 ユーザーがセッションを開始すると、Oracle Business Intelligence Presentation Server(Oracle BI Presentation Server)は、Oracle BI ServerにユーザーのIDを送信し、ユーザー認証をおこなってから、ユーザーが確認できるデータベース、表、列などをOracle BI Serverに要求します。 要求されたオブジェクトは、UIのサブジェクト領域、フォルダ、および列として表示されます。 また、Oracle BI Serverにより、データ型や集計ルールなどの列プロパティに関するOracle BI Presentation Serverのメタデータ情報も提供されます。

リポジトリの構築、管理、および保守には、Oracle Business Intelligence Administration Tool(Oracle BI Administration Tool)を使用します。 このツールは、Oracle Business Intelligence Repository(Oracle BI Repository)を独立した3つのペイン(レイヤー)として分割して表示するWindowsアプリケーションです。 表示される3つのレイヤーの名前は、Physical、 Business Model and Mapping、およびPresentationです。 このリポジトリのファイル(.rpd)には、ほかのクライアントでレンダリングされるメタデータに加え、Oracle BI AnswersおよびOracle BI Interactive Dashboardsクライアントでのレンダリングの対象となるBIメタデータが格納されます。

具体的には、PhysicalレイヤーにはOracle BI Serverによる問合せの送信先となる物理データソースの情報が含まれます。 Physicalレイヤーへ移入するためのもっとも一般的な方法は、データベースおよびそのほかのデータソースからメタデータをインポートすることです。 メタデータをインポートすると、データソースに関するプロパティの多くは、インポート処理の際に収集された情報に基づいて自動的に構成されます。 構成された物理オブジェクトは、ツリー構造で表示されます。また、各物理オブジェクトには、データを格納するオブジェクト(データベース、Microsoft Excelスプレッドシート、XMLファイルなど)に対するマッピングが含まれています。 さらに、このレイヤーには、複数のマッピングの相互関連状況に関する情報も、主キーと外部キーの形式で含まれています。

Business Model and Mappingレイヤーは、Physicalレイヤー内のオブジェクト同士の関連についてのマッピングが含まれた論理レイヤーです。 Oracle DiscovererとOracle BI EEとの重要な相違点は、このレイヤー、とくにディメンションとファクトの作成にあります。 メジャーは、Oracle Discovererメタデータにおける配置の設定と集計に関するデフォルト設定によって識別されます。 配置の値がデータ・ポイントとして設定され、デフォルトの集計値がnonedetailのいずれでもない属性は、すべてメジャーとして定義され、メジャー以外の属性はすべてディメンションとみなされます。

Presentationレイヤーには、エンドユーザーに対して表示されるメタデータのビューが含まれています。 このビューでは、物理モデル(データベース・モデル)と論理ビジネス・モデルのどちらのレイヤーについても、ダイアグラム形式で表示できます。 これにより、メタデータ・オブジェクトが互いにどのように関連しているのかについての迅速かつ明確な理解が可能となります。

このチュートリアルでは、以下のステップについて説明します。

Oracle Discoverer Administratorを使用して、.eexファイルを作成する

Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantを実行して、リポジトリ(.rpd)ファイルを作成する

Oracle BI Administration Toolを開いて新しく作成したリポジトリを確認する
リポジトリ・データの正確性とユーザビリティを確保する

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このOBEでは、Oracle Discoverer Administratorを使用し、End User Layer(EUL)をエクスポートして.eexファイルを作成する方法と、Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantにアクセスして実行し、Oracle BI Administration Toolを使用してメタデータの結果を確認する方法について学習します。

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ソフトウェア要件は、以下のとおりです。

Oracle Business Intelligenceツール:

Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition 10.1.3.4以上

Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistant (こちらのリンクをクリックしてください。この移行ユーティリティはOracle BI EE Suiteにパッケージされています。)

Oracle Business Intelligence Discoverer Administrator 10.1.2以上

以下のブラウザがサポートされます。

Microsoft Internet Explorer 6.0以上

Firefox 1.5以上

Mozilla 1.7以上

Netscape 7.2以上

クライアントのオペレーティング・システム:

Microsoft Windows 2000、Service Pack 3以上

Microsoft Windows 2003 Professional、Service Pack 1以上(32ビットのみ)

Microsoft Windows XP Professional、Service Pack 1以上

Oracle BI Suite EE(10.1.3.4.0) for Microsoft Windows
(Oracle BI EE Plusの要件については、このリンクをクリックしてください。)

 

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このチュートリアルを始める前に次の点を確認してください。

1.

次のコンポーネントが適切にインストールおよび構成されていること。

Oracle Discoverer Administrator(10.1.2以上)とそのサンプル・データ、Video Store Tutorial(Oracle Discovererに付属)

注:EULの作成について、詳しくは『Developing Sales History Business Area by Using OracleBI Discoverer Administrator』を参照してください。

Oracle BI EE 10.1.3.4以上

 

これらのコンポーネントはここからダウンロードできます。

注:Oracle E-Deliveryサイトにログインしてから、製品パックとして「Oracle Business Intelligence」、プラットフォームとして「Microsoft Windows(32-bit)」を選択し、「Go」をクリックします。

2.

自社のシステムでBIリポジトリを構成するための適切な権限があること。

3. Oracle DiscovererとOracle Discoverer Administratorのコンセプトについての確かな知識があること。
4. MS Windows(ソフトウェア要件に示されているバージョン)がインストールされていること。
5.

Java SDK 1.5.0以上がインストールされていること。

6.

画面の解像度が1024x768以上に設定されていること。

7.

Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantを、Oracle BI EEがインストールされているマシンと同じマシン上で実行していること。

注:Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantは、コマンドラインでの実行が可能です。 実行可能ファイルの名前はMigrateEUL.exeで、このファイルは<installdrive>\OracleBI\server\binに配置されています。

 

そのほかの注意事項:

このチュートリアルのスクリーンショットは、Windows 2000 Professional環境で取得したものです。したがって、スタート・メニュー・オプションが異なる場合があります。

このチュートリアルでは、.eexファイルを作成するためにOracle Discoverer Administrator 10.1.2を使用し、リポジトリ・ツールとしてOracle BI Administration Tool 10.1.3.4を使用しています。

 

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ドキュメント:

Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantに関する最新のドキュメントにアクセスするには、このリンクをクリックしてください。

Oracle Discovererの管理に関するドキュメントにアクセスするには、このリンクをクリックしてください。

こちらのリンクからは、Oracle Discovererに関するすべてのドキュメントにアクセスできます。

 

そのほかのリソース:Oracle BI Insight to Action—Mike Durranのブログ(アクセスするには、このリンクをクリックしてください。)

トレーニング

Oracle By Example(OBE):

Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition

Oracle Business Intelligence Standard Edition

Oracle Business Intelligence Discoverer

講師指導コース(InClassコース):

Oracle BI Suite EE 10g R3:Build Repositories(D53149GC11)

Oracle BI Server Administrator 10g:Build Repositories Rel 1(D46077GC10)

OracleBI Discoverer Administrator 10g:Develop an EUL(D17442GC11)

 

そのほかのコースについては、このリンクからOracle Universityを検索してください。

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このトピックでは、Oracle Discovererのメタデータをエクスポートし、Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantを使用してOracle BI EEのリポジトリ・ファイルを作成する方法について説明します。

Oracle Discovererメタデータのエクスポート
Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantの実行

Oracle Discovererメタデータのエクスポート

このサブトピックでは、Oracle BI Discoverer Administratorを使用してOracle Discovererのメタデータをエクスポートする方法を説明します。

1.

Oracle BI Discoverer Administratorアプリケーションを開始します。 Oracle BI Discoverer Administratorが表示されたら、資格証明を入力して「Connect」をクリックします。

Load Wizardダイアログ・ボックスで、「Cancel」をクリックします。

2.

Oracle BI Discoverer Administratorのメニュー・バーで、「File」→「Export」の順に選択します。 Export Wizard:Step 1ダイアログ・ボックスが表示されます。

The entire End User Layer」を選択し、「Next」をクリックします。 使用可能なEULオブジェクトすべてをまとめたリストを準備していることを示す簡単なメッセージが表示されます。

 

3.

Export Wizard: Step 2ダイアログ・ボックスで「Browse」をクリックし、エクスポートするファイルが含まれたフォルダを指定します。

インストール・ドライブにDiscoMigrationという名前の最上位レベルのフォルダを新規に作成し、エクスポート・ファイルの名前をvideo.eexと指定して、「Save」をクリックします。

 

4.

Finish」をクリックします。

注:video.eexがすでにあることを示すメッセージが表示された場合は、「Yes」をクリックして既存のファイルを上書きします。

EULのエクスポート処理がおこなわれます。 Export Logウィンドウが表示されたら、画面をスクロールして結果を参照し、エラーが発生していないことを確認します。

Close」をクリックします。 また、あとで参照できるようにログを保存することもできます。

 

5.

File」→「Exit」を選択し、Oracle Discoverer Administratorを閉じます。

 

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Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantの実行

Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantは、Oracle Discovererのメタデータを初期の開始ポイントとして使用することで、Oracle BI EEメタデータの作成をより迅速におこなうことができるコマンドライン・ユーティリティです。 Oracle Discovererでは、以下のようなシステムに対するレポートを作成できます。

データウェアハウス(スター・スキーマなど):変換対象として最適なメタデータのタイプは、Business Model and Mappingレイヤーの性質によって決まります。 変更はほとんどなく、あったとしても問合せを作成する前におこなう必要のある変更はごくわずかです。

独自に作成したOLTPスキーマ:一部、手動での変換が必要となる場合があります(フォルダと循環結合間の複数の結合パスなど)。 この問題は、Business Model and Mappingレイヤーで追加オブジェクト(別名のディメンションおよびファクト表など)を作成することで解決できます。 詳細については、『Migrating Oracle BI Discoverer to Oracle BI Enterprise Edition』を参照してください。

Oracle Applications(特注システムなど)におけるレポート:それぞれのシナリオにおけるOracle Business Intelligence ApplicationのFusion Edition製品に関する評価をおこないます。これは、特定のアプリケーションについては、事前構築済みのデータウェアハウス、スキーマ、ETL(抽出、変換、ロード)ルーチン、Oracle BI EEメタデータ、およびベスト・プラクティスに合わせて構築されたダッシュボードなどを使用することで、より迅速に価値を実現できる可能性があるためです。

このサブトピックでは、Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantを実行する方法を説明します。

1.

この移行アシスタント(Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistant)は、前提条件の項で説明したように、Oracle BI EEインストールと同じマシンで実行する必要があります。

<installdrive>\OracleBI\server\Binディレクトリへ移動します。 このディレクトリには、移行アシスタントの実行可能ファイル(MigrateEUL.exe)とプロパティ構成ファイル(MigrationConfig.properties)の2つの重要なファイルが含まれています。

 

2.

MigrationConfig.propertiesファイルを使用することで、移行処理を制御できます。 次の表は、使用可能な構成オプションを示しています。

オプション 説明
CreateAggregatedCols

TRUE:メジャー列に対し、SUMMINMAXAVGCOUNTなどの集計に関する列が作成されます。
FALSE:メジャー列における集計対象の列が、EULのデフォルトの集計プロパティ・セットに基づいて作成されます。 (詳細については、『Oracle Business Intelligence Discoverer管理ガイド』を参照してください。)

集計の選択についてOracle Discovererと同様の操作性をエンドユーザーに提供するには、このオプションを使用して、Oracle Discovererでサポートされているデフォルトの集計それぞれに対する個別の列を論理レイヤー内に作成します。 この値をTRUEに設定すると、メタデータの移行時に、Oracle Discovererでサポートされている集計すべてが生成されます。 FALSEに設定した場合は、Oracle DiscovererのDEFAULT AGGREGATIONで設定された集計ファンクション・セットにより列が作成されます。

CreateSeperateRPDs

TRUE:ビジネス・エリアごとに個別のリポジトリが生成されます。
FALSE:すべてのビジネス・エリアが、単一のリポジトリに移行されます。

ExcludeJoins 移行時にスキップされるJOIN_IDについてのカンマ区切りリストが作成されます。
ConsiderMultiplePaths TRUE:移行アシスタントにおいて、通常は移行時にスキップされる結合への対応が可能となります。
FALSE:移行アシスタントでは、移行時にスキップされる結合に対応できません。
IncludePathsForFolders

これは、スキップ対象の結合のうち、移行時に対応できるようにする必要のある各結合についてのfolder_idが含まれたカンマ区切りリストです(このIDは<Filename>.exceptionログで確認できます)。 このオプションはConsiderMultiplePaths = FALSEとあわせて使用します。

ConsiderMultiplePaths = TRUEの場合は、ExcludeJoinsプロパティで設定されている結合を除き、スキップ対象の結合すべてが考慮されます。

接続プール・パラメータ

DataSourceName、Username

注:Passwordパラメータは含まれません。 このパラメータについては、セキュリティの確保と維持のため、移行後に入力する必要があります。

MigrationConfig.propertiesファイルの例:

このチュートリアルでは、デフォルトを受け入れます。

 

3.

A. 移行アシスタントはMigrateEul.exeファイルです。 「スタート」→「ファイル名を指定して実行」の順にクリックします。 ファイル名を指定して実行ダイアログ・ボックスが表示されたら、cmdと入力して「OK」をクリックすると、コマンド・プロンプト・ウィンドウが開きます。

B. <installdrive>プロンプトでcd DiscoMigrationと入力し、「Enter」を押します。 これにより、インストール・ドライブ上の適切なサブディレクトリが表示されます。

C. MigrateEul.exe video.eexと入力し、「Enter」を押します。

 

4.

メタデータの移行が正常におこなわれると、.eexファイルが含まれているディレクトリと同じディレクトリにリポジトリ・ファイルが作成されます。

作成されるリポジトリ・ファイルの名前は、.eexファイルと同じ名前に.rpd拡張子がつけられたものとなります。 このチュートリアルの場合、移行時に作成される.rpdファイルの名前はvideo.rpdです。

注:移行アシスタントでは、変換実行時に2つのログ・ファイルが生成されます(生成されるログ・ファイルの例については、以下の表に示します)。 この2つのファイルも同じディレクトリ内に配置されます。 <filename>.migrationログ・ファイルには、移行の進捗に関する概要が記録されます。また、<filename>.exceptionログ・ファイルには、移行できなかったアイテムの名前が記録されます。

Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantによる処理は、注意が必要な領域のリストを示す例外ファイルを使用した、反復的なプロセスです。 例外は、Oracle Discovererメタデータにおける結合設定のタイプ(複数の結合パス、循環結合のパスなど)に基づいて生成できます。  例外として識別された結合は、この例外ファイルに記載され、各シナリオの処理方法の決定が可能となります。

これらのファイルには、変換対象のOracle Discovererビジネス・エリアごとに、以下の詳細が含まれています。

処理対象のビジネス・エリアの名前

複数の結合パスが存在するためにスキップされていた可能性のある、Oracle Discovererメタデータ内の結合に関する詳細。 スキップされた結合に対しては、それぞれ"フォルダID"が生成されます。生成されたIDは、移行アシスタントを2回目に実行する場合の参照として使用できます。この場合、フォルダの別名を生成するために必要なフォルダIDがMigrationConfig.propertiesファイルに追加されます。 フォルダIDは、IncludePathsForFolders構成ファイル・オプションで表示されます。

以下の表では、移行アシスタントの結果に関する詳細を取り上げ、Oracle DiscovererとOracle BI EEのアイテムがそれぞれどのように対応するのかを説明します。

(注:プロパティの移行の概要については、Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantに関するドキュメントのトピック3.4、"Description of output from the conversion assistant"を参照してください。このドキュメントには、このリンクからアクセスできます。)

Oracle Discoverer Oracle BI EE
EUL

Oracle BI EEメタデータ・リポジトリ(.rpd)ファイルにマッピングされます。

ビジネス・エリア Presentation Catalog(Oracle BI Answersではサブジェクト・エリアとも呼ばれる)にマッピングされます。
シンプル・フォルダ データベースの表またはビューにマッピングされます。 つまり、各単一フォルダは、Physicalレイヤーの物理表、Business Model and Mappingレイヤーの論理表、およびPresentationレイヤーのプレゼンテーション表に移行されることになります。 Oracle Discovererのユーザーに対して表示されるように設定されている表については、Presentationレイヤーへの移行のみがおこなわれます。
複合フォルダ

複数のシンプル・フォルダからのアイテムが結合されます。 複合フォルダを説明する場合によく取り上げられるのが、データベース・ビューのフォルダとよく似ているという点です。 Oracle Discovererの管理という観点からいえば、複合フォルダは、エンドユーザーのメタデータ・ビューを簡易化するために、アイテムを論理グループにまとめる場合に役立ちます。 エンドユーザーの側から見ると、1つのフォルダを開くだけでレポートに必要なアイテムすべてを取得できるため、タスクが簡単になるという利点があります。

複合フォルダは、論理レイヤー内の論理表にマッピングされます。各論理表には、ベース・フォルダと各ベース・フォルダ間の結合が含まれた論理表ソースがあります。 マッピングされた複合フォルダは、これらのベース・フォルダ(ディメンション)に結合されます。 Presentationレイヤーで表示される複合フォルダには、以下のようなマッピングが使用されます。

複合フォルダにおけるアイテムの参照は、論理レイヤーの対応するベース・フォルダから取得されます。

複合フォルダ内でOracle Discovererの管理計算を作成する場合、その複合フォルダに相当する論理表が論理レイヤーに作成されます。 複数の実表からのアイテムが含まれた計算が作成されると、該当する論理フォルダはPresentationレイヤーに移行されます。 ただし、単一のベース・フォルダに基づいておこなわれた管理計算については、対応する論理フォルダに移行され、複合フォルダには移行されません。

注:別の複合フォルダのアイテムに基づく複合フォルダは、自動的に移行することはできません。

カスタム・フォルダ フォルダの作成における柔軟性が向上します(UNIONINTERSECTおよびMINUSなどの集合演算子を使用したSQL文の作成など)。 カスタム・フォルダを作成するためにUIにSQL文を入力すると、SQL文で参照されるアイテムが含まれたフォルダが作成されます。 Oracle BI EEでは、カスタム・フォルダは、SELECTの許可された表タイプを使用してPhysicalレイヤーに移行されます。 これは、OPAQUEビューとも呼ばれています。
アイテム

問合せを構築する基本的な要素です。 各アイテムは、データベース表/ビューの列にマッピングされるか、またはOracle Discoverer Administratorにおける計算から作成されます。 この計算は、PL/SQLファンクションに基づいておこなうことができます。

Oracle Discovererのアイテムは、Oracle BI EEのPhysicalレイヤー内にある物理列、Business Model and Mappingレイヤー内の論理列、およびPresentationレイヤー内のプレゼンテーション列に移行されます。 エンドユーザー対して非表示となっているアイテムは、Presentationレイヤーでは表示されません。

Oracle Discovererで問合せを作成する場合、エンドユーザーは、各アイテムに対するデフォルトの集計を選択するか、使用可能な集計ファンクションのリストから選択できます。 Oracle BI EEメタデータでは、論理レイヤー内の特定の列に対してデフォルトの集計を指定できますが、指定した集計は、Oracle BI Answersワークシートの作成時に(Oracle Discovererと同じ方法で)変更できません。 この場合は、別の列を作成し、必要な集計を定義する必要があります。

Oracle PL/SQLファンクションまたはOracle分析ファンクションに基づいてOracle Discovererで計算されたアイテムは、Oracle BI EEメタデータに移行されます。このメタデータではEVALUATEファンクションとEVALUATE_AGGRファンクションが使用されています。 これらの計算については、論理表ソースの物理マッピングで設定されている計算式を使用して、論理列として作成されます。

結合

問合せを作成するために使用されるフォルダ間の関係を定義します。 結合の定義は、通常、基盤となるデータベース・オブジェクトに対応するキー列を使用しておこなわれます。 Oracle DiscovererとOracle BI EE間のメタデータ・モデルには相違点があるため、結合タイプに違いがあっても自動的な移行が可能な場合もあります。 メタデータのこの領域では、Oracle DiscovererとOracle BI EEのメタデータの違いが明らかとなります。

この2つのおもな相違点は、Oracle Discovererでは、論理的なBusiness Model and Mappingレイヤーが1つ以上のスター・スキーマ・モデル(データウェアハウス設計用の一般的なデータ・モデル)に基づいている必要があるという点です。 スター・スキーマ・モデルの変形版として、スノーフレーク・モデルがよく知られています。このモデルでは、通常、ディメンションの階層レベルが個別の表として示されます。 この場合、移行アシスタントでは、ファクト表のスノーフレーク・ディメンションは最下位レベルのディメンションまでが閉じられています。

Physicalレイヤーは、スター・スキーマではモデル化する必要はないため、Oracle Discovererメタデータからの結合情報を使用して作成されます。

必須条件

ほかのフォルダに対する複数の結合パスが含まれているOracle Discovererフォルダについては、同一の基本物理オブジェクトに基づいてオブジェクトの別名を作成することで対応できますが、代替の結合パスが必要となります。

重複結合 Oracle Discovererのメタデータに重複結合に関する定義がある場合は、Oracle Discovererで作成される重複結合のうちの1つだけが移行時の考慮対象となります。 ただし、検出された重複結合は、すべて移行ログ・ファイルに記録されます。

 

条件

メタデータの条件を作成できます。 条件には、必須とオプションの2つがあります。 必須条件は問合せ可能なデータを制限する効果があり、エンドユーザー対しては表示されません。 オプション条件については、エンドユーザーの必要に応じて定義できます。SQL構文に精通していないユーザーでも、使用可能な条件のリストから各自のレポートにドラッグすることで、事前定義された条件(レポートに複雑なロジックを含める条件など)をオプションとして使用できます。

必須条件

変換は、フォルダのタイプに基づいておこなわれます。 シンプル・フォルダとカスタム・フォルダの場合、必須条件は論理表ソースのWHERE句セクションにおける"コンテンツ・フィルタ"として移行されます。 複合フォルダの場合は、すべてのユーザーがOracle BI EEグループEVERYONEに移行されるため、複合フォルダに関する必須条件は、このユーザー・グループに対する"セキュリティ・フィルタ"として適用されます。

オプション条件

現時点では移行できません。

集計計算対象のアイテム Oracle BI EEで使用可能なEVALUATEファンクションの1種を使用して移行されます。
アイテム階層

エンドユーザーに対して関連データ全体のドリル・パスを提供するもので、Oracle BI EEディメンションに移行されます。 Oracle Discovererのアイテム階層におけるレベルは、関連するディメンション・レベルに移行されます。

複数の階層に対するドリル・パスは、Oracle BI EEのディメンション・レベル・プロパティにおける優先ドリル・パス・プロパティのエントリに移行されます。 単一のフォルダに基づく階層はすべて、そのフォルダで作成された単一のディメンションに移行されます。 複合フォルダに基づくアイテム階層は移行されません。これは、Oracle BI EE内のディメンションはディメンション表に関連づけられている必要があるためです。 複数の表にまたがる階層については、優先ドリル・パスを適宜設定することで移行されます。

注:アイテム・クラスとサマリー・フォルダは移行されません。

Oracle Discovererの"テンプレート"日付階層については、Oracle BI EE内に対応するオブジェクトがありません。そのため、実際の階層のみがOracle BI EEのディメンションに移行されます。

このチュートリアル取り上げているビデオの移行に関する2つのログ・ファイルは、以下のように表示されます。

Video.migrationファイルのサンプル:

Video.exceptionファイルのサンプル:

この例外ファイルは、別の複合フォルダからのアイテムに基づく複合フォルダがあることを示しています。このバージョンのOracle Discoverer Metadata Conversion Assistantでは、こうした性質を備えた複合フォルダを自動的に作成することはできません。 また、Oracle Discovererの複合フォルダに基づく階層を移行することもできません。これは、このような階層はBusiness Model and Mappingレイヤーで定義されたディメンション表に基づいているためです。

このイメージで示されている最後の例外は、Oracle Discoverer Administratorで定義されたオプションの条件に関するものです。 将来的には、ワークブックの変換に対するサポートを開始したあとにリリースされるバージョンのOracle Discoverer Metadata Conversion Assistantにおいて、これらのオプション条件をフィルタに移行する機能の提供を予定しています。

次のトピックでは、リポジトリ・ファイルを新しく作成し、それをOracle BI EEで確認する方法について取り上げます。

 

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ここでは、移行したメタデータを確認し、Oracle BI Administration Toolを開いて、メタデータを問合せで使用できるようにする方法について説明します。

移行したメタデータの評価
ビデオ・リポジトリの確認

移行したメタデータの評価

このサブトピックでは、新しく作成したリポジトリ・ファイルを開く方法について説明します。

1.

ここまでのステップで移行ファイルの作成が完了しましたが、次にその内容を確認する必要があります。 この処理をおこなうには、まず<installdrive>\DiscoMigrationサブディレクトリに移動します。このディレクトリに、上記のステップ4で作成したvideo.rpdファイルが保存されているので、この「video.rpd」ファイルをダブルクリックします。

デフォルトでユーザーとして指定されているAdministratorを受け入れ、「OK」をクリックしてオフライン・モードでリポジトリを開きます。

2.

Oracle BI EEで必要なメタデータの3つのレイヤーは、すべて移行時に作成されています。

A. Physicalレイヤーの「Video Store Tutorial」を展開します。

B. VIDEO5」を展開します。

ここに表示されているPhysicalレイヤー・オブジェクトは、Oracle Discovererメタデータのプロパティ(OwnerおよびObject)から取得されたものです。

また、変換時には、Oracle Discovererの結合プロパティも使用されています。

 

3.

次に、Business Model and Mappingレイヤーのオブジェクトを確認します。 このレイヤーは論理レイヤーです。

Business Model and Mappingレイヤーの「Video Store Tutorial」を展開します。

このレイヤーの取得もPhysicalレイヤーと同様におこなわれていますが、ディメンションについては、Oracle Discovererの階層から取得されています。

 

4.

Presentationレイヤーのオブジェクトを確認します。 Presentationレイヤーの「Business Area:Video Store Tutorial」を展開します。

このレイヤーには、Oracle Discovererでエンドユーザーに対して表示されるように定義されたオブジェクトだけでなく、生成済みの複合フォルダも含まれています。

次のイメージは、Oracle BI EEのリポジトリ・レイヤーで表示されるOracle DiscovererのProductフォルダを示したものです。

Oracle Discovererのメタデータは、移行アシスタントにより以下のように変換されます。

オブジェクト 説明
メジャー

メジャーは、Oracle Discovererメタデータにおける配置の設定と集計に関するデフォルト設定によって識別されます。 配置の値がデータ・ポイントとして設定され、デフォルトの集計値がNONEDETAILのいずれでもない属性は、すべてメジャーとして定義され、メジャー以外の属性はすべてディメンションとみなされます。

ファクトまたはディメンション

ほかのフォルダには一切結合されていないフォルダや、いくつかのフォルダと結合されており、その結合関係においてディテール側の表であるフォルダについては、ファクト・フォルダと呼ばれます。

また、いくつかのフォルダとの関係が含まれており、その関係においてマスター側の表であるフォルダは、ディメンション・フォルダといいます。 あらゆるディメンションのリーフ・ノードは、常にフォルダのキー列に含まれるレベルとなります。 各フォルダの論理表ソースの内容は、そのフォルダがリンクされているディメンション・レベルにマッピングされます。

キー列

Physicalレイヤー内の表に対しては、結合に含まれている列に基づいてキーが作成されます。 主キーは、その表がマスターとして機能している結合に含まれた列に基づいています。 外部キーは、その表がディテールとして機能している結合に含まれた列に基づいています。

論理フォルダ・キーについては、ディメンション・フォルダの場合は別のフォルダにより参照される列に基づき、デジェネレーテッド・ディメンションの場合は外部キー列に基づき、スタンドアロン・フォルダの場合は非メジャーの列があれば該当する列すべてに基づき、なければそのフォルダの列すべてに基づいて作成されます。

結合が含まれていないフォルダ

Oracle BI EEメタデータでは、フォルダが論理(Business Model and Mapping)レイヤー内の別のフォルダと結合されている必要があります。 Oracle Discovererメタデータにスタンドアロン・フォルダが含まれている場合は、そのスタンドアロン・フォルダのメジャー列のみを使用してファクトの別名フォルダが作成されます。 メジャー列がない場合は、この別名フォルダ内に、キー列のいずれか1つに基づくCOUNT列が作成されます。

COUNT列とCOUNT_DISTINCT列は、主キーと外部キーの一部を形成するこれらの列のために、論理フォルダ内に作成されます。

別名オブジェクト

ファクト・フォルダに対しては、そのフォルダに基づく階層がある場合にディメンションの別名が作成されます。 ディメンション・フォルダについては、メジャー属性がある場合にファクトの別名が作成されます。

フォルダ内に同一フォルダに対する複数の結合がある場合、すなわち複数結合シナリオの場合のみ、別名フォルダがPresentationレイヤーに伝播されます。 別名フォルダの説明には、作成されたフォルダについての使用情報と結合が含まれています。 該当する別名フォルダがない結合については、すべて元のフォルダが使用されている必要があります。

集計と計算

集計対象の列は、EUL内のデフォルトの集計設定に基づいてメジャー属性のために作成されます。

1つのフォルダの列しか含まれていない計算は、それぞれのフォルダ内で作成されますが、複数のフォルダの列が含まれた計算については、複合フォルダで作成されます。 すべての計算は、EVALUATEファンクションまたはEVALUATE_AGGRファンクションのいずれかを使用して、列マッピングが含まれた論理表ソース内で作成されます。

ユーザー権限

ロールと権限の移行については、ユーザー作成のみに制限されています。 EULエクスポート・ファイルに含まれているユーザーはすべて、識別可能な形式、すなわち大文字によるユーザー名という形式でOracle BI EEグループEVERYONEに移行されます。 Oracle Discovererの管理におけるシンプル・フォルダに基づく必須条件は、そのシンプル・フォルダに対応する論理表ソースのWHERE句として移行されます。 管理についての必須条件は、複合フォルダに基づいており、EVERYONEグループのセキュリティ・フィルタとして移行されます。セキュリティ・フィルタの設定は、複合フォルダに対応するPresentationフォルダ内でおこなわれます。

日付階層

Oracle Discovererで自動的に生成できる日付階層では、EUL_DATE_TRUNCという名前の組込みファンクションが使用されます。

詳細については、Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantドキュメントのトピック3.61、"Use of the EUL_DATE_TRUNC function"を参照してください(こちらのリンクからアクセスできます)。

異なるデータ型が含まれた結合 異なるデータ型の列が含まれた結合(FolderA.Column1 [number] = FolderB.Column1 [varchar])の場合、移行アシスタントでデータ型の変換が適用されることはなく、結合は"そのままの状態で"移行されます。 このため、変換については、移行後のアシスタントのステップとして追加する必要があります。

 

5.

次に、データへのアクセスをテストできるようにするため、接続プールのパラメータを入力する必要があります。 Physicalレイヤーのペインで「ConnectionPool」を右クリックし、「Properties」を選択します。

Connection Pool Propertiesダイアログ・ボックスが表示されます。

 

6.

Call interfaceドロップダウン・リストから「OCI 10g/11g」を選択し、使用するデータソース名(このチュートリアルで使用しているマシンのデータソース名はORCL)と、ユーザー名およびパスワードを入力してデータソースにアクセスします。

ここでは、入力したダイアログ・ボックスは次のようになります。

OK」をクリックし、プロンプトが表示されたらパスワードを確認します。 ここで、データを表示することで接続をテストできます。

 

7.

Product」フォルダを右クリックして、「View Data」を選択します。

Product表のView Dataダイアログ・ボックスが開き、接続が正常に動作していることがわかります。

Close」をクリックします。

 

8.

このリポジトリを問合せなどのために使用する前に、一貫性チェックを実行する必要があります。 Oracle BI Administration Toolを使用することで、リポジトリが特定の要件を満たすようにできます。具体的な要件としては、すべての論理列が直接的または間接的に1つ以上の物理列にマッピングされること、あらゆる論理ディメンション表に論理キーが含まれていること、すべての論理表に別の論理表に対する論理結合関係が含まれていること、またはビジネス・モデルに対するPresentation Catalogがあることなどが考えられます。

リポジトリまたはリポジトリ内のオブジェクトに一貫性がない場合は、詳細なエラー・メッセージが表示されます。 Consistency Check Managerで表示されるメッセージには、以下の3つのタイプがあります。

タイプ 説明
ベスト・プラクティス

条件に関する情報が提供されますが、非一貫性(キーが含まれていない物理表など)を示すものではありません。

警告

Oracle BI Server Administratorを使用する目的に応じて、エラーである場合とエラーではない場合の条件を示します。たとえば、無効化された結合に関する警告メッセージの場合、管理者がリポジトリ開発時に意図的に結合を無効化した結果であり、エラーではない可能性があります。

エラー 発生した問題に対応し、使用前にリポジトリの一貫性を確保する必要があります。

File」→「Check Global Consistency」を選択します。 Consistency Check Managerで、すべてのエラー、警告、およびベスト・プラクティスに関する情報メッセージが表示されます。

警告メッセージが深刻なエラーではないため、「Close」をクリックしてConsistency Check Managerを終了し、「File」→「Save」の順に選択してリポジトリを保存します。 (注:リポジトリを保存する前に、変更の確認が必要であることを示すメッセージが表示された場合は、「OK」をクリックしてください。)

 

9.

このリポジトリを問合せで使用するための準備における最終的な段階を完了するには、そのリポジトリ・ファイルを、リポジトリ用の適切なロケーションにコピーして、NQSConfig.iniファイルを編集する必要があります

A. <installdrive>\DiscoMigrationへ移動します。 「video.rpd」ファイルを選択し、Edit」→「Copy」の順に選択します。

B. <installdrive>\OracleBI\server\Repositoryへ移動します。 「Edit」→「Paste」の順に選択します。 video.rpdファイルが、リポジトリのサブディレクトリにコピーされます。

C. NQSConfig.iniファイルは、初期化ファイルです。 このファイルのRepositoryセクションを更新することで、指定したリポジトリが起動時にメモリにロードされるようにOracle BI Serverを設定します。

<installdrive>\OracleBI\server\Configへ移動します。 NQSConfig.iniファイル(Notepadなどのテキスト・エディタを使用して編集できます)をダブルクリックし、画面を下方向にスクロールして[REPOSITORY]セクションへ移動します。

D. [REPOSITORY]セクションに、Star = video.rpd, DEFAULT;と入力します。 アクティブなリポジトリ・ファイル(この例ではpaint.rpd)の前に#を入力し、「File」→「Save」の順に選択してリポジトリを登録します。 NQSConfig.iniファイルは次のようになります。

NQSConfig.iniファイルを閉じます

 

10.

NQSConfig.iniファイルに対する変更をおこなったあとは、そのリポジトリをサポートしているOracle Business Intelligenceのサービスを再起動する必要があります。

A. スタート」→「すべてのプログラム」→「管理ツール」→「サービス」の順にクリックします。

B. スクロールしてOracle BI Serverを特定して選択します。Restartアイコン「」をクリックして、サービスを再起動します。

Servicesウィンドウを開いたままで、Oracle BI Presentation ServerとOracle BI Java Hostサービスも起動していることを確認します(これらのサービスはOracle BI Answersで必要となります)。

Servicesウィンドウを閉じます。

 

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ビデオ・リポジトリの確認

このサブトピックでは、Oracle BI Administration ToolおよびOracle BI Answersを使用して移行結果を確認する方法について説明します。

1.

リポジトリが適切に構成されていることを確認するには、まず、Oracle BI Administration Toolをオンラインで開きます。

スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle Business Intelligence」→「Administration」の順にクリックします。 Oracle BI Administration Toolが表示されます。

Open Onlineアイコン「」をクリックして、ビデオ・リポジトリを開きます。 Open Online AnalyticsWebダイアログ・ボックスが表示されます。

 

2.

Open」をクリックします。 ビデオ・リポジトリが開きます。これにより、このリポジトリを問合せの実行に使用できることがわかります。

 

3.

このリポジトリの使用が可能であることをより確実に検証するには、Oracle BI Answersを使用してビデオ・リポジトリに対する問合せを作成して実行してみます。

A. スタート」メニューをクリックし、「すべてのプログラム」→「Oracle Business Intelligence」→「Presentation Services」を選択します。 Oracle Business Intelligenceのログイン・ウィンドウが表示されます。

B. User IDフィールドにAdministratorと入力し、「Log In」をクリックします。

My Dashboardページが表示されます。

 

4.

Answers」リンクをクリックします。 Answers Startページが表示されます。

 

5.

Answers Startページは、2つのペイン(SelectionおよびWorkspace)で構成されています。

左側のSelectionペインにはCatalogタブとDashboardタブが含まれており、これらのタブから操作するアイテムを選択します。

Presentation Catalog(Catalog)には、Oracle BI AnswersおよびOracle BI Interactive Dashboardsで作成されたコンテンツが格納されています。 コンテンツは、共有または個人のフォルダにまとめることができます。 Catalogに格納できるコンテンツのタイプには、Oracle BI Answersで作成したリクエスト、HTMLコンテンツに加え、そのほかのイメージや、ドキュメント、サイトへのリンクなどがあります。

ダッシュボードは複数の情報セクションで構成されており、各セクションに含まれるアイテムとしては、Oracle BI Answersリクエストの結果、外部Webコンテンツ、HTMLテキスト、グラフィックス、ほかのサイトへのリンク、リクエストなどの埋込みオブジェクトなどが挙げられます。 ダッシュボード・コンテンツは複数のページで構成されています。 ページは、Oracle BI Interactive Dashboardsの画面上部のタブに表示されます。

画面右側のWorkspaceペインには、実行できるアクションのリストと使用できるサブジェクト領域が表示されます。 サブジェクト領域に表示されるのは、Oracle Business Intelligenceのデータです。 各サブジェクト領域の列には、組織のビジネス領域または組織内のユーザー・グループに関する情報が表示されます。 サブジェクト領域の名前は、各領域に含まれる情報のタイプ(Marketing Contracts、Service Requests、Ordersなど)に対応しています。 列の名前も、それぞれの列に含まれる情報のタイプ(AccountやContactなど)を示します。

次のイメージのサブジェクト領域は、Oracle BI Administration Toolのサブジェクト領域と同じです。

Workspaceペインの上部に表示されている"機能リンク"からは、ほかのOracle Business Intelligenceの機能にアクセスできます。

 

6.

Business Area:Video Store Tutorial」サブジェクト領域をクリックします。

Answersワークスペース・ページが表示されます。

Answersワークスペースには、リクエストを使用するための次のタブが表示されます。

Criteria:リクエストで選択した列へのアクセスと、もっとも一般的なビュー・タイプにアクセスするためのボタンが提供されます。

Results:リクエストの結果を使用できます。

Prompts:リクエストのフィルタリングを促すプロンプトを作成できます。

Advanced:上級ユーザーがリクエストのためにXMLおよび論理SQLを使用できます。

各タブには、画面上に表示される情報に加え、リクエストの作成、アクセス、および管理をサポートするボタンがあります。

 

7.

次のステップでは、製品販売に関する情報を提供する簡単な問合せを作成する方法を説明します。

A. Products」フォルダおよび「Sales Facts」フォルダを展開し、それぞれの列を確認します。

B. Productsフォルダの「Product Category」をクリックし、Criteriaワークスペースに追加します。

C. Productsフォルダの「Product Description」をクリックし、Criteriaワークスペースに追加します。

D. Sales Factsフォルダの「Sales Sum」をクリックし、Criteriaワークスペースに追加します。

ワークスペースは次のようになります。

Display Results」をクリックします。 問合せが表示されます。

Oracle Discovererでは、これに対応する問合せは以下のように表示されます。

 

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このチュートリアルで学習した内容は、次のとおりです。

Oracle Discoverer Administratorを使用して.eexファイルを作成する

Oracle Discoverer Metadata Conversion Assistantを実行してリポジトリ(.rpd)ファイルを作成する

Oracle BI Administration Toolを開いて新しく作成したリポジトリを確認する
リポジトリ・データの正確性とユーザビリティを確保する

 

このアイコンの上にカーソルを置くと、すべてのスクリーンショットが非表示になります。