HP-UXとOracle Solaris 11との比較


次の表に、HP-UX 11I v3の各種側面およびOracle
Solaris 11との対応をまとめます。


目次

 ソフトウェア管理
 ファイル・システム
 ネットワークベースのファイル・システム
 サポートされるその他のファイル・システム
 バックアップ・ユーティリティ
 サポートされるデータベース
 仮想化テクノロジーの対応
 HP-UXおよびOracle
    Solarisの仮想化テクノロジーのおもな相違点
 可用性テクノロジーの対応
 HP Serviceguard
    およびOracle Solaris Clusterの概要の対応
セキュリティ・テクノロジーの対応

 

ソフトウェア管理の対応


タスクまたは機能

HP-UX 11i V3

Oracle Solaris 11

ソフトウェア・パッケージ・モデルとツール

Software Distributor。GUI、TUI、およびコマンドライン・インタフェースが付属

Image Packaging System(IPS)。GUIとコマンドライン・インタフェースが付属

単一システム・インストール

DVD、仮想メディアから、またはIgnite-UXとソフトウェア・デポを使用

LiveMedia(x86)または対話型テキスト・インストーラ(SPARC、x86)を使用してDVDから。LiveMediaおよびインストール後のカスタマイズに使用可能なUSBイメージは、IPSを使用して実行することが可能

複数のシステムの自動インストール

Ignite-UXとソフトウェア・デポ

自動インストーラとIPSソフトウェア・リポジトリ

既存のインストール済みシステムへのソフトウェア・パッケージの追加

Software Distributorツール:swinstall

PSツール:pkg install(コマンドライン)またはpackagemanager(GUI)

パッチの分析と適用

Software AssistantとSoftware Distributor

パッチ不要(代わりにパッケージ・アップデートを適用済み)

ソフトウェアの更新

Ignite-UXツールまたはUpdate-UXツール

IPSツール:pkg update(コマンドライン)。packagemanagerまたはpm-updatemanager(GUI)

更新時のダウンタイムの最小化およびリカバリの有効化

Dynamic Root Disk(DRD)

ブート環境(BE)。BE管理用のbeadmユーティリティ

カスタマイズされたインストール・イメージの作成

サンプル・スクリプトmake_media_installがIgnite-UXに付属

ディストリビューション・コンストラクタとサンプル・マニフェスト


  

ファイル・システム

ファイル・システム

説明

HP-UX 11i v3

Oracle Solaris 11

HFS

ハイパフォーマンス・ファイル・システム(HP専用)

HSFS

High Sierraファイル・システム、ISO 9660(初のCD-ROMファイル・システム)

PCFS

DOSフォーマット・ディスク上のデータとプログラムでの読取りと書込みをサポート

Oracle Solaris ZFS

汎用のエンタープライズクラスのファイル・システムで、従来のファイル・システムの機能を組込みのボリューム管理手法およびデータ・サービスに統合


(デフォルト)

UDFS

ユニバーサル・ディスク・フォーマット・ファイル・システム(DVDなどの光学式メディアに情報を保存するための業界標準フォーマット)

UFS

UNIXファイル・システム

VxFS

VERITASファイル・システム


2012年にサポート開始予定


 

ネットワークベースのファイル・システム

ファイル・システム

説明

HP-UX 11i v3

Oracle Solaris 11

NFS

ネットワーク・ファイル・システム

SMB(CIFS)

サーバー・メッセージ・ブロック(SMB)は、WindowsシステムとMac OSシステムに分散リソースを提供し、共通インターネット・ファイル・システム(CIFS)をサポート


 

サポートされるその他のファイル・システム

ファイル・システム

説明

HP-UX 11i v3

Oracle Solaris 10

Oracle Solaris 11

CTFS

契約ファイル・システム。契約を作成、制御、および監視するために使用(おもにSMFによって使用)

FDFS

ファイル記述子ファイル・システム。ファイル記述子を使用してファイルを開くための明示的な名前を提供

FIFOFS

先入れ先出しファイル・システム。データへの共通アクセス権をプロセスに付与する名前付きパイプ・ファイルを提供

LOFS

ループバック・ファイル・システム。仮想ファイル・システムの作成を許可することで、代替パス名を使用したファイルへのアクセスを実現

MNTFS

ローカル・システムのマウント済みファイル・システムの表に対する読取り専用アクセスを許可

NAMEFS

ほとんどの場合、ファイルの先頭にファイル記述子を動的にマウントするためにSTREAMSによって使用

OBJFS

オブジェクト・ファイル・システム。カーネルによって現在ロードされているモジュールの状態を記述(カーネルに直接アクセスせずに、カーネル・シンボルの情報にアクセスするためにデバッガにより使用)

SHAREFS

ローカル・システムの共有ファイル・システムの表に対する読取り専用アクセスを許可

SPECFS

特殊ファイル・システム。文字型特殊デバイスやブロック・デバイスへのアクセスを提供

SWAPFS

カーネルにより、スワッピングのために使用

TMPFS

システムの読取りと書込みのためにローカル・メモリを使用。通常、UFSファイル・システムより高速


 

バックアップ・ユーティリティ

ユーティリティ

説明

HP-UX 11i v3

Oracle Solaris 10

Oracle Solaris 11

cpio

アーカイブを保存およびリストア。ディレクトリ・ツリー構造をレプリケートしながら、ファイルとディレクトリをコピー

fbackup/
frecover

HP-UX固有のバックアップ・ユーティリティ

pax

ファイルを抽出、書込み、およびリスト。ファイルとディレクトリをコピー(cpiotarのより新しいバージョン)

tar

ファイルを抽出、書込み、およびリスト。ファイルとディレクトリをコピー(cpiotarのより新しいバージョン)

vxdump

VxFSファイル・システムのファイルを磁気テープにコピー

 

 

ufsdump

/ufsrestore

 

UFS増分ファイル・システム・ダンプを実現

 

サポートされるデータベース

データベース

HP-UX 11I v3
PA-RISC

HP-UX 11I v3
ITANIUM

Oracle Solaris
SPARC

Oracle Solaris
x86

Oracle Database 11g Release 2

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Oracle Database 11g Release 1

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Oracle Database 10g Release 2

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MySQL Database 5.6

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MySQL Database 5.5

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MySQL Database 5.1

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MySQL Database 5.0

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Sybase IQ Enterprise Edition 15.3

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Sybase IQ Enterprise Edition 15.2

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Sybase IQ Enterprise Edition 15.1

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PostrgreSQL Database

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仮想化テクノロジーの対応

タイプ

HP-UX 11i V3

Oracle Solaris 11

ハード・パーティション

HP nPars

ダイナミック・ドメイン(オラクルのSun SPARC Enterprise Mシリーズ・サーバーのみ)

仮想マシン

HP vPars
Integrity VM

-Oracle VM Server for SPARC(オラクルのSun SPARC Tシリーズ・サーバーのみ)
-Oracle VM Server for x86(Oracle Linuxを実行するx86のみ)
-Oracle VM VirtualBox(x86システムのみ)

オペレーティング・システム仮想化

HP-UX Containers

Oracle Solaris Zones(HP vPARSが使用される場合にも有効)

ネットワーク仮想化

N/A

ネットワーク仮想化

ストレージ仮想化

N/A

Oracle Solaris ZFS


 
 

HP-UXおよびOracle Solarisでの仮想化テクノロジーのおもな相違点


仮想化テクノロジー

タイプ

HP-UX 11i V3

Oracle Solaris

ハード・パーティション

HP nPars

-ダイナミック・ドメイン(オラクルのSun SPARC Enterprise Mシリーズ・サーバー)
-システムあたり最大24個のドメイン

仮想マシン

 HP vPar

-Oracle VM Server for SPARC(オラクルのSun SPARC Tシリーズ・サーバー)
-Oracle VM VirtualBox(x86サーバーのみ)

オペレーティング・システム仮想化

HP-UX Containers

Oracle Solaris Zones(オラクルのSun SPARCサーバーとx86サーバー)

ネットワーク仮想化

-サード・パーティ製アドオン
-SR-IOVフレームワーク

-オペレーティング・システムに組込み
-SR-IOVフレームワーク


仮想化テクノロジーの特性

 

HP-UX
nPars

HP-UX
vPars

HP-UX
Containers

Oracle
ダイナミック
・ドメイン

Oracle VM
Server for
SPARC

Oracle
Solaris
Zones

Oracle
VM
VirtualBox

電気的な分離

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論理的な分離

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複合CPU速度

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(ダイナミック・ドメイン上)

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動的再構成

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リソース管理

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組込みのネットワーク帯域幅共有

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組込みのネットワーク帯域幅管理

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共有SAN、iSCSI、NASストレージ

 

 

 

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物理から仮想への移行ツール

 

 

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迅速な展開のためのテンプレート

 

 

 

 

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高可用性

HP Serviceguard

HP Serviceguard

HP Serviceguard

Oracle Solaris Cluster

Oracle Solaris Cluster

Oracle Solaris Cluster

 


 
 

可用性テクノロジーの対応

機能

HP-UX 11i V3

Oracle Solaris

障害の検出、レポート、およびリカバリ

System Fault Management(SMF)

障害管理アーキテクチャ(FMA)

システム・サービスの構成と管理

init実行レベルおよび/etc/rcの起動スクリプトと停止スクリプト

init実行レベルに加えてService Management Framework(SMF)

クラスタリング

HP Serviceguard

Oracle Solaris Cluster

インフラストラクチャとシステムの監視や管理

HP System Insight Manager、HP Insight Control、およびHP Insight Dynamics

Oracle Enterprise ManagerおよびOracle Enterprise Manager Ops Center


 
 

HP ServiceguardおよびOracle Solaris Clusterの比較の概要

項目

HP Serviceguard

Oracle Solaris Cluster

構成

-2~16台のノード
-アクティブ/アクティブ、アクティブ/スタンバイ、ローリング・スタンバイ
-N+1

-2~16台のノード(Sun SPARC)、2~8台(x86)
-アクティブ/アクティブ、アクティブ/スタンバイ、ローリング・スタンバイ
-ペア、ペア+N、N*1、N*N
-Oracle Solaris Zones

インターコネクト

-イーサネット、ファースト・イーサネット、ギガビット・イーサネット
-FDDI、トークン・リング、HyperFabric2、シリアル

-イーサネット、ファースト・イーサネット、ギガビット・イーサネット
-10ギガビット・イーサネット、InfiniBand

ネットワーク・プロトコル

-IPv4、IPv6、RDS

-IPMP、トランキング、ジャンボ・フレーム、VLAN
-IPv4、IPv6、SCTP、RDS

ディスク・フェンシング

VxFSの使用時のみ

はい

ファイル・システム

Veritas VxFS

-ルート:UFS、Oracle Solaris ZFS
-フェイルオーバー: UFS、Oracle Solaris ZFS、NFS
-クラスタ: PxFS、Oracle ASM
-Oracle ASM Cluster File System(Oracle ACFS)および
Sun QFSへのサポートはまもなく開始予定

ボリューム管理

-Veritas Volume Manager
-HP-UX Logical Volume Manager

-Oracle Solaris Volume Manager
-Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)
-Oracle Solaris ZFS

仮想化サポート

-vPars

-Oracle Solaris Containers
-Oracle VM Server
-ダイナミック・ドメイン(サポート対象システム上)

監視

-システム(ハートビート)
-ネットワーク
-アプリケーション

-システム(ハートビート)
-ネットワーク
-アプリケーション
-クォーラム
-ディスク・パス
-ストレージ・リソース

ワークロード管理

はい

はい

クラスタ管理

-HP Event Monitoring Service
-HP Serviceguard Manager

-WebベースのGUI
-構成ウィザード
-オブジェクト指向のコマンドライン・インタフェース
-Oracle Enterprise Manager Ops Centerとの統合
-SMFとの統合

アプリケーション・サポート

-HP Serviceguard Extension for RAC
-HP Serviceguard Extension for SAP R/3
-IBM DB2
-Informix
-NFS
-Oracle Database
-Oracle RAC
-Sybase

-Apache
-Apache Tomcat

-DHCP
-DNS
-NFS
-Oracle E-Business Suite
-Oracle Database 11.2.0.3の単一インスタンス
-Oracle Database 11.2.0.3のOracle Real Application Clusters
-Oracle WebLogic Server
-その他のアプリケーションは保留中


 
 

セキュリティ・テクノロジーの対応

機能

HP-UX 11i V3

Oracle Solaris

詳細な権限管理

ロールベースのアクセス制御

ロールベースのアクセス制御
rootアカウントはrootロールに置き換え

セキュアなリモート・ログイン

セキュア・シェル

セキュア・シェル、X.509証明書の拡張子付き

オンディスク暗号化

HP-UX暗号化ボリュームおよびファイル・システム(EVFS)

Oracle Solaris ZFSデータセット暗号化
Oracle Solaris暗号化フレームワーク

システム強化

HP-UX Bastille

Oracle SolarisのSecure By Default構成
基本監査報告機能(BART)
 

トラステッド・コンピューティング

HP-UX Trusted Computing Base

Oracle Solaris Trusted Extensions
ラベル付きIPsec
ラベル付きOracle Solaris ZFSデータセット

ファイアウォール

IPFilter

IPFilter(SMFと統合)

アプリケーションの分離

HP-UX Secure Resource Partitions

Oracle Solaris Zones
専用ハードウェアを使用しない、ゾーンごとのプライベートIPスタック(オプション)


他の関連情報へのリンク:
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