ADF Mobileを使用すると、Apple iOSプラットフォームを搭載したモバイル・デバイスやAndroidデバイスで実行されるさまざまなタイプのコンテンツを収容可能なアプリケーションを作成できます。このセクションでは環境の構成を通して、開発、JDeveloperおよびAndroid環境を使用したADF Mobileアプリケーションのテストができます。ビルドの構成、Android環境およびエミュレータを使用して小さなアプリケーションをテストします。エミュレータを使用して環境を構成しますが、実際のAndroidデバイスにデプロイすることもできます。

次の画像は、チュートリアルを完了したときにシミュレータに表示される画面です。

シミュレータでのHello Worldアプリ シミュレータでのHello Worldアプリ
ステップ1: 必要なコンポーネントのダウンロードとインストール
  1. Android SDKをhttp://developer.android.com/sdk/index.htmlからダウンロードしてインストールします。

    check for updates

  2. adt-bundle-windows-x86_64.zip」を解凍します。

  3. SDK Manager.exe」アプリケーションを見つけてダブルクリックします。Android SDK Managerが起動します。 ここで、使用するすべてのパッケージとエミュレータをインストールします。

  4. デフォルトでは、Android SDK Tools、Android SDK Platform、そしていくつかのパッケージがインストールされています。Google Cloud Messaging for Android Libraryのインストールも必要です。SDK Managerの最下部までスクロールし、Google Cloud Messaging for Android Libraryを選択、インストールをクリックします。

    SDKの以前のバージョンをインストールする場合、「Obsolete」チェック・ボックスを選択し、インストールするAPIを選択します。

    check for updates

  5. JDeveloper 11.1.2.4以降のインストールが必要です。Oracle ADF MobileページからJDeveloperをダウンロードできます。JDeveloperのダウンロードのためにDownloadsタブをクリックします。

  6. JDeveloper Update Centerを使用して、ADF Mobile拡張をインストールします。 JDeveloperを起動して、メニュー項目で「Help」、「Check for Updates」の順に選択します。

    check for updates

  7. Welcomeダイアログで「Next」をクリックします。

  8. Search Update Center」ラジオ・ボタンを選択し、「Next」をクリックします。

  9. Check for Updatesのステップ1
  10. Available Updatesでmobileと入力し、ADF Mobile拡張を選択して、「Next」をクリックします。

  11. Check for Updatesのステップ1
  12. ライセンス契約書に同意します。 「Next」をクリックして、ダウンロードが完了したら、「Finish」をクリックします。

    Check for Updatesのステップ2

  13. 指示に従い、JDeveloperを再起動します。

    JDeveloperの再起動メッセージ

  14. JDeveloperが再起動したら、「Studio Developer (All Features)」を選択して、ADF Mobile拡張を使用できるようにします。

    JDeveloperが再起動したら、デバイスのSDKプリファレンスを次のように設定します。

  15. メニュー項目「Tools」、「Preferences」の順に選択します。

    Preferencesメニュー

  16. Preferences画面の左側で、「ADF Mobile」ノードをクリックします。 ADF Mobile拡張を初めて使用する場合は、「Load Extension」ボタンをクリックする必要があります。

    モバイル設定

  17. 次に、「ADF Mobile」ノードを展開して、「Platforms」を選択します。Supported Platformsリスト・ボックスで、「Android」が選択されていることを確認します。

  18. すべての項目を正しいディレクトリの場所で更新します。 SDKをデフォルトの場所にインストールした場合は、入力リストの横にある虫メガネをクリックして、画像での例のようにAndroid SDKのディレクトリにナビゲートします。デフォルト以外の場所にインストールした場合は、そのインストール場所にナビゲートします。


