Oracle VM VirtualBoxテンプレートの使用法

Yuli Vasiliev著

Oracle VM VirtualBoxでテンプレートをダウンロード、インポート、設定する方法


2012年7月公開

この記事では、Oracle VM VirtualBoxでテンプレートを使用する方法について説明します。 Oracle VM VirtualBoxを使用するためのOracle VM環境の準備方法を説明した記事と類似していますが、ここではベア・メタルではなくOracle VM VirtualBox内でのテンプレートのダウンロード、インストール、設定方法について説明します。

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Oracle VM VirtualBoxのテンプレートについて

開発者向けに事前構築されたOracle VM VirtualBox向けの仮想マシン(VM)を使用すると、配置可能なアプライアンスにパッケージ化されたソフトウェア・スタック全体を簡単にインストールして使用できるため、新しいソフトウェアのテスト手段として最適です。 さらに、単一の物理サーバー上の分離された環境で複数のVMを実行できるため、使用可能なコンピュータ・リソースをより有効に活用できます。

この記事では、例としてOracle VM Manager向けのOracle VM VirtualBoxテンプレート("Quick Start Guide for the VirtualBox Template for Oracle VM Manager"を参照)を使用します。

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: 提供されている開発者向けVMの一覧については、OTN WebサイトでPre-Built Developer VMs (for Oracle VM VirtualBox)ページを参照してください。

Oracle VM VirtualBox向けのテンプレートは、ゲスト・オペレーティング・システム(OS)とこのゲストOSに事前インストールされたソフトウェア・コンポーネントに加えて、配置に必要な設定情報で構成されています。 このテンプレートのゲストOSは、Oracle Linux 5.7です。 事前インストールされたソフトウェア・コンポーネントには、Oracle VM Manager 3.0.3のデモ・インストール、Oracle WebLogic Server 10.3、Oracle Database, Express Edition 11gが含まれます。

: Oracle VM VirtualBoxテンプレートに付属するRead Me Firstドキュメントに記載されているとおり、このテンプレートはテストおよび開発のみを目的として設計されており、 本番での使用はサポートされていません。

前提条件

この記事で説明するOracle VM Manager向けのOracle VM VirtualBoxテンプレートをインストールする前に、Oracle VM VirtualBox 4.1.8以降をホスト・オペレーティング・システムにインストールしている必要があります。 現在、Oracle VM VirtualBoxは、Microsoft Windows、Mac OS X、Oracle Solaris、Linuxを含む多数のオペレーティング・システムで使用できます。 詳しくは、Oracle VM VirtualBoxダウンロード・ページを参照してください。 その他のソフトウェアの前提条件に関して、システムによってはOracle VM VirtualBoxをインストールする前に追加パッケージをインストールする必要がある場合があります。 詳しくは、Oracle VM VirtualBox User Manualを参照してください。

また、使用するハードウェアがテンプレートの仮想マシンを実行できるかどうかを確認する必要があります。 具体的に言うと、ソフトウェアの実行を最適化するため、仮想マシンには4GBのRAMが事前構成されています。 したがって、Oracle VM VirtualBoxが仮想マシンを起動するたびに、このメモリ・サイズを割当てできる必要があります。 さらに、ホスト・システムに少なくとも15GBのテンプレート用空きディスク領域があることを確認します。Oracle VM VirtualBoxをインストールするには約10GBが必要であり、テンプレートの.ovaアーカイブには5GBが必要です。

Oracle VM VirtualBoxテンプレートのダウンロードおよびインポート

こちらのリンクを使用して、テンプレート用の.ovaファイルをダウンロードします。 ダウンロードしたファイルを、ログインしたユーザーのホーム・ディレクトリに配置すると、Oracle VM VirtualBox Manager(Oracle VM VirtualBoxのGUI)でのインポートに使用できるようになります。

Oracle VM VirtualBoxのインストールが完了していると想定して、オペレーティング・システムのスタート・メニューからOracle VM VirtualBox Managerを起動します。 Oracle VM VirtualBox Managerで「File」→「Import Appliance」を選択すると、Appliance Import Wizardが起動されます。このウィザードはインポート・プロセスを段階的にガイドします。

インポート・プロセスでは、インポートされる仮想マシンのデフォルト設定を変更できます。続いて、ライセンス条件への同意が求められます。 インポートが正しく完了すると、Oracle VM VirtualBox Managerウィンドウの左ペインに新しく作成した仮想マシンのアイコンが表示されます(図1)。

図1:

図1. テンプレートのインポート後のOracle VM VirtualBox Manager

VMのアイコンを選択すると、その設定が右ペインに表示されます。 「Settings」ボタンをクリックして設定を編集します。 便宜上、設定はカテゴリごとにグループ化されています。 たとえば、仮想マシンのネットワーク設定を編集するには、左側の「Network」アイコンをクリックしてから右側の対象設定に移動します。

多くの設定カテゴリがさらに細分化されています。 例を挙げると、仮想マシンの仮想CPU数を変更するには、左ペインで「System」を選択してから右ペインの「Processor」タブをクリックする必要があります(図2)。

図2

図2. VMのSettingsダイアログ・ボックス

ネットワーク設定に戻ると、Oracle VM VirtualBoxでは、VMにプラグインするネットワーク・アダプタの設定でいくつかのネットワーク・モードからの選択が可能である点に注意してください。 どのオプションを選択するかは、VM上で実行しているソフトウェア・コンポーネントの要件によって異なります。 ここでは、Oracle VM Managerのネットワーク要件を考慮に入れる必要があります。

Oracle VM ManagerはOracle VMアーキテクチャの主要コンポーネントであり、Oracle VM Serverとネットワークに加えて、物理ネットワーク上の異なるマシン上に存在する可能性のあるその他のVM関連リソースを構成および管理するように設計されています。 また、Oracle VM Serverはそれぞれの専用マシンにインストールする必要がある点を重視する必要があります。 つまり、実際には、Oracle VM ManagerはVMサーバーの各ホストに対してネットワーク接続されている必要があります。

上記の考慮事項によって、使用するネットワーク・アダプタに適したネットワーク・モードが決まります。 ここでは、非接続、内部ネットワーク、ホストのみのネットワーク・オプションが不適切であることは明らかです。 代わりに、VMと残りのネットワーク間のルーティング設定を行うオプションが必要です。 このような場合のために、Oracle VM VirtualBoxはブリッジ・ネットワーク・オプションを提供しています。このオプションを使用すると、ゲスト上に仮想ネットワーク・インタフェースを作成することで、最終的にホストにインストールされた物理ネットワーク・アダプタを介して通信できます。 このような仮想ネットワーク・インタフェースには固有のIPアドレスが付与されるため、ネットワーク上のその他のマシンから物理デバイスであるかのようにアクセスできます。 Oracle VM VirtualBoxのネットワーク・モード・オプションについて、詳しくはNetworking in VirtualBoxブログを参照してください。

テンプレートの仮想マシンの起動

仮想マシンを起動するには、Oracle VM VirtualBox Managerで左ペインのアイコンを選択し、「Start」ボタンをクリックします。 VMのコンソールが表示され、ゲスト・オペレーティング・システムであるOracle Linux上でのVMの起動プロセスが確認できます(図3)。

初回の起動時に、rootパスワードとネットワーク設定の入力を求められます。 システムは、指定されたインタフェースのIP情報をDHCP経由で自動的に特定しようとしますが、 失敗すると、静的なIPアドレスおよびその他のネットワーク関連情報の入力を求めます。

図3

図3. VMの初回起動時のネットワーク・プロパティ設定

Oracle VM VirtualBoxには組込みのDHCPサーバーが付属しており、使用前にこれを設定する必要があります。 ブリッジ・ネットワーク・オプションを使用する場合、組込みDHCPサーバーの使用は推奨されていません。これは、ネットワーク内で利用可能なその他のDHCPサーバーと競合する可能性があるためです。

テンプレートの仮想マシンの設定

テンプレートは付属ソフトウェアを最適に実行するように事前設定されています。 前項で学習したとおり、ユーザー側の設定作業の大半はテンプレートのVMの初回起動時に実行する必要があります。 しかし、一部の設定を後から変更する必要に迫られる場合もあるでしょう。 たとえば、ゲスト上で標準のLinux用の手順を使用してVMのIPアドレス変更できます(図4)。

図4

図4. 標準のOracle Linuxツールを使用したVMのネットワーク構成の変更

現在のVMセッションを終了するまでの間に仮想ネットワーク・インタフェースのIPアドレスを変更する場合、次のとおりに標準のLinux ifconfigコマンドを使用してターミナルからこれを実行できます。

# ifconfig eth0 192.168.100.4 netmask 255.255.255.0 up 

ただし、上記コマンドを実行する前に、rootとしてゲストに接続し直す必要があります。デフォルトで接続されているのはovmユーザーです。

テンプレートのソフトウェアの使用

この時点でVMは実行中になっているため、次に、提供されたソフトウェアを使用します。 ここでは、Oracle VM Managerを使ってみます。 このソフトウェアはOracle VM環境の管理を目的に設計されており、いくつかのOracle VM Serverを含む場合があります。これらのOracle VM Serverは異なる物理マシン上で実行され、サーバー・プール、ストレージ・リポジトリ、仮想マシン、ネットワーク、その他のリソースとして論理的にグループ化されています。

Oracle VM Managerを起動する前に、Read Me Firstドキュメントに提供されている情報をよく理解しておくことを推奨します。このドキュメントのアイコンは、ゲストのデスクトップ上にあります。 その後で、デスクトップの上部にある「Oracle VM Manager Login」アイコンをダブルクリックして、Oracle VM Managerを起動します。 次に、ログインとパスワードにadminおよびWelcome1を使用してログインします(図5)。

図5

図5. VM内で実行されたOracle VM ManagerのWelcomeダイアログ・ボックス

大半の場合、上述のようにVM内からOracle VM Managerを起動する方法が唯一の選択肢ではありません。 厳密に言うと、選択できる方法は使用するネットワーク・モードによって決まります。 したがって、ブリッジ・ネットワーク・オプションを使用する場合、ネットワーク内の任意のノードからOracle VM Managerを起動できます。 唯一の要件として、使用するブラウザがOracle VM Managerの要件を満たしている必要があります。

Oracle VMの詳しい説明はこの記事の範囲外ですが、簡単に言うと、Oracle VM Managerを使用して最初にすべき作業は、Oracle VM環境にインストールされているOracle VM Serverを見つけることです。

テスト目的でシステムにOracle VM Serverをインストールする場合、このソフトウェアはハード・ドライブ全体を専有するため、専用マシンが必要である点に注意してください。 VMファイルを含むOracle VMリソースの保存に関しては、Oracle VMストレージ・リポジトリが必要になります。このリポジトリは、たとえば、NFSファイル・サーバーまたはRAWディスクを使用したストレージ・サーバー上にインストールされます。

これらのコンポーネントがシステムにインストールされている場合、Oracle VM Managerを使用して最初に実行する手順は次のようになります。

  1. Oracle VM Serverの検出
  2. サーバー・プールの作成
  3. サーバー・プールへの検出したサーバーの追加
  4. ファイル・サーバーまたはストレージ・アレイの登録
  5. Oracle VMリソースを格納するためのストレージ・リポジトリの作成

上記手順は、標準のOracle VM Managerのインストールの後に通常検討する手順と同じであることに注意してください。 言い換えると、通常のLinuxホストでOracle VM Managerを実行する場合とOracle VM VirtualBox内で実行する場合、両者に違いはありません。 ただし、Oracle VM VirtualBoxテンプレートに付属するRead Me Firstドキュメントに記載されたとおり、このテンプレートはテストおよび開発のみを目的として設計されており、 本番での使用はサポートされていない点に注意が必要です。

興味深いことに、ここで対象としたVMを介して使用できるソフトウェア・コンポーネントは、Oracle VM Managerのみではありません。 そもそも、ゲストOSであるOracle Linuxを介してその他のソフトウェア・コンポーネントを使用したり、新規ソフトウェアをインストールしたりすることができます。CD/DVDまたはUSBデバイスを使用すると、ネットワーク・デバイスやローカル・デバイスからインストール・パッケージをロードできます。 ただし、Oracle VM VirtualBoxのゲストからUSBデバイスを使用する前に、ログインに使用したオペレーティング・システム・ユーザーがユーザー・グループvboxusersに含まれていることを確認する必要があります。 Oracle Linuxを使用している場合、Oracle VM VirtualBoxのインストールによって自動的にvboxusersグループが作成されています。

結論

この記事の目的は、Oracle VM VirtualBox用のOracle VMテンプレートの概要を示すとともに、テンプレートの入手とOracle VM VirtualBoxへのインポートによるVMの作成が簡単に実行できることを実証することでした。 次に、VM上で稼働するソフトウェアの要件に従ってテンプレートのVMを設定する方法を学習しました。

参考資料

次に、この記事で参照した参考資料のURLを示します。

Oracle VMテンプレートのWebサイトも併せて参照してください: http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/vm/templates-101937.html

著者について

Yuli Vasilievはソフトウェア開発者兼フリーランス・ライターで、コンサルタントでもあります。現在は、オープンソース開発、Javaテクノロジー、ビジネス・インテリジェンス(BI)、データベース、サービス指向アーキテクチャ(SOA)を専門としており、より最近は仮想化に特化しています。 Oracleテクノロジーに関する一連の著書があり、最新の著書はOracle Business Intelligence: An introduction to Business Analysis and Reporting(Packt、2010年)です。

リビジョン1.0、2012年7月11日

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