セキュリティアドバイザリ
セキュリティ勧告: (BEA05-52.02)

作成者: BEA Systems Inc.

概要: 意図しないシステム管理者特権を防ぐためのパッチの提供

影響を受ける製品: WebLogic ServerおよびWebLogic Express

このセキュリティ勧告(BEA05-52.02)には、wlSecurityProviders.jar ファイルのインストール方法の訂正版が含まれています。この勧告においては、新しい修正または更新された修正はありません。セキュリティ勧告(BEA04-52.01)は破棄してください。このセキュリティ勧告(BEA05-52.02)がそれに取って代わります。

脅威レベル: 非常に低 - この脆弱性は、WebLogicの認証プロバイダを使用している際に、システム管理者の特定の使用パターンによって発生します。

重大度: 中 - あるグループに意図せずに管理者特権が与えられてしまいます。

WebLogic ServerおよびWebLogic Expressの特定のバージョンにおいて、セキュリティ脆弱性の原因となる可能性がある問題が確認されました。この問題を修正するためのパッチが提供されています(後続のセクションIIを参照)。BEA Systemsでは、潜在的なセキュリティの問題を最も緊急度の高い問題として取り扱い、お客様のすべての資産のセキュリティを確保するために可能な限りの措置を講じます。結果として、弊社では以下の対処策を強く提案します。

I. 以下の勧告に目を通します。
II. 対処方法を適用します。
III. 今後のセキュリティ勧告に関心をお持ちのユーザをご存知の場合は、この勧告に含まれる、登録に関する手順をぜひ転送してください。

I. 勧告

WebLogicの認証プロバイダをセキュリティレルムのデフォルトの認証プロバイダとして使用しており、以下のイベントシーケンスが発生するサイトは、この脆弱性の影響を受けます。

  1. システム管理者が1つのグループを作成します(たとえば、Group1)。
  2. システム管理者が2つ目のグループを作成します(たとえば、Group2)。
  3. システム管理者が、Group1をGroup2のメンバーにします。
  4. システム管理者は、Group2を削除し、その後、再びGroup2を作成します。

Group2は新規のグループであるにも関わらず、Group1をメンバーとして持ちます。Group1はGroup2に許可されたすべての特権を継承しているので、意図せずに特権が増えたことになります。以下で説明するパッチは、新規のグループに以前のグループメンバーが含まれてしまう問題を修正します。

この脆弱性の影響を受けるのは、WebLogic ServerおよびWebLogic Expressの次に示すバージョンです。

  • WebLogic ServerおよびWebLogic Express 8.1のサービスパック2までの全リリース(全プラットフォーム対象)
  • WebLogic ServerおよびWebLogic Express 7.0のサービスパック4までの全リリース(全プラットフォーム対象)

II. 対処方法

BEA Systemsでは、以下の一連の対処方法に従うことを強く推奨します。

WebLogic ServerおよびWebLogic Expressバージョン8.1の場合

  1. WebLogic ServerおよびWebLogic Expressバージョン8.1 サービスパック2へアップグレードします。
  2. 以下で提供されているパッチの名前をwlSecurityProviders.jarに変更します。
    ftp://anonymous:dev2dev%40bea.com@ftpna.bea.com/pub/releases/security/wlSecurityProviders81v2.jar
  3. 8.1のサービスパック2のディレクトリ構成内の wlSecurityProviders.jarのある場所に移動します。別のディレクトリにそれを移動します。注:単にファイルの名前を変更するだけでは参照を防ぐことはできません。
  4. wlSecurityProviders.jarを、先程名前変更した.jarファイルに差し替えます。
  5. 次のパッチを適用します。
    ftp://anonymous:dev2dev%40bea.com@ftpna.bea.com/pub/releases/security/CR107373_81sp2.jar
    WebLogic Serverバージョン8.1 サービスパック3には、このパッチの機能が含まれています。

WebLogic ServerおよびWebLogic Expressバージョン7.0の場合

  • WebLogic ServerおよびWebLogic Expressバージョン7.0 サービスパック5へアップグレードします。

  • BEA Systemsは、当社のすべてのセキュリティ勧告で推奨される修正をお客様が適用されることを強く提案します。またBEA Systemsは、お客様にすべてのサービスパックをリリース後直ちに適用していただくことも強く要請します。サービスパックには、以前の各サービスパックに加えて、製品の各バージョンに対するすべてのバグ修正が累積的に含まれています。サービスパックおよびサービスパックについての情報は次の場所で公開しています。

    WebLogic Server: http://commerce.bea.com/showallversions.jsp?family=WLS

    WebLogic Platform: http://commerce.bea.com/showallversions.jsp?family=WLP

    注: WebLogic ServerおよびWebLogic Expressのセキュリティについての情報は、 http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/security.htmlをご覧ください。特定のプロダクション環境のセキュリティに関する情報については、 http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/lockdown/index.htmlをご覧ください。弊社では、サーバのデプロイメントが安全にコンフィグレーションされていることをお客様が確信できるように、このドキュメントに再度目を通されることを強くお勧めします。

    III. セキュリティに関する伝達方針

    BEA製品にセキュリティ関連の問題が見つかった場合、BEA Systemsは勧告および適切な対策を示した指示を配信させていただく方針です。お客様のサイト、データ、およびコードのセキュリティは当社にとって最優先事項ですので、セキュリティ関連の問題はすべて包み隠さずはっきりとお伝えすることを約束します。

    過去のすべての勧告および通知は、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlでご覧いただけます。

    BEA Systemsでは、製品のセキュリティに関する勧告および通知の配信のみを目的とした、自由に参加できるメーリングリストを開設いたしました。ユーザがこのメーリングリストに参加しており、そのユーザが利用しているBEA製品にセキュリティ関連の問題が存在する場合、BEA Systemsは必要な勧告および指示を、適切な対処策とともに電子メールで配信させていただく方針です。

    勧告の配信登録を新しく希望するユーザは、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlの登録に関する指示に従ってください。



    IV. セキュリティ関連の問題の報告

    セキュリティ関連の問題をBEA Systemsに報告するには、 secalert@bea.comまで電子メールをお送りいただくか、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlの指示に従ってください。セキュリティ関連の問題の報告はすべて直ちに確認され、お客様のすべての資産の継続的なセキュリティを確保するために必要なあらゆる措置が講じられます。



    この勧告の信頼性についての疑問または懸念がありましたら、BEAテクニカルサポート( support@bea.com)までご連絡ください。

    ご協力ありがとうございます。
    BEA Systems, Inc.