    プラットフォームSDKの場所

  19. OK」をクリックしてPreferencesペインを終了します。

  20. Android SDK Managerを再び開いて、モバイル・デプロイメントに使用するAndroidエミュレータを作成および起動します。

    check for updates

  21. Android SDK Managerのメニュー・バーで、「Tools」、「Manage AVDs...」の順に選択します。

    Android Virtual Device Managerダイアログが表示されます。

    check for updates

  22. New」ボタンをクリックし、プロパティに以下の値を入力します。

    check for updates

    AVD Name = ADFmf
    Device - Nexus One
    Target = Android 4.2 - API Level 17
    SD Card - 500 MiB
    Back Camera = Emulated
    Memory Options Ram = 768

  23. 残りはデフォルトのままにして、「OK」ボタンを押します。

    別のデバイス・タイプも選択できますが、デバイスが新しいほど、リソースに関する要件は高くなり、マシンでRAMの問題が発生する可能性があることに注意してください。

    check for updates

  24. 新しいAVDに関する通知が表示されます。 「OK」をクリックして終了します。

    check for updates

  25. 新しいAVDを選択して、「Start」ボタンをクリックします。

    check for updates

  26. Launch Optionsペインの値はデフォルトのままにして、「Launch」をクリックします。

    check for updates

  27. エミュレータが起動し、稼働し始めるまで、時間がかかる場合があります。 CPUの速度によっては、2分程度かかる場合があります。 稼働したら、テストおよびモバイル・デプロイメントを継続できます。

    check for updates

ステップ2: Oracle ADF Mobileアプリケーションの作成

    このパートでは、“Hello World” ADF Mobileアプリケーションを作成してから、このアプリケーションをAndroidエミュレータにデプロイします。 ADF Mobile Frameworkアプリケーションのデプロイの準備ではおもに、プラットフォーム固有のデプロイメント・プロファイルを作成します。
    デプロイメント・プロファイルは、iOSまたはAndroidプラットフォームのいずれかにデプロイするアーカイブにアプリケーションをパッケージ化する方法を定義します。
    デプロイメント・プロファイルは次の役割を果たします。
    - アーカイブの形式とコンテンツを指定する。
    - ソース・ファイル、デプロイメント・ディスクリプタ、およびアーカイブ・ファイルにパッケージ化するその他の補助ファイルを一覧にする。
    - 作成するアーカイブ・ファイルのタイプと名前を記述する。
    - 依存情報、プラットフォーム固有の指示、その他の情報をハイライトする。

  1. アプリケーション・ナビゲータで「New Application」をクリックして、New Galleryダイアログ・ボックスを起動します。

    New Application

  2. New Galleryで、「General」、「Applications」の順にノードを展開し、「Mobile Application (ADF)」を選択します。
    OK」をクリックします。

    New Galleryのモバイル・アプリケーション項目


  3. Name your applicationページのApplication NameフィールドにMyMobileAppと入力して、「Next」をクリックします。

    モバイル・アプリケーションの命名

  4. Next」をクリックして、2つ目のプロジェクトのProject FeaturesApplicationControllerを確認します。 プロジェクトにはOracle ADF Mobile Frameworkが含まれます。

    アプリケーション・コントローラ・プロジェクトの機能

  5. Name your projectページで「Next」を2回クリックして、デフォルトのプロジェクト名をそのままにします。 ViewControllerプロジェクトのProject Featuresを確認します。 プロジェクトではADF Mobile Framework、HTML and CSS、Java、およびJavaScriptプロジェクト機能を使用します。

    ViewControllerプロジェクトのプロジェクト機能

  6. Next」、「Finish」の順にクリックします。 Application Navigatorでは、新しいADF Mobileアプリケーションに関連するすべてのファイルを表示できます。

    モバイル・アプリ作成後のアプリケーション・ナビゲータ・ファイル

    ADF Mobile Frameworkアプリケーションが完成すると、JDeveloperによってプロジェクトとアプリケーション・レベルの両方のアーティファクトが追加されます。このようなアーティファクトには、ADF Mobile Frameworkモデル・プロジェクト、ADF Mobile Framework機能アプリケーション・リソースを持つビュー・コントローラ・プロジェクト(デフォルト名はViewController)があります。 これらのリソースには、アプリケーション機能用の構成ファイル、adfmf-feature.xmlが含まれます。この構成ファイルは、スタブXMLディスクリプタ・ファイルであり、アプリケーションの実行時に表示される機能アプリケーションを定義することを可能にします。adfmf-feature.xmlは、アイコン、コンテンツ・タイプ、起点など、各機能の詳細を定義します。

