リスト・パーティションによる大規模データの管理
Oracle Partitioning(パーティション)は、大規模な表および索引の管理性、可用性、および問合せ性能を大幅に向上させます。 Oracle PartitioningはEnterprise Editionのオプションで、Oracle8で初めて導入されました。その後のすべてのリリースで、 Oracle Partitioning(パーティション)は大幅に拡張されています。ここでは、Oracle9iの新しいパーティション方法の1つである リスト・パーティションについて説明します。
リスト・パーティションを使用すると、データ・ウェアハウス管理者は各パーティションにどのデータが属するのかを正確に管理 することができます。データ・ウェアハウス管理者は、各パーティションに対してそのパーティション・キーのLOVを指定できます。 データの配置をパーティション別に管理することにより、データベース管理者は管理性とパフォーマンスの最高の組合せを実現します。 特に、リスト・パーティションは特定のデータ・ウェアハウス環境できわめて有効に働きます。
リスト・パーティションは、データ・ウェアハウスで多用されるレンジ・パーティションの機能を補完します。 レンジ・パーティションは、時間などの連続的ドメインにそって表をセグメント化するのに役立ちます。 データ・ウェアハウスの表は時間によってレンジ・パーティションされることが多いため、各レンジ・パーティションには月または 週ごとに1つのパーティションというように特定の時間範囲値のデータが含まれます。これに対し、リスト・パーティションは、製品などの 独立したドメインにそって表をセグメント化するのに役立ちます。リスト・パーティションされた表の各パーティションには、 パーティションごとに設定するキー値のリストにマッチしたデータが含まれます。
たとえば、大企業のデータ・ウェアハウスに多数の異なる国が含まれているとします。 このデータ・ウェアハウス管理者は、europe、north_america、south_america、asiaなどの地域別に大規模表をリスト・ パーティション化することを選択できます。
CREATE TABLE sales_history ( ... )
PARTITION BY LIST (country) (
PARTITION europe VALUES ('United Kingdom', 'Germany', 'France'),
PARTITION north_america VALUES ('United States', 'Canada', 'Mexico'),
PARTITION south_america VALUES ('Brazil', 'Argentina'),
PARTITION asia VALUES ('Japan', 'Korea');
上記すべての国の行は、適切な地域パーティションに自動的に配置されます。
多くの場合、パーティションの利点は、パーティション戦略が基礎となるビジネス・プロセスを綿密にモデル化している場合に 最も大きくなります。データ・ウェアハウス管理者は、データが地域または国に基づいてアクセスまたは修正される場合に、 上記のパーティションスキームを使用することができます。たとえば、地域パーティションを使用することにより、データ・センターは 異なる地域の異なるタイム・ゾーンを活用することができます。ヨーロッパの夜間はアメリカの営業時間に重なるため、ヨーロッパの パーティションはアメリカのパーティションがフルに稼動している間に保守することができます。 各地域をそれぞれのパーティションに配置することにより、データの可用性が最大限になり、データ管理が簡略化されます。
Oracle Partitioningにより、Oracleはあらゆる要件に対処するパーティション機能の完全なセットを提供することを目標としています。 リスト・パーティションは、Oracleがすべての新しいリリースにおいてそのパーティション機能をより堅牢にしている一例に過ぎません。
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