Oracle Net Services
|
概要
Oracle Net Servicesは、スケーラブルかつセキュアで簡単に使用できる、Oracle環境のための高可用性ネットワーク・インフラストラクチャを提供します。また、ネットワーク構成および管理の複雑性の緩和、パフォーマンスの最大化、ネットワーク・セキュリティと診断機能の向上を次の点で実現します。
- 接続性:
Oracle Net Servicesは、クライアント・アプリケーションからOracleデータベース・サーバーへのネットワーク・セッションを有効化します。ネットワーク・セッションが確立されると、Oracle Netはクライアント・アプリケーションおよびデータベース・サーバーのデータ配送の役目を果たします。Oracle Netは、クライアント・アプリケーションとデータベース・サーバー間のメッセージ交換に加え、接続の確立および維持を行います。
- 管理性:
位置の透過性、一元化された構成と管理、迅速なインストールと構成を含みます。
- 位置の透過性:
このサービスは、データベース・クライアントがターゲット・データベース・サーバーを識別できるようにします。このため、Oracle Netディレクトリ・ネーミング、ローカル・ネーミング(TNSNAMES.ORA)、ホスト・ネーミング、および外部ネーミングというネーミング・メソッドが提供されています。
- 一元化された構成と管理:
大規模ネットワーク環境において、管理者が集中化されたリポジトリ(Oracle Internet DirectoryなどのLDAP準拠のディレクトリ・サーバー)に容易にアクセスして、ネットワーク構成の設定および修正を実行できるようになっています。
- 迅速なインストールと構成:
Oracleデータベース・サーバーおよびクライアントのネットワーク・コンポーネントは、ほとんどの環境で使用できるよう事前設定されています。Oracleデータベース・サービスは、各種のネーミング・メソッドを使用して解決されます。その結果、インストール直後にクライアントとサーバーを接続できます。
- パフォーマンスとスケーラビリティ:
データベース常駐接続プール(接続プーリング)、共有サーバー(セッション多重化)、スケーラブルなイベント・モデル(ポーリング)により、高いパフォーマンスとスケーラビリティが実現されます。
- ネットワーク・セキュリティ:
Oracle Net Servicesは、ファイアウォール・アクセス制御およびプロトコル・アクセス制御の機能を使用して、データベースのアクセス制御を可能にします。
- 診断性:
診断用のパフォーマンス解析ツールであるTrace Assistantは、問題が発生した場合に、問題の発生源とコンテキストに関する詳細情報を提供します。
Oracle Net Servicesの詳細は、
Oracle Database Net Services管理者ガイドを参照してください。
Oracle Database 12cの新機能
Oracle Database 12
cでのNet Servicesの新機能は、以下のとおりです。
- Oracle Real Application Clustersに対するパブリックVIP経由でのInternet Protocol Version 6(IPv6)アドレッシングと接続のサポート(詳しくは、以下のIPv6 Statement of Directionを参照してください)
- データベース統合やGlobal Data Servicesなどの新しいアーキテクチャに対するネットワーク・サポート
- セッション・データ・ユニット(SDU)サイズの上限を2MBに拡張。大きいSDUサイズは、アプリケーション特性に応じて、帯域幅遅延積の高いネットワークで有効な帯域幅とホスト・リソースを有効活用するために使用されます。
- Advanced Network Compression。この機能は、ネットワーク経由で送信されるデータ量を減らすために使用されます。
sqlnet.oraファイルの新しいパラメータを使用して圧縮を有効化し、望ましい圧縮レベルを選択します。詳しくは、下記のAdvanced Network Compressionホワイト・ペーパーを参照してください。
- 切断された接続の検出が拡張され、終了済みの接続の検出にかかる時間が短くなりました。終了済みのクライアントを検出するには、
sqlnet.oraファイルにSQLNET.EXPIRE_TIMEパラメータを設定します。TCP keepaliveチューニングがシステムでサポートされている場合、Oracle Net Servicesは、自動的にこの拡張された検出モデルを使用し、各接続レベルでTCP keepaliveパラメータを調整します。
- インテリジェントなクライアント接続の確立機能は、接続記述子のアドレス文字列で、応答のないノードに対する接続試行の優先度を下げます。この機能を使用するために構成を変更する必要はありません。
- 次のOracle Net Servicesコンポーネントに対して、プロセス障害が発生した場合のインシデント生成機能が追加されました。
- Oracle Net Listener
- リスナー制御ユーティリティ(LSNRCTL)
- Connection Manager Administration(CMADMIN)
- Oracle Connection Manager Gateway(CMGW)
Oracle Database 11g Release 1とRelease 2での新機能
Oracle Database 11g Release 2におけるOracle Net Servicesの新機能は、以下のとおりです。
- 単一インスタンス・データベースに対するInternet Protocol Version 6(IPv6)アドレッシングと接続(詳しくは、下記のIPv6 Statement of Directionを参照してください)
- Oracle Restartは、シングル・インスタンス環境において、ハードウェア/ソフトウェア障害時、またはホストの再起動時にリスナー、データベース、およびその他のOracleコンポーネントを再起動します。
- 各IPアドレスに対するCONNECT_TIMEOUTとTRANSPORT_CONNECT_TIMEOUTのサポート
- CIDR表記法と有効なノードの確認のためのワイルド・カードのサポート
Oracle Database 11g Release 1におけるOracle Net Servicesの新機能は、以下のとおりです。
- ネット・ネーミングに対する認証済みLDAPアクセスのサポート
- パフォーマンスの向上
- 一般的な用法のシナリオに対応するFastpathによる透過性の強化(特別な設定は不要)
- バルク/大規模データ転送(SecureFile LOBなど)のための効率的なネットワークのサポート
- PHPとプロセス・ベース・システムに対応する効率的なイベント・ディスパッチ・メカニズム(透過的に適用され、特別な設定は不要)
- 高可用性のための高速再接続:終了済みインスタンスの効率的な検出と接続時フェイルオーバー
- データベース常駐接続プールのサポート
- 簡易接続ネーミング・メソッドの拡張
>> Oracle Database テクノロジー・インデックスに戻る