作成者: BEA Systems Inc.
概要: 未認可のユーザが保護された分散キューにメッセージを送信する
影響を受ける製品: WebLogic Server
脅威レベル: 中
特定の環境では、攻撃者は保護された分散キューに定義されたセキュリティポリシーを回避する可能性があります。
重大度: 高
保護された分散キューに未認可のメッセージが注入される可能性があります。
WebLogic Serverの特定のバージョンにおいて、セキュリティ脆弱性の原因となる可能性がある問題が確認されました。この問題を修正するためのパッチとアップグレードが提供されています(後続のセクションIIを参照)。BEA Systemsでは、潜在的なセキュリティの問題を最も緊急度の高い問題として取り扱い、お客様のすべての資産のセキュリティを確保するために可能な限りの措置を講じます。結果として、弊社では以下の対処策を強く提案します。
I. 以下の勧告に目を通します。
II. 対処方法を適用します。
III.今後のセキュリティ勧告に関心をお持ちのユーザをご存知の場合は、この勧告に含まれる登録に関する手順をぜひ転送してください。
I. 勧告
WebLogic JMSプロバイダの分散キューの機能はクラスタ環境で高い可用性があります。JMSクライアントが分散キューにメッセージを送信し分散キューのメンバーの一つに問題(メンバーのダウン、メンバーが割り当てを超えた、アクセス拒否等)が発生した場合、JMSサブシステムは内部的に同じ分散送り先のメンバーに再試行します。特定の環境では、未認可のユーザがセキュリティで保護された分散キューにメッセージを送信する可能性があります。この問題は正しいユーザIDが維持されるようにすることによって修正されました。
影響およびCVSS評価:
CVSS 評価値: 8.3 (高)
攻撃元区分 (AV): ネットワーク
攻撃条件の複雑さ (AC): 中
攻撃前の認証要否 (Au): なし
影響: 機密性と完全性の一部が影響を受ける。可用性の全てが影響を受ける
脆弱性のタイプ: 権限の昇格
CVSS 基本値区分: (AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:P/A:C)
Complete CVSS Guide: http://www.first.org/cvss/cvss-guide.html
Online Calculator: http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?calculator
この脆弱性の影響を受けるのは、WebLogic ServerおよびWebLogic Expressの次に示すバージョンです。
- WebLogic Server 10.0(全プラットフォーム対象)
- WebLogic Server 9.2のメンテナンスパック1までの全リリース(全プラットフォーム対象)
- WebLogic Server 9.1(全プラットフォーム対象)
- WebLogic Server 9.0(全プラットフォーム対象)
II. 対処方法
BEA Systemsでは、以下の一連の対処方法に従うことを強く推奨します。WebLogic Server 10.0
- WebLogic ServerおよびWebLogic Express 10.0メンテナンスパック1にアップグレードします。
WebLogic Server 9.2
- WebLogic ServerおよびWebLogic Express 9.2メンテナンスパック2にアップグレードします。
WebLogic Server 9.1
- Smart Updateを使用してCR321470の9.1用パッチをインストールします。
WebLogic Server 9.0
- support.bea.comからBug ID CR239280を検索し、9.0 GA コンボパッチをインストールします。
- 以下に示すパッチをダウンロードします。
-
ftp://anonymous:dev2dev%40bea.com@ftpna.bea.com/pub/releases/security/CR321470_900.jar
- パッチのjarをPATCH_CLASSPATHの最後に追加します。
BEA Systemsは、当社のすべてのセキュリティ勧告で推奨される修正をお客様が適用されることを強く提案します。 またBEA Systemsは、お客様にすべてのサービス/メンテナンスパックをリリース後直ちに適用していただくことも強く要請します。 サービス/メンテナンスパックには、以前の各サービス/メンテナンスパックに加えて、製品の各バージョンに対するすべてのバグ修正が累積的に含まれています。サービス/メンテナンスパックおよびサービス/メンテナンスパックについての情報は次の場所で公開しています。
WebLogic Server: http://commerce.bea.com/showallversions.jsp?family=WLS
WebLogic Platform: http://commerce.bea.com/showallversions.jsp?family=WLP
注: WebLogic ServerおよびWebLogic Expressのセキュリティについての情報は、
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/security.htmlをご覧ください。特定のプロダクション環境のセキュリティに関する情報については、
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/lockdown/index.htmlをご覧ください。BEA Systemsは、サーバのデプロイメントが安全にコンフィグレーションされていることをお客様が確信できるように、このドキュメントに再度目を通されることを強くお勧めします。
III. セキュリティに関する伝達方針
BEA製品にセキュリティ関連の問題が見つかった場合、BEA Systemsは勧告および適切な対策を示した指示を配信させていただく方針です。お客様のサイト、データ、およびコードのセキュリティは当社にとって最優先事項ですので、セキュリティ関連の問題はすべて包み隠さずはっきりとお伝えすることを約束します。過去のすべての勧告および通知は、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlでご覧いただけます。
BEA Systemsでは、製品のセキュリティに関する勧告および通知の配信のみを目的とした、自由に参加できるメーリングリストを開設いたしました。ユーザがこのメーリングリストに参加しており、そのユーザが利用しているBEA製品にセキュリティ関連の問題が存在する場合、BEA Systemsは必要な勧告および指示を、適切な対処策とともに電子メールで配信させていただく方針です。
勧告の配信登録を新しく希望するユーザは、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlの登録に関する指示に従ってください。
IV. セキュリティ関連の問題の報告
セキュリティ関連の問題をBEA Systemsに報告するには、 secalert@bea.comまで電子メールをお送りいただくか、 https://support.bea.com/application_content/product_portlets/securityadvisories-ja/index.htmlの指示に従ってください。セキュリティ関連の問題の報告はすべて直ちに確認され、お客様のすべての資産の継続的なセキュリティを確保するために必要なあらゆる措置が講じられます。この勧告の信頼性についての疑問または懸念がありましたら、BEAテクニカルサポート( support@bea.com)までご連絡ください。
