このチュートリアルでは、Oracle Data Integrator 11g(ODI)スタンドアロン・エージェ ントを管理するためのOracle Process Manager and Notification Server(OPMN)の設定に必要な手順について説明します。 前提条件、OPMNをまだ取得していない場合のダウンロード先、Oracle Data Integrator 11gスタンドアロン・エージェントのOPMNへの追加方法、OPMNを使用したOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントの起動方法と停止方法、発生する可能性のある問題とその解決方法について学習します。
約20分
Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントは、JEE以外の環境で動作するスタンドアロンのJavaプロセスです。 このエージェントを使用して、事前定義済みのスケジュールに基づいて、またはオンデマンドでOracle Data Integratorのシナリオを実行できます。
スタンドアロン・エージェントは通常、統合フローの最適なパフォーマンスを得るために、ソース・マシンまたはターゲット・マシン上にローカルに配置 されます。 スタンドアロン・エージェントは、Oracle Data Integrator Topology Managerで定義した後に起動できます。
Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントはコマンドライン・インタフェースから起動することも、他のさまざまな手段で制御することもできます。 Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントを制御するためのその他の手段の1つがOPMNを使用することです。 OPMNでは、JEEアプリケーションとJEE以外のアプリケーションの起動、停止、再起動などのプロセス制御アクションを管理できます。 OPMNを使用して、Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントの起動、停止、監視を行うことができます。
Oracle Data Integrator 11gには、スタンドアロ ン・バージョンのOPMNは含まれません。 OPMNは、Oracle Enterprise Performance Managementスイート、Oracle Application Serverなど、一部のオラクルのミドルウェア製品インストールに含まれています。 一方、OPMNがお使いの環境でミドルウェアを経由して利用できない場合は、OPMNを個別にダウンロードできます。 このOBEチュートリアルでは、Oracle Web Tier Utilities 11gの サブセットをダウンロードすることで、OPMNを個別にダウンロードする方法を説明します。
注:Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントを管理するためのOPMNの設定手順の概要は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorイ ンストレーション・ガイド11gリリース1(11.1.1)』においても説明されています。
このチュートリアルで学習する内容は、次のとおりです。
あなたは、Global Enterpriseのデータベース管理者として、 Oracle Data Integratorのシナリオ実行の管理を担当しています。 これまでは、Oracle Data Integratorのシナリオを実行するOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントを起動および停止するためにスクリプトを実行していました。 Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントを管理するための代替手段としてOPMNを使用できることを学習しました。 OPMNを含むオラクルのミドルウェア製品が職場環境にない状況ですが、OPMNをダウンロードし、エージェントの管理に使用したいと考えています。
以下の図は、Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントの管理に使用できる3つの手段を示しています。

これら3つの手段のうち、このOBEチュートリアルでは、Oracle Web Tier Utilities 11gでインストールされたOPMNを使用してOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントを管理する際に必要となる手順について、重点的に説明します。
ソフトウェア要件は、以下のとおりです。
タスクを開始する前に、システム環境が以下の前提条件を満たしていることを確認してください。
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Oracle Database 11gをインストールしてい ること。 Oracle Database 11gのサービスとコンポーネントを 起動していない場合は、起動します。 |
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Oracle Data Integrator 11g Release 1をインストールしていること。 |
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オラクルのミドルウェア環境の一部である既存のOPMNインストールにアクセスできること。そうでない場合は、Oracle Web Tier Utilities 11gの一部としてOPMNをダウンロー ドし、インストールします。 |
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OPMNをダウンロードする必要がある場合、OPMNは全種類のOracle Application Serverインストールに含まれていますが、 Oracle Web Tier Utilities 11gパッケージから取得することを推奨します。これは、OPMNのみをインストールするよう選択 できるためです。 OTNからOracle Web Tier Utilities 11gをダウンロードするためのWebサイトにアクセスするには、こ
こをクリックします。 |
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Oracle Web Tier Utilities 11.1.1.2.0をダウンロードします(これはフル・インストールです)。 |
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インストーラを解凍して起動します。 たとえば、C:\ofm_webtier_win_11.1.1.2.0_32_disk1_1of1\Disk1\install\win32の
下にあるsetupをクリックします。 |
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インストール・ウィザードのConfigure Componentsウィンドウで、「Oracle HTTP Server」 および「Oracle Webcache」のチェック・ボックスのみにチェックを入れます。 これら2つを選択すると、必要なOPMNコンポーネントがインストールされます。
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Oracle Web Tier 11.1.1.3.0をダウンロードします(これはパッチセットです)。
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インストーラを起動して、Oracle Web Tier 11.1.1.2.0に対して11.1.1.3.0のパッチを適用します。 必要に応じて、Oracle Web Tierのイ
ンストレーション・ガイドを参照してください。 |
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OPMNに追加するための既存のOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントがある場合はそれを使用できますが、 既存のOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントがない場合は、Oracle Data Integrator Studio Topology Managerを使用してOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントを作成できます。 Oracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントをOPMNに追加する前に、既存または新規のOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントが、稼動するマシン上でコマンド・プロンプトから起動できることをテストする必要があります。 これには、以下のワークフローが含まれます。
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上記のワークフロー・リストの最初のタスクに取りかかります。 稼働中のワークステーションのDOSコマンド・シェルでJavaバージョンを確認する必要があります。 Java Development Kit(JDK)1.6.0以降かどうかを確認することが重要です。これは、エージェントをOPMNに追加するスクリプトであるodi_opmn_addagentでは、最新のJDK 1.6(たとえばJDK 1.6.0.23)が必要となるためです。 JDKのそれ以前のバージョンでは、odi_opm_addagentをサポートしていません。 ワークステーションでJDKのバージョンを確認するには、コマンド・ウィンドウを開いて以下のコマンドを発行します。 java -version
JDKの最新バージョンをインストールする必要がある場合は、こ
こをクリックして、Oracle JavaダウンロードWebサイトにアクセスします。 このWebサイトで、「Download JDK」
ボタンをクリックして、LinuxまたはWindows用のJava
SE Development Kit 6u23をダウンロードします。これには、JDK 1.6のバージョンが含まれています。 |
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PATH変数のJDKバージョン
を確認します。 odi_opmn_addagentでは、PATH変数で最初に記載されているJavaバージョンが 使用されます。 そのため、「マイ コンピュータ」→「プロパティ」→「詳細設定」→「環境変数」 →「ユーザー環境変数」→「編集」に移動して、この変数にJDK 1.6へのパスを追加し、パスからJDKの以前のバージョンを削除します。 注:PATH環境変数にJDK 1.6へのパスを記述していない場合は、以下のエラーが発生します。
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既存のものでも新規に作成したものでもOracle Data
Integratorスタンドアロン・エージェントを用意した後は、このチュートリアルで使用するファイルについて理解を深めていきます。 このチュートリアルで取り扱うファイルは、agentcreate.properties、odi_opmn_addagent.bat、odi_opmn_deleteagent.bat、odiparams.batです。 |
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odiparams.batのJAVA_HOMEおよびODI_JAVA_HOMEをJDK 1.6に設定します。 注:Javaへのパスにはスペース を含めないでください。含まれている場合は、DOSの ~構文(たとえば、C:\Progra~1\Java\jdk1.6.0_23 for C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_23)を使用してください。 この対応を行わなければ、opmnctlを 使用したエージェントの起動が失敗し、以下のエラーがログ・ファイルに記録されます。
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agentcreate.propertiesファ イルとodi_opmn_addagent.batファ イルの両方で環境変数を設定します。 odi_opmn_addagent.batファ イルでjarファイルまたはclassファイルへの参照を特定できるように、環境変数を設定する必要があります。
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各変数を検証した後でも、odi_opmn_addagent.batの 実行時に以下のエラーが表示されることがあります。
このエラーは、odi_opmn_addagent.batが、
指定されたagentcreate.propertiesファ
イルを見つけることができないために発生します。 agentcreate.propertiesの
名前を、拡張子の.propertiesと
ともに正しいスペルで記述する必要があります。
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スタートメニューから、OPMNおよびohs1を起動します。
コマンド・プロンプトを起動し、カレント・ディレクトリをC:\WEBTIER_HOME\Oracle_WT1\instances\instance1\binに 変更します。 OPMNが実行中でohs1が有効であることを確認するには、以下のコマンドを発行します。 opmnctl status
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既存のOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントをOPMNにまだ追加していない場合は、次の手順として、Oracle Data Integrator Studio Topology Managerを使用してスタンドアロン・エージェント定義を作成します。 Oracle Data Integratorの起動方法: 「スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle ODI 11g-Home」→「Oracle Data Integrator」→「ODI Studio」
Hostフィー ルドにはスタンドアロン・エージェントが稼働するホスト名を指定します。 この例では、Nameはlocal_agentで、Portは20910です。
Oracle Data
Integratorスタンドアロン・エージェントについて、詳しくは、OBEチュートリアルのODI11g:
Setting up and installing an ODI agentを参照してください。 |
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agentcreate.propertiesファ
イルで、各環境変数が正しく設定されていることを確認します。 Oracle Data
IntegratorのHomeディレクトリの外に元のファイルのコピーを保存してください。
注: COMPONENT_NAMEとPORTNOの値
は、前述の手順においてTopology ManagerでNameとPortに定義し
た値と同じものです。
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odi_opmn_addagent.batの
環境変数を確認します。
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oracledi\agent\binで以 下のコマンドを発行して、エージェントをOPMNに追加します。
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ディレクトリをC:\WEBTIER_HOME\Oracle_WT1\instances\instance1\binま たはWeb Tierのインストール先である同様のディレクトリに移動します。 以下のコマンドを発行して、エージェントが追加されていることを確認します。
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opmnctlを使用してエージェ ントを起動し、再度ステータスを確認します。
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Oracle Data Integrator Topology Managerでエージェントをテストします。
注:
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以下のコマンドを発行します。
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Oracle Data IntegratorリポジトリへのJDBC URLに"//"が含まれる場合、OPMNを使用してエージェントを起動できないことがあります。 たとえば、Microsoft SQL ServerでホストされたOracle Data
Integratorリポジトリでは、OPMNを使用したエージェントの起動が失敗します。
デフォルトでは、データ値の文字列内のスラッシュは、OPMNが稼働しているシステムのディレクトリ・パスの区切り文字に変換されま
す。つまり、UNIXでは'\'が'/'に変換され、Windowsでは'/'が'\'に変換されます。
変換を無効にするには、この属性をfalseに設定します。 OPMNを再起動し、OPMNを使用してOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントを起動してください。 OPMN設定ファイルのその他の資料については、こ ちらを参照してください。
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このチュートリアルで学習した内容は、以下のとおりです。
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