    adfmf-application.xmlファイルは、機能への参照を含めたアプリケーション自体の詳細を定義します。これらの機能アプリケーションを、Feature Archiveファイル(FAR)というJARファイルにパッケージ化すると、他のOracle ADF Mobileアプリケーションが使用できる再使用可能なコンテンツが提供されます。このような区別をする理由の1つは、開発者が機能アーカイブ(adfmf-feature.xmlで参照される機能が1つ以上含まれています)を作成した後で、機能アーカイブを呼び出すだけでアプリケーションを作成できるようにするためです。もちろん、各アプリに含まれるadfmf-application.xmlは1つだけです。

    FARは基本的に、アイコン・イメージ、リソース・バンドル、HTML、JavaScript、または他の実装固有ファイルなど、機能が必要とするすべてのものを集め内蔵しています。FARには、1つのadfmf-feature.xmlファイルが含まれており、このファイルにより、各パッケージ機能アプリケーションが一意のIDで識別されます。このファイルを編集して、機能プロパティを更新できます。たとえば、コンテンツの実装を指定できます(ローカルまたはリモートHTMLファイル、AMXページ、またはプラットフォーム固有の言語で作成されたネイティブ・アプリケーション)。また、ユーザー・ロールや権限、またはデバイス・プロパティなどの要素に基づいてコンテンツの表示を制御できます。モバイル・アプリケーションは、1つのFARまたは複数のFARを参照できます。あるいは、FARをまったく参照しなくてもかまいません。

  7. ViewController」プロジェクトを右クリックして、「New」を選択します。
    New Galleryで、「Web Tier - HTML」、「HTML Page」項目の順に選択します。

    OK」をクリックします。

    モバイル・アプリ作成後のアプリケーション・ナビゲータ・ファイル

  8. デフォルトのFile NameDirectoryのまま、「OK」をクリックします。

    モバイル・アプリ作成後のアプリケーション・ナビゲータ・ファイル

  9. エディタで、次のテキスト"Deployment Successful"を入力します。

    次に、テキストを選択してから、ビジュアル・エディタ・ツールバーの左から4番目のドロップ・ダウン・リストで「7」を選択します。 大きく見えるかもしれませんが、エミュレータで実行するときには小さく表示されます。

  10. すべての作業を保存します。

    モバイル・アプリ作成後のアプリケーション・ナビゲータ・ファイル


ステップ3: ページへのUIアクセスの追加

    このセクションでは、新しい機能を構成することで、ユーザーが新たに定義されたローカルHTMLページにネイティブ・アプリケーション・コンテナからアクセスできるようにします。 アプリケーションにページまたはタスク・フローを追加するたびに、このタスクを実行する必要があります。

  1. アプリケーション・ナビゲータで、「ViewController」プロジェクトを展開します。 「Application Sources」フォルダを見つけて展開します。 次に、「META-INF」フォルダを展開します。 adfmf-feature.xmlファイルが次のように表示されます。

    アプリケーション・ナビゲータで選択されたadfmf-feature.xml

  2. adfmf-feature.xml」ファイルをダブルクリックして、Featureエディタを開きます。

    エディタのadfmf-feature.xml

  3. エディタの上の方にあるFeatures表の緑のプラス記号をクリックして、新しい機能を追加します。 プラス記号が表示されていない場合は、Featureエディタを右側にスクロールします(Featureエディタの右端にプラス記号があります)。

    デフォルト値のCreate ADF Mobile Featureペインが表示されたadfmf-feature.xml

  4. Create ADF Mobile Featureダイアログで、次の値を変更します。

    - Feature Name: Success
    - Feature ID: oracle.success

    ディレクトリの値はデフォルトのままにして、「Add a corresponding feature reference to adfmf-application.xml」チェック・ボックスが選択されていることを確認してから、「OK」をクリックします。

    適切な値のCreate ADF Mobile Featureペインが表示されたadfmf-feature.xml

  5. Features表で、新たに作成した機能「oracle.success」を選択します。 Features表の下の「Content」タブをクリックして、Content表を見つけます。 コンテンツ項目oracle.success.1はデフォルトで作成されています。

  6. 変更を保存します。

    適切な値のContentタブが表示されたadfmf-feature.xml

  7. Contentエリアで、TypeプロパティをLocal HTMLに設定します。

    適切なタイプが設定されたContentタブ

  8. Contentセクションで、URLテキスト・ボックスを見つけます。

    URLテキスト・ボックスの右側にある虫メガネ・アイコンをクリックします。

    緑のプラス記号をクリックしたときに選択されるタスク・フロー

  9. Openウィンドウで、先ほど作成したHTMLページを選択します。 ここでは、untitled1.htmlです。 次に「Open」をクリックします。

    Contentタブで選択されたView Controller Task Flowオプション

  10. 結果の定義は次のイメージのように表示されます。

    エディタで表示される完成した機能

  11. すべての作業を保存します。


ステップ4: Androidエミュレータでのページのデプロイとテスト

    環境をインストールして、アプリケーションを作成したので、アプリケーションをエミュレータにデプロイする準備が整いました。

  1. エミュレータが実行中であることを確認します。 エミュレータの下部にある「Applications」アイコンをクリックすると、インストールしたすべてのアプリケーションを照会できます。

    エミュレータを開いたまま、JDeveloperとMyMobileAppアプリケーションに戻ります。

    check for updates

  2. Applicationメニューで「Deploy」、「New Deployment Profile」の順に選択して、Create Deployment Profileダイアログ・ボックスを起動します。

    Deploy→New Deployment Profileメニュー・オプション

  3. Profile Typeドロップダウン・リストで、ADF Mobile for Androidが選択されていることを確認して、Deployment Profile Nameに「Android_Mobile_Native_archive1」と入力して、「OK」をクリックします。

    デプロイメント・プロファイルの名前

  4. Android Optionsノードを選択して、値が以下のようになっていることを確認します。

    シミュレータの対象バージョンを5.0に設定

  5. OK」をクリックして、すべての作業を保存します。

  6. Applicationメニューで、「Deploy」、「Android_Mobile_Native_archive…」の順に選択します。

    Deployメニュー・オプション

  7. 続くダイアログ・ボックスで「Deploy application to emulator」を選択して、「Finish」をクリックします。

    シミュレータ・ウィンドウへのプロファイルのデプロイ

  8. エラーがないかDeployment Logウィンドウを調べてください。 コンパイルとデプロイメント・プロセスが予想どおりに完了すると、Deployment Logウィンドウが次のように表示されます。


    Deployment Logウィンドウ - デプロイの終了

  9. エミュレータに戻ります。 「Home」ボタンをクリックします。

    iOS Simulatorのアプリケーション

    Application」アイコンをクリックして、アプリケーションを更新します。

    iOS Simulatorのアプリケーション

    先ほど作成し、デプロイしたMyMobileAppアプリケーションが表示されます。

  10. MyMobileApp」アイコンをクリックして、アプリケーションを起動します。

    iOS Simulatorのアプリケーション

    MyMobileAppアプリケーションには現在、Oracle ADF Mobileアプリケーション内で実行中のHTMLページが含まれています。


    シミュレータのHello Worldアプリケーション

  11. WebService Mobileアプリケーション上で作業する場合は、エミュレータを稼働させておきます。

    終了したら、エミュレータを閉じます。ただし、再度デプロイするときには、デプロイ前にエミュレータを再起動してください。



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