新しいデータ型 XMLType

Oracle9iデータベースには、XML文書の格納のために新しく XMLType というデータ型が追加されました。

XMLTypeは、開発者に対してXML文書の格納方法を抽象化します。 このXMLTypeには、開発者がXML文書を操作できるようにする多数の 組込みメンバー関数があります。

XMLTypeでは、XML文書はキャラクタ・ラージ・オブジェクト(CLOB)として格納されます。XMLTypeを使用すると、XML データをデータベース に格納して問合せできます。XMLType のメンバー関数を使用すると、XPath 式を使用したXML データへのアクセス、抽出および問合せが可 能です。XPath は、XML 文書を走査するためにW3C の委員会によって開発された標準仕様です。Oracle のXMLType 関数では、 W3CのXPath 式のサブセットがサポートされます。
XMLTypeの利点

XMLTypeを使用すると、次のような利点があります。
  • XMLとSQLが統合され、次のことが可能になります。
    • XML文書へのSQL操作
    • SQLコンテンツへのXML操作
  • 組込みメンバー関数、索引付けサポート、ナビゲーションなどが含まれているため、実装に便利です。
  • XMLTypeは組込みXMLパーサーおよびプロセッサを使用して、よりよいパフォーマンスとスケーラビリティを提供します。
XMLTypeは特に、SQL文で他の列やデータ型と組み合せることができます。 たとえば、XMLType列を問い合せて抽出の結果をリレーショナ ル列と結合することができ、Oracleはこれらの問合せを実行する最適な方法を決定することができます。

また、XMLTypeは、必要でない限りXML文書をツリー構造に生成しないように最適化されています。 そのため、SQLの問合せでXMLTypeインスタンスを選択すると、シルアル化形式のみが関数内でやりとりされます。 これらは、extract()やexistsNode()などの演算が実行されるときにのみ、ツリー形式に展開されます。 XMLTypeの内部構造も、DOMに類似した最適化されたツリー構造です。

最後に、ExistsnodeおよびExtract関数でファンクション索引を作成して、問合せの評価を大幅に高速化することができます。 Oracle9iのテキスト索引もXMLType列をサポートするように拡張されています。
 
追加情報
 テクノロジー - XML関連資料
 Oracle9i Database マニュアル(ドキュメント) - XML開発者ガイド - Oracle9i ケース・スタディ - XMLアプリケーション

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