SecureFilesのパフォーマンス


SecureFilesは、高いパフォーマンスとスケーラビリティを実現できるように基礎から完全に設計されています。 SecureFilesは、基本的な読取り操作と書込み操作に対して、ファイル・システムと同様のパフォーマンスを実現します。

SecureFilesの最適化されたアルゴリズムは、従来のLOBやBasicFilesと比べて最大で10倍の高速化を実現します。 Oracle SecureFilesのスケーラビリティは、ファイル・システムのスケーラビリティをはるかに上回ります。 組織は、単一のシステム・イメージを維持したままで、大型のSMPマシンを使用したスケールアップやOracle RACを使用した数百台のコンピュータへのスケールアウトを実行できます。

CPUとディスクの拡張は、それぞれ単独で、かつ透過的に実行できます。 Oracle Database 11gを使用すると、あらゆる種類のコンテンツを保管できるとともに、拡張によりペタバイト単位やエクサバイト単位のデータも保管できます。

SecureFilesのパフォーマンスに関して、詳しくはこちらのホワイト・ペーパーを参照してください。


高パフォーマンスのための設計



SecureFilesは、極めて高速なインジェスト速度を実現するよう設計されています。 デュアル・コアの3.4GHz Xeonサーバー、3つのEMC CX700ストレージ・アレイ、8つの同時ストリームを使用した、4ノードのRAC構成によるラボ設定では、読取りで776MB/秒と書込みで462MB/秒という持続的なスループットがSecureFilesによって達成されました。

市販のハードウェアとソフトウェアによるこの構成では、SecureFilesを使用して、最大38TB/日のインジェストが実現されました。


図1-1:SecureFilesによる高スループット

このテストは、SecureFilesに対してFILESYSTEM_LIKE_LOGGINGロギング・レベルとNOCACHEオプションを指定して実行されました。


スループットの比較


問合せおよび挿入に対するSecureFilesのパフォーマンスが、Linux NFS/Ext3およびLOBのパフォーマンスと比較されました。 アプリケーションによって、メタデータ行とJPEGイメージが挿入されます。 このイメージは、SecureFilesに挿入されます。また、ファイル・システム内にファイルとして挿入されます。 テスト設定は、4つの同時ストリームを備えた2ノードのRAC環境で構成されています。


図1-2:SecureFilesとNFSのスループット比較

図1-2から分かるとおり、SecureFilesの問合せパフォーマンスは、すべてのファイル・サイズにおいてLinux NFS/Ext3ファイル・システムに匹敵します。 また、SecureFilesの書込みパフォーマンスはLinuxファイル・システムを上回っています。

SecureFilesとBasicFiles(または従来のLOB)を比較したテストでは、読取りと書込みの両方のシナリオで、SecureFilesのパフォーマンスがBasicFilesまたは従来のLOBを上回りました。 アプリケーションによって、SecureFile列またはBasicFile列にメタデータ行とJPEGイメージが挿入されます。 テスト設定は、4つの同時ストリームを備えた単一ノード環境で構成されています。


図1-3:SecureFilesとBasicFilesのスループット比較

SecureFilesは、図1-3から分かるとおり、安定状態にある現実の挿入-削除-再利用シナリオ向けに最適化されています。また、SecureFilesは、BasicFilesやLOBのようにLOB索引競合による影響は受けません。 詳しくは、こちらのテクニカル・ホワイト・ペーパーを参照してください。


Oracle Multimedia



SecureFilesを使用すると、アプリケーションに変更を加えることなく、Oracle Multimediaアプリケーションのパフォーマンスを向上できます。
テスト・アプリケーションによって2つの表にビデオ・データが挿入されますが、1番目の表にはSecureFilesストレージを使用したLOB列が含まれ、2番目の表にはBasicFilesストレージを使用したLOB列が含まれています。


図1-4:Oracle Multimediaを使用したSecureFilesとBasicFilesの比較

サンプルのビデオに対してSecureFilesを使用した場合、BasicFilesの約5倍のパフォーマンスが得られました。 また、SecureFiles使用時の書込みパフォーマンスは、2~2.5倍になりました。

Oracle Content Database



SecureFilesを使用すると、アプリケーションに変更を加えることなく、Oracle Content Databaseアプリケーションのパフォーマンスを向上できます。
テスト・アプリケーションでは、Content Databaseを使用した1Mのドキュメントの読取りと書込みに対して、SecureFilesとBasicFilesのパフォーマンスが比較されました。


図1-5:Oracle Content Databaseを使用したSecureFilesとBasicFilesの比較

アプリケーションを変更せずに行ったテストでは、Content Databaseを使用した読取り(2倍)と書込み(3~4倍)の両方でSecureFilesのパフォーマンスがBasicFilesを上回りました。