Oracle Application Express
Oracle Application Express 3.0のPDF印刷
Oracle Application Express 3.0では、レポート領域をPDFにエクスポートする機能を導入し、レポートを印刷できるようにしました。この機能は宣言的に定義され、すべてのレポート領域で使用できます。Oracle Application Expressユーザーは、ページ・タイトルが各ページで繰り返されコンテンツが多様なページ・サイズに適合するレポートを、表示および印刷できます。これを実現するために、レポート・データは、定義されたレポート・サーバーを使用して、PDF形式に変換されます。次の図に、Oracle Application Express PDF印刷アーキテクチャを示します。

Oracle Application Express PDF印刷アーキテクチャ
アプリケーションのユーザーが印刷リンクをクリックすると、そのリクエストは、Oracle Application Expressエンジン(Oracleデータベースの一部)に送信されます。Oracle APEXエンジンは、対応するレポート・データをXML形式で生成し、レポート・テンプレートをXSL-FOまたはRTF形式で生成します。次に、外部のレポート・エンジンが、Oracle BI Publisher 10.1.3.2付属の変換サーブレットを使用して、データとテンプレートをエンド・ユーザーに表示するPDFに変換します。この複雑なアーキテクチャは、エンド・ユーザーや開発者には見えません。エンド・ユーザーは、単に印刷リンクをクリックし、開発者は、PDF印刷をサポートする領域を宣言的に設定するだけです。

レポート・サーバーは、 Oracle BI Publisher(US Oracle Technology Network へのリンクです)または標準のXSL-FO処理エンジンです。Oracle BI Publisherをレポート・サーバーとして選択すると、より高いレベルの機能が利用できます。機能の違いに対応するために、Oracle Application Expressでは、標準サポート、拡張サポートという2つのレベルの機能を提供します。標準サポートでは、XSL-FOベースのレポート・テンプレートに制限されます。(サポートという用語は、ツールでサポートされる機能を指します。)

標準のサポート

標準のサポートは、標準的なXSL-FO処理エンジンを使用して実装できます。レポート領域およびページ属性の基本的な制御を備えたレポート問合せを宣言的に書式設定します。これらの属性には、方向、サイズ、列見出しのフォーマット、ページ見出し、ページ・フッターが含まれます。次のスクリーン・ショットに、標準サポートを示します。

印刷リンクのあるレポート領域 標準レポートのPDF出力 バックグラウンド色を使用するPDF出力

拡張サポート

拡張サポートには、Oracle BI Publisherの有効なライセンスが必要です。拡張サポートの場合、BI Publisher Word Template Builderを使用して作成されたRTFベースのレポート・レイアウトを定義できます。これにより、グラフを使用して、レポートのすべての面を簡単に制御できます。ページへのロゴの追加、複雑なコントロール・ブレークの追加、およびページ区切りの完全な制御が可能です。チャートを組み込み、政府の標準的な様式に合わせたレポートを作成できます。次のスクリーン・ショットに、拡張サポートを示します。

交付申請 ブレークのあるMaster Detail 複数のチャートとレポート

Oracle Application Express内でOracle BI Publisherを使用する利点

Oracle BI PublisherをOracle Application Express印刷サーバーとして使用すると、アプリケーションがより堅牢で専門的になります。

  • シームレス: 印刷機能は、Oracle Application Expressに完全に統合されます。
  • 複数の出力形式:PDF以外に、Microsoft Word、ExcelおよびHTML出力を生成できます。
  • 強力なレポート・レイアウト: 開発者は、コントロール・ブレーク、見出し、フッターを効果的に制御するRTFベースのテンプレートを使用でき、チャートを組み込む機能を提供できます。
  • 欧文以外のフォントのサポート: CJK、BiDi、UnicodeおよびMLSに対する完全なサポートを含む、優れたローカリゼーション機能。
  • 単一ファイルのエクスポート/インポート: RTFベースのレポート・レイアウトは、アプリケーション定義の一部であるため、アプリケーションとともにエクスポートおよびインポートされます。
  • Oracleによるサポート: Oracle BI PublisherはOracleによりサポートされる製品です。
Oracle Application Express内でOracle BI Publisherを使用する利点だけでなく、Oracle BI Publisherは、その他の面でも組織を支援します。
  • スケジュール管理と配信
  • 複数のSQL問合せに基づくレポートの作成
  • 異種データベースのサポート
  • バースト
  • レポートのキャッシング
  • 高パフォーマンス

Oracle BI Publisherの構成 前提条件

Oracle BI Publisherをレポート・サーバーとして使用するには、次の2つのエディションの1つをインストールする必要があります。

  • Oracle Business Intelligence Publisher 10.1.3.2
  • Oracle Business Intelligence Enterprise Edition 10.1.3.2

Oracle Application Expressとの統合でサポートされるOracle BI Publisherの必要なバージョンは10.1.3.2です。XML Publisher 5.6.2(XML PublisherはBI Publisherの現在のリリース10.1.3.2で名称が変更されました)はOracle Application Expressとの統合はサポートされないので、PDFレンダリングエンジンとして使用することはできません。

Oracle Business Intelligence Enterprise Edition 10.1.3.2(試使用版) は、次のリンクをクリックするとダウンロードできます。

Oracle Business Intelligence Enterprise Edition

Oracle BI Publisherをインストールする前に、Java SDK 1.5.0がインストールされていることを確認してください。Java SDKは以下のリンクからダウンロードできます。

http://java.sun.com/javase/downloads/index_jdk5.jsp

使用方法

ダウンロードし解凍後、Installerを起動します。これは、ディスク1のフォルダにあります。Windowsを使用している場合:

   \Windows\Server\Oracle_Business_Intelligence\setup.exe
                               
インストール中に、スイートをすべてインストールするか、選択したコンポーネントのみをインストールするかを選択できます。Oracle Application Expressと併用することのみが目的の場合、インストールに必要なのはBI Publisherコンポーネントのみです。

Oracle Business Intelligence Enterprise Edition 10.1.3.2インストールの詳細は、次のドキュメントを参照してください。

Oracle Business Intelligence Infrastructure クイック・インストレーション・ガイド

Windowsユーザーは、OC4Jを起動および停止するメニュー項目を使用してOC4Jを起動できます。OC4JはBI Publisherを起動します。OC4Jを起動後、BI Publisher起動ページを開くことができます(Windowsスタート・メニュー内のBI Publisherフォルダにも、このページへのリンクがあります)。

Oracle Application Expressでこの設定をする際に使用するホスト・アドレスとポートが不明な場合は、BI Publisher起動ページを開き、ブラウザのURLフィールドに表示されるホスト・アドレスとポートを参照してください。

Oracle BI Publisherをレポート・サーバーとして使用する場合は、はじめにレポート出力パラメータにアクセスします。
  1. 「サービスの管理」ホーム・ページにアクセスします。
  2. 「サービスの管理」を選択します。
  3. 「環境設定の管理」で「インスタンスの設定」を選択します。
  4. レポート出力の属性に注目するために、「レポート出力」をクリックします。
次の属性を指定します。
  • Oracle BI Publisher: 拡張サポート
  • プリント・サーバーのプロトコル: HTTPまたは HTTPS(構成により異なります)
  • プリント・サーバーのホスト・アドレス : javaコンテナが実行されているマシンのホスト名 - たとえば、 myhost.mycompany.com
  • プリント・サーバー・ポート: javaコンテナがリスニングしているポート - たとえば、 8888
  • プリント・サーバー・スクリプト: /xmlpserver/convert
Oracle BI Publisherインストールの詳細は、 BI Publisherドキュメンテーションを参照してください。Orlace Application Expressは、Oracle BI Publisher 10.1.3.2以降と互換性があります。

Apache FOPの構成 前提条件

XSL-FOサーバーを使用する場合は、Apache FOPなど標準的なXSL-FOサーバーをインストールする必要があります。Oracle以外のレポート・サーバーは、Oracle Application Expressに装備されていないため、Oracleサポートでは、これらのサービスの設定方法に関する質問は扱っていません。Apache FOPの構成に関する質問は Application Express OTN Forum (英語)を使用します。

作業を開始する前に、Oracle Containers for J2EE(OC4J)が起動および稼動していることを確認します。以下の二つのバージョンのOC4JがFOPソリューションとして以下の概説で動作することが確認されています。
  1. Oracle Containers for J2EE(10.1.3.2)
  2.  

  3. Oracle Containers for J2EE 10g(9.0.4.1.0)
    • Oracle Database 10g Release2で利用可能です
    • インストール と構成の方法 は、$ORACLE_HOME/oc4j/readme.txtで確認できます

    Oracleでは、外部のXSL-FO処理エンジンとして使用できるJava Server Page(JSP)を提供しています。このJSPを使用したPDF印刷を構成するには、次の3つの手順を実行します。

    • 必要なソフトウェアのダウンロード
    • Apache FOPおよび提供されたXSL-FO処理JSPの構成
    • PDF印刷にJSPを使用するために、Oracle Application Expressを構成

使用方法

手順1:カスタムJSPをダウンロードします

XSL-FO処理JSP apex_fop_render.jspをダウンロードします。次に、ダウンロードしたファイルを解凍して、次の場所に保存します。
$ORACLE_HOME/oc4j/j2ee/home/default-web-app

手順2:Apache FOPライブラリをダウンロードします

このJSPのベースである Apache FOP Version 0.20.5 librariesの最新のリリースをダウンロードし、解凍したfop-0.20.5ディレクトリを次の場所に保存します。
$ORACLE_HOME/oc4j/j2ee

手順3:Apache FOPおよび提供されているXSL-FO処理JSPを構成します

受信したXMLレポート出力をPDFでレンダリングするには、Java環境がFOPライブラリにアクセスできる必要があります。 そのためには、$ORACLE_HOME/oc4j/j2ee/home/config/application.xmlに次の行を含めます。
     <!-- libraries below added for FOP support -->
     <library path="../../../j2ee/fop-0.20.5/build/fop.jar"/>
     <library path="../../../j2ee/fop-0.20.5/lib/batik.jar"/>
     <library path="../../../j2ee/fop-0.20.5/lib/avalon-framework-cvs-20020806.jar" />
     <!-- above libraries added for FOP support -->
                               

手順4:OC4Jを再起動します

  • 環境変数ORACLE_HOMEおよびJAVA_HOMEを設定します
    • ORACLE_HOME: OC4Jをインストールしたルートのディレクトリを設定します。実行可能なスクリプトoc4j あるいはoc4j.cmdを使用する場合には、この環境変数が定義されていることが必要です。たとえば、OC4Jを C:\oracleの下にインストールした場合、ORACLE_HOME環境変数の値をこのディレクトリに設定します。
    • JAVA_HOME: JDKの場所を設定します。この環境変数は、OC4Jサーバーの起動に必要です。たとえば、 次のように入力します。
      JAVA_HOME=/java/j2se15

     

  • Oracle Containers for J2EE 10g(10.1.3.0.0)を使用する場合:
    • OC4Jを終了するために、ORACLE_HOME/binディレクトリから次のコマンドを実行します。
           oc4j -shutdown
      
    • OC4Jを起動するために、ORACLE_HOME/binディレクトリから次のコマンドを実行します。
           oc4j -start
      
  • Oracle Containers for J2EE(OC4J)の以前のバージョンを使用する場合:
    • j2ee/home/configディレクトリにあるデフォルトの設定ファイルを使用してOC4Jを起動します。
    •      > cd <J2EE_HOME>
           > java -jar oc4j.jar
      
    • プロセスを開始したウィンドウで「^c」(Ctrl+c)を押してOC4Jを停止します。

手順5:PDF印刷にJSPを使用するために、Oracle Application Expressを構成します

FOPをインストール後、レポート出力パラメータにアクセスします。

  1. 「サービスの管理」ホーム・ページにアクセスします。
  2. 「サービスの管理」を選択します。
  3. 「環境設定の管理」で「インスタンスの設定」を選択します。
  4. レポート出力の属性に注目するために、「レポート出力」をクリックします。
次の属性を指定します。
  • Oracle BI Publisher: 標準のサポート
  • プリント・サーバーのプロトコル: HTTPまたは HTTPS(構成により異なります)
  • プリント・サーバーのホスト・アドレス : javaコンテナが実行されているマシンのホスト名 - たとえば、 myhost.mycompany.com
  • プリント・サーバー・ポート: javaコンテナがリスニングしているポート - たとえば、 8888
  • プリント・サーバー・スクリプト: /apex_fop_render.jsp

その他のXSL-FO処理エンジン その他のXSL-FO処理エンジンを使用する場合、前述のApache FOPの例で提供されたサンプルのJSPと同様な機能を提供するエンドポイントを作成する必要があります。

false ,,,,,,,,,,,,,,,