Database Resource Managerによるきめ細かなリソース管理

データベース管理者にとって最も重要な課題の1つは、限られたハードウェア・リソースで一定レベルのパフォーマンスを 維持することです。従来から、Oracleデータベースを含め、システムで実行されている様々なアプリケーション間での リソース管理を制御するのは、オペレーティング・システム(OS)に任されています。 しかし、OSはあるOracleユーザー またはセッションを別のものと区別できないため、1つのデータベースを共有する異なるユーザーまたはアプリケーションの アクティビティをリソース管理することができません。

Oracle8iで導入されたDatabase Resource Managerは、データベース管理者に対し、1つのデータベースを共有する様々な ユーザーおよびアプリケーションに対してビジネスにおける優先順位に従ってシステム・リソースを割り当てる機能を 提供します。 このツールを使用すると、DBA は1つのデータベースを使用している様々なユーザーおよびアプリケーションを 異なるリソース・コンシューマ・グループに分類し、CPUリソースを各ユーザーまたはアプリケーションに作成した リソースプランの比率で割り当てることができます。

 

Database Resource Managerを使用してデータベース・ユーザーおよびアプリケーションの優先順位を設定できます
 
リソース・プランを使用すると、システム・リソースはまず特定の重要な業務処理に対して 使用可能になり、その後で他のユーザーまたはアプリケーションで使用されるようになります。 また、ユーザーまたは アプリケーション・グループのリソース使用を制限して、重要な処理でリソースが必要になったときに不足しないように することができます。 複数レベルでのリソース割当てとネストされたリソース・プランの作成が可能になることにより、 データベース管理者は未使用のリソースを異なるリソース・コンシューマ・グループ間での割当てを指定する、 きわめて強力で柔軟なメカニズムを獲得することができます。

Oracle9iは新機能により大幅に拡張されたDatabase Resource Managerを特長としており、サービス・レベルの目標に 準拠するためにデータベース処理負荷の自動的かつプロアクティブ(事前的)な管理を可能にします。 Oracle9i Database Resource Managerを使用すると、データベース管理者は次のことが可能になります。
  • データベースの処理負荷やユーザー数とは無関係に、特定のユーザーまたはアプリケーションに最小限のCPUリソースを保証する。
  • 特定のユーザーまたはアプリケーション・セットの並列度を制限する。
  • Oracle9iデータベースに対し、長期間実行している処理を事前に検出してそのリソース使用を減らし、 OLTPユーザーのパフォーマンス低下を回避するように指示する。
  • 同時にアクティブな長期間かかる処理の数を制限する。
  • 許容できないほどに長期間実行している、リソースを大量に消費する処理の実行を回避する。
Database Resource Managerのこれらの機能により、DBAはエンタープライズ・アプリケーションおよびユーザーに 適度なデータベース・サービスの提供を保証するリソース管理ポリシーを作成できます。 Oracle9i のDatabase Resource Managerは、変化するビジネス・ニーズに対処する高度な柔軟性を提供する一方で、 わずかな手間で予測可能なサービス・レベルを実現することをきわめて簡単にします。
 
追加情報
 Oracle9i Database 技術資料 - System Management (システム管理) - Oracle9i データベース・リソース・マネージャ
 Oracle9i Database マニュアル(ドキュメント) - Oracle9i Database - Oracle9iデータベース管理者ガイド - 第27章 Database Resource Managerの使用

Oracle9i Database Daily Feature
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