セキュリティアドバイザリ
セキュリティ勧告: (BEA07-172.00)

作成者: BEA Systems Inc.

概要: GIFイメージ処理でのバッファオーバーフロー

影響を受ける製品: BEA JRockitおよびBEA JRockitを使用するBEA製品

脅威レベル:
BEA JRockitが動作するサーバへの悪意のあるGIFイメージのアップロードがファイルのread/writeやコードの実行が可能な権限の昇格を許可するオーバーフロー状態を引き起こす可能性があります。

重大度:
未認証の攻撃者が任意のコードを実行する可能性があります。

JRockitの特定のバージョンにおいて、セキュリティ脆弱性の原因となる可能性がある問題が確認されました。この問題を修正するためのアップグレードが提供されています(後続のセクションIIを参照)。BEA Systemsでは、潜在的なセキュリティの問題を最も緊急度の高い問題として取り扱い、お客様のすべての資産のセキュリティを確保するために可能な限りの措置を講じます。結果として、弊社では以下の対処策を強く提案します。
I. 以下の勧告に目を通します。

II. 対処方法を適用します。

III.今後のセキュリティ勧告に関心をお持ちのユーザをご存知の場合は、この勧告に含まれる登録に関する手順をぜひ転送してください。

I. 勧告

Java Runtime EnvironmentでのGIFイメージ処理中のバッファオーバーフローが悪意のあるアプレットに権限の昇格を許可する可能性があります。例えば、アプレットがローカルファイルへのread/writeのパーミッションを獲得したり、アプレットを実行しているユーザの権限でローカルアプリケーションの実行をおこなう可能性があります。アプレットをサポートするBEA JRockitの旧バージョンはこの問題の影響を受ける可能性があります。最新バージョンのBEA JRockitはアプレットの実行に使用することはできません。

特定の環境では、BEA JRockitが動作するサーバは(webアップロードを介して)悪意のある精巧なイメージを受け取りイメージをサーバ内でデコードするとこの問題の影響を受ける可能性があります。

Sun MicrosystemsのJRE脆弱性についての勧告は以下をご参照ください。
http://sunsolve.sun.com/search/document.do?assetkey=1-26-102760-1

影響およびCVSS評価:

CVSS 評価値: 8.0 (高)
攻撃元区分 (AV): リモート
攻撃条件の複雑さ (AC): 高
攻撃前の認証要否 (Au): 不要
影響: 権限の昇格。機密性、完全性、可用性の全体が影響を受ける
脆弱性のタイプ: 権限の昇格、バッファオーバーフロー
CVSS 基本値区分: (AV:R/AC:H/Au:NR/C:C/I:C/A:C/B:N)

Complete CVSS Guide: http://www.first.org/cvss/cvss-guide.html
Online Calculator: http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?calculator

この脆弱性の影響を受けるのは、BEA JRockitの次に示すバージョンです。
  • BEA JRockit R26.0.0 1.4.2_07およびBEA JRockit R26.0.0 1.5.0_04より以前のリリース
JRockit 7.0 SP6 RP1 JDK 1.3.1_20はこの脆弱性の影響を受けません。

JRockit R26.0.0以降は主にサーバ志向JVMですので、ブラウザ上でのアプレットの実行に使用することはできません。JRockit R27.2.0にアップグレードすれば、JRockitで誤ってアプレットが実行されるのを防ぐことができます。

II. 対処方法

BEA Systemsでは、以下の一連の対処方法に従うことを強く推奨します。

クライアントアプリケーション上でアプレットの実行を防ぎたい場合、最新のBEA JRockitにアップグレードしてください。アプレットをサポートする適切なセキュリティパッチがインストールされた他のJVMにアップグレードすることも可能です。JRockitのバージョンについては以下をご参照ください。

http://commerce.bea.com/products/weblogicjrockit/jrockit_prod_fam.jsp

サーバアプリケーションについてはBEA JRockit R27.2にアップグレードしてください。

R26.0より以前のリリースについては以下のパッチがダウンロード可能です。

JRockit R24.5 <1.4.2_08> (32 bit)
  1. Linux:

  2. 以下に示すパッチを一時ディレクトリにダウンロードします。
  3. ftp://anonymous:dev2dev%40bea.com@ftpna.bea.com/pub/releases/security/CR310095_CR318640_CR315192_JR-R24.5_1.4.2_08_linux32.tar.gz
    ダウンロードしたzipファイルを展開します。zipファイルには完全なJRockitインストレーションが含まれています。
  4. <BEA_HOME>下の現在のJRockitインストレーションを新しい場所に保存します。
  5. <BEA_HOME>下の現在のJRockitインストレーションをパッチのファイルで置き換えます。
  6. WebLogic Serverを再起動します。

  7. 注意: パッチのrarファイルに更新する前にオリジナルのファイルのバックアップをとられることを強く推奨します。

  1. Windows:

  2. 以下に示すパッチを一時ディレクトリにダウンロードします。
  3. ftp://anonymous:dev2dev%40bea.com@ftpna.bea.com/pub/releases/security/CR310095_CR318640_CR315192_JR-R24.5_1.4.2_08_win32.zip
    ダウンロードしたzipファイルを展開します。zipファイルには完全なJRockitインストレーションが含まれています。
  4. <BEA_HOME>下の現在のJRockitインストレーションを新しい場所に保存します。
  5. <BEA_HOME>下の現在のJRockitインストレーションをパッチのファイルで置き換えます。
  6. WebLogic Serverを再起動します。

  7. 注意: パッチのrarファイルに更新する前にオリジナルのファイルのバックアップをとられることを強く推奨します。


BEA Systemsは、当社のすべてのセキュリティ勧告で推奨される修正をお客様が適用されることを強く提案します。 またBEA Systemsは、お客様にすべてのサービス/メンテナンスパックをリリース後直ちに適用していただくことも強く要請します。 サービス/メンテナンスパックには、以前の各サービス/メンテナンスパックに加えて、製品の各バージョンに対するすべてのバグ修正が累積的に含まれています。サービス/メンテナンスパックおよびサービス/メンテナンスパックについての情報は次の場所で公開しています。

BEA JRockit: http://commerce.bea.com/products/weblogicjrokit/jrockit_prod_fam.jsp

WebLogic Server: http://commerce.bea.com/showallversions.jsp?family=WLS

WebLogic Platform: http://commerce.bea.com/showallversions.jsp?family=WLP

注: WebLogic ServerおよびWebLogic Expressのセキュリティについての情報は、
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/security.htmlをご覧ください。特定のプロダクション環境のセキュリティに関する情報については、
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/lockdown/index.htmlをご覧ください。BEA Systemsは、サーバのデプロイメントが安全にコンフィグレーションされていることをお客様が確信できるように、このドキュメントに再度目を通されることを強くお勧めします。

III. セキュリティに関する伝達方針

BEA製品にセキュリティ関連の問題が見つかった場合、BEA Systemsは勧告および適切な対策を示した指示を配信させていただく方針です。お客様のサイト、データ、およびコードのセキュリティは当社にとって最優先事項ですので、セキュリティ関連の問題はすべて包み隠さずはっきりとお伝えすることを約束します。

過去のすべての勧告および通知は、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlでご覧いただけます。

BEA Systemsでは、製品のセキュリティに関する勧告および通知の配信のみを目的とした、自由に参加できるメーリングリストを開設いたしました。ユーザがこのメーリングリストに参加しており、そのユーザが利用しているBEA製品にセキュリティ関連の問題が存在する場合、BEA Systemsは必要な勧告および指示を、適切な対処策とともに電子メールで配信させていただく方針です。

勧告の配信登録を新しく希望するユーザは、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlの登録に関する指示に従ってください。

IV. セキュリティ関連の問題の報告

セキュリティ関連の問題をBEA Systemsに報告するには、 secalert@bea.comまで電子メールをお送りいただくか、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlの指示に従ってください。セキュリティ関連の問題の報告はすべて直ちに確認され、お客様のすべての資産の継続的なセキュリティを確保するために必要なあらゆる措置が講じられます。

この勧告の信頼性についての疑問または懸念がありましたら、BEAテクニカルサポート( support@bea.com)までご連絡ください。