AquaLogic BPM Suite 6.0とAquaLogic Service Busの統合
Pages: 1, 2

発行されたビジネスプロセスは、図7に示すように、AquaLogic BPM Workspaceで使用できるようになります。これは、ビジネスユーザがプロセスを操作するためのWebベースのエントリポイントの1つです。この例で は、ビジネスプロセスによってALSB 2.6内のローン申請書のサンプルが呼び出されています。サービスはビジネスプロセスの一部であるため、ワークスペースから直接呼び出すことができます。 複雑な操作やバスインフラストラクチャに関する知識は必要ありません。

ビジネスプロセスによって呼び出されたサービス
図7. ALBPMからALSBを介してビジネスプロセスを呼び出す

ALBPM内のサービスとALSBの間を行き来する機能はオーケストレーションに不可欠です。ユーザはXPDL 2.0とBPEL 2.0の両方を活用して、ビジネスプロセスをモデル化できます。また、わずか数回のクリックで、サービスを呼び出したりビジネスプロセスをサービスとして 登録することができます。

ネイティブセキュリティ

ALSBの認証要求の大半は、図8に示すように、WS-Securityのユーザ名トークンプロファイルを介して行われます。ALBPM 6.0リリースではWS-Securityがネイティブでサポートされているため、ビジネスプロセスとALSBは共通の形式で認証情報を交換して、互いに 直接やり取りできるようになっています。メッセージの認証情報の種類を操作して互いに一致させる必要はありません。ALBPMの次回の主要リリース (6.0以後)に向け、お客様の要望に基づいて他の種類のトークンについても一部調査中です。

WS-Securityのユーザ名トークン
図8. ユーザ名トークンの設定

通信速度の向上

ALSB 2.6では、他のアプリケーションでも新しいトランスポートインフラストラクチャを利用して、バスとの通信をカスタマイズできるようになっています。新し いバージョンのALBPMでは、ALSBとの双方向のトランスポートが可能です。時間をかけて改善した通信性能以外にも、トランザクションの反映やより複 雑なセキュリティコンテキストの交換機能といった新機能が搭載されています。

図9は、ALSBが受信するトランスポートの種類を選択する方法を示したものです。ALSB内部のプロセス呼び出しサービスは、通常のWebサービス要求ではなく、さらに高速なRMI over T3プロトコル通信を利用します。

AquaLogic BPM Suiteから
図9. ALSBからトランスポートを選択

図10は、ALSBから送信するトランスポートの種類の設定方法を示したものです。ビジネスプロセスをALSBに登録されたサービスとして呼び出す必要のあるアプリケーションも、最適化された通信によるトランスポートを利用できます。

Service Busからのカスタムトランスポート
図10. ALBPMから転送を選択

2つの製品間の通信性能は引き続き最適化されます。今後のリリースでは、スループットの向 上とプロセス呼び出し全体での遅延の最小化を目指す予定です。ALSBとALBPMの間の通信性能は、双方の製品が同一のマシンに(同一のJVMを使用し て)インストールされている場合、カスタムトランスポートを使用して向上させることができます。一部には性能が30%向上した例もあります。同一のJVM でカスタムトランスポートを使用すると、通常の通信に必要なソケットの使用やシリアル化を省略できます。ALBPMとALSBは別々に展開することもでき ますが、その場合、性能はネットワークパフォーマンスに左右されます。

まとめ

BEA AquaLogic BPM Suite 6.0には、優れた新機能がいくつか搭載されています。その1つとして、AquaLogic Service Busとの統合が最適化されている点が挙げられます。この統合を行うと、WSDLを操作する必要なしにAquaLogic Service Busとの間で直接サービスの登録や呼び出しができる、WS-Securityのユーザ名トークンプロファイルを使用するネイティブセキュリティがサポー トされる、新しいカスタムトランスポートを使用して2つの製品間の通信性能を向上できる、といったメリットがあります。ユーザはAquaLogic BPMからこれまでより簡単にオーケストレーション機能を利用できるようになり、AquaLogic Service Busの管理、ルーティング、SLAに関するすべての機能を活用してメリットを得ることもできます。

Alex Toussaintは、BEA Systemsのシニア プロダクト マネージャです。Alexは、AquaLogic BPMチームの一員であり、製品計画および戦略を担当しています。