日本オラクル特集記事

企業とボランティアの関係。「寄付金を出す」以上にできることは

日本オラクル 広報室
室長 石川純子

企業のコーポレート・シチズンシップ活動の一環として寄付活動を行うことはごく当たり前のことであり、何も珍しいことではない。日本ファンドレイジング協会発行の「寄付白書2015」によれば、2013年度の日本における法人寄付の総額は6986億円、総法人数の16.2%である41万以上の法人が寄付支出を行っている(*1)。そんな中、日本オラクルも今年初めて法人寄付という形で、「寄付金」の提供を5つの非営利団体に行った(発表資料はこちら)。

オラクルでは、世界各国におけるコミュニティ支援の取り組みとして、長年にわたり寄付活動を行っている。2013年度から2014年度にかけては、教育振興、環境保護、雇用機会拡大、地域社会を豊かにする活動に取り組む多数のNPOに、2100万米ドルを寄付した。

日本オラクルでも、地域に根ざした継続的なコーポレート・シチズンシップ活動を行っている。本社所在地である港区の青山・表参道エリアの商店街が協力して行う「青山まつり」でのロビー・コンサートや、小・中・高校生向けにコンピュータの開発言語Javaを用いたプログラミング教室を実施するほか、自社のダイバーシティ推進ワーキンググループ活動、社内ボランティアの定例ミーティング開催など、地域貢献、教育支援、ダイバーシティ推進、人材育成など、幅広く展開している。

 

こうした展開を行うためには、社員のボランティア活動への積極的な参加が欠かせない。日本オラクルで2015年度にボランティア活動に関わった社員は745名、年間ボランティア活動数は28件と、年々ボランティア活動への積極性は増している。だが、オラクルでは「年に1回はボランティア休暇を取得すること」、「勤務時間全体のXX%はボランティア活動に充当すること」、「ボランティア活動に積極的だった社員を表彰する」というような、社員にボランティア活動を課すような制度や仕組みを設けているわけではない。社員が率先して自発的に参加しているのである。その理由はなぜなのか、日本オラクルでコーポレート・シチズンシップを担当する川向 緑は次のように語る。

「自分の持っている知識や労力で社会に何かを還元したいと考える社員が増えてきている。一度ボランティア活動に参加した社員が、活動内容に共感し、有志で集まって継続のために必要なことを話し合い実践している。もともとオラクルには自主性を重んじる文化があるが、ボランティアでも課題解決に共感した社員が自主的に活動を継続していく土壌がある」

日本オラクルによる今回の寄付活動も、この長年のコーポレート・シチズンシップ活動の流れを受けたものだが、こだわりを持って実施している。それは、寄付先の団体と長期的な関係を築き、継続的に社員がボランティアとしてその団体の活動を支援できることである。「寄付金を提供して終わり」ではなく、提供後も社員がその団体の活動に関わることで、非営利団体と協働して、よりよい社会生活の実現に一緒に貢献していくことに着目している。

「会社が寄付しました」だけでは、社員の当事者意識は高まらない。寄付金を通じて、社員がボランティア活動に関与する機会を積極的に設けることが、社員の自主性を促す。そして、オラクルで働いていることへのやりがいや誇りをもってもらうことにつながる、と考えているからだ。

個人寄付の話しにはなるが、「寄付白書2015」の調査でも、寄付とボランティア活動の両方を行った人は、いずれかのみ行った人に比べ、寄付支出額が高く、ボランティア活動時間が長くなっている、という結果が出ている(*2)。「寄付活動」と「ボランティア活動」にポジティブな相関関係があるというのは調査結果からも明らかなのである。
*2:日本ファンドレイジング協会発行 寄付白書2015 64ページ

今回の寄付対象団体は、「子どもの教育」と「職場のダイバーシティ&インクルージョン」といったテーマに焦点をあてて、次の5団体を選定した。

  • ・ 病児保育をサポートする「認定特定非営利活動法人 フローレンス」(http://florence.or.jp/
  • ・ 子どもたちへの学習支援事業をおこなう「特定非営利活動法人Learning for All」(http://learningforall.or.jp/
  • ・ 子どもたちに森林とその価値についての環境教育を提供する「特定非営利活動法人 FEE Japan」(http://www.feejapan.org/
  • ・ 児童養護施設の子供達への奨学金と職業体験支援を行う「特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル」(http://www.b4s.jp/
  • ・ LGBTがよりよく年を重ねて行ける社会づくりを支援する「認定特定非営利活動法人 グッド・エイジング・エールズ」(http://goodagingyells.net/

 

では、これらの団体と日本オラクルが、どのように協力し合えるのだろうか。例えば、「フローレンス」とは、ワーキングマザーの働く環境を企業側も改善していくという観点で、日本オラクルの社員エンゲージメント室(社員満足度向上のための取り組みをリードする専任組織)やOracle Women’s Leadership (OWL:女性リーダーの活躍を推進する組織)が協力して、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する「働き方改革」をオラクル社内でもさらに進める予定だ。

フローレンス内でも働き方改革を推進し、IT部門で全社員10日間在宅勤務などの取組みを実施しているという。日本オラクルは、日本テレワーク協会の第16回テレワーク推進賞を受賞し、総務省のテレワーク先駆者百選にも選ばれるテレワークの先駆的企業である。それぞれのベスト・プラクティスを共有することで、社員の働き方改革をさらに推進する。

「Learning for All」では、子供達への学習支援事業を行う大学生ボランティアに対し、社員が毎週または隔週、30分の電話会議で学生の課題解決をサポートするメンタリングを検討している。

「グッド・エイジング・エールズ」とは、Oracle Pride Employee Network (OPEN:オラクル社内のLGBTおよび支援者の組織)と協力し、LGBT当事者を招聘しての社内セミナー実施などで、当事者が職場で抱える課題を共有し、性的志向や性自認に関わらず、すべての社員が安心して働ける職場環境を構築するなどの連携を模索している。

前述のとおり、オラクルではボランティア活動を社員に強いるような仕組みや制度がない。社員自らの意思でボランティア活動に関わっていくような環境や雰囲気づくりへの工夫や努力も、社員の自発的なボランティア精神とそれによって創出されるアイデアから成り立っているのである。

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