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■Oracle AWMの基本操作は以下のOTNサイトに掲載されていますが、簡単におさらいしてみましょう。
http://www.oracle.com/technology/obe/obe10gdb/bidw/awm/awm.htm
Oracle AWMを起動すると何もオブジェクトがない画面が表示されますので、「データベース」を選択して右クリックのメニューで「データベースをツリーに追加」を選択します。
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ここで接続対象のデータベースの名前と、接続情報を入力します。データベース・オブジェクトを作成したらツリーを開くか、右クリックメニューで「データベース~に接続…」を選択すると、 以下のダイアログが表示されます。ここにデータベースのユーザー名とパスワードを指定します。今回はデモスキーマを作成したGLOBALユーザーで接続しますので、それらを入力します。
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すると、スキーマの下にAWが表示されます。前述のComplete状態のデモスキーマをインストールした場合は、すでにAWの下にディメンションなどの各オブジェクトができていると思います。
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いくつかオブジェクトを見てみましょう。ディメンションの下にあるTIMEを選択して、右クリックのメニューから「データTIMEを表示…」を選択します。すると、下図のような画面が表示されます。
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これでTIMEディメンションの階層構造が分かります。残念ながら、複数の階層を持つディメンションはデフォルトの階層だけしか見ることができません。
今回のデータでは、CUSTOMERディメンションが複数の階層を持っています。そのような場合はデフォルト階層を切り替えてみてください。
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次にメジャーを見てみましょう。データウェアハウスの世界ではファクト、メジャー、キューブなどいろいろな言葉が様々な意味で使われていますが、Oracle OLAPでは、メジャーは数値型のデータ1つ1つを指します。例えば売上金額や売上数量などです。そのほかに「キューブ」という言葉も使われます。キューブは同じディメンション構成を持つメジャーをまとめたものです。例えば、先ほどの売上金額と売上数量は同じ単位(データの細かさ、。粒度とも呼びます)で発生するため、まとめて管理したほうがよさそうです。そのような場合に1つのキューブに含めて扱います。
用意したサンプルデータにはUNIT_CUBEというキューブがあり、その中にUNITS、SALES、COSTSという3つのメジャーがあります。このうちUNITSを選択して右クリックメニューから「データUNITSを表示…」を選択してみてください。表示された画面は通称「データ・ビューア」で、多次元キューブとしてデータベースに格納された値を表示することができます。さらに「All Years」と「All Customers」の左の三角をクリックしてみてください。これがドリルダウンという操作に相当します。
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上記のような画面が表示されたでしょうか。お使いのマシンにもよりますが、データを表示する速度が速いと感じませんでしたか。
同じデータを、SQL文で明細データからGROUP BYを使って表示しようとすると、もう少し時間がかかると思ったのではないでしょうか?
それこそが、Oracle OLAPの第1の利点である「事前集計により検索が早い」です。現在ではMaterialized Viewなどで事前集計してパフォーマンスを速くすることができますが、OLAPは以前から事前集計をして上位のレベルのデータを保持するため、高速な検索パフォーマンスを実現していました。それこそが思考の展開を妨げないために必須のテクノロジーだったのです。ただしこの点については、利点である反面、欠点である「バッチ処理に時間がかかる」、「ディスク容量を消費する」という問題と表裏一体でもあります。
| Oracle OLAPのすごい点:「事前集計により検索が早い」 |
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