環境
開発用、テスト用および本番用に異なる環境を準備してある限り、Oracle Application Expressで開発する場合は標準のシステム開発ライフサイクルの慣行に従う必要があります。 アプリケーションおよび関連するデータベース・オブジェクトへの変更は開発環境のみで実行できるようにする必要があります。 このポリシーをさらに徹底するために、テスト環境および本番環境には"Runtime Only"のOracle Application Expressをインストールすることを推奨します。 そうすれば、開発者はこれらの環境でアプリケーション・ビルダーおよびSQLワークショップにアクセスできなくなります。 テスト環境および本番環境を更新できる権限を持つユーザーは、データベース管理者（DBA）のみにする必要があります。
データベース・オブジェクト
開発者は、作業ユニットの一部として表、パッケージ、権限付与などのさまざまなデータベース・オブジェクトを作成、変更/交換、または削除することが必要になる場合がよくあります。 1つ以上の表に対してデータの挿入、更新または削除を実行することも、ときには必要になります。 開発者は、データベース・オブジェクトまたはデータへの変更を再現できるようにするために、必要に応じてデータ定義言語（DDL）スクリプトやデータ操作言語（DML）スクリプトを作成する必要があります。 そうしたスクリプトは、テストしてからソース管理システムにチェックインする必要があります。 また、サポートするオブジェクトを活用してインストール・スクリプト、アップグレード・スクリプトおよび削除スクリプトを定義することもできます。 サポートするオブジェクトは、パッケージ・アプリケーションのように第三者がインストールするアプリケーションを開発するときにもっとも役立ちます。 特定のアプリケーション外にDDLスクリプトおよびDMLスクリプトを保持し、サポートするオブジェクトを使用しないその他の開発アクティビティの場合は、DBAによりいっそうの柔軟性と制御力が提供されます。
ビルドの作成
アプリケーションをOracle Application Expressからエクスポートするのは非常に簡単で、エクスポートすると拡張子.SQLが付いた可読性の高いスクリプト・ファイルが生成されます。 このSQLスクリプトは、スクリプトをエクスポートしたOracle Application Expressと同じかそれ以上のリリースの任意のOracle Application Express環境で実行できます。 たとえば、Oracle Application Express 4.0からエクスポートしたアプリケーションは、Oracle Application Express 4.0、4.1、または4.2を実行する環境へインポートできます。 ただし、Oracle Application Express 4.2からエクスポートしたアプリケーションを、Oracle Application Express 4.1以前のリリースを実行する環境へインポートすることはできません。 アプリケーションのエクスポートにはアプリケーション定義、サポートするオブジェクト、およびプラグインをはじめとする共有コンポーネントが含まれます。 ただし、イメージ、CSSファイル、JavaScriptファイルなど、個別管理が必要なコンポーネントは含まれません。
アプリケーション全体をエクスポートする代わりに、ページなどの特定のコンポーネントを選択してエクスポートすることもできます。 この場合もSQLスクリプト・ファイルを作成します。 エクスポートした環境とは異なる環境へコンポーネントをインポートする場合は制限があります。 ベスト・プラクティスとしては、コンポーネントよりアプリケーション全体をエクスポートすることを推奨しています。
アプリケーションをエクスポートしたいのにまだテストの準備ができないコンポーネント（ページなど）がある場合は、"ビルド・オプション"を使用してさまざまなアプリケーション・コンポーネントを含めたり除外したりできます。 ビルド・オプションを使用してアプリケーション・エクスポートをカスタマイズする仕組みについて詳しくは、Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイドのビルド・オプションを使用した構成の制御を参照してください。 Oracle Application Expressの開発チームはこの機能をよく使用しますが、Early Adopterリリースを構築するときに特定のコンポーネントの機能が完成していない場合は特によく使用します。
テスト/本番環境への移動
適切な作業ユニットが完成したら、アプリケーション・ビルダーからアプリケーションをエクスポートしてソース管理システムにチェックインする必要があります。 作業ユニットを容易に識別できるようにするには、必要なアプリケーションのアプリケーション・プロパティを編集してバージョンを定義するのが一番よい方法です。 イメージ、CSSファイル、JavaScriptファイルといったその他の必要なコンポーネントも、DDLスクリプトおよびDMLスクリプトとともにソース管理システムにチェックインする必要があります。 DBAがテスト/QA環境にリリースを組み込めるようにするために、開発者は必要な全コンポーネントおよびソース管理システム内におけるそれらの位置をビルド・シートに書き込む必要があります。 テストが完了したら、本番環境用のビルド・シートをDBAに提出する必要があります。
バージョニング/アプリケーションのバックアップ
Oracle Application Expressのインストールには、アプリケーション全体のエクスポートまたはコンポーネントのエクスポートを実行できるようにする2つのJavaプログラムが含まれています。 これらのJavaプログラムについての詳細は、インストールに含まれるutilities/readme.txtファイルを参照してください。 これらのプログラムは、夜間に実行してエクスポートを直接ソース管理システムに配置するCRONジョブなどの一部として使用するのが一番よい方法です。 エクスポートしたファイルは、データベースが破損するなどの事態に備えてバックアップとして使用します。アプリケーションをデプロイするには、アプリケーションを手動でエクスポートしてソース管理システムにチェックインするのがもっともよい方法です。
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