WebLogic Server 12cを使用したJava Message Service(JMS)リソースの作成

概要

    目的

    このチュートリアルでは、Oracle WebLogic Server 12cでJava Message Service(JMS)システム・モジュールとJMSリソースを構成する方法について説明します。

    所要時間

    約30分

    はじめに

    一部の統合開発環境(IDE)には、JMSリソースをIDEから直接構成および作成するためのウィザードと組込みツールが含まれています。 生成済みリソースは、デプロイ中に開発者に代わって作成されます。 1つの例としては、NetBeans IDEとGlassFish 3.1.2があります。チュートリアルCreating a Simple Java Message Service (JMS) Producer with NetBeans and GlassFishでは、IDEの組込み機能を使用して、NetBeansでGlassFish向けのJMSリソースを作成する方法について説明しました。

    このチュートリアルでは、WebLogic Server 12cの管理コンソールを使用して同じJMSリソースを作成します。 最後に、提供された2つのNetBeansプロジェクト(JMSProducerとMDBExample)をデプロイし、JMSサービスが機能することを示します。

    ソフトウェア要件

    Windowsプラットフォームでこのチュートリアルを実行するには、次のソフトウェアが必要です。

    • こちらのリンクからOracle WebLogic Server 12c(バージョン12.1.1以降)をダウンロードし、インストールします。
      zipアーカイブ内のREADMEファイルに記載された指示に従って、サーバーのインストールとセットアップを実行します。
      このチュートリアルでは、C:\weblogic\wlsにサーバーをインストールし、C:\weblogic\domainにドメインを作成しているものとします。
      注: WebLogic Serverのパスには空白や英数字以外の文字を含めないことを推奨します。

    前提条件

    このチュートリアルを始める前に、以下のことを確認してください。

    • JDK 7バージョン4以降をインストールしていること。
    • NetBeans Enterprise Editionバージョン7.1.2以降をインストールしていること。
    • WebLogic Server 12cバージョン12.1.1をインストールしていること。
    • このチュートリアルに必要なNetBeansプロジェクトが含まれるfiles.zipファイルをダウンロードし、解凍していること。
      注: NetBeansプロジェクトを解凍するディレクトリ・パスには空白や英数字以外の文字を含めないことを推奨します.

NetBeansへのWebLogic Server 12cの追加

    ここでは、WebLogic Server 12cが正しくインストールされており、NetBeansからサーバーを起動できることを確認します。

    NetBeansを起動し、Servicesウィンドウを開きます(「Window」→「Services」)。

    Servers」フォルダを開きます。GlassFish ServerはNetBeans Enterprise Editionに含まれており、自動的にインストールされています。


    Servers」フォルダを右クリックし、「Add Server...」を選択します。

    Oracle WebLogic Server」を選択し、「Next」をクリックします。

    インストールしたWebLogic Server 12cインスタンスのパスを入力します。 たとえば、C:\weblogic\wlsディレクトリにサーバーをインストールした場合、Server LocationにC:\weblogic\wls\wlserverと入力します。 「Next」をクリックします。

    WebLogic Serverのインストール時に作成したユーザー名とパスワードを入力し、「Finish」をクリックします。


    Servicesタブに、Oracle WebLogic Serverがサーバーとして追加されています。


NetBeansを使用したWebLogic Serverの起動

    ここでは、インストールしたWebLogic ServerをNetBeansから起動します。

    Servicesタブで「Oracle WebLogic Server」を右クリックし、「Start」を選択します。

    Oracle WebLogic Serverの起動中は、Oracleアイコンの隣に砂時計アイコンが表示されます。

    サーバーが起動されるとアイコンが緑の三角形に変わり、サーバーが実行中であることを示します。

    また、出力ウィンドウにOracle WebLogic Serverというタブが開きます。 コンソール・メッセージにサーバー・モードとしてRUNNINGが表示されている場合、サーバーは正しく起動されています。

WebLogic Server管理コンソールを使用したJMSサーバーの作成

    この項では、WebLogic Server管理コンソールを使用してJMSサーバーを作成します。 JMSサーバーはJMSキューおよびトピックの宛先を管理するコンテナです。 メッセージを永続化するようにJMSサーバーを構成すると、メッセージを受信したサーバー・インスタンスに障害が発生した場合でも配信が可能になります。 永続メッセージ・サーバーについて、詳しくはこのチュートリアルの参考資料の項を参照してください。

    Servicesタブで「Oracle WebLogic Server」を右クリックし、「View Admin Console」を選択して管理コンソールを開きます。

    または、Webブラウザを開き、URLにhttp://localhost:7001/consoleと入力します。

    WebLogic Serverのインストール時に作成したユーザー名とパスワードを入力します。

    左側のDomain Structureパネルで「Services」→「Messaging」を開き、「JMS Servers」を選択します。

    New」をクリックして新しいJMSサーバーを作成します。

    サーバー名としてMyJMSServerと入力し、「Next」をクリックします。

    JMSサーバーのターゲットとして「myserver」(使用しているWLSインスタンス)を選択し、「Finish」をクリックします。

    ページ上部にメッセージが表示され、JMSサーバーが正しく作成されており、実行中のWLSインスタンスであるmyserverがターゲットとして設定されたことが示されます。

JMSモジュールの作成

    次に、キューおよびコネクション・ファクトリを含むJMSシステム・モジュールを作成します。

    左側のDomain Structureパネルで、Messagingの下の「JMS Modules」をクリックします。

    New」をクリックして新しいJMSシステム・モジュールを作成します。

    JMSシステム・モジュールの名前としてMyJMSModuleを指定し、「Next」をクリックします。

    myserver」をクリックし、現在のWLSインスタンスをこのモジュールのターゲットとして選択したら、「Next」をクリックします。

    新規JMSシステム・モジュールにリソースを追加するためのチェック・ボックスを選択し(後からキューおよびコネクション・ファクトリを追加します)、「Finish」をクリックします。

    ページ上部にメッセージが表示され、JMSシステム・モジュールが正しく作成されたことが示されます。

キュー宛先とコネクション・ファクトリ・リソースの作成

    ここでは、キュー宛先とコネクション・ファクトリを作成します。

    キュー宛先の作成

      New」をクリックし、システム・モジュールに新規リソースを追加します。

      選択肢から「Queue」を選び、新しいキュー宛先を作成します。 「Next」をクリックします。

      キューの名前としてMyQueueと入力し、ルックアップ用のJNDI名としてjms/myQueueと入力します。 Next」をクリックします。

      次の画面で「Create a New SubDeployment」をクリックし、システム・モジュールのサブデプロイメントを作成します。 サブデプロイメントは、ターゲット設定が可能なJMSモジュール・リソース(キュー、トピック、コネクション・ファクトリなど)をグループ化し、サーバー・リソース(JMSサーバー、サーバー・インスタンス、クラスタなど)に対してターゲット設定するためのメカニズムです。

      次の画面で「OK」をクリックし、デフォルトのサブデプロイメント名を受け入れます。

      新しいサブデプロイメントが選択されており、MyJMSServerがターゲットとして選択されている状態で「Finish」をクリックします。

      ページ上部にメッセージが表示され、キュー宛先が正しく作成されたことが示されます。

      ページ下部近くのSummary of Resourcesセクションに新しいキュー・リソースが表示されます。

    コネクション・ファクトリの作成

      New」をクリックし、JMSサーバー・モジュールに別のリソースを追加します。

      リソース・リストから「Connection Factory」を選択してコネクション・ファクトリを作成したら、「Next」をクリックします。

      コネクション・ファクトリの名前としてMyConnectionFactoryと入力します。
      ファクトリ用のJNDI名としてjms/myQueueFactoryと入力し、その他のオプションはデフォルトのままにして「Next」をクリックします。

      JMSモジュールは自動的に、現在のWLSインスタンスであるmyserverに関連付けられます。 「Finish」をクリックします。

      ページ上部にメッセージが表示され、コネクション・ファクトリが正しく作成されたことが示されます。

      モジュールのSummary of Resourcesセクションに、コネクション・ファクトリとキューがリソースとして表示されます。

    NetBeansを使用したリソース参照

      NetBeansを開き、「Services」タブを開きます。 「Resources」を開き、「Connector Resources」フォルダと「Admin Object Resources」フォルダを開きます。


      注:NetBeans 7.1.2を使用しており、Oracle WebLogic Serverサーバー・インスタンスの下にリソースが表示されない場合、はじめに、Oracle WebLogic Serverが実行中であることを確認してください。 次に、NetBeansのプロキシ設定を確認します。 Optionsメニューを開き(「Tools」→「Options」)、プロキシ設定をUse System Proxy SettingsからNo Proxyに変更します。 次にOracle WebLogic Serverを停止し、NetBeansを終了してから、NetBeansとOracle WebLogic Serverを再起動します。

提供されたNetBeansプロジェクトを使用した、JMSキューとコネクション・ファクトリのテスト

    このチュートリアルには2つのNetBeansプロジェクトが含まれています。 JSFProducerプロジェクトにはマネージドBeanへのフロントエンドになるJSFページが含まれており、jms/myQueueキューへテキスト・メッセージを送信します。 2番目のプロジェクトMDBExampleは、Message-Driven Beanを使用してキューからメッセージを読み取ります。

    File」→「Open Project」をクリックして、NetBeansでプロジェクトを開きます。

    files.zipを解凍したディレクトリへ移動します。 「JSFProducer」プロジェクトと「MDBExample」プロジェクトを選択し、「Open Project」をクリックします。

    このプロジェクトは、Oracle WebLogic Serverインスタンスをデプロイするように事前構成されています。
    確認するには、「JSFProducer」プロジェクトを右クリックし、「Properties」を選択します。

    Run」を選択します。 ServerリストにはOracle WebLogic Serverが表示されます。 必要に応じてドロップダウン・リストからこれを選択します。
    OK」をクリックします。

    JSFProducer」プロジェクトを右クリックして、Oracle WebLogic Serverにアプリケーションをデプロイします。 このステップを繰り返し、Oracle WebLogic Serverに「MDBExample」をデプロイします。

    ブラウザに次のURLを入力し、JSFProducerアプリケーションを開きます。
    http://localhost:7001/JSFProducer

    ページ内のテキスト・ボックスに文字列を入力し、「Send Message」ボタンをクリックします。

    送信されたメッセージがアプリケーションによってブラウザ・ウィンドウに表示され、メッセージが正しく送信されたことが示されます。 このアプリケーションはテキスト・メッセージをキューjms/myqueueに書き込みます。

    NetBeansのOutputウィンドウで「Oracle WebLogic Server」タブをクリックすると、キューに送信したメッセージがコンソールに表示されます。

    MDBExampleアプリケーションはMessage-Driven Beanを使用してキューjms/myQueueを読み取り、コンソールにテキスト・メッセージを表示します。
    注:コンソールにはその他の情報が表示されている場合があります。 メッセージを受信する前にコンソールを消去するため、「Output」ウィンドウ内を右クリックして「Clear」を選択してから、JSFProducerアプリケーションを使用して別のメッセージをキューに送信します。

まとめ

    このチュートリアルで学習した内容は、以下のとおりです。

    • NetBeansへのWebLogic Serverインスタンスの追加
    • WebLogic Server管理コンソールを使用したJMSキュー宛先とコネクション・ファクトリの作成
    • WebLogic Serverに追加したリソースのNetBeansでの表示
    • NetBeansからWebLogic Server 12cへのアプリケーションのデプロイ

    参考資料

    著者

    • Lead Curriculum Developer: Tom McGinn